JIS T 8121-2:2018 防護服―ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための手袋及びアームガード―第2部:鎖かたびら以外の材料からなる手袋及びアームガード | ページ 2

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4.2.3 ナイフ突刺し抵抗及び切創抵抗
4.2.3.1 一般
手袋,アームガード,防護スリーブ及びそれらの組合せによる突刺し抵抗は,手袋又はその袖口と,そ
れに接合しているアームガード又は防護スリーブとの接合部分を含む防護面全体にわたって与えられなけ
ればならない。
4.2.3.2 布はく,皮革,複合手袋のプラスチック,アームガード及び防護スリーブ
6.5に規定する方法及び0.65 Jの衝撃力でJIS T 8121-3に規定する方法によって試験をしたとき,平均突
刺し深さは8 mmを超えてはならず,かつ,単一の突刺し深さは14 mmを超えてはならない。
4.2.3.3 切創抵抗
全ての手袋,アームガード及び防護スリーブは,6.6によって試験を行い,全ての規定の方向において切
創抵抗を測定したとき,20 N以上の切創抵抗力がなければならない。

4.3 材料の性質

4.3.1  一般
防護手袋,アームガード及び防護スリーブは,短期的又は長期的な損傷を与える素材によって構成しな
いものとする。製品に含まれる一般に感作性のあることが知られている物質について表示し,アレルギー
を引き起こした場合の対処法を警告表示する(箇条8参照)。手袋及びアームガードには,損傷を与えるよ
うな粗い,鋭利な表面又は端面,及び鋭利なワイヤ状の突起があってはならない。
手袋,アームガード及び防護スリーブの材料は,取扱説明書に記載された方法によって洗浄され,かつ,
殺菌されたとき,それぞれの正規の耐用年数の間は,防護性能を失ってはならない。
製品は,A.3によって試験する。
注記 感作性とは,アレルギー誘発性ともいい,皮膚などを刺激し,アレルギー様症状を起こす性質
のことをいう。そのような性質をもった物質を感作性物質という。
4.3.2 洗浄温度に対する安定性
洗浄温度に対する安定性は,JIS T 8121-1の4.5.2(洗浄温度の安定性)及び6.6(洗浄温度でのプラスチ
ック製アームガードの物理的安定性の試験)による。

4.4 人間工学的要求事項

  人間工学的要求事項は,附属書Aによって試験を行い,手袋,アームガード及び防護スリーブが,取扱
説明書に示す用途に適合していなければならない。

5 試験装置

5.1 アームガード及び防護スリーブの手袋への取付け評価用試験装置

  可搬式のフォースゲージ,ばねばかり(秤)又は同様の装置を使用する。小形のクランプ又はクリップ
を使用してゲージを試験品目に取り付ける。クランプとゲージとの間は,フレキシブルな接続でなければ
ならない。ゲージは0 N200 Nの測定範囲のもの1台,又は0 N30 N及び100 N200 Nの測定範囲の
もの2台を使用する。ゲージの精度は,25 Nにおいて±3 N,150 Nにおいて±10 Nとする。

5.2 衝撃切創試験装置

  衝撃切創試験装置は,JIS T 8121-3による。

5.3 切創抵抗試験装置

  切創抵抗試験装置は,JIS T 8052による。

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6 試験方法

6.1 前処理

  試験の前に,取扱説明書の指示によって,試料の水洗い及び乾燥を5回行う。特別な指定がない場合は,
JIS L 1930によって試料を水洗いし乾燥する。乾燥は,タンブル乾燥機を使用して,70 ℃未満の温度で行
う。ドライクリーニング対応表示の付いた製品は,洗浄サイクルの前にJIS L 1931-2の8.1[P1法(一般
的な試料の試験方法)]によってドライクリーニングを5回実施する。

