JIS S 0042:2010 高齢者・障害者配慮設計指針―アクセシブルミーティング | ページ 3

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S 0042 : 2010
表4−会議運営,設営及び備品に関する配慮する要素
この要素への配慮は,建物及び会議室の構造並びに主催者の運営体制を考慮し,可能な範囲での対応が望まれる。
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
会議室の運営(伝達方法,会議室内の情報提供など),会議
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) 触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害h)-1) h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
室の設営(備品,位置など)に関する配慮する要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
1 参加者の特性に応じて,会議会場の設営を行う。
1-1 良質な照明(反射が起こらない)を設営する。
1-2 盲導犬などの身体障害者補助犬が同席する場合は,動
物アレルギーのある人に配慮する。また,犬と人とが
共存できるスペース及び排せつ(泄)をするスペース
も確保する。
1-3 前列又は講演者に近い席を確保する。
1-4 通訳,情報保障手段(ループなど)を数人で共有する
場合は,席順を考慮する。
1-5 基本的には段差なしが望ましいが,困難な場合にはス
ロープなどで段差を解消する。
1-6 会議室は,机及びいすの単純な構成を基本とし,壁側
には物を置かないようにする。
1-7 机及び床のコントラストをはっきりする。
1-8 良質の視覚情報,表示及びシンボルを採用する。
1-9 騒音(背景音)を軽減させる(例 : いすの脚にカバー
を付ける。)。また,じゅうたん,壁・天井の材質など
にも配慮する。
1-10 会議の場合,司会・通訳・全体ができるだけ視界に入
る席(ロの字,コの字,円卓など)を確保する。
1-11 良質の音響(音量・音質)を準備する。
1-12 窓,ドア及びパーテーションを閉めて,空調の音及び
外部の音を遮断する。
1-13 良質の照明(照明する場所を細かく調整できる。)を
確保する。
1-14 しゅう(羞)明などによる視界不良への配慮を行う(カ
ーテン,ブラインドなどを使用)。
1-15 衝突の危険性又は移動の際の障害となる設備機器の
設置を避ける。
1-16 テーブルの下に車いすのフットサポート又はアーム
レストがつかえないスペースを確保する。一般的に
は,テーブルの上面までの高さは70 cm,下面までの
高さは67 cmを推奨するが,できるだけ高さ調節可
能なテーブルを準備する。
2 参加者の特性に応じて,運営の仕方に配慮する。
2-1 点字版プログラム,点字版座席表を用意するほか,当
日のプログラム内容又は出席者を口頭で紹介する。
2-2 話し手の見える席(通訳がいる場合は,通訳及び話し
手が両方視界に入る席)を確保する。
2-3 1時間ごとに休憩をとる。

――――― [JIS S 0042 pdf 11] ―――――

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S 0042 : 2010
表4−会議運営,設営及び備品に関する配慮する要素(続き)
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
会議室の運営(伝達方法,会議室内の情報提供など),会議
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) h)-1)
触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害 h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
室の設営(備品,位置など)に関する配慮する要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
2-4 要約筆記通訳者が要約筆記通訳(ノートテイクなど)
を行う際に,筆記がしやすいよう十分な作業空間を確
保する。
2-5 補聴支援システム又は赤外線補聴装置を準備し,使用
に影響しないように留意する。
2-6 通訳者及び通訳設備が入れる広さを確保する。
2-7 OHP,プロジェクタの投影が見づらくならない明るさ,
及び手話通訳などが見づらくならないようにスポッ
ト,スクリーンなどの明るさを確保する。
2-8 点字速記タイプライタを使用する場合は,机の確保。
手話通訳を使う場合は,自由に動かせるいすの確保。
接近手話のためには,十分なスペースを確保する。
2-9 体温調整ができない人に対して,設定温度の調整を行
う。
2-10 視覚的情報伝達を行う(スクリーンを使用して文字
情報で情報伝達を行うなど。)。
3 参加者の特性に応じて,備品を整える。
3-1 マイク(通常のマイク,補聴支援用マイクなど)
3-2 点字ピンディスプレイ,点字板,パソコン(画面読み
上げソフトウェア付),点字タイプライタなど
3-3 拡大読書器
3-4 ICレコーダー,ルーペ,スタンド(手元灯),点字速
記タイプライタ,画面拡大ソフトウェアなど
3-5 補聴支援システム(数本のマイクをループと接続),
赤外線補聴装置,FM送受信装置など
3-6 パソコン(筆記通訳の場合),パソコン接続のための
電源コンセントなど
3-7 大画面モニターテレビなど
3-8 OHP,OHCなど(手書き要約筆記通訳の場合に必要)
3-9 プロジェクタ,スクリーン(ビデオ又はプレゼンテー
ション資料の投影とは別に文字通訳用に必要。)
3-10 手話通訳及び字幕が使えるような設備。また,人数
に応じて,全体手話通訳者が立つ台(特に机の配置
が教室形式の場合)を準備。
3-11 ホワイトボード(黒板),マグネット,マーカー(チ
ョーク)など
3-12 紙・筆記用具(要約筆記用)
3-13 机又は台(要約筆記用)
3-14 握りやすいグリップの筆記用具
3-15 資料を1枚1枚はずしやすいクリップ

