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この箇条は,吸引カテーテルに関連する基礎安全,基本性能及びリスクマネジメントを含むように改正
した。リスクマネジメントファイルの必要性は,医療機器の製造販売業者が医療機器に関連する危険を特
定し,これらの危険に関連するリスクを評価し,これらのリスクをコントロールし,そのコントロールの
有効性を監視することである。管理の妥当性を確認するために臨床評価が必要となることもある。詳細に
ついては,JIS T 14971を参照。
適切であれば,機器の設計の幾つかの要素は,その有効性が確立された生物物理学的又はモデリング研
究を用いて評価することができる。生物物理学的又はモデリング研究には,物理学及び工学の生物学的プ
ロセスへの適用が含まれ,解剖学的モデリング又は臨床使用をシミュレートするための他の手段が含まれ
る。
留意事項として,現在受け入れられている医療行為から逸脱する可能性がある,特定の表示及び意図さ
れた使用のための指示の開示を検討することがある。
5.2 寸法
吸引カテーテルの製造に使用される材料は,可能な限り薄い吸引カテーテルの構築を可能にしなければ
ならず,同時につぶれ及びねじれに対する耐性を維持する。
7.3.6 吸引カテーテルのコネクタ
小口径コネクタシステムが,全ての誤接続の可能性を克服したり,故意の誤用を排除するように設計す
ることはできないことは理解されている。例えば,小口径コネクタを特殊な患者アクセスポートに誤って
接続する可能性が依然として存在する。特殊な患者アクセスポートは,しばしば,内視鏡,気管支鏡及び
外科用器具のような様々な医療機器又は附属品によるアクセスを可能にするように意図された可とう(撓)
性材料の使用を必要とする。これらのアクセスポートは,幾つかの小口径コネクタとの相互接続を可能に
することができる。これらの特殊な患者アクセスポートの使用に伴うリスクは,この規格では対処してい
ない。医療機器又は附属品の製造販売業者及びこれらの特殊な患者アクセスポートを組み込んだ医療機器
又は附属品の規格の開発を担当する委員会は,これらのリスクを評価する必要がある。
7.3.8 吸引調節口
残圧に関連する危険性を低減するために,気道に使用される吸引カテーテルには,吸引調節口を設ける
ことが望ましい。
7.4.2.7 内部容積
患者接続ポートの設計は,再循環ガスの量を減少させるためのデッドスペースを最小限に抑えることが
望ましいため,内部容積は重要である。患者接続ポートの設計は,分泌物の蓄積を最小限に抑えることが
望ましい。
7.4.4.2 吸引調節口の漏れ
臨床医は,使用中の吸引調節口からの液体の流れに注意する。液体には,病原体が含まれている可能性
がある。したがって,これらの機器は,汚染された可能性のある流体を使用中に周囲に漏らさないように
することが重要である。吸引調節口は,閉鎖位置,開放位置,及び二つの状態の間の移行中における漏れ
の部位となってもよい。人工呼吸器からの陽圧は,特に吸引ラインの閉塞の設定において,バルブを通し
て汚染された流体を潜在的に押し込む可能性がある。静的漏れ試験は,閉鎖位置での漏れだけを評価する。
製造販売業者は,機器側端が塞がれ,患者側端に陽圧が加えられた場合でも,吸引調節弁が全ての位置で
漏れのない状態に保たれるようにすることが望ましい。
8.3及び8.4
閉鎖式吸引カテーテル上の吸引調節口性能の試験方法は,これらの機器の製造販売業者によって開発さ
――――― [JIS T 3251 pdf 21] ―――――
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れた歴史的方法に基づいている。ISO/TC 121/SC 2では,シミュレートされた臨床的状態における漏出を
評価するために代替の試験方法を論じた。ISO/TC 121/SC 2は,この規格に規定している試験方法が,出
版時のニーズを満たすのに十分であることに合意した。
8.4及び8.5
漏れ,抵抗性,及び人工呼吸器附属品の内部容積に起因する一回換気量が低下するリスクを軽減するた
めの要件が追加された。閉鎖式吸引カテーテルは,呼吸システムの附属品であるため,呼吸セットに適用
されるのと同じ機能的性能要件が閉鎖式吸引カテーテルにも適用される。詳細は,ISO 5367及びISO
80601-2-12:2011の附属書AA(根拠)を参照。
8.4 漏れ
漏れの限界値は,人工呼吸器及び麻酔用呼吸システムの最大流量の約30 %であり,呼吸セットの最大流
量の100 %である。
表4は,製造販売業者が機器の開発と試験とに統計的方法を使用しており,製造工程中のほとんどの機
器が,表に示されているものよりもはるかに低い漏れであることを認めている。さらに,組み立てられた
システムからの漏れのばらつきは,回路に配置された機器の数の和ではなく,平方根に比例する。漏れに
起因するほとんどの障害は,個々の漏れの積み重ねではなく,システム内の障害状態の結果として発生す
る。製造販売業者が製品を試験することができる数値が必要であるが,この規格は,製造プロセスに内在
するばらつきを認識しており,人工呼吸器に配置された全ての機器が最大許容レートで漏れ,人工呼吸器
の流量を超えることは統計的にはないと認識している。これらの値は,人工呼吸器の流量の30 %,すなわ
