JIS T 0401:2013 ステントグラフトの機械的試験方法 | ページ 2

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する。自己拡張型でない試料の場合には,拡張された状態からの縮径だけを測定する。
d) 速度(引張り又は圧縮)としては,15 mm/minを基本とし,試料の径などによって適切な速度で行
う。
試料が実際に臨床で使用される状態を想定し,測定の上限変位又は荷重を設定する。
e) 試料がとげ(棘),フックなどの血管内壁に物理的に固定するための機構及び部材をもつ場合には,試
験結果に影響しない方法で除去し,測定することが望ましい。
f) 温度制御は,通常,37±2 ℃とする。ただし,室温又は必要に応じて生理食塩水などの液中で行って
もよい。
g) 負荷荷重測定用ロードセルは,必要に応じて定期的(例えば,2年以内)に校正しなければならない。
h) 試験条件が上記と異なる場合は,結果にその旨を付記する。
引 F1



(N)
M
チャック間の変位(mm)
図3−荷重−変位曲線

4.4 半径方向の力の結果の表し方

  荷重−変位曲線(図3参照)から,臨床使用上必要な径(例えば,自己拡張型では初期径の8割程度)
での負荷,又は式(1)を用いて単位面積当たりの半径方向の力を求める。
図4に示した荷重負荷時のクロスヘッドの移動距離Mを,円周率で除し,円周方向の変位に換算(M/π)
する。この値を初期径(D0)から減じ,縮径後の直径(D1)を求める。この直径(D1)及び試料の長さ(L)
から縮径された状態の表面積(S1)を求め,式(1)によって単位面積当たりの半径方向の力を求める。
F1
P1 (1)
S1
S1 D1 π L
M
D1 D0
π
ここに, P1 : 単位面積当たりの半径方向の力(N/mm2)
F1 : 縮径された状態での負荷(N)
S1 : 縮径後の表面積(mm2)
D0 : 試料の初期径(mm)
D1 : 縮径後の直径(mm)
L : 試料の長さ(mm)
M : クロスヘッドの移動距離(mm)

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F1
M
D0 D1
L
初期状態 縮径状態
図4−単位面積当たりの半径方向の力の算出方法
なお,圧縮ジグでの測定では,直径の減少に対する荷重変化(N/mm)を求めてもよい。

5 曲げ性の測定

5.1 曲げ試験装置

  キンクなどの防止に必要な曲げ性の試験装置は,次による。
a) 曲げ試験装置は,試料回転部,試料固定部,曲げ荷重計測部(ロードセル)及び制御装置で構成する。
ステントグラフトの両端を固定可能な構造とし,ステントグラフトを曲げた状態に保持し,ステント
グラフトに生じる曲げ荷重及び曲げ角度を測定できる機能を備えるものとする。
b) ジグは,ステントグラフトを内部に留置可能な寸法とし,試料の固定ジグ例を,図5に示す。
固定ジグ
ロードセル


-θ°
θ +θ°
θ

左右に回転(首振り)させ
曲げ荷重を測定
図5−曲げ性を測定するための固定ジグの例

5.2 曲げ試験の手順

  曲げ試験の手順は,次による。ただし,試料の径が小さいなどの理由で保持及び測定が困難な場合には,

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3点曲げ試験,又は片持ち支持の曲げ試験で行ってもよい。
a) 試料に応じて,適した取扱い方法で,ジグ内にステントグラフトを留置する。必要に応じて,末端を
固定してもよい。
b) 試験装置の曲げ角度を設定する。一般に最大±50°程度を測定するが,塑性変形が起きるなど,±50°
での曲げが困難である場合には,50°より小さな角度範囲で測定する。
c) 試験装置にジグ及び試料を設置し,左右に回転(首振り)させ,図6に示したような曲げ角度−曲げ
荷重曲線を測定する。曲げ角度が,一定の角度(例えば,50°)に達したら反転し,原点を通過して
逆方向へと屈曲し,原点に戻る。これを1サイクルとする。
d) 曲げの測定は,試料の変形が追従し,かつ,固定可能な一定の速度で行う。
e) 温度制御は,通常,37±2 ℃とする。ただし,室温又は必要に応じて生理食塩水などの液中で行って
もよい。
f) 曲げ荷重測定用ロードセルは,必要に応じて定期的(例えば,2年以内)に校正しなければならない。
g) 試験条件が上記と異なる場合は,結果にその旨を記載する。
行き

げ α

重 -50 0 50
(N)
帰り
曲げ角度,θ(°)
図6−曲げ角度−曲げ荷重曲線
注記 グラフト部分での摩擦,しわなどによって曲げ荷重が安定しない場合には,23サイクルの曲
げを実施し,安定させた状態で試験する。

5.3 曲げ性の結果の表し方

  曲げ角度−曲げ荷重曲線の形状から,曲げ性を比較する。また,曲げ角度−曲げ荷重曲線での行きの直
線領域の傾き(図6のα : 単位角度当たりの荷重,N/°)などから曲げ性を評価してもよい。

6 耐久性試験

6.1 一般

  耐久性試験は,図7のa),b) 及び図8に示すように,試料に内圧の変化によって繰返し負荷を与えるタ
イプ,外圧の変化によって繰返し負荷を与えるタイプ,及び臨床使用環境を模擬した繰返し負荷(拍動)
の三つのタイプがあり,これらのいずれかによる。

