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JIS T 0302:2000 規格概要
この規格 T0302は、体内を模擬した環境中でのアノード分極試験によって金属系生体材料の耐食性を評価する方法について規定。
JIST0302 規格全文情報
- 規格番号
- JIS T0302
- 規格名称
- 金属系生体材料のアノード分極試験による耐食性の評価方法
- 規格名称英語訳
- Testing method for corrosion resistance of metallic biomaterials by anodic polarization measurement
- 制定年月日
- 2000年3月27日
- 最新改正日
- 2019年10月25日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 11.040.40
- 主務大臣
- 経済産業,厚生労働
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2000-03-27 制定日, 2009-04-25 確認日, 2014-10-25 確認日, 2019-10-25 確認
- ページ
- JIS T 0302:2000 PDF [13]
T 0302 : 2000
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大
臣及び厚生大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
JIS T 0302には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考) 分極試験用セル
附属書2(参考) 試験片の埋込み方法
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS T 0302 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
T 0302 : 2000
金属系生体材料のアノード分極試験による耐食性の評価方法
Testing method for corrosion resistance of metallic biomaterials by anodic polarization measurement
1. 適用範囲 この規格は,体内を模擬した環境中でのアノード分極試験によって金属系生体材料の耐食
性を評価する方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 1107 高純度窒素
JIS K 3604 組織培養用培地(最小必須培地)
JIS K 3611 生体工学用語(生体システム部門)
JIS K 8101 エタノール (99.5)(試薬)
JIS K 8121 塩化カリウム(試薬)
JIS K 8122 塩化カルシウム二水和物(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8263 寒天(試薬)
JIS K 8726 乳酸(試薬)
JIS R 6253 耐水研磨紙
3. 定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 3611,JIS K 0213及びJIS K 0211によるほかは,
次による。
a) 金属系生体材料 生体組織と直接及び間接的に接触して利用される金属系医用材料。
b) 純水 蒸留,イオン交換などを行い,導電率を,25±2℃で0.1mS/m (1 一 下,比抵抗を,10k
m (1M 攀 上とした水。
c) バブリング 測定溶液を脱ガスする操作。
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4. 測定装置 測定装置は,ポテンショスタット,関数発生装置,制御装置,記録装置,分極試験用セル,
恒温槽及びシールドケースを組み合わせたものとする。図1にアノード分極測定装置を一例として示す。
図1に示した測定装置は,試料を静止させた条件で測定する場合が一般的となるが,使用する環境によっ
て摩擦の影響を調べることが必要となる場合には,試料を摩擦させた条件で測定してもよい。それぞれの
分極試験用セルを附属書1(参考)に示す。
なお,測定装置のアース接地はとる必要がある。
図1 アノード分極測定装置
5. 試料 分極試験用試料の調製は,次による。
a) 試験片 分極曲線は,電流密度で表示するので試験面積を規定する必要はないが,測定電流値をその
まま電流密度とする場合には,試験面積を1cm2とするとよい。試験片の切断に際しては,切断機など
を用い,せん断による熱及びせん断力の影響が測定面に及ばないようにする。被覆材との密着性をよ
くするため,被覆面をJIS R 6253に規定する耐水研磨紙600番以上を用い,流水下で研磨するとよい。
b) 試験片の埋込み ポテンショスタットと分極試験用試料を電気的に接続するため,塩化ビニルで被覆
されたリード線をはんだ付けなどで試験片に接続する。被覆材と試験片との間に生じるすきま腐食に
よってアノード分極曲線は影響を受けるので,被覆材は耐薬品性と密着性に優れたものを選ぶ必要が
ある。試験片の埋込み方法について附属書2(参考)に示す。
c) 試験面の表面仕上げ 測定表面は,切断の際の影響域を十分に除去するため,耐水研磨紙を120番か
ら始め,順次番数を上げ,最終的に600番以上までのものを用い,流水下で研磨する。研磨後,JIS K
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8101に規定するエタノール (99.5) 又は純水中で5分間以上超音波洗浄する。デシケーター中に保持
し,一定時間(24時間)以内に測定する。
6. 試験溶液 試験溶液は,次による。
a) 試験溶液(擬似体液)の種類は,体内環境を模擬した溶液とする。
例 生理的食塩水(1),りん酸緩衝生理的塩類溶液(2),JIS K 3604に規定する培地に血清などを添加し
た細胞培養液,血清(3),人工だ液(4),人工血液,乳酸溶液 (10g/L)(JIS K 8726に規定する乳酸を
用いて調製する。),リンゲル液(5),ハンクス液(6),JIS K 8180に規定する塩酸の0.5及び0.05vol%
水溶液並びにこれに類似する組成の溶液。
注(1) IS K 8150に規定する塩化ナトリウム9gを純水に溶かし,全量を1Lとしたもの。
(2) 例えば,PBS (−)(カルシウムとマグネシウムを含まないPhosphate Buffered Salineの略)粉末
9.6gを純水に溶かし,全量を1Lとしたもの。
(3) 子牛血清,牛胎児血清など。
