JIS T 3226-2:2015 注射針を使用する医療用注入システム―第2部:注射針―要求事項及びその試験方法 | ページ 3

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試験装置を手で回して,図3に示す測定点の高さで,コンパレータのX軸に対する内くう(腔)の中心
の最大ひずみ(正又は負)を記録する。
1 測定点
図3−ひずみを測定するときの注射針上の位置

9 針基と針管との接合

  箇条5によってサンプルを選択する。
A形注射針の場合は7.3の試験装置(図2参照)に,非A形注射針の場合はNISに,いずれの場合につ
いても取扱説明書に従って,注射針を,0.07±0.01 N・mのトルクで取り付ける。
JIS T 3209:2011に従って,注射針の先端に力を加えて,針管を引く。試験装置又はNISの軸の方向に,
5秒間引く。
6.16.3によって,注射針を前処理した後,新しい注射針で試験を繰り返す。

10 包装

  注射針は,一次包装に密封し,一つ以上の一次包装を使用者用の包装に入れる。一次包装の材料は,注
射針に悪影響を与えてはならない。一次包装の材料及び設計は,次による。
a) 通常の取扱い及び保管の下で,注射針の滅菌性を維持する。
b) 容器から取り出すときに,注射針が汚染されるリスクを最小限に抑える。
c) シールを取り外した後,注射針とNIS又はカートリッジとの組立てに障害があってはならない。
d) 通常の取扱い,輸送及び保管の間,注射針を適切に保護する。
e) 一度開封した場合,包装の再密封が不可能で,包装を開封したことが明確に分かるものとする。

11 注射針及びNISの適合性検証試験方法

11.1 原理

  NISに注射針を取り付けるために,規定のトルクを適用する。少なくとも10秒間静止させた後,臨床的
に関与する流体経路は投与量試験(NISのVhigh及びVlowの設定時,VlowがNISの最大投与量10 %以下で
VhighがNISの最大投与量90 %以上である。)を通じて異常のないことを確認する。
最後に,針基を取り外したときのトルクを測定し,記録する。

11.2 装置

11.2.1 トルク試験機
(注射針及びねじ山で)注射針及びNISをしっかりと保持することが可能な装置。この装置は,±0.001
N・mの分解能をもち,0.07±0.01 N・mの取り付け時のトルク(時計回り)を加えることが可能である。ま
た,この装置は,取り外し時のトルク(反時計回りで)でピーク値の結果の読み取りもできるものである。
注射針がねじ山をもたない場合,取り付け時及び取り外しトルク試験は,相応する要求事項をあてはめる。

――――― [JIS T 3226-2 pdf 11] ―――――

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11.2.2 タイマ
最小目盛が1秒で10秒間測定できるものとする。
11.2.3 精度の高い投与装置
0.000 1 gの分解能で,試験で用いられるNISから排出される流体の質量を把握し,量ることができる装
置。これは計量容器及び重量皿の付いた実験用はかり(秤)を含む(JIS T 3226-1参照)。

11.3 サンプル分量に係る要求事項

11.3.1  試験用注射針サンプルは,11.3.211.3.5に規定する要求事項を考慮して選択する。
11.3.2 投与量精度は,事前に決められた2点の投与量のランダムな順序での組合せで排出を測定するこ
とによって評価する。
11.3.3 2点の投与量は,Vlow(NIS最大投与量の10 %以下),及びVhigh(NIS最大投与量の90 %以上)を
含む。
11.3.4 投与量が可変のNISに対し,高投与量及び低投与量各々で新しい注射針を使用し,各々の投与量
で60回(n=60)の測定を行うことが要求される。それゆえ,この試験方法は,試験を行ったNISについ
て投与量結果を得るために,合計n=120の注射針を必要とする。投与量が固定のNISについては,各NIS
の試験のために,その投与量レベルで,新しい注射針を使用し,合計n=60が必要とされる。
なお,単回使用のNISについては,可変投与型のNISと同様のやり方で実施する。
11.3.5 投与量精度試験のために使用されるn=120の注射針を,針基を取り外しトルク試験のために使用
しなければならない。
実際の製剤又は製剤と同様の結果を生む液体を,試験のために使用することができる。

