JIS T 1506:2018 超音波装置―超音波手持探触子形ドプラ胎児心拍動検出装置―性能要求事項,試験方法及び表示 | ページ 4

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のトーンバースト励起を起こさせる超音波トランスジューサを,標的位置調節機構の移動軸の1本と,超
音波ビームとが平行に一直線に並ぶような,一つの位置調節機構に取り付ける。A.2.3によって小さい直径
のトランスジューサが必要でない場合は,トランスジューサの有効な振動子の直径(IEC 62127-1参照)
を,近距離域が50 mm以下になるように選ぶ(2 MHzの周波数に対しては,振動子の有効直径12.5 mmの
トランスジューサが適している。)。トランスジューサ励起レベルは,適切な信号対雑音比を得るために十
分に高く,かつ,非線形伝達によって起こされる波形のひずみを避けるために十分低くとることが望まし
い(IEC 62127-1参照)。
A.2.1.2 標的をトランスジューサから放射される超音波ビームの線上に置き,その方向を対称軸が入射す
る超音波ビームの方向と平行に,かつ,標的の先端がトランスジューサに向かうように調整する。超音波
ビームとの関係において標的の方向は,8.5.1.1で規定した総合感度試験のために使用したものと同一とす
る。散乱した超音波による干渉効果を減じるため,標的及び送信用トランスジューサの後方に音響吸収材
を置く。
A.2.2 ハイドロホンを基準とした場合の手順
検出器としてハイドロホンを応用した二つの形態を,図A.2のa)及びb)に示す。図A.2 a)は,二つの検
出器を使用する。一つは,トランスジューサに近く,送信モードで作動する薄膜ハイドロホン(IEC 62127-1
参照)で,後方反射超音波ビームの音圧測定に使用し,もう一つは,ニードル探触子形ハイドロホン(IEC
62127-1参照)又は薄膜ハイドロホンで,標的を取り除いた後の標的の位置での音圧の決定に使用する。
この試験装置の優れた点は,標的,入射超音波ビーム及び後方反射ビームを同軸上に置くことができる
ことである。これは,重要な意味をもつ,様々な入射角を伴う標的平面波反射損失を表す球状標的の場合
は,最も考慮するところである。この装置の不利な点は,薄膜ハイドロホンからの干渉反射を避けるため
の方策の必要があること,及び二つの検出器の感度の比を知る必要があることである。
図A.2 b)に検出器としてニードル探触子形ハイドロホンを使用し,入射及び反射ビームの間の角度を最
小にするため,トランスジューサの横になるべく近づけた位置にハイドロホンを置いた二つ目の試験装置
を示す。前述したように,ニードル探触子又は薄膜ハイドロホンを標的の位置での,音圧測定のための検
出器として使用することができる。この装置の利点は,同じ検出器が両測定に使用できることであるが,
不利な点は,トランスジューサ,標的及び検出器が,後方反射信号の測定のために同軸上に配置すること
が不可能なことである。軸から外れた角度を伴う様々な反射損失を考慮することを確実にする方策を立て
ることが望ましい。特に,球状標的を使用したときには必要である。標的からの反射信号の測定には,十
分な信号対雑音比を得るために,標的の位置での音圧測定で使用する範囲よりも広い範囲で検出器を使用
することが必要になる。
この場合は,空間平均を説明するためには補正が必要になる[[1] 1) 参照]。
注1) 角括弧の番号は,附属書Eの参考文献の番号を表している。
ハイドロホンを基準とした場合の手順は,次のとおりである。
A.2.2.1 標的によって反射された超音波は,図A.2のa)又はb)に示した装置を用いて検出する。図A.2 a)
の場合は,薄膜ハイドロホンEは,透過送信モードで使用し,入射超音波ビームと同一線上にあり,また,
その振動子は,薄膜ハイドロホンとトランスジューサとの間の二重反射が,標的から反射した超音波を妨
害しないようなトランスジューサからの距離に置いている。
注記 標的が計測するハイドロホンから測定距離dを,50 mm,75 mm,100 mm及び200 mmの四つ
の位置としたとき,二重反射によって検出器で受信した信号が,標的から得られた信号の出現
と同時には出現しないことを確実にするために,距離eは,120 mmと150 mmとの間が適して

