JIS T 62366-1:2022 医療機器―第1部:ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用

JIS T 62366-1:2022 規格概要

この規格 T62366-1は、製造業者が医療機器の安全に関連するユーザビリティを分析し,仕様を定め,開発し,評価するためのプロセスを規定。

JIST62366-1 規格全文情報

規格番号
JIS T62366-1 
規格名称
医療機器―第1部 : ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用
規格名称英語訳
Medical devices -- Part 1:Application of usability engineering to medical devices
制定年月日
2019年10月1日
最新改正日
2022年2月25日
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‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 62366-1:2015(IDT), IEC 62366-1:2015/AMENDMENT 1:2020(IDT)
国際規格分類

ICS

11.040.01
主務大臣
経済産業,厚生労働
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2019-10-01 制定日, 2022-02-25 改正
ページ
JIS T 62366-1:2022 PDF [50]
                                                  T 62366-1 : 2022 (IEC 62366-1 : 2015+AMD1 : 2020)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 *適用範囲・・・・[2]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 原則・・・・[8]
  •  4.1 一般要求事項・・・・[8]
  •  4.2 *ユーザビリティエンジニアリングファイル・・・・[9]
  •  4.3 ユーザビリティエンジニアリング作業の調整・・・・[9]
  •  5 *ユーザビリティエンジニアリングプロセス・・・・[10]
  •  5.1 *使用関連仕様の作成・・・・[10]
  •  5.2 *安全に関連するユーザーインターフェイス特性及び潜在的な使用エラーの特定・・・・[10]
  •  5.3 *既知の又は予見可能なハザード及び危険状態の特定・・・・[10]
  •  5.4 *ハザード関連使用シナリオの特定及び記述・・・・[11]
  •  5.5 *総括的評価のためのハザード関連使用シナリオの選択・・・・[11]
  •  5.6 *ユーザーインターフェイス仕様の確立・・・・[11]
  •  5.7 *ユーザーインターフェイス評価計画の確立・・・・[12]
  •  5.8 *ユーザーインターフェイス設計,実装及び形成的評価の実施・・・・[14]
  •  5.9 *ユーザーインターフェイスのユーザビリティに関する総括的評価の実施・・・・[14]
  •  5.10 UOUP・・・・[15]
  •  附属書A(参考)指針及び根拠・・・・[16]
  •  附属書B(参考)ユーザビリティに関連して起こり得る危険状態の例・・・・[35]
  •  附属書C(規定)開発過程が不明なユーザーインターフェイス(UOUP)の評価・・・・[38]
  •  附属書D(参考)医療機器の使用の種類及び例・・・・[41]
  •  附属書E(参考)基本要件との対応・・・・[43]
  •  参考文献・・・・[44]
  •  用語索引(五十音順)・・・・[47]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS T 62366 pdf 1] ―――――

           T 62366-1 : 2022 (IEC 62366-1 : 2015+AMD1 : 2020)

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
電子情報技術産業協会(JEITA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があ
り,日本産業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本産業規格である。
これによって,JIS T 62366-1:2019は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS T 62366 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
T 62366-1 : 2022
(IEC 62366-1 : 2015+AMD1 : 2020)

医療機器−第1部 : ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用

Medical devices- Part 1: Application of usability engineering to medical devices

序文

  この規格は,2015年に第1版として発行されたIEC 62366-1及び2020年に発行されたAmendment 1を
基に,技術的内容を変更することなく作成した日本産業規格である。ただし,追補(amendment)について
は,編集し,一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
この規格でアスタリスク(*)印がある箇所は,指針又は根拠についての説明を,附属書Aに記載して
いる。また,本文中の太字は,この規格の箇条3及び関連するJIS T 14971:2020で定義した用語である。
この規格で定義した用語を太字で表記していない場合,定義は適用せず,意味は文脈に沿って解釈する。
患者の観察及び治療に対して医療機器を使用することが増えており,医療機器のユーザビリティが適切
でないために起こる使用エラーに対する懸念が高まってきている。ユーザビリティエンジニアリング(ヒ
ューマンファクターエンジニアリング)プロセスを適用せずに開発した医療機器は,使用方法が直感的で
なく,習得も使用も難しいことが多い。ヘルスケアの発達に伴い,患者自身を含む熟練度の低いユーザー
が医療機器を使用するようになってきており,また,医療機器もますます複雑になってきている。適切な
ユーザビリティを実現するユーザーインターフェイスを設計するためには,ユーザーインターフェイスを
技術的に実装するのとは異なるプロセス及び技能が要求される。
ユーザビリティエンジニアリングプロセスは,使用エラーを特定して最小限にすることによって,使用
に関連するリスクを低減することを意図している。全てではないが,正しくない使用の中には,製造業者
が対策することが適切なものもある。図A.5に示すとおり,ユーザビリティエンジニアリングプロセスは,
リスクマネジメントプロセスと関連がある。
この規格は,医療機器のユーザビリティに関連するリスクを受容可能にするためのユーザビリティエン
ジニアリングプロセスを規定している。この規格は,医療機器の製造業者だけではなく,個別の医療機器
の規格を作成する国際規格の専門委員会にとっても有用である。
この規格は,ユーザビリティエンジニアリングプロセスを適用して医療機器の安全に関連するユーザビ
リティを最適化することに特化している。関連する標準報告書[IEC TR 62366-2 1)]は,包括的であり,
より幅広い内容である。この標準報告書は,安全に関連するユーザビリティだけではなく,タスクの正確
性,完全性及び有効性並びにユーザーの満足度にユーザビリティがどのように関連するかについても着目
している。
注1) IEC TR 62366-2:2016,Medical devices−Part 2: Guidance on the application of usability engineering to

