JIS T 2002:2018 家庭用マッサージ器及び指圧代用器 | ページ 2

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施療部又は施療部を駆動させる回転部,駆動部などの運動部分。
3.24
保護カバー
頭髪,手指などを巻き込むことによる怪我,衣服を巻き込むことによる窒息及び充電部への接触などの
危険な状態となるのを防ぐ目的で,運動部を覆っている人体に接触する部分の軟質素材のカバー。ただし,
目的以外の施療部などを覆っているカバーを除く。
3.25
外郭カバー
保護カバー以外のねじなどで締結された機器の外郭部分を構成するカバー(洗濯及び交換のために工具
なしで取り外し又はめくれるカバーは含まない。)。
3.26
施療機能
電動機,ソレノイド,空気圧などによる物理的な刺激によって,マッサージ又は指圧を行う機能。
3.27
タイマの定格時間
製造業者が機器のタイマに付与した動作時間。

4 種類

  種類は,医療機器の一般的名称(JMDN)によって,次のとおり区分する。
a) 家庭用電気マッサージ器
b) 家庭用エアマッサージ器
c) 家庭用吸引マッサージ器
d) 針付きバイブレータ
e) 家庭用温熱式指圧代用器
f) 家庭用ローラー式指圧代用器
g) 家庭用エア式指圧代用器
注記 JMDN(Japanese Medical Device Nomenclature)とは,日本版医療機器の一般的名称をいう。
また,家庭用電気マッサージ器については,頭皮に使用するものと頭皮に使用しないものとに区分する。
さらに,圧迫機能,もみ機能,たたき機能,振動機能,揺動機能,施療部移動機能,円柱側面刺激機能,
円柱底面刺激機能及び吸引機能に細分する。

5 品質

5.1 性能

  箇条4に規定する機器の性能は,箇条6の試験を行ったとき,表1による。さらに,圧迫機能,もみ機
能,たたき機能などこれらの機能を一つ以上合わせもつものについても,この表の性能を満足しなければ
ならない。

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表1−家庭用マッサージ器及び指圧代用器
種類 機能 性能項目 性能 適用試験
細分箇条
家庭用電気マッサージ器,圧迫機能 空気圧 108 kPa以下 6.2
家庭用エアマッサージ器 (圧迫作用を与えるもの)
120 kPa以下
(押圧作用を与えるもの)
家庭用エア式指圧代用器 48 kPa以下
針付きバイブレータ 振動機能 振動回数 347 300回/分 6.3
家庭用吸引マッサージ器 吸引機能 負圧 −70 kPa以下 6.5
右欄の機能をもつ家庭用電もみ機能 もみ回数 3140回/分 6.3
気マッサージ器,家庭用エたたき機能 たたき回数 251 700回/分
アマッサージ器,家庭用温振動機能 振動回数 347 300回/分
熱式指圧代用器,家庭用ロ揺動機能 揺動回数 34150回/分
ーラー式指圧代用器及び家施療部移動機能 移動速度 0.65.9 cm/秒 6.4
庭用エア式指圧代用器(頭円柱側面刺激機能 自転回数 160回以下/分 6.3
部に使用するものを除く。)
円柱底面刺激機能 もみ回数 3140回/分
家庭用電気マッサージ器 振動機能 振動回数 343 400回/分 6.3
(頭皮に使用するもの)

5.2 構造

  構造は,JIS C 9335-2-32の箇条22によるほか,次による。
a) 運動部 運動部は,次による。
1) 頭髪,手指などを巻き込むなどの危険が生じるおそれのある運動部が露出する構造であってはなら
ない。
2) 運動部は,身体に危険が生じるおそれのある高い圧力を,発生しない構造でなければならない。
b) 施療部 施療部は,次による。
1) 施療部の先端が人体に同時に接触する部分の垂直方向断面は,曲率半径R5 mm以上,又は人体に接
触する先端の面積が78.5 mm2以上の平面若しくは曲面でなければならない。
施療部の先端が複数の突起物で構成されていても,人体に同時に接触する先端の面積が78.5 mm2
以上の平面又は曲面でなければならない。さらに,施療部は,人体に傷害の危険があってはならな
い。ただし,針付きバイブレータ及び施療部を弾性材料で構成するものは除く。
2) 針付きバイブレータは,先端を球面形状とし,その半径は,先端の断面の半径以上とし,人体に傷
害の危険があってはならない。ただし,施療部を弾性材料で構成するものは除く。
3) 施療部を弾性材料で構成するものは,人体に傷害の危険があってはならない。
4) 直接皮膚に接触する施療部に使用する材料は,皮膚に対する刺激性などの影響について評価し,安
全性を確認したものでなければならない。
なお,施療部が直接皮膚へ接触することを禁止する場合は,機器又は取扱説明書(添付文書を含
む。)に,その旨を記載する。
5) 家庭用吸引マッサージ器の吸引カップなどは,人体に接触する負圧面の直径が1865 mmでなけれ
ばならない。
6) 頭皮に使用する振動機能をもつマッサージ器は,手に装着して施療を行う構造であるか,又は施療
部に手指と同等の粘弾性材料を用いなければならない。