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いる。
図A.2 b)で示した装置を使用する場合は,標的は,トランスジューサからの距離dの位置に置く。その
とき,ニードル探触子形ハイドロホンは,標的からの距離dの位置で,かつ,トランスジューサのそばに
できるだけ近づける。
A.2.2.2 ハイドロホンEによって受信される信号のp-p値は,標的の平行移動によって最大になる(すな
わち,入射超音波ビームに直交する平面上を移動することによって)。測定するトーンバーストの領域は,
トーンバーストの終わりに面し,振幅が全面にわたって一定である領域である。安定した状態の疑似連続
波状態を確実にするため,トーンバーストのサイクルの数を増やす必要があるかもしれない。この測定に
伴って,標的支持体からの反射の干渉がないことを確実にするよう注意する。
A.2.2.3 ハイドロホンEのp-p信号レベルUEは,距離dにおいて計測する。そのとき,標的に代わって2
番目のハイドロホンD[図A.2 b)]で示される形態の場合は,同じハイドロホン(両計測に用いることが
できる。)を置き,水平位置と方向とを,p-p信号が最大になるように調整する。p-p信号UDを決定する。
標的平面波反射損失A(d)は,次の式によって算出する。
UD
A(d) 20 log10 R
UE
ここに, R : ハイドロホンE及びハイドロホンDのケーブル端負荷感度の

A.2.3 トランスジューサを基準とした場合の手順
図A.2 c)に示した装置は,検出器としてパルスエコーモードの超音波トランスジューサを利用する。標
的の位置での音圧を測定するために,トランスジューサと標的との間の中間に平面反射体を置く。この装
置の有利な点は,トランスジューサが全ての計測に使用できる点であるが,不利な点は,トランスジュー
サの限定された大きさが誤差の原因となる点である。この誤差を2 dBよりも小さくするためには,トラン
スジューサの振動子の直径を,
2.1λd
ここに, λ : 波長
d : トランスジューサと標的との間の距離[[1] 1)参照]
よりも小さくすることが望ましい。
図A.2 c)に示した装置構成の場合は,平面反射体は,中心が少なくとも20 mmの厚さのステンレス鋼で,
くさび形にできたものであることが必要である。くさびの角度は,後面からの超音波反射が測定に干渉し
ないように,少なくとも15°以上にすることが望ましい。反射体の振幅反射係数rは,鋼及び水の特性音
響インピーダンスによって算出する。
トランスジューサを基準とした場合の手順は,次のとおりである。
A.2.3.1 標的によって反射された超音波は,図A.2 c)に示した装置構成を用いて,パルスエコーモードで
超音波トランスジューサによって検出する。標的は,トランスジューサから距離dの位置に置く。
A.2.3.2 トランスジューサによって受信されるp-p信号は,標的の平行移動によって最大になる。測定す
るトーンバーストの領域は,トーンバーストの終わりに面し,振幅が全面にわたって一定の領域である。
安定した状態の準連続波状態を確実とするために,トーンバーストのサイクルの数を増やす必要がある場
合もある。この測定に伴って,標的支持体からの反射に干渉がないことを確実にするよう注意する。
A.2.3.3 p-pトランスジューサ信号レベルUTは,距離dでの標的によって計測する。平面反射体をトラン
スジューサからd/2の距離に挿入する。平面反射体の方向は,p-p反射信号が最大になるように調整する。

