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B.3 試験手順
装置の総合感度の計測は,次のように行う(図3参照)。
B.3.1 脱気水を深さ200 mm以上水槽に満たし,水表面に音響減衰材を置く。
B.3.2 波形発生器へオシロスコープを接続する。被試験装置の信号出力部へ実効値計測システムを接続す
る。音響結合媒体を用いて,図3に示した装置へ探触子を接続する。
B.3.3 駆動装置へ標的を,図3に示すように取り付ける。標的と探触子との間の距離を適切な開始位置,
約100 mmに合わせる。
B.3.4 波形発生器は,標的の三角波作動が生じるように調整する。標的の作動の振幅及び周波数は,8.5.1.2
に従って調整する。
B.3.5 8.5.2.38.5.2.6に示した計測手順に従う。
単位 mm
材質 : 透明なプラスチック
図B.1−総合感度試験のための容器の標準寸法
――――― [JIS T 1506 pdf 21] ―――――
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附属書C
(参考)
音響減衰器の往復挿入損失の決定
C.1 音響減衰器に適切な材料は,ゴム又はプラスチック材料で作ったものである。減衰器は,通常,あ
らかじめ厚さを正確に決定した平面な素材でできたシート状又は板状のもので,両面が滑らかなものであ
る。
C.2 2 dB20 dBの間の往復挿入損失(往復減衰)をもつ,幾つかのシート状又は板状の減衰器を準備す
る。
C.3 透過法又は反射法によって,パルス波又は連続波を使用する,満足できる種々の減衰測定法がある。
適切な精度をもついずれの方法も,この規格の目的のために認められる。次に示したものは,そのような
方法の一例である。これは,この規格に規定した試験中に行う。
C.3.1 水を通じて音響的に結合する超音波送信機と受信トランスジューサとの間に,減衰シートが挿入さ
れているような,水で満たされた試験容器を組み立てる。受信トランスジューサは,ハイドロホンでもよ
い。受信トランスジューサの出力は,オシロスコープなどの信号測定システムへ接続する。
送信トランスジューサは,関係ある周波数でトーンバーストを繰り返すことによって駆動する。
C.3.2 音響減衰シート又は板を追加し,受信トランスジューサの電気信号出力のレベル変化に注意する。
この変化(デシベル)は,シートの減衰である(C.3.3参照)。
測定システムは,線形と仮定する。これは同じ減衰器を追加挿入し,出力の変化が0.3 dB以内であるこ
とを確認することによって証明してもよい。
C.3.3 音響減衰シート又は板の往復挿入損失Ba(dB)は,与えられた出力信号レベル変化から,次の式
によって決定する。
Vout )0(
Ba 40 log10
Vout )1(
ここに, Vout (0) : 減衰器のない出力信号レベル
Vout (1) : 減衰器のある出力信号レベル
C.4 音響窓往復挿入損失Bwについては,8.5.2.3を考慮する。挿入損失の低い材料を用いてもよい。例え
ば,厚さ0.05 mmのポリエチレンは,水の特性音響インピーダンスとよく整合するため,特に良い音響窓
材料である。選択的に,音響窓を音響減衰シートの一部として構成してもよい。
C.5 音響窓の厚さが十分に厚い(10波長以上)ときのBwは,音響窓材料の既知の音響データによって算
出することができる。例えば,透明なアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレイト)の減衰係数は,ほぼα
=1.3 dBcm−1MHz−12.0 dBcm−1MHz−1である。アクリル樹脂の窓には,Bw(dB)の往復挿入損失がある。
w
B 2 αtf
ここに, t : 窓の厚さ(cm)
f : 超音波周波数(MHz)
α : 減衰係数(dBcm−1MHz−1)
――――― [JIS T 1506 pdf 22] ―――――
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C.6 窓の厚さが0.25波長10波長の間にある場合は,その往復挿入損失Bwは,その場で決定できる。
この目的のために,特別な窓板は,C.3に規定した手順で,音響減衰器として挿入する。板と板との不要
共振を避けるために,10 dB20 dBの挿入損失をもつもう一つの減衰器を,板と板との間に挿入すること
が望ましい。
――――― [JIS T 1506 pdf 23] ―――――
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附属書D
(参考)
理論的根拠
D.1 この規格の審議中に,総合感度の決定のための試験方法について,多くの考察が得られた。8.5に示
した試験方法のための要求事項及び附属書Bに示した参考事項は,我が国での長年にわたる広範囲の経験
に基づいている[24] 1)。世界中のどこかで,装置の感度を決定するために,これらの試験方法を使用する
経験が積まれている。それにもかかわらず,この状況を考慮して,8.5で総合感度のための要求事項の記
載に,必須を意味しない語句の“望ましい”を使用した。8.5.1.2での標的を励起する周波数に対する要求
事項と同様に,8.5.1.3での試験容器の形状も,また,全体の試験方法の規定を維持している間は,試験装
置の代わりの方法を開発することを認めるために,少ない項目で作成された。最後に,8.5で規定した精度