11.4 手順

11.4.1  針基の取り付け
注記 この細分箇条は,取り外し時のトルク試験に対する前提条件である。
11.4.1.1 試験する120本の注射針及びNISの適切な数量を選択する。注射針の数は,試験前に計算する。
NISの液量及び最大のNIS投与量は,必要な量を決定する要素の一部である。
受容基準及び試験結果によって,追加の注射針及びNISを必要に応じて準備し,さらに,試験する必要
がある場合もある。
11.4.1.2 再使用可能なNISに,必要に応じて関連するカートリッジを装備する。カートリッジ非交換式
のNISについては,液体はNIS本体の中にあるため,カートリッジは使用しない。
11.4.1.3 液体の流れが排出されるまで,必要に応じて,予備の注射針を取り付け,NISを空打ちする。こ
れは,NISの駆動部品がピストンラバーに確実に触れるようにする,すなわち,NISが空打ちされるよう
にするためである。予備の注射針を取り外す。
11.4.1.4 注射針のトルク試験装置にNISを挿入する。
11.4.1.5 0.07±0.01 N・mのトルクを加え,NISに注射針を取り付ける。最大トルク(取り付け時のトルク)
の測定結果を記録する。
11.4.1.6 10秒タイマーを開始する。取り付けて少なくとも10秒間そのままにする。慎重に試験装置から
NISを取り除く。
11.4.2 注射針の投与量精度
11.4.2.1 投与量精度は,空打ちをした注射針又はしていない注射針,また,箇条7で指定されたゲージ
R&Rの基準を満たした測定機器で測定することができる。
11.4.2.2 はかり(秤)及び測定機器を準備する。

――――― [JIS T 3226-2 pdf 12] ―――――

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11.4.2.3 (まだ空打ちをしていない場合)製造販売業者の取扱説明書に従ってNISを空打ちする。
11.4.2.4 NISの初回の目標用量を選択し,設定する。これは,ランダム又は交互投与順序によるVlow又は
Vhigh用量のいずれかである。
11.4.2.5 はかり(秤)を補正する。
11.4.2.6 NISの注入ボタンに圧力を加え,かつ,維持し,測定機器に液体を排出する。
11.4.2.7 製造販売業者の取扱説明書に従って用量を排出する。
11.4.2.8 はかり(秤)/測定機器に示される質量を安定させる。取扱説明書に記載された持続時間が経
過した後,5秒以内に最初に安定した質量を観察し記録する。
各投与量排出の直前に質量を量っておく。
新しい受皿が必要な場合,少量の液体を追加してはかり(秤)の上に置き重量を補正する。
11.4.3 注射針を回して取り外すトルク
11.4.3.1 トルク試験装置のNISを慎重に交換し,7.3に規定する試験装置から針基を緩め取り外し,最大
トルク(取り外し時のトルク)の測定結果を記録する。
11.4.3.2 新しい注射針を取り付け,NISで第二の目標用量を設定し,上記の手順(11.4.1.5から11.4.3.1
まで)を繰り返す。これは,ランダム又は交互投与順序に従った(Vlow又はVhighのいずれか)他の用量で
ある。
11.4.3.3 同じNISとカートリッジ,又はカートリッジ非交換式のNISを用いて,上記の手順(11.4.1.5か
ら11.4.3.2まで)を繰り返す。
11.4.4 交換式NISで試験を繰り返す
11.4.4.1 液体が標準的なシステムNISの使用方法によってなくなるまで,すなわち,次の最大投与量が,
設定及び/又は排出することができなくなるまで,カートリッジ非交換式のNIS,又はカートリッジ交換
式のNISを使用する。
11.4.4.2 新しいものが必要なときには,新しいカートリッジ非交換式のNIS,又は新しいカートリッジ(も
し取れなくなっていた場合は,新しいカートリッジホルダー)を新しいカートリッジ交換式のNISととも
に使用する。
11.4.4.3 120本全ての(投与量が固定のNISの場合は,60本)注射針の試験が終わるまで11.4.1.5から
11.4.3.2までの手順を繰り返す。
必要な全てのカートリッジ交換式のNIS(又はカートリッジ非交換式のNIS),及び試験される全ての注
射針のサンプルに関わる試験計画(高及び低の設定をランダム又は交互に)に従う。試験液の適切な密度
及び試験環境条件を用いて,全ての質量の測定値を体積に変換する。

11.5 受容基準

11.5.1  注射針取り付け時のトルク値は,全て0.0600.080 N・mの範囲でなければならない。
11.5.2 投与量≦0.20 mLの場合,計算値(収集された液体の容量)が設定用量の±0.01 mL以内であれば
許容できると判断する。
サンプルの大きさに対する両側許容限界係数k(すなわち,n=60,k=2.67,95 %の信頼水準及び97.5 %
の内在確率)を使用して,次の二つの条件が満たされなければならない。

