この規格ページの目次
4
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る。
3.14
浸透(penetration)
粒子又は液状物質が,防護服の多孔質材料,縫合部,ピンホール,その他の不完全な部分などを非分子
レベルで通過するプロセス。
3.15
プラーク(plaque)
理論的に生育可能な単一のウイルスによる感染及び宿主菌の溶菌の結果,生成する目視可能な透明な領
域。
注記 この規格では,プラークは表層寒天培地に植え付けた大腸菌のローン内の目に見える透明な領
域をいう。この領域は理論的に生育可能な単一のPhi-X174バクテリオファージによってもたら
されるものであり,その領域ではバクテリオファージの感染及び溶菌作用によって細菌が破壊
されている。
3.16
プラーク形成単位 PFU(plaque-forming unit)
プラークを形成する能力をもつウイルス粒子の単位。
注記 理論的には,ローン内の1 PFUが生育可能な単一のウイルスに相当する。
3.17
平板培地(plate)
寒天培地の入ったペトリ皿。
3.18
防護服(protective clothing)
有害物質の暴露又は接触から,作業者の身体の全体又は一部を防護するために着用する衣服。
3.19
人工血液(synthetic blood)
アマランス色素,界面活性剤,増粘剤,無機塩類及び蒸留水の混合液で,血液及び幾つかの体液を代表
する表面張力及び粘度をもつ液体。
注記 この規格における人工血液は,実際の血液又は体液の全ての特性(色,凝固,細胞物質の構成
など)を模擬するものではない。
3.20
代用微生物(surrogate microbe)
この試験方法で,病原体の代わりに使用する微生物。
注記 この規格では,Phi-X174バクテリオファージを代用微生物としている。
3.21
力価(titre)
特定量の他の物質との反応に必要な物質量又はそれに相当する物質量。
注記 この規格では,mL当たりのプラーク形成単位(PFU/mL)で測定した生育可能なバクテリオフ
ァージの量を示すために力価を使用している。
――――― [JIS T 8061 pdf 6] ―――――
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3.22
ウイルス(virus)
代謝機能がなく,生きている宿主細胞内でだけ複製できる微生物。
3.23
ウイルス浸透(viral penetration)
ウイルスが材料を通過するプロセス。
注記 この規格では,防護服材料の開閉具,縫合部,多孔質材料,その他の不完全な部分などをPhi-X174
バクテリオファージが通過するプロセスをいう。
3.24
耐ウイルス浸透性(viral resistant)
特定の試験条件下及び検出方法の下でのウイルス浸透を阻止する材料の性能。
4 原理
JIS T 8031で規定する試験装置内に置かれた,擬似体液であるウイルスの入ったブイヨン又はJIS T 8060
の箇条5(人工血液)の人工血液に,規定時間及び規定圧力に従って試験片を暴露する。液体の浸透が目
視できない場合でも,材料を浸透する生育可能なウイルスを検出することができる手順を用いて,目視で
きない浸透を検出する。
5 微生物及び試薬
5.1 Phi-X174バクテリオファージ[Phi-X174(ATCC 13706-B1)]
5.2 Phi-X174バクテリオファージ負荷試験懸濁液 試験終了後,浸透テストセルから回収されたバクテ
リオファージ負荷試験懸濁液の力価は,1.0×108 PFU/mL(mL当たりのプラーク形成単位)以上でなけれ
ばならない。
注記 この規格で用いる代用微生物であるPhi-X174バクテリオファージは,その微小なサイズ,球状
形態(正二十面体),環境安定性,ヒトへの非感染性,高い分析感度,迅速な分析,高力価など
の理由で,血液媒介性病原体の最適なモデルとして選択した。Phi-X174バクテリオファージに
は外被がなく,また,既知のウイルスの中で最も小さなウイルスの一つである(直径0.027 m)。
5.3 大腸菌[E.Coli. C(ATCC 13706)]
5.4 精製水 ISO 3696に規定するグレード3の水,又はJIS K 8008の3.2(水)に規定した精製水,又
は同等以上の精製水。
5.5 ブイヨン
5.6 塩化カルシウム
5.7 塩化カリウム
5.8 水酸化ナトリウム
5.9 界面活性剤 濃度0.1 %のもの。例えば,ポリソルベート80。
5.10 細菌用寒天
6 試験装置
6.1 浸透テストセル
浸透テストセルは,JIS T 8031に規定するもので,加圧した試験液に接触する試験片を固定するものと
――――― [JIS T 8061 pdf 7] ―――――
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し,次による。
a) 試験片は,浸透テストセル内で,Phi-X174バクテリオファージ負荷試験懸濁液と浸透テストセルの観
測面とを分離する隔壁としての役割を果たす。
