JIS S 3241:2022 家庭用浄水器 | ページ 5

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なお,試料液の採水量は,式(1)によって,供試浄水器内の滞水質量(Ma)とし,その滞水質量は水道水
を満水にしたときの供試浄水器の質量(Mf)から未使用時の供試浄水器の質量(Me)を差し引いて求める。
Ma=Mf−Me (1)
ここで, Ma : 滞水質量(g)
Mf : 満水時の質量(g)
Me : 未使用時の質量(g)
図15−連続式浄水器の試験装置の例
7.10.2 回分式浄水器の場合
未使用の浄水カートリッジを組み込んだ供試浄水器を当該浄水器の使用方法によって初期通水後,基準
省令に定める方法に示された浸出液を通常の使用方法に従い,3回通水を繰り返す。再度,浸出液を通水
し,水温を維持しながら16時間静置後にろ過水を採水して試料液とし,試料液が浸出基準に適合するかを
確認する。
なお,試料液の採水量は,ろ過水全量とする。

7.11 ろ過水容量試験

  浄水を貯留する回分式浄水器のろ過水容量は,JIS S 3201の6.6(ろ過水容量試験)の規定によって試験
を行う。

7.12 ろ過水の衛生性能試験

  ろ過水の衛生性試能験は,供試浄水器の浄水中の一般細菌及び大腸菌について行うものとし,次による。
a) 供試浄水器の準備 新たな浄水器を供試浄水器とする場合は,あらかじめ製造業者の指定する方法に
よって初期運転を行う。
b) 試験操作 供試浄水器を通常の状態で運転し,貯留されたろ過水を通常の方法によって浄水出口から
吐水してあらかじめ滅菌された採水瓶に採水し,これを試料液とする。
なお,試料液は,採水後12時間以内に試験する。
c) 採水の方法 採水は,次による。なお,7.2.2.2 に規定するろ過能力試験のうち,遊離残留塩素ろ過能
力試験と並行して行う。

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1) 遊離残留塩素ろ過能力試験について,JIS S 3201の6.4.2(遊離残留塩素除去性能試験)のb) の規
定によってろ過水を採水し,サンプル1とする。
2) その後,ろ過を停止し供試浄水器内に24時間静置した後,当該浄水器の使用方法によって通水した
ろ過水を採水し,サンプル2とする。
d) 分析の方法 採水したサンプル1及びサンプル2の試料液全てについて,一般細菌及び大腸菌を分析
する。分析方法は,水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生
労働省告示第261号)による。

7.13 遊離残留塩素濃度調整機構の性能試験

7.13.1 原水の調製
JIS S 3201の6.4.2 a) に規定する方法によって原水を調製する。ただし,遊離残留塩素濃度は,0.5 mg/L
±0.1 mg/Lを維持するよう調製し,これを原水とする。
7.13.2 供試浄水器の準備
JIS S 3201の6.4.2に規定する装置及び方法によって供試浄水器を初期通水後,供試浄水器がもつ遊離残
留塩素濃度調整機構を製造業者の指定する方法によって調整する。
7.13.3 試験操作
JIS S 3201の6.1(ろ過流量試験)のb) 1)に規定する方法によって,10分間通水した後,通水を維持し
たまま,流量を15 L/minに調節し,そのときのろ過水を採水する。
7.13.4 測定
採水したろ過水は,JIS S 3201の6.4.2 c) に規定する方法によって速やかに遊離残留塩素濃度を測定す
る。

8 維持管理の実施

  浄水器は,表2に規定する性能を維持するための管理を適切に実施しなければならない。
なお,維持管理は,製造業者などが行うものと使用者が行うものとに区分し,特に使用者が行うものに
ついては,取扱説明書に適切な維持管理方法を明確に表示しなければならない(箇条12参照)。
注記 POE形浄水器の維持管理は,このほか,附属書A参照。

9 検査方法

  浄水器の検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査の項目はそれぞれ次による。
なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。
注1) 製品の品質が,設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査
注2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計·製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める特
性が満足するものであるかどうかを判定するための検査
a) 形式検査項目 形式検査項目は,次による。

