JIS T 8121-2:2018 防護服―ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための手袋及びアームガード―第2部:鎖かたびら以外の材料からなる手袋及びアームガード | ページ 3

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a) 短袖手袋
b) 長袖手袋
1 手首[尺骨けい(茎)状突起先端]の位置
A 短袖手袋が与える防護長
B 長袖手袋が与える防護長
C 長袖手袋と上腕との間のクリアランス
図1−短袖手袋及び長袖手袋の防護長
ISO 7000-2619 ISO 7000-1641
a) 切創及び突刺しに対する防護 b) 取扱説明書
図2−図記号

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附属書A
(規定)
人間工学試験
A.1 原理
手袋のサイズは,該当する手及び腕のサイズの被験者に着用させて手袋及びアームガードのフィット性
を試験し,確認する。製品の人間工学上の特性は,規定の動作を行う被験者への質問及びその回答によっ
て評価する。
A.2 被験者
被験者には,適度に激しい手及び腕を使う作業を行う作業員に期待される体格及び手先の器用さをもつ
者を選択する。被験者は,この種の保護具を常時使用している者である必要はない。JIS T 8121-1に定義
された手の周長及び長さを測定し,JIS T 8121-1の附属書B表1(手袋の公称サイズ)を参照してその手
のサイズを判定する。試験対象の手袋に表示されたサイズの手をもつ,少なくとも5人の被験者を選択す
る。製造業者の製品範囲に十分な手袋のサイズが含まれている場合は,被験者として,手袋のサイズに合
わせて男性又は女性を選択する。第1指(親指)の長さは,他の手の寸法とあまり相関しないため,極端
に第1指の寸法が長い被験者を選択しないように注意する。アームガード及び防護スリーブが使用者の身
長別サイズになっている場合は,被験者の身長を測定し,適合するサイズのものを使用する。
A.3 製品の試験
手袋,アームガード又は防護スリーブを着用する前に,使用者に危害を加えるような鋭いエッジ又は表
面,粗く硬い領域,ワイヤ端の突出し又はその他の形態について,目視及び手で製品を試験する。重大な
欠陥が見つかった試料は,人間工学試験を実施せずに新たな試料に交換する。
試験結果を試験報告書に記録する。
A.4 手袋サイズの確認手順
手袋のサイズが表示する大きさの手の被験者が手袋を着用したとき,緩