――――― [JIS T 1506 pdf 17] ―――――

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p-p信号URを決定し,標的平面波反射損失A(d)を,次の式によって算出する。
UR
A(d) 20 log10
rUT
ここに, r : 平面反射体の振幅反射係数
A.2.4 8.5.2に規定した総合感度試験の目的のため,標的を探触子表面から四つの異なった距離に設置す
る。これには,8.5.2.6で記載している四つの異なった距離での標的平面波反射損失が分かっていることが
必要になる。それぞれの距離での反射損失を決定することが望ましいが,8.5.1.1の要求を満たす標的の標
的平面波反射損失は,距離に反比例する性質があることが分かっている。したがって,距離d1での標的平
面波反射損失A(d1)は,距離dでの測定から,次の式によって算出する。
d1
A(d1 ) A(d) 20 log10
d
e d
超音波トランス
ジューサ
薄膜ハイドロホンE 標的
超音波トランス
薄膜ハイドロホンD
ジューサ
a)
d
超音波トランス
ジューサ
標的
ニードル探触子形
ハイドロホンE
ニードル探触子ハイドロホンD
超音波トランス
ジューサ
b)
図A.2−標的に対する平面波反射損失の決定のための三つの代表的装置形態

――――― [JIS T 1506 pdf 18] ―――――

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d
超音波トランス
ジューサ
標的
d
2
超音波トランス
ジューサ
トランスジューサの鏡像
平面反射体 (トランスジューサは標的の
位置で超音波ビームを受ける)
c)
a)及びb)は,検出器としてハイドロホンを使用する。c)は,送信及び受信の両方にトランスジューサを使用
する。全ての装置形態は,まず,標的と反射音圧の決定のための検出器との位置を示し,次に入射音圧決定の
ための検出器の位置を示している。
図A.2−標的に対する平面波反射損失の決定のための三つの代表的装置形態(続き)

――――― [JIS T 1506 pdf 19] ―――――

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附属書B
(参考)
一般的な試験装置及び試験手順
この附属書は,全体的な感度を正確に決めるために使用する代表的な試験装置及び手順を詳細に記載す
る。
B.1 試験器具
図3は,この目的に適した試験装置の例及び組立を示す。これには,次の項目を含んでいる。
B.1.1 標的反射体
標的反射体の反射損失は,標的からのp-pエコー振幅と完全な平面反射体の振幅との比である。この損
失は,装置に使用する個々の周波数範囲で決定する(8.5.1.1参照)。
B.1.2 水槽
感度試験に使用する水槽は,透明なプラスチックで造る。代表的な構造及び寸法を,図B.1に示す。探
触子の水平位置及び方向の調整装置を準備する。
B.1.3 駆動装置
装置は,波形発生器からの電気信号に応じて,標的反射体アームを支えて,駆動する。標的の垂直位置
調整装置を準備する。
B.1.4 波形発生器
この装置は,B.1.3に記載した駆動装置のために,三角波としての電気的励起を供給する。
B.1.5 オシロスコープ
オシロスコープは,試験中に波形を観察するために必要なものとして使用する。
B.1.6 実効値計測システム
装置の信号出力部で,実効値信号レベルを計測する方法を準備する。
B.1.7 スピーカ(音響出力部)
被試験装置に対する音響出力を準備する。
B.1.8 音響減衰材
好ましくない反射を減じるために,中心に直径10 mm以下の穴の開いた1枚の音響減衰材を,容器の水
表面上に設置する。同様の音響減衰材を,容器の側面からの不必要な反射を減衰させるために使用する。
B.1.9 音響減衰器
挿入損失が分かっている(附属書C参照)幾つかの音響減衰器は,探触子と標的との間に挿入して使用
する。
注記 図3は,探触子と水槽の底との間に挿入する減衰器を示す。もう一つの方法として,水中の水
槽の底に減衰器を挿入することもできる。減衰器の位置決めは困難かもしれないが,この配置
は,不確実な音響結合による問題を解決し(8.5.1.6参照),減衰器を挿入することによって,探
触子と標的との間の分割箇所が変化することを解決できる。
B.2 試験装置への結合
被試験装置は,水,その他の適切な液体又はゲルで試験装置に結合すると,図3に示す状態になる。

――――― [JIS T 1506 pdf 20] ―――――

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JIS T 1506:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61266:1994(MOD)

JIS T 1506:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 1506:2018の関連規格と引用規格一覧