――――― [JIS T 62366 pdf 3] ―――――

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T 62366-1 : 2022 (IEC 62366-1 : 2015+AMD1 : 2020)
medical devices
製造業者は,ユーザビリティエンジニアリングを安全に限定して実施することも可能であり,安全に加
えて上記のような他の属性にも注目した,より広い範囲で実施することも可能である。より幅広い範囲に
着目することは,例えば,ユーザーが安全に関連しないタスクをうまく実施できるかどうかを確認する必
要がある場合など,ユーザビリティエンジニアリングへの特定の期待に応えるためにも有用なことがある。
製造業者は,医療機器が安全に使用できるだけでなく,優れたユーザビリティを提供するといった商業上
の優位性を実現するために,幅広い範囲で実施することもあり得る。
なお,対応国際規格の追補(amendment)は,2015年に発行された初版を現場で適用した経験を基に,
不正確な記載を改めるために開発が着手されたが,ユーザビリティエンジニアリングプロセスの考え方に
は本質的な変更はない。

1 *適用範囲

  この規格は,製造業者が医療機器の安全に関連するユーザビリティを分析し,仕様を定め,開発し,評
価するためのプロセスを規定する。このユーザビリティエンジニアリング(ヒューマンファクターエンジ
ニアリング)プロセスは,製造業者が,通常使用(すなわち,正しい使用及び使用エラー)に伴うリスク
を評価し,低減することを可能にする。ユーザビリティエンジニアリングプロセスは,異常使用の特定に
使用することは可能であるが,異常使用に伴うリスクの評価又は低減を行うものではない。
注記1 安全とは,受容できないリスクがないことである。受容できないリスクは,使用エラーから発
生することがある。使用エラーは,臨床性能の喪失又は低下を含むハザードにさらされること
につながる可能性がある。
注記2 ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用に関する指針は,IEC TR 62366-2に示し
ており,安全だけでなく,安全に関連しないユーザビリティの側面も対象としている。
この規格で規定するユーザビリティエンジニアリングプロセスに適合する場合,それを覆す客観的証拠
がない限り,その医療機器の安全に関するユーザビリティは,受容可能とみなされる。
注記3 製造後の監視によって,そのような客観的証拠が,後から見つかることがある。
注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62366-1:2015,Medical devices−Part 1: Application of usability engineering to medical devices+
Amendment 1:2020(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。この引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS T 14971:2020 医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用
注記 対応国際規格における引用規格 : ISO 14971:2019,Medical devices−Application of risk
management to medical devices

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T 62366-1 : 2022 (IEC 62366-1 : 2015+AMD1 : 2020)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS T 14971:2020による。
注記 定義した用語の索引を,末尾に示す。
3.1
*異常使用(ABNORMAL USE)
通常使用と異なるか,これに違反し,さらに,製造業者によるユーザーインターフェイスに関連する
リスクコントロールのあらゆる妥当な手段を逸脱する,意識的若しくは意図的な行為,又は意図的な行
為の省略
例 無謀な使用若しくは妨害行為,又は安全に関する情報の意図的な無視が,このような行為に当たる。
注釈1 4.1.3も参照。
注釈2 異常使用に該当しない,意図するとおりだが誤った行為は,使用エラーの一種とみなされる。
注釈3 製造業者は,異常使用の場合であっても,ユーザーインターフェイスに関係しないリスクコン
トロール手段を検討することが求められる。
注釈4 図1に,“使用”の種類の関係を示す。
医療機器の使用(MEDICAL DEVICE use)
通常使用(NORMAL USE)
正しい使用(CORRECT USE)
使用エラー(USE ERROR)
異常使用(ABNORMAL USE)
注記 図D.1に,追加詳細を示す。
図1−使用の種類の関係
3.2
附属資料(ACCOMPANYING DOCUMENTATION)
医療機器に附属し,医療機器の据付け,使用,保守,使用停止及び廃棄に責任をもつ者又はユーザー
に対する情報で,特に安全な使用に関する情報を記載した資料
注釈1 附属資料は,取扱説明書,技術解説,据付手順書,簡易参照ガイドなどで構成可能である。
注釈2 附属資料は,必ずしも,書面又は印刷した文書である必要はなく,視覚的,聴覚的又は触覚的
な資料及び複数の媒体を含むことがある。
注釈3 取扱説明書がなくても安全に使用できる医療機器は,規制当局が取扱説明書の作成を免除する
場合がある。
(出典 : JIS T 14971:2020の3.1に注釈3を追加)
3.3
正しい使用(CORRECT USE)
使用エラーのない通常使用
注釈1 取扱説明書からの逸脱は,製造業者が意図するものとは異なる,又はユーザーが期待したもの

――――― [JIS T 62366 pdf 5] ―――――

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JIS T 62366-1:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62366-1:2015(IDT)
  • IEC 62366-1:2015/AMENDMENT 1:2020(IDT)

JIS T 62366-1:2022の国際規格 ICS 分類一覧

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