――――― [JIS T 2002 pdf 7] ―――――

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c) 使用形態 同時に複数の人が使用することを意図した構造であってはならない。
d) 同時施療 家庭用電気マッサージ器及び家庭用エアマッサージ器のうち,圧迫機能をもつ機器は,も
み機能又はたたき機能,及び圧迫機能が,人体の同じ施療点を同時に施療することがあってはならな
い。また,複数の箇所を同時に施療したときに,不測の事態が生じた場合,使用者自身が危険回避の
行動を起こせる構造でなければならない。
e) 装着形機器 装着形機器の構造は,次による。
1) 容易に着脱でき,停電時及び故障時において危険のない機器でなければならない。
2) 顔部,喉部,胸部及び腹部を圧迫する構造であってはならない。
f) 据置形機器及び可搬形機器 据置形機器及び可搬形機器(手持形機器を除く。)は,次による。
1) 自動的に施療部を刺激する機器は,手元で操作ができ,“直ちに動作を停止させる”又は“危険を回
避する”ことができ,他の機能から独立したスイッチを赤色表示で設けなければならない。ただし,
可搬形機器において,容易に危険が回避できる機器は除く。
2) タイマをもたなければならない。
g) 据置形機器 据置形機器は,附属書Aにおいて,施療部が試験体の頭部を挟み込むことなく,スムー
ズに滑り出す構造でなければならない。試験体の頭部が,座面側に強く押し付けられた後に飛び出す
場合には,スムーズとはみなさない。
h) 過負荷保護装置 過電流,過負荷などによる危険を防止するため,過負荷保護装置をもつ機器でなけ
ればならない。ただし,定格電圧42 V以下の電池又は外部の直流電源だけを電源として使用する機器
は除く。
i) ヒューズ又は過電流保護装置 ヒューズ又は過電流保護装置をもつ機器のその定格電流は,機器を正
常に作動させるために必要な容量をもち,かつ,その取付箇所より電源プラグ側にある回路部品の定
格電流を超えないものでなければならない。
j) タイマ タイマは,次の性能を満たさなければならない(6.7参照)。
1) タイマの定格時間は,30分以下でなければならない。
2) 家庭用吸引マッサージ器のタイマの定格時間は,吸引カップなどの負圧も連動し5分以下でなけれ
ばならない。ただし,手持形機器を除く。
3) タイマの精度は,定格時間の±10 %とする。
k) 保護カバー及び保護カバーを取り付けた外郭カバー 保護カバー及び保護カバーを取り付けた外郭
カバーは,次による。
1) 保護カバー及び保護カバーを取り付けた外郭カバーは,次のいずれかの構造でなければならない。
− 特殊工具を使用しないと保護カバーの機能を無効にできない構造とする。
− 保護カバーの機能を無効にすると運動部が動作しなくなる構造とする。保護カバー及び保護カバ
ーを取り付けた外郭カバーを止めているねじ部などにインターロック機能を付加する場合はねじ
などの1か所以上に付加し,そのねじなどを外さないと保護カバーの機能が無効にならない構造
とする。
− 破損又は破壊しない限り,保護カバーの機能を無効にできない構造とする。
− 保護カバーの機能を無効にするときに,保護カバーの機能に影響しない外郭カバーを,工具を用
いて外す必要がある構造とする。さらに,その外郭カバーを外したときでも保護カバーは人体に
接触する運動部を保護している構造とする(円柱刺激機能を覆っている保護カバーは除く。)。
2) 保護カバーは,6.6の保護カバーの試験後にJIS C 0922の検査プローブBを20 Nの力で押し込んだ

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ときに検査プローブBが挿入できる損傷,又は充電部への保護についての問題があってはならない。
l) 円柱刺激機能 円柱刺激機能の施療部は,誤使用によって保護カバーを外した状態及び/又は施療部
に巻き込まれるおそれのある衣服,装身具などを身に付けた状態で施療した場合であっても窒息によ
る死亡事故が起きない構造でなければならない。適否は次によって判断する。ただし,けい(頸)部
が施療できない構造は除く。附属書Aで規定する試験体のけい部に施療部が接触しないものは,けい
部が施療できない構造とみなす。
1) 円柱底面刺激機能の施療部は,一つの軸に対して複数の急しゅん(峻)に隆起する突起物があって
はならない。
2) 附属書Bにおいて,巻込み及び引掛りが起きない構造でなければならない。