6.2 調整

  試料は,試験前に20±2 ℃及び相対湿度(65±5)%で24時間以上調整する。試験は,調整環境中で行
うか,又は試料を調整環境から取り出して5分以内に行う。

6.3 防護範囲の試験

  取扱説明書の指示によって,適切な寸法の試験試料を被験者に正しく着用させる。手,手首及び前腕の
防護範囲についての試験は,JIS T 8121-1の5.6[点検棒(blant probe)]に規定する点検棒を挿入して試験,
測定を行う。
通常,目視できる開口部から点検棒の挿入を試みる。発見された全ての細長い切り口,開口部又は重な
り部分に対して点検棒試験を行う。防護されている皮膚を基準にして0°45°の角度,及びまっすぐに
腕を上げる方向とまっすぐに腕を横切る方向との間のあらゆる角度で点検棒による試験を行う。このアプ
ローチ角度の範囲内で,最大4 Nの力を加えながら,点検棒を開口部又は潜在的な開口部上で移動させ,
試験試料を突き抜けるかどうか確認する。防護範囲内で,隙間として挿入できた箇所を全て試験報告書に
記録する。
6.4 アームガード及び防護スリーブの手袋に対する取付け強さ,並びに手袋の袖口内及び上肢からの防
護スリーブの位置ずれに対する抵抗
取扱説明書によって,適切な寸法の試験試料を被験者に正しく着用させる。クランプ(5.1参照)を,手
袋の取付け位置から40±5 mm上に,又は取り付けない製品では,被験者の手首の75±10 mm上に,アー
ムガード又は防護スリーブの外周4か所に順番になるべく等間隔になるように取り付ける。各クランプの
位置に荷重測定器又は同様の装置を取り付け,5秒10秒間にわたり徐々に試験荷重を加える。できる限
り上肢の上近くに皮膚に平行に力を加える。アームガード又は防護スリーブの位置の変化を観察し,規定
の力に到達した直後にずれを測定する。次の試験を開始する前に,アームガード又は防護スリーブを元の
位置に戻す。
なお,試験結果を試験報告書に記録する。

6.5 衝撃切創試験

6.5.1  一般
衝撃切創試験は,JIS T 8121-3のほか,次による。
6.5.2 試料及び試験位置
試料には,可能な限り無傷の手袋を使用する。6回の衝撃切創を手袋の甲に加えることができるように
手袋を試験片支持具に装着する。手袋の長軸に沿って2回,これに対して90°に2回,及びそれらに対し
て45°に2回の衝撃切創を加える。加える場所は,試料上の,損傷のない,15 mm以上離した場所とする。
手袋の指部がぜい(脆)弱な構造であることが明らかな場合,JIS T 8121-3の規定によって指部の試験
片を衝撃切創試験用に準備し,試験を実施する。合計6か所の衝撃切創を与える。
防護材料の種類ごとに,アームガード及び防護スリーブを試験する。これらを試験装置に取り付けるた
めに,必要に応じて横方向に切り取って短い筒状にする。合計6か所の衝撃切創を与える。

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個々の試験結果及びその算術平均値,製品の防護性能に関する観察結果,並びにナイフの衝撃によって
生じた鋭利な破断面,断片,又は鋭利なワイヤ状端面などについて,試験報告書に記録する。

6.6 切創抵抗試験

6.6.1  一般
切創抵抗試験は,JIS T 8052によって実施する。
6.6.2 試験片
手袋の甲,手のひら部,指部,袖口から試験片を切り出す。指部と手のひら部の端から端まで横方向に
切創される方向に指部及び手のひら部の試験片を置く。手袋の長手方向に対して45°に切創される方向に
甲の試験片を置く。手袋の長軸方向に平行に切創される方向に袖口の試験片を置く。各方向の切創力を測
定する。
製品の縦横方向及びそれらに対し45°の角度で切創する切創力を判定するために,アームガード及び防
護スリーブから試験片を切り出す。防護材料の各構造の種類ごとに試験を実施する。
6.6.3 試験
JIS T 8052の規定によって切創試験を実施する。6.1の前処理の規定に従い,完成品のまま試験片を前処
理する。6.6.2の規定によって,各方向で切創力を測定し,結果を試験報告書に記録する。

6.7 アームガード及び防護スリーブの長さの測定

  製品の長さの測定は,サイズが適合する被験者に正しく装着させた状態で行う。被験者は,腕を正面に
水平に伸ばす。その状態で,表示されている長さか,又は取扱説明書に記載されている製品箇所の長さで
あるかを測定する。
表示されている長さ又は記載されている長さ及び測定した長さを試験報告書に記録する。

6.8 隙間寸法の試験

  JIS T 8121-1の5.5(すき間ゲージ)に規定したNo.2ゲージを使用し,手袋,アームガード又は防護ス
リーブの金属製若しくはプラスチック製構成部品,又は互いの接続具間の隙間について試験を実施する。
10 N以下の力で隙間にゲージを押し込む。このときゲージが必要以上に入り込み過ぎる場合は,試験中の
材料を折り曲げてもよい。各隙間の種類ごとに五つの試料を試験する。ニット製品の主要な範囲及びパネ
ルとの縫合部を試験する。
防護範囲内で,隙間として挿入できた箇所を全て試験報告書に記録する。

7 試験報告書

  試験報告書には,次の情報を記載する。
a) この規格への言及
b) 試料の説明,名称,コードによる固有情報,出所,与えられたサイズ,ロット番号又は同等の番号,
及び製造日。
c) この規格にある手袋など,防護スリーブ試料とともに使用することが要求される,その他全ての品目
の一覧及び明細。
d) 試験の日付及び実施した試験の一覧。
e) 被験者のA.2に規定された詳細。
f) 次の試験の結果及びこの規格の要求事項に対する試料の適合性の判定に関する宣言。
1) 6.3の試験を実施したとき,防護範囲が4.1.24.1.6に適合しているかどうか。
2) IS T 8121-1の4.5.2(洗浄温度の安定性)及び6.6(洗浄温度でのプラスチック製アームガードの物