――――― [JIS T 3226-2 pdf 13] ―――――

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s (k Ssd ) ≦UL
及び
s (k Ssd ) ≧ LL
ここに, s : 標本平均
Ssd : 標本標準偏差
UL : 上限規格限界
LL : 下限規格限界
注記 ISO 16269-6:2005の附属書Eは,真の母集団平均及び標準偏差が未知の場合,両側統計
的許容区間を構成する許容限界係数を示している。JIS T 3226-1の表B.2(両側許容限界
因子)は,95 %信頼水準の両側許容限界を包括的に示している。
11.5.3 投与量>0.20 mLの場合,計算値(収集された液体の容量)が設定用量の±5 %以内であれば許容
できると判断する。
サンプルの大きさに対応する両側許容限界係数k(例えば,n=60,k=2.67,95 %の信頼水準及び97.5 %
の内在確率)を使用して,次の二つの条件が満たされなければならない。
s (k Ssd ) ≦UL
及び
s (k Ssd ) ≧ LL
ここに, s : 標本平均
Ssd : 標本標準偏差
UL : 上限規格限界
LL : 下限規格限界
注記 ISO 16269-6:2005の附属書Eは,真の母集団平均及び標準偏差が未知の場合,両側統計
的許容区間を構成する許容限界係数を示している。JIS T 3226-1の表B.2(両側許容限界
因子)は,95 %信頼水準の両側許容限界を包括的に示している。
11.5.4 注射針の取り外し時のトルク値は,0.100 N・m未満でなければならない。注射針がねじ山をもた
ない場合,該当する取り付け時及び取り外し時のトルク試験は,相応の要求事項を満たさなければならな
い。
11.5.4.1 3本以上の注射針の結果が0.100 N・m以上のピーク(取り外し)トルク値の場合,試験は拒否さ
れる。
11.5.4.2 0.100 N・m以上のピーク(取り外し)トルクがゼロ,1本,又は2本の注射針の結果の場合,試
験結果は合格である。

11.6 試験報告書

  試験報告書には,少なくとも次を含めなければならない。
a) 試験日
b) 試験に用いたNISの識別
c) 試験に用いた注射針の識別

――――― [JIS T 3226-2 pdf 14] ―――――

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d) 試験に用いた装置/機器
e) 試験に用いた試験流体/試験液/試験薬の同定
f) 試験環境の温度及び相対湿度
g) 注射針の針基取り外し時のトルク及び投与量精度データを含む試験の測定結果

12 製造販売業者提供情報

12.1 一般

  注射針には,潜在的な使用者の訓練及び知識を考慮して,安全に使用するために十分な情報及び製造販
売業者を識別するための情報を添えなければならない。
取扱説明書は,取扱説明書がなくても注射針が安全に使用できる場合を除いて,二次包装ごとに添付し
なければならない。
4.3に従って決定した流量は,ラベルに表示することが望ましい。

12.2 表示

12.2.1  一般
注射針を安全に使用するために不可欠な,一次包装又は使用者用の包装上の表示は,明瞭で,読みやす
いものでなければならない。
12.2.2 一次包装上の表示
一次包装上の表示には,少なくとも次を含めなければならない。
a) 製造販売業者の名称又は商標
注記1 商標又はロゴは,製造販売業者を識別するために十分である。
b) 針管の外径及び長さ(mm)
注記2 o.d.×L
ここに, o.d. : 針管の公称外径(mm)
L : 針管の公称長さ(mm)
(例 0.33 mm×12.7 mm)
c) “滅菌済み”の旨
d) 製造番号又は製造記号
e) 必要ならば,その使用期限(例えば,年月を,YYYY-MMで表示する。例 2014-12)。
一次包装に使用期限を表示できない場合には,二次包装に表示する。
12.2.3 使用者用の包装の表示
使用者用の包装の表示には,少なくとも次を含めなければならない。
a) 製造販売業者の氏名又は名称,及び住所
b) 使用者が注射針を識別するために必要とする次の事項
1) 12.2.2 b)に従った表示
2) 販売名
3) 形注射針の場合は,“A形”の表示。非A形注射針の場合は,“(非A形注射針との使用を意図し
たNISの販売名)専用”の表示。
4) 形注射針の要求事項を満たす注射針で,かつ,非A形注射針用のNISに取り付けて機能するよう
に設計された注射針の場合,“A形”(また,注射針が別のNISに使用できる旨)の表示。

――――― [JIS T 3226-2 pdf 15] ―――――

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JIS T 3226-2:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11608-2:2012(MOD)

JIS T 3226-2:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 3226-2:2015の関連規格と引用規格一覧