5.3 電気機器としての安全性

  電気機器としての安全性は,JIS C 9335-2-32によるほか,次による。
a) 分類 機器は,感電に対する保護に関し,JIS C 9335-2-32の箇条6による。
なお,内部電源機器で,ACアダプタも使用できる構造の機器は,ACアダプタの分類で取り扱う。
b) 定格入力電力 単相機器の定格入力電力は,300 W以下でなければならない。試験方法はJIS C
9335-2-32の箇条10による。
c) 頭皮を施療する振動機能の入力電力 頭皮を施療する振動機能をもつ機器は,該当する振動機能を通
常動作させたときの入力電力が15 W以下でなければならない。試験方法はJIS C 9335-2-32の箇条10
による。
d) 異常時の漏えい電流 単一故障状態の漏えい電流は,6.8の試験を行ったとき,JIS C 9335-2-32の箇
条13に規定する電流値とする。ただし,クラスII機器は,0.5 mA以下とする。

6 試験方法

6.1 一般

  試験のための一般条件は,JIS C 9335-2-32の箇条5による。また,複数の施療部をもっている場合は,
個別に試験を行う。

6.2 空気圧の試験方法

  空気圧を用いる機器の試験は,次による。
a) 試験装置
1) 圧力計は,精度が最大指示値の5 %以下のものを使用する。
2) ホースは,耐圧150 kPa以上のものを使用する。
b) 手順
1) 圧力計を,ホースを用いて機器の空気圧発生ユニットに接続する。
2) 機器の空気圧発生ユニットを作動させ,このときの最大圧力を測定する。
c) 結果の記録 圧力計の最大圧力指示値を記録する。

6.3 もみ機能,たたき機能,振動機能,揺動機能及び円柱刺激機能の試験方法

  もみ機能,たたき機能,振動機能,揺動機能及び円柱刺激機能をもつ機器の試験は,次による。
a) 試験装置
1) ストップウオッチは,最小目盛0.1秒以下のものを使用する。
2) ストロボスコープなどは,精度が表示値の5 %以下のものを使用する。
b) 手順

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1) 各機能を作動させ,ストップウオッチを用いて時間を計りながら,各機能の最小及び最大の回数を
目視で測定する。
2) 目視で測定できない場合には,ストロボスコープなどを用いて,各機能の最小及び最大の回数を測
定する。
c) 結果の記録 1分間当たりの各機能の最小及び最大の回数を記録する。

6.4 施療部移動機能の試験方法

  施療部移動機能をもつ機器の試験は,次による。
a) 試験装置
1) ストップウオッチは,最小目盛0.1秒以下のものを使用する。
2) スケールは,精度階級が2級以上(金属製直尺,鋼製巻尺,繊維製巻尺など)のものを使用する。
b) 手順
1) 移動距離は,スケールを用いて測定する。
2) 移動時間は,ストップウオッチを用いて測定する。
c) 結果の記録 1秒間当たりの移動速度を計算し,記録する。

6.5 吸引機能の負圧の試験方法

  吸引機能をもつ機器の試験は,次による。
a) 試験装置 試験装置は,次によるか又はこれと同等以上の機能をもつものを使用する。
差圧真空計 精度が最大指示値の5 %以下のものを使用する。
b) 手順
1) 差圧真空計を機器の吸引ユニットの吸引接続口にホースを用いて接続する。
2) 機器の吸引ユニットを作動させ,このときの最大負圧を測定する。
c) 結果の記録 差圧真空計の最大負圧を記録する。

6.6 保護カバーの試験方法

  保護カバーをもつ機器の試験は,次による。
a) 試験装置 機器の負荷は表2による。表に当てはまらない形態及び部位がある場合は通常使用状態を
想定した適切な負荷をかける。
表2−耐久試験の負荷
機器の形態 負荷
据置形機器 椅子型 背もたれ部は質量40 kgの負荷を背もたれの幅及び長さに応じた面積に分布。
脚部は片足当たり質量5 kgの負荷(面積100 mm×300 mm)
リクライニング機能がある機器は背もたれの角度を最も不利な状態で試験するa)。
ベッド型 質量90 kgの負荷(面積0.5 m×2 m)
可搬形機器 足下使用 片足当たり質量5 kgの負荷(面積100 mm×300 mm)
立ち使用 質量90 kgの負荷(面積200 mm×300 mm)
手持形機器 機器の質量。ただし,質量には内部電源及び附属品を含める。
注a) 最も不利な状態で試験するとは,表に規定する質量以上の負荷をかけてもよいことをいう。
b) 手順
1) 工具なしで取り外し又はめくれるカバーなどは外す。
2) 機器を通常の使用状態に置く。背もたれ部にリクライニング機能がある機器は背もたれの角度を最
も不利な状態にする。

――――― [JIS T 2002 pdf 10] ―――――

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