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なお,主要部材の仕様を変更した場合などについては,品質に仕様変更による変化がないと考えら
れる項目については,省略してもよい。
1) 外観(浄水器完成品及びそれを使用するための部材)
2) ろ過流量
3) 浄水能力
4) 最小動水圧
5) 耐圧性能
6) 水撃限界性能
7) 逆流防止性能
8) 操作性能
9) 耐久性能
10) 耐寒性能
11) 浸出性能
12) ろ過水容量
13) ろ過水の衛生性能
14) 遊離残留塩素濃度調整機構の性能
15) 構造
16) 材料
17) 表示
b) 受渡検査項目 受渡検査項目は,次による。
1) 外観(浄水器完成品及びそれを使用するための部材)
2) 表示

10 こん(梱)包

  浄水器の輸送·保管の条件において,製品及びその品質が毀損しない包装及びこん包材でなければなら
ない。
なお,輸送·保管の条件は,製造業者ごとに輸送ルート,輸送手段,保管環境及び保管期間を想定して
設定する。

11 表示

  この規格の全ての要求事項に適合した浄水器には,本体又は包装容器の見やすい場所に容易に消えない
方法で次の事項を表示しなければならない。ただし,b) 及びk) は,本体及び包装容器いずれにも表示し
なければならない。なお,i) 及びj) は,浄水器の種類によって,該当する場合に表示する。
a) この規格の番号及び名称
b) 製造業者名又はその略号,並びに住所及び/又は電話番号
c) 材料の種類 材料の種類の表示は,浄水器本体,ホース,その他の部分品の接水する部位に主として
使用する材料の名称を表示する。

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d) ろ材の種類
e) ろ過流量
f) 使用可能な最小動水圧
g) 浄水能力 浄水能力の表示には,試験方法も表示する。
例 遊離残留塩素(総ろ過水量2 500 L,除去率80 %,JIS S 3201試験結果)
h) ろ材の取替時期の目安
i) ろ過水容量
j) POE形浄水器であること,設置届けが必要であることを表示する。
k) 使用上の注意 使用上の注意には,衛生のため,一定期間使用しない場合の適正な放流時間(水量)
を適切な場所に表示する。

12 取扱説明書

  取扱説明書には,次の事項を含めなければならない。
a) 使用方法に関する事項
b) 使用上の注意に関する事項 使用上の注意の表示に際しては,次に掲げる事項を製品の品質に応じて
適切に表示すること。ただし,該当する事項がない場合にはこの限りではない。
1) 水道水等通常の飲料に供する水を使用する旨
2) ろ材の取替時期の目安は使用水量,水質,水圧によって異なることがある旨
3) 熱湯を流さない旨
4) 浄水した水はできるだけ早く使用する旨
5) 夜間等長時間使用しなかった場合においては,水質悪化のおそれがあるので適切な放流時間をとる

6) 凍結のおそれのある場所に設置する場合は,内部を凍結させないよう注意する旨
c) 浄水の取扱いに関する事項
d) 製品の取付けがある場合は,取付けに関する事項
e) 交換浄水カートリッジろ材などがある場合は,取替時期及び交換方法に関する事項
f) 製品の日常の手入れに関する事項
g) 問題発生時の対応,及びアフターサービスに関する事項
h) POE形浄水器の設置についての届出(設置届けなど)に関する事項及び設置に関する書類の保管に関
する事項
i) POE形浄水器の使用者における管理義務に関する事項
1) 水道事業における水道水の安全性の確保のための逆止弁の設置に関する事項
断水時などで給水管が負圧になるなどのいかなる場合においても,POE形浄水器の浄水が給水管
に逆流することがないような手立てが必要である旨
2) 水道事業者が水道法施行規則に定める遊離残留塩素の確認のための,直圧の給水栓である一次側採
水栓の設置に関する事項
水道事業者と使用者との責任分界点において0.1 mg/L以上の濃度の遊離残留塩素が確保されてい
ることを確認するため,POE形浄水器の一次側に一次側採水栓を設ける必要がある旨

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注記 POE形浄水器の維持管理は,このほか,附属書A参照。
j) その他必要とする事項

――――― [JIS S 3241 pdf 25] ―――――

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