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T 0401 : 2013
6.5.4 臨床使用環境を模擬した試験手順
試験の手順は,次による。
a) 通常の方法で,模擬血管内に試料を留置する。
b) 臨床使用中での変位の変化量に相当する変位で繰返し負荷(拍動)を与え,所定回数まで試験を実施
する。
6.6 耐久性試験結果の表し方
試験結果の表し方は,次による。
a) 内圧の変化による耐久性では,縦軸に外径変化,半径方向のひずみ(歪)などの寸法変化を,横軸に
繰返し数を対数表示し,半径方向のひずみ(歪)などの変化をみる。
b) 外圧の変化及び臨床使用環境を模擬した試験による耐久性では,縦軸に外径変化などの寸法変化を,
横軸に繰返し数を対数表示し,寸法変化などをみる。また,これらのグラフから,長期使用における
性能劣化を予測してもよい。
c) 必要に応じて,溶液中へ溶出した金属イオンの定量分析を行う。定量分析は,JIS T 0304によるのが
よい。
7 材料劣化試験
7.1 金属製ステント部の材料劣化(耐食性)試験
ステントグラフトの金属製ステント部は,図9に例示したように,JIS T 0302によって材料劣化試験を
する。また,必要に応じて,JIS T 0304によって,ステント部から溶出する金属イオン濃度を測定し,溶
出の有無を確認する。
なお,ステントとリード線との接続は,樹脂包埋などによって行い,測定対象とする全ての構成要素に
電流が流れるようにする。ステントは,金属線の直径が極めて小さく表面積の算出が難しいため,電流密
度ではなく電流値によって評価する。
C.E.
パソコン ガス入口
飽和KCl
関数発生装置 寒天塩橋
ガス出口 W.E.
ポテンショスタット
R.E.
ルギン管
SCE
試料ホルダ
対極
温度計(Pt)
試料
ガラスフィルタ
C.E. : 対極(Counter Electrode)
W.E. : 試料極(Working Electrode)
R.E. : 参照電極(Reference Electrode)
図9−金属製ステントの材料劣化試験の模式図
――――― [JIS T 0401 pdf 11] ―――――
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T 0401 : 2013
7.2 グラフト部の材料劣化試験
7.2.1 試料
グラフト部の材料劣化試験に用いる試料は,グラフト素材を適切な長さに切り出し,必要に応じて滅菌
したものを試料とする。
7.2.2 材料劣化試験
材料劣化試験は,次による。
a) 材料劣化試験溶液としては,例えば,脂質濃度が質量分率0.45 %となるように市販の脂肪乳剤を添加
した溶液,それに質量分率(3±0.5)%となるように過酸化水素を加えた溶液などがある。試験温度
は,通常,37±2 ℃とし,試験期間は,使用環境を考慮して適宜選択する。モノマー,オリゴマーな
どの分析を重視する場合には,5 %エタノール水溶液又は3 %過酸化水素水溶液がよい。試験溶液量は,
試験試料質量の20倍(mL/g)以上とし,長期の試験を行う場合は,溶液を適宜取り替えて継続する。
b) 浸せき(漬)試験後の試料のバースト強度を測定する。バースト強度測定ジグに固定した後,6 mm
径のプローブを用いて,試験速度50200 mm/min(例えば,125 mm/min)でグラフト試料を打ち抜
く。材料が劣化すると分子量が低下するため,必要に応じて分子量などを測定する。分子量の測定方
法は,サイズ排除クロマトグラフィー分析,粘度測定などで,それらについての一般事項は,JIS K 0124,
JIS K 7367-1などによる。
8 試験試料数
全ての試験において,3個以上の試料に対して実施することが望ましい。
9 結果の報告
9.1 半径方向の力及び曲げ性
半径方向の力及び曲げ性の試験結果には,次の事項を報告する。
a) 試験装置の構成,試料の外観,ステント及びグラフトの材質,並びに試料寸法及びジグの種類・寸法
b) 滅菌などの前処理,試験温度及び試験条件(半径方向の力の場合 : クロスヘッド速度,曲げ試験の場
合 : 末端の固定の有無,曲げ角度及び測定回数),並びに試験結果
c) 製造業者名,試験年月日,試験場所及び試験者名
d) その他,必要な事項
9.2 耐久性
耐久性の試験結果には,次の事項を報告する。
a) 試験装置の構成,試料の外観,ステント及びグラフトの材質,並びに試料寸法及びジグの種類・寸法
b) 滅菌などの前処理,試験周波数,試験温度及び測定条件(大気中か又は溶液中)
c) 試験回数及び試験期間,並びに試験後の試料について : 破損及び損傷の有無,顕著な変形,摩耗並び
に腐食の有無
d) 製造業者名,試験年月日,試験場所及び試験者名
e) その他,必要な事項
9.3 材料劣化
材料劣化の試験結果には,次の事項を報告する。
a) 試験装置の構成,ステント及びグラフトの材質,並びに試料寸法
b) 滅菌などの前処理,試験溶液,試験温度及び測定条件,並びに試験結果
――――― [JIS T 0401 pdf 12] ―――――
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T 0401 : 2013
c) 製造業者名,試験年月日,試験場所及び試験者名
d) その他,必要な事項
JIS T 0401:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 0401:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0124:2011
- 高速液体クロマトグラフィー通則
- JISK7367-1:2002
- プラスチック―毛細管形粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方―第1部:通則
- JIST0302:2000
- 金属系生体材料のアノード分極試験による耐食性の評価方法
- JIST0304:2002
- 金属系生体材料の溶出試験方法