ち,約10の平方根となるため,回路内に10個の機器が配置されても流量を超過することはない。
8.5 流量への抵抗性
抵抗性の限界値は,人工呼吸器及び麻酔用呼吸システムの最大流量の15 %であり,呼吸セットの最大流
量の100 %である。
8.6 放射線不透過性
放射線不透過性マーカの要件は,挿管の深さの確認が必要な場合に,吸引カテーテルの視覚化を可能に
することを意図している。
D.2.2
温度条件は,呼吸セット及び加熱式加湿器の,通常の動作条件及び試験条件と同じである。ISO 5367及
びISO 80601-2-74 [4] を参照。
――――― [JIS T 3251 pdf 22] ―――――
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附属書B
(規定)
部品の安全のための試験方法
B.1 原理
取付部品の安全を,軸方向の分離力を適用することで試験する。
B.2 使用器具
B.2.1 吸引カテーテルの環境条件を温度(23±2)℃,相対湿度(50±20)%に設定し,この条件下で試
験を実施するための器具
B.2.2 試験対象となる部品と吸引カテーテルのシャフトとを別々に固定し,これらを(200±20)mm/min
の速度で引き離し,加えられた軸方向の分離力を測定及び記録する器具
B.3 手順
B.3.1 吸引カテーテルを温度(23±2)℃,相対湿度(50±20)%の環境に1時間放置し,この条件下で
試験を実施する。
B.3.2 試験対象となる部品と吸引カテーテルのシャフトとを(200±20)mm/minの速度で引き離し,加
えた力が表2又は表3に規定する力の最小値に達する前に,部品がシャフトから外れたか否かを確認する。
B.4 結果の記録
加えた力が表2又は表3に規定する力の最小値に達する前に,部品がシャフトから外れたか否かを確認
し,記録する。
――――― [JIS T 3251 pdf 23] ―――――
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附属書C
(規定)
残圧の測定
C.1 原理
患者側端から陰圧を開放するための吸引調節口の有効性を試験する。試験方法は,吸引調節口を開放位
置にし,カテーテルの機器側端に吸引圧を加えた状態で,カテーテル先端チップ部の残圧を測定する。
C.2 使用器具
C.2.1 流量計 30 L/minの流量を5 %以内の精度で測定でき,流量抵抗が30 L/minで0.1 kPa未満のもの
C.2.2 可変吸引ポンプ
C.2.3 圧力計 精度±0.01 kPa{0.1 cmH2O}のもの
C.3 手順
C.3.1 図C.1に規定するとおりに使用器具を組み立てる。流量計を吸引ポンプの出口に取り付け,カテー
テルと圧力計との間の気密性を確認する。
C.3.2 開放式吸引カテーテル カテーテルの吸引調節口を開放位置にする。吸引ポンプのスイッチを入
れ,流量計が30 L/minの流量を示すまで,吸引圧を調節する。
C.3.3 閉鎖式吸引カテーテル 圧力計を取り外し,吸引調節口を開放位置にする。吸引ポンプのスイッチ
を入れ,流量計が30 L/minの流量を示すまで,吸引圧を調節する。その後,吸引調節口を閉じ,圧力計を
取り付ける。
C.4 結果の表示
圧力計で読み取った残圧を,kPaで表示する。
――――― [JIS T 3251 pdf 24] ―――――
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T 3251 : 2019
1 流量計
2 可変吸引ポンプ
3 吸引調節口付き吸引カテーテル
4 圧力計
注記 Xは,圧力計で密閉された吸引カテーテルのシャフトの詳細図を示す。
図C.1−残圧試験用器具
――――― [JIS T 3251 pdf 25] ―――――
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JIS T 3251:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8836:2014(MOD)
JIS T 3251:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.040 : 医療設備 > 11.040.25 : 注射器,注射針及びカテーテル
- 11 : 医療技術 > 11.040 : 医療設備 > 11.040.10 : 麻酔設備,呼吸設備及び蘇生設備
JIS T 3251:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST0841-1:2019
- 最終段階で滅菌される医療機器の包装―第1部:材料,無菌バリアシステム及び包装システムに関する要求事項
- JIST0841-2:2019
- 最終段階で滅菌される医療機器の包装―第2部:成形,シール及び組立プロセスのバリデーション
- JIST0993-1:2020
- 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
- JIST7201-2-1:2017
- 吸入麻酔システム―第2-1部:麻酔用及び呼吸用機器―円すい(錐)コネクタ―円すい(錐)及びソケット