の要求事項は,現在分かっている試験方法を反映して選んだが,これも強制ではない。
D.2 8.5.1.6で規定したそれぞれの減衰器は,減衰材料のシート状の積層プラスチックでもよい。
D.3 8.5.2.5で規定した二つの標的を使用することは,球状標的を使用したときの予防措置である。この
目的は,標的の特別な大きさが,試験される装置の音響作動周波数で早く変化している平面波反射損失を
もつときの問題を避けることにある。棒状標的を使用すれば,これは,問題ではない[[58] 1)参照]。
D.4 試験の間,胎児の装置が,臨床現場で使用されるのと同じドプラ出力レベルで作動していることは,
重要である。したがって,標的の特性音響インピーダンスが,水の音響インピーダンスと余りかけ離れた
値ではないことが望ましい。これは,言及した鋼製標的が,理想的であるという意味ではない。そのため,
8.5.1.1には,その標的範囲0.6×106 kgm−2s−13.5×106 kgm−2s−1において特性音響インピーダンスの材料
で作ることが望ましい。しかし,周波数に伴う標的平面波反射損失の最も小さい変動を示す標的が,先端
が平面な小さい半径の鋼製棒であることは,事実である。この標的が,参照標的として最適といえる一方,
先端が平たんなプラスチック棒が,臨床での使用を最もよく表している標的の代表と考えることができる。
D.5 装置についての性能評価結果表示は,装置の二つの範囲に対して検討している。1番目は,箇条9
に記載しているように,既に存在しているか,既に臨床で使用されているかもしれない装置の性能パラメ
ータの範囲に関することである。これは,性能モニタリング,評価及び記録のために保証される。この場
合は,パラメータの表示は,単独で表示される。2番目は,箇条10で与え,超音波の様相の仕様は,装置
の製造業者が記載する。
――――― [JIS T 1506 pdf 24] ―――――
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附属書E
(参考)
参考文献
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[2] Ide, M. Measurement method of the sensitivity of ultrasonic Doppler fetal diagnostic equipment. Proc. of the
10th International Congress on Acoustics, F-9.2, 1980
[3] Ide, M. “Steel ball method for measurement of overall sensitivity of ultrasonic diagnostic equipment”. Japanese
Journal of Medical Ultrasonics, vol. 3, No. 1, pp. 45-52, 1976
[4] JIS T 1506:2005 超音波手持探触子形ドプラ胎児心拍動検出装置性能要求事項,試験方法及び表示
[5] Morimatsu, E. and Ueda, M. “Estimation of frequency characteristics of echo scattered by a small sphere”. J.
Acoust. Soc. Jpn., vol. 43, pp. 65-70, 1987
[6] Anson, L. W. and Chivers, R. C. “Frequency dependence of the radiation force function (Yp) or spherical
targets for a wide range of materials”. J. Acoust. Soc. Am., vol. 69, pp. 1618-1623, 1981
[7] Faran, J. J. “Sound scattered by solid cylinders and spheres”. J. Acoust. Soc. Am., vol. 23, pp. 415-418, 1951
[8] Hickling, R. “Analysis of echoes from a solid elastic sphere in water”, J. Acoust. Soc. Am., vol. 34,
pp. 1582-1592, 1962
[9] IEC/TR 60854,Methods of measuring the performance of ultrasonic pulse-echo diagnostic equipment
――――― [JIS T 1506 pdf 25] ―――――
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JIS T 1506:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61266:1994(MOD)
JIS T 1506:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.50 : 電気音響
JIS T 1506:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST0601-1:2017
- 医用電気機器―第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項