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S 0042 : 2010
表5−会議資料(印刷方法,種類など)に関する配慮する要素
この要素への配慮は,会議を進める上で重要となる要素であるため,参加者の希望に沿う方法での配慮が必要である。
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
会議資料(印刷方法,種類など)及び会議中における情報保
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) 触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害h)-1) h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
障(通訳など)に関する配慮する要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
1 当日配布資料(検討資料など)は,事前に参加者及び関係者に送付する。
1-1 会議前のなるべく早いうち,少なくとも1週間前までに
資料(あいさつ文など含めすべての資料)を送付する。
1-2 通訳者にも事前に資料(あいさつ文など含めすべての資
料)を送る。
1-3 会議資料のほか,当日使用するビデオ・スライドなどの
資料を事前に渡すか説明する。
2 参加者の特性に合わせて資料を作成する。
2-1 参加者の希望に応じて,拡大文字・電子データ・音声テ
ープ・点字・デジタル音声などで配布資料を用意する。
2-2 拡大文字又は希望するポイントにして資料を作成する
(拡大文字は22ポイント,ゴシック体を基本とするが,
使用者の状況に合わせることが望ましい。)。
2-3 訂正や変更は,視覚的伝達方法(スクリーン使用,手話
通訳など)で行う。
2-4 黒地に白文字を使用する。
2-5 分かりやすい文章(センテンスを短かく)・ふりがな・
ひらがな・大きい文字。画像又は映像は,はっきり分か
りやすいものを準備する。
2-6 長文・難しい内容・単語の多いものは,必要なところを
抽出し(大事なポイントを抜き出し),分かりやすく表
現する。
2-7 資料は,箇条書きで理解できる文章のものを別途用意す
る。
2-8 印刷資料又は配布資料は読みやすくする(文字の大き
さ・フォント,色を使う場合は,コントラストをはっき
りする。)。
2-9 視覚的な情報(ビデオ,DVDなど)の上映の場合は,
手話又は字幕を可能な限り付ける。難しい場合は,別の
方法(手話通訳,要約筆記など)で内容を伝える。
2-10 パワーポイントの資料は,ページで2コマ以内にする。
2-11 パワーポイントなどを使用する場合は,コントラスト
をはっきりさせて見やすいようにする。
2-12 文字の間隔(字間)を開けすぎない。
2-13 情報は色だけに頼らず,分かりやすい表現を用いる。
2-14 記号などで,点字になると表記が変わってしまうもの
があることに留意する。
2-15 点字で情報を提供する場合,図表のタイトルを図の中
に画像として入れ込まないように配慮する。
2-16 専門用語又は固有名詞などで読み方が難しい漢字には
ふりがなを付ける。
2-17 専門用語などで略語表示する場合は,初出のときに説
明を付ける。