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理的安定性の試験)の規定によって行うプラスチック製のアームガードの温度安定性試験の結果。
3) 5.1,6.3及び6.4の規定によって実施するアームガード及び防護スリーブの取付けに対する試験結
果。
4) 柔軟性をもつアームガードがA.5に規定する手順の間に適切な部位に保持され,6.4の試験中に手首
から上に40 mm以上移動しないかどうか。
5) 6.5.2の規定によって行われる試験における衝撃切創試験の個々の結果,各一連の試験についての算
術平均値並びに製品の防護性能に関する観察結果,及びナイフの衝撃によって生じた断面の詳細。
6) 6.6に規定する各試験方向において測定された切創力。
7) アームガード及び防護スリーブ上の最小長さの表示が,6.7及びA.5の試験において正確であること
の確認ができたかどうか。
8) 6.8の規定で行った隙間試験の結果。
9) .3の規定で行った無害性評価の結果。
10) .4の規定で行った手袋サイズの確認結果。
11) .5の規定で行ったアームガード及び防護スリーブサイズの確認結果。
12) 附属書Aによる手袋の評点計算及び手袋の合否の判定結果のほかに,A.6に規定するグリップアン
ドプルテストの数値及び規定の結果。
g) 試料が,この規格の全ての要求事項に適合しているかの判定。
h) 試験機関の名称及び責任者の署名

8 表示

  この規格に適合する手袋,アームガード及び防護スリーブには,少なくとも次の事項を取り外せないよ
うに,かつ,よく見えるように表示する。
a) 規格番号
b) 製造業者名又は輸入業者の名称又は商標
c) 製造業者による製品の種類の指定,商品名又は製品を特定するコード。
d) 製品のサイズ
e) 最高許容洗浄温度が82 ℃未満であれば,その温度。
f) 箇条10に規定する図記号。
可能な場合は,製品又はパッケージに製品に関する次のg) j) の情報を添付する。
g) 製品が対象とする,又は特に対象としない用途。
h) 対象とする危険有害性
i) 製品に含まれる布はく及び材料の種類
j) JIS L 0001による取扱いに関する表示記号(禁止記号が重要)

9 使用者のための情報及び使用についての指示

  手袋,アームガード及び防護スリーブには,取扱説明書を添付する。指示は,正確で分かりやすいもの
とする。取扱説明書は,少なくとも次の情報を含まなければならない。
a) 箇条8で要求される情報。
b) 製造業者又は正規の代理店の名称及び住所。
c) 製品が対象とする作業の種類。

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d) 製品の選択方法に関する助言。例えば,この規格に適合する製品,及びJIS T 8121-1に適合する他の
製品が与える防護の違いに関する説明。
e) 適正サイズ製品の選択及びそのチェック方法に関する助言。
f) 製品を正しく着用し,調整する方法に関する助言。
g) 必要な防護を得るための,その他の個人用保護具(PPE)の着用に関する助言。
h) 防護は,ナイフ,金属片,ガラスなどの鋭利な縁部による切創に対する防護,及び広幅ナイフによる
突刺しに対する防護に限定されることの警告。
i) 手及び腕に大きな切創作用が生じるような使用をしてはならないことの警告。
j) ストラップの余った端を短くすることを除き,製品を改造してはならないことの警告。
k) 環境条件,又は与えられた防護性能を大幅に低下させる誤った使用法の警告。
l) 与えられた防護性能を大幅に低下させる化学品,油脂,溶剤,経年変化又は磨耗の影響の警告。
m) 製品の使用によって,使用者が傷害のリスクにさら(曝)される可能性がある作業の種類の警告。特
に,動力工具及び可動部をもつ機器に対する危険を明記する。
n) 製品に使用されている材料で,アレルギー反応を起こす可能性のある材料,又は発がん性が知られて
いる材料についての警告。
o) 製品性能の低下を招くことが知られている処理及び洗浄の繰返しの影響についての警告を含む種々の
洗浄方法に関する適切な指示。
p) 製品の保管に関する指示。
q) 製品の磨耗及び劣化について点検する方法の指示。
r) 製品を修理するか又は交換するかを決定するための基準の指示。

10 図記号

  この規格の要求事項を満たす製品には,図2に示すISO 7000-2619及びISO 7000-1641で規定する図記
号を表示する。図記号は,製品又はそれを供給するための包装に,この規格の番号(JIS T 8121-2)ととも
に示す。
図柄の幅は,30 mm以上とする。

――――― [JIS T 8121-2 pdf 10] ―――――

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JIS T 8121-2:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13999-2:2003(MOD)

JIS T 8121-2:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 8121-2:2018の関連規格と引用規格一覧