(4) 無機電解質の組成及び物理的性質が人のだ液と同一になるように配合されたもの。
(5) 生理的塩類溶液で,例えば,臨床用リンゲル液には,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム8.6g,
JIS K 8121に規定する塩化カリウム0.3g,JIS K 8122に規定する塩化カルシウム二水和物0.33g
を純水に溶かして全量を1Lとしたものなどがある。
(6) ハンクスの平衡塩類溶液。
備考 細胞培養液,血清などを試験溶液とする場合には,製造業者及び製造ロットによってアノード
分極曲線が変化することがあるので,できるだけ同一の製造業者のもので同一ロットのものを
使用するのが望ましい。
b) 試験溶液を調製して使用する場合には,特級以上の品質の試薬を純水で調製して用いる。1回の試験
には,十分な量(例えば,附属書1に示した分極試験用セルでは,400mL以上)の新しい溶液を用い,
試験ごとに試験溶液を更新する。
7. 試験溶液のバブリング 試験溶液をバブリングする場合には,使用環境を考慮して次のa)又はb)のい
ずれかの方法による。
なお,それぞれの試験条件下での溶存酸素の濃度を測定することが望ましい。
a) 溶存酸素を低くした条件で試験する場合には,JIS K 1107で規定する高純度窒素又は高純度アルゴン
を用い脱酸素(脱気)する。脱気条件は,一例として400mLの液量に対し100mL/min以上のガス流
量で20分間以上とする。ただし,培養液など脱気することによって析出などが生じる場合には,混合
ガス(窒素95vol%+二酸化炭素5vol%)などで脱気する。
b) 体内環境に近いpH及び酸素分圧の条件で試験する場合には,混合ガス(窒素90vol%+二酸化炭素
5vol%+酸素5vol%)などでバブリングするとよい。さらに,これ以外の使用環境を考慮した条件で行
う場合には,結果にそのことを付記する。
備考 分極曲線の再現性に影響を与えない場合には,試験溶液をバブリングしながら分極曲線を測定
してもよい。測定中,試験溶液をバブリングしない場合には,空気の混入を防止するため,バ
ブリングに使用したガスを試験溶液表面に少量流しながら測定する。
8. カソード処理 カソード処理は,次による。
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a) 試験片の初期表面状態の再現性が分極曲線の再現性に影響を与えるため,酸性溶液中での測定では,
電位を水素発生反応が十分進行するカソード電位域に保持し,酸化皮膜をできるだけ還元溶解する。
カソード処理条件の例を次に示す。
例 ステンレス鋼 : −0.7V(飽和カロメル電極基準電位で300秒間)
コバルト・クロム系合金 : −0.8V(飽和カロメル電極基準電位で300秒間)
チタン系合金 : −1.0V(飽和カロメル電極基準電位で300秒間)
b) 弱アルカリ性溶液中での測定では,カソード処理によって酸化皮膜を除去することが困難となるため,
自然浸せき(漬)電位又はカソード電位域で一定時間保持後,カソード電位域から測定する。
9. 測定方法 測定は,使用する環境を考慮して試料を静止させた条件又は試料を摩擦させた条件のいず
れかの方法で行い,測定方法は,次による。
a) 試験溶液の温度は,37±0.5℃とする。
b) 自然浸せき電位又はカソード電位域からアノード分極試験を開始する。掃引速度は,2040mV/min
とする。
c) アノード分極電位の上限は特に規定しないが,0.5V(飽和カロメル電極基準電位)以下の電位に関し
ては詳細に調べる。
d) 試料を静止させた条件で測定する場合には,超音波洗浄した試料を試料ホルダに入れ,電解槽内の測
定溶液に触れない位置に置く。分極試験用セルを恒温槽に移動し,試験溶液を脱気する場合には,十
分な時間脱気する。恒温槽からのノイズをできるだけ除去するためアースを接地する。
e) ルギン管,対極などの位置を速やかに調整し,測定装置との電気的接続を行う。この場合,可能であ
れば分極試験用セル及び参照電極をシールドケースなどに入れ電気的ノイズを除去するとよい。
f) 試験後,試験面を観察し,被覆部に明らかな腐食が認められる場合には,試験結果から除外する。
備考 試料を摩擦させた条件で測定する場合には,超音波洗浄した摩擦用試料をしゅう(摺)動装置
と連結後,同様に測定する。
10. 測定回数 測定回数は,同一条件で3回以上とする。
11. 結果の表示 測定結果の表示は,次による。
a) 測定結果は,対数軸に電流密度(7)を,均等軸に電位[飽和カロメル電極基準電位 (SCE) などの参照(照
合)電極基準の電位]を表示する。3回以上繰り返し測定したときの平均値に近い結果又は平均化し
た曲線をアノード分極曲線とする。図2,表1に説明した特性などの平均値で耐食性を比較してもよ
い。
注(7) 電流密度の単位は,国際単位系では,A・m-2を用いる。ただし, 攀 2は,0.01倍することに
よって,A・m−2に換算できる。
b) 次の試験条件については,試験結果に付記する。
1) 参照(照合)電極の種類,試験溶液の種類,化学組成,量及びpH
2) バブリングの有無とバブリング用ガスの種類,純度及び流量,可能であれば溶存酸素の濃度
3) 被覆材の種類及び被覆方法
4) 表面仕上げ条件及び表面仕上げ後,試験を行うまでの時間
5) カソード処理の有無と条件
――――― [JIS T 0302 pdf 5] ―――――
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JIS T 0302:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.040 : 医療設備 > 11.040.40 : 外科用体内埋没材,義肢及び装具
JIS T 0302:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0213:2014
- 分析化学用語(電気化学部門)
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK3604:1990
- 組織培養用培地(最小必須培地)
- JISK3611:1995
- 生体工学用語(生体システム部門)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8122:2015
- 塩化カルシウム二水和物(試薬)
- JISK8122:2021
- 塩化カルシウム二水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8263:2020
- 寒天(試薬)
- JISK8726:2014
- 乳酸(試薬)
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