――――― [JIS S 0042 pdf 13] ―――――

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S 0042 : 2010
表6−会議中における情報保障,議事進行及び決議事項に関する配慮する要素
この要素への配慮は,会議を進める上で重要となる要素であるため,できるだけ参加者の希望に沿う方法での配慮が必要である。
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
会議中における情報保障及び議事進行(適切な速さ,電子
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) 触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害h)-1) h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
媒体を用いる場合など)に関する配慮する要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
1 必要な支援者(介助者・通訳者・補助者)を配置する。
1-1 介助者(手引きなど)
1-2 通訳者
1-2-1 手話通訳者
1-2-2 弱視手話通訳者
1-2-3 触手話通訳者
1-2-4 指文字通訳者
1-2-5 指点字通訳者
1-2-6 点字速記タイプライタ通訳者
1-2-7 手書き(手のひら書き)通訳者
1-2-8 要約筆記者
1-2-9 音声通訳者
1-2-10 パソコン通訳者
1-3 補助者
1-3-1 資料等をめくるなどの補助者
1-3-2 本人の代わりに意見を述べる補助者
1-3-3 情報を分かりやすく,簡単・簡潔に伝える補助者
1-3-4 認知できない部分をサポートする補助者
2 発言するときには,各障害特性に応じて配慮を行う。
2-1 本人が発言するときにサポートできる補助者を配置す
る[本人の意思又は考えを明確に伝えられる人。重度
の場合は,その意図をく(汲)んで話せる人の配置]。
2-2 資料がめくれない場合は,サポートする。
2-3 発言者は図又は表については,言葉による説明を加え
る。
2-4 発言者が,黒板,フリップなどを使う場合は,その内
容を示している部分を音読する。また,指示語(“これ”,
“それ”,“あれ”など)は使用しない。また,資料の
ページをいう場合,点字,拡大版でのページも伝える。
2-5 通達事項は,口頭でも必ず伝える。
2-6 参加者の紹介を行う(通訳者を含め席順など)。
2-7 会議時間割をあらかじめ伝える。
2-8 マイクを使用するときは,口の形も見えやすいように
する。

――――― [JIS S 0042 pdf 14] ―――――

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S 0042 : 2010
表6−会議中における情報保障,議事進行及び決議事項に関する配慮する要素(続き)
障害種別
a) 視覚障害 b) 聴覚障害 c) 盲ろう d) e) f) g) h) 下肢障害 i) j) k) l) m)
会議中における情報保障及び議事進行(適切な速さ,電子
a)-1) a)-2) a)-3) b)-1) b)-2) c)-1) c)-2) c)-3) c)-4) h)-1)
触覚障害 味覚・き 平衡機能 上肢障害 h)-2) 発声障害 知的障害 記憶障害 言語・ アレル
媒体を用いる場合など)に関する配慮する要素
盲 弱視 色覚障害 ろう 難聴 全盲ろう 全盲難聴 弱視ろう 弱視難聴 ゅう(嗅)障害 車いす つえ使用 読み書き ギー
覚障害 使用 障害
2-9 言葉をはっきりと,文を区切ってゆっくりと,明りょ
う(瞭)に話す。
2-10 発表の内容は,通訳を通しても理解しやすいように
する。
2-11 発言は一人一人終わったことを確認してから発言し
てもらう(割込みは避けるようにする。)。
2-12 発言者(司会者)は,通訳体制が整っているかを確
認する。
2-13 発言するときは,自分の名前を言う。
2-14 ゆっくりと全員に伝わるまで次の発言を控える。
2-15 口頭での発言が難しい場合は,意思を表すカード
(“賛成”,“反対”,“分からない”などを分かりやす
いイラスト又は色を用いたもの)を作成し配布する。
2-16 会議の流れを事前に伝える(項目ごとの所要時間,
休憩時間など)。また,時間があいまいだと不安にな
ることがあるため,時間を伝えるようにする。
2-17 ホワイトボード,OHP,パソコンなどの文字で確認
する。
2-18 あいまいな決議での確認は難しいので,賛成か反対
か,理解できたかできなかったかなどはっきしりし
た決議を行う。
2-19 本人の意思を確認するために,通訳者又は補助者の
サポートを受ける。
2-20 議事録の作成を行い,確認をする。
3 当日に変更される事項又は予期せぬ状況に対しては,柔軟に対応する。
3-1 過剰な残響又は騒音に対処する。
3-2 発表者又は必要な場合には通訳者にもスポットライ
トを当てて,はっきり見えるようにする(手話など。)。
3-3 変更事項などは,映像だけでなく口頭でも伝える。
3-4 スクリーン,ホワイトボードなどが見やすい席を確保
する。
3-5 変更事項を点字プリンタ,点字タイプライタなどを用
いて紙媒体で伝える。

――――― [JIS S 0042 pdf 15] ―――――

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JIS S 0042:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 0042:2010の関連規格と引用規格一覧