b) セル本体は,セル支持台にしっかりと固定する。
c) セル本体には,約60 mLのPhi-X174バクテリオファージ負荷試験懸濁液を満たす。開口部のあるフ
ランジカバー(透明カバーを含む。)によって目視観察ができる。セル本体には,液体を注入するトッ
プポート及び液体を排出する排出弁を備える。セル本体のトップポートに空気ホースを接続する継手,
ガスケット,支持スクリーンなどのその他の部品も必要である。
d) 支持スクリーン付き浸透テストセル例及び試験装置例を,それぞれ図1及び図2に示す。内径が57 mm
である浸透テストセル本体の仕様例を,図3に示す。
6.2 その他の装置
6.2.1 厚さゲージ 0.02 mmの厚さまで測定できるものとする。
6.2.2 支持スクリーン 平滑に仕上げたプラスチック又は金属製のスクエアメッシュスクリーンで,伸縮
性のある材料又は弾性のある材料を支持し,その仕様は,次による。
a) 開口率は,50 %を超えるものとする。
b) 試験片のたわみは,5.0 mm以下とする。
kPaで空気を供給できるものとする。
6.2.3 空気源 (20 02
6.2.4 インキュベータ 温度範囲36±1 ℃を保持できるものとする。
6.2.5 ウォーターバス 温度範囲45±2 ℃を達成できるものとする。
6.2.6 はかり(秤) 精度0.001 g以内で計測できるものとする。
6.2.7 ボルテックスミキサ
6.2.8 冷蔵庫 温度範囲5±3 ℃を保持できるものとする。
6.2.9 オートクレーブ 122±1 ℃及び(214±7)kPa(絶対圧力)を保持できるものとする。
6.2.10 ストップウォッチ又は適切な時間計測器
6.2.11 回転シェーカ
6.2.12 pH計 精度0.1で計測できるものとする。
6.2.13 接種用ループ
6.2.14 分光光度計 640 nmの波長の吸光度を測定できるものとする。
6.2.15 遠心分離機 遠心加速度10 000 gの加速ができるものとする。
6.3 実験用器具
6.3.1 ペトリ皿 滅菌済みで,高さ15 mm×直径100 mmのものとする。
6.3.2 ピペット 滅菌済み,容量1 mL,5 mL,及び10 mLとする。
6.3.3 試験管 直径13 mm×長さ100 mmとする。
6.3.4 試験管立て
6.3.5 ガラス瓶 滅菌済み,容量100500 mLとする。
6.3.6 マイクロピペット 正確に2 Lを注入できるものとする。
7 試験片
7.1 試験片の採取
試験片の採取方法は,次による。
――――― [JIS T 8061 pdf 8] ―――――
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a) 材料サンプル又は防護服完成品から試験片を採取する。これらの試験片は,単一層又は全ての構成層
が防護服完成品と同じ順序で配置された複数層複合材料からなる(必要に応じて滅菌する)。
b) 防護服の設計において,異なる部位に異なる材料又は異なる厚さの材料が用いられる場合は,それぞ
れの部位から試験片を採取する。
c) 防護服の設計において,縫合部が基材と同じ防護性をもたせる場合は,縫合部を含む試験片を追加し
て試験する。
d) 試験片の大きさは,1辺の長さが70 mm以上の正方形とする。
e) 試験枚数は3枚とし,各材料,各複合材料,各部位(異なる材料からなる場合)又は他の異なる条件
の部分から各々3枚をランダムに採取し試験する。
f) 2枚の織物層の間に不浸透性層が存在する防護服材料は,縁辺部での毛細管現象による見せかけの不
合格が発生する可能性がある。試験片の縁辺部をシールし,毛細管現象による影響を防止する。試験
実施前に,接着剤,パラフィルム,パラフィンワックス又は裏面粘着式の発泡体で試験片をシールす
る。試験片の縁辺部だけをシールし,中央の57 mm試験領域(57 mm角)を試験用にあけておく。試
験領域の試験片内部にシール剤が浸入し,ブロック・遮断すると試験の信頼性が損なわれるため,こ
れらを防止しなければならない。防護服材料に適したシール剤又はシール方法を選択する。
7.2 試験片の準備
特に指定がない場合は,試験片を気温21±5 ℃及び相対湿度(60±10)%に最低24時間暴露して調整
する。試験に使用する試験片は,必ず滅菌するものとする。
必要であれば,滅菌などの他の試料調整を行い,防護服の機能劣化を評価する。
8 試験
8.1 試験培地の調製
8.1.1 ブイヨン
ブイヨンは,次による。
− バクトトリプトン(Bacto-trypton) (8.0±0.1)g
− 塩化カリウム (5.0±0.06)g
− 塩化カルシウム (0.2±0.003)g
− 精製水(5.4参照) (1 000±12.5)mL
− 界面活性剤(5.9参照) (0.1±0.001 25)mL
a) バクトトリプトン,塩化カリウム,塩化カルシウム及び精製水を混合する。
b) ) で混合した溶液のpHを,7.3±1に調整する(例えば,2.5 mol/Lの水酸化ナトリウムを用いる)。
c) 1容量の0.1 %界面活性剤溶液を,9容量のb) の溶液で薄めて(容量比1 : 9で希釈して),ブイヨン