6.2 内圧の変化による繰返し負荷装置

  装置は,次による。
a) 内圧の変化による繰返し負荷装置は,正弦波(サイン波)などの関数発生機能,圧力センサ,模擬血

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管取付け部,負荷発生装置,外径測定装置,制御装置などで構成する。模擬血管内に留置されたステ
ントグラフトに,繰返し負荷を連続して与え,そのときの外径変化,半径方向のひずみ(歪),内圧力
の変動及び繰返し数を連続して測定できる機能を備えていなければならない。
b) 模擬血管は,ステントグラフトを留置可能なものとし,試験に応じて,最適な材質,寸法及び形状の
ものを適宜選択する。必要に応じて湾曲させた模擬血管でもよい。

6.3 外圧の変化による繰返し負荷装置

  装置は,次による。
a) 外圧の変化による繰返し負荷装置は,圧縮(上下動)プレート,模擬血管部,制御装置などで構成し,
模擬血管内に留置されたステントグラフトに,繰返し負荷を連続して与える機能を備えていなければ
ならない。
なお,圧縮(上下動)プレートは,適切な周波数によって駆動可能なものとし,圧縮(上下動)プ
レートの移動距離は,試料の大きさに応じて調節できることが望ましい。
b) ジグは,弾性体からなる円筒状で,内部にステントグラフトを留置でき,かつ,試験装置の圧縮(上
下動)プレート内に留置可能な寸法とし,目的に応じて,密封可能なものとする。
注記 試験に応じて,最適な材質,寸法及び形状のものを適宜選択する。内部の試料が観察できる
素材(例えば,シリコーン)が望ましい。
F 外圧の変化に
よる繰返し負荷
試料(ステントグラフト)
試料(ステントグラフト)
内圧の変化に
よる繰返し負荷
F
変動方向
台 変動方向
模擬血管 模擬血管
a)内圧の変化による試験 b)外圧の変化による試験
図7−内圧及び外圧の変化による繰返し負荷の模式図

6.4 臨床使用環境を模擬した試験装置

  血管の曲線性及び径の不均一性の影響を考慮するなど,臨床使用環境を模擬した試験を行う場合,試験
装置は,大動脈りゅう(瘤),大動脈解離などの各種病変モデルである模擬血管部,拍動装置,恒温槽,圧
力制御部,駆動装置,流量計などで構成する。心臓の動きを模擬した繰返し負荷(拍動)を,ステントグ
ラフトを留置した模擬血管部に負荷できる機能を備えているものとする。模擬血管部の例及び繰返し負荷
装置の模式図の例を,図8に示す。

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制御部
流量計
恒温槽
動脈りゅう(瘤) コンプ
ライアント・ 拍動装置
圧力計 タンク
液の流れ
試料
模擬血管ユニット
図8−臨床使用環境を模擬した繰返し負荷装置の模式図の一例

6.5 耐久性試験の手順

6.5.1  共通事項
試験の共通部分は,次による。
a) 生理食塩水,細胞培養液などの溶液を模擬血管内に満たし,試験温度は,37±2 ℃を基本とする。
b) 通常の方法で,模擬血管内に試料を留置する。模擬血管中に空気が混入している場合には,できるだ
け除去する。可能な場合は,同時に複数の試料を模擬血管内に設置して試験を行ってもよい。その場
合,試料同士が干渉しないように注意する。
c) 臨床使用中での変位と同等の変位を試験試料に与え,臨床使用上必要とみなす回数まで試験する。例
えば,10年使用相当分の回数(拍動の頻度を1回/秒とした場合,約3.8億回)まで耐久性試験を実
施する。
d) 所定回数の試験終了後,破損及び損傷の有無,顕著な変形及び摩耗,摩耗粉の発生,試験溶液中での
腐食の有無を観察し,記録する。必要に応じて,顕微鏡などによる観察を実施する。
e) 試料を模擬血管から着脱するときは,破損及び変形しないよう注意する。
f) 試験条件が上記と異なる場合は,結果にその旨を記載する。
6.5.2 内圧の変化による耐久性試験手順
試験の手順は,次による。
a) 試験装置に模擬血管を取り付ける。模擬血管だけを用いて,周波数を変化させ,圧力差,半径方向の
ひずみ(歪)などを事前に測定するとともに,共振の影響のない試験周波数を選定する。
b) 試料外径に比べやや小さい内径の模擬血管を選択し,通常の方法で,模擬血管内に試料を留置する。
c) 留置部での外径変化,内圧力変化,半径方向のひずみ(歪)などを適切な測定間隔で計測する。
6.5.3 外圧の変化による耐久性試験手順
試験の手順は,次による。
a) 試験装置の圧縮(上下動)プレートの変位(ストローク)を使用目的に応じて設定する。
b) 通常の方法で,模擬血管内に試料を留置する。試験溶液を満たし,試料とともに封入する。
なお,必要に応じて大気中でもよい。
c) 試験装置に模擬血管を設置し,繰返し負荷を与える。繰返し負荷回数を読み取り,記録する。適切な
時間間隔で,破損及び損傷の有無,顕著な変形及び摩耗,摩耗粉の発生,腐食などを観察する。

――――― [JIS T 0401 pdf 10] ―――――

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