とする。滅菌前に両者を十分に混合させるために,界面活性剤のかくはん中は,ブイヨンを加熱する。
表面張力を(0.042±0.002)N/mに調整するためには,濃度0.01 %の界面活性剤を用いることが望
ましい。
d) ブイヨンをオートクレーブに入れて滅菌する。
e) 滅菌溶液の表面張力は,ISO 304又はJIS K 3362の8.4(表面張力)に従って測定する。ブイヨンは,
修正後の表面張力が(0.042±0.002)N/mの範囲内でない限り,使用してはならない。
8.1.2 底層培地
底層培地は,次による。
――――― [JIS T 8061 pdf 9] ―――――
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− 細菌用寒天(Bacto-agar) (15.0±0.19)g
− ブイヨン (8.0±0.1)g
− 塩化カリウム (5.0±0.06)g
− 精製水(5.4参照) (1 000±12.5)mL
− 塩化カルシウム溶液 (1.0±0.012 5)mL
a) 細菌用寒天,ブイヨン,塩化カリウム及び精製水の混合溶液を,オートクレーブに入れて滅菌する。
b) 精製水を用いて,1 mol/Lの塩化カルシウム溶液を調製し,オートクレーブに入れて滅菌する。
c) ) の混合溶液にb) の塩化カルシウム溶液を加えて,底層培地とする。
d) ) の底層培地のpHを7.3±1に調整する(例えば,2.5 mol/Lの水酸化ナトリウムを用いる)。
e) Hを調整した底層培地を,再度オートクレーブに入れて滅菌する。
f) 大腸菌の増殖が悪い場合は,ブイヨンに替えて,バクトトリプトンを使用してもよい。
8.1.3 表層培地
表層培地は,次による。
− 細菌用寒天(Bacto-agar) (7.0±0.09)g
− ブイヨン (8.0±0.1)g
− 塩化カリウム (5.0±0.06)g
− 精製水(5.4参照) (1 000±12.5)mL
− 塩化カルシウム溶液 (1.0±0.012 5)mL
a) 細菌用寒天,ブイヨン,塩化カリウム及び精製水の混合溶液をオートクレーブに入れて滅菌する。
b) 精製水を用いて,1 mol/Lの塩化カルシウム溶液を調製し,オートクレーブに入れて滅菌する。
c) ) の混合溶液にb) の塩化カルシウム溶液を加えて,表層培地とする。
d) ) の表層培地のpHを7.3±1に調整する(例えば,2.5 mol/Lの水酸化ナトリウムを用いる)。
e) Hを調整した表層培地を,再度オートクレーブに入れて滅菌する。
f) 大腸菌の増殖が悪い場合は,ブイヨンに替えて,バクトトリプトンを使用してもよい。
8.2 コントロール
次のコントロールを,各防護服材料の試験を行うとき,同時に使用して評価する。
a) バックグラウンドの判定は,平板培地又は適切な手段による。
b) 少なくとも1日1回,次のものを標品として使用する。
1) 陰性試験の標品 医療包装用ポリエステルフィルムなどの,厚い不浸透性モノリシックフィルムか
ら作られたサンプル。
2) 陽性試験の標品 Phi-X174バクテリオファージの平均直径0.027 mを僅かに超える孔径(0.050±
0.005)mのマイクロフィルタから作られたサンプル。
8.3 バクテリオファージ負荷試験懸濁液の調製
バクテリオファージ負荷試験懸濁液の調製方法は,8.4で指定した濃度となるように,バクテリオファー
ジ原液をブイヨン又は人工血液を用いて薄め,バクテリオファージ負荷試験懸濁液を調製する。8.9で規定
する測定手順を用いて最終的なバクテリオファージ濃度(力価)を確認する。
なお,バクテリオファージ原液調製方法の例を,附属書JA及び附属書JBに示す。
8.4 材料適合性の判定
バクテリオファージ負荷試験懸濁液の力価に影響を及ぼす可能性がある防護服材料の適合性試験を行う。
a) 試験対象の各材料を代表する3試験片を試験する。
――――― [JIS T 8061 pdf 10] ―――――
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JIS T 8061:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16604:2004(MOD)
JIS T 8061:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.340 : 防護設備 > 13.340.10 : 防護服
JIS T 8061:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK3362:2008
- 家庭用合成洗剤試験方法
- JISK8008:1992
- 生化学試薬通則
- JISL1096:2010
- 織物及び編物の生地試験方法
- JIST8031:2010
- 化学防護服―防護服材料の加圧下における耐液体浸透性試験
- JIST8060:2015
- 血液及び体液の接触に対する防護服―防護服材料の血液及び体液に対する耐浸透性の求め方―人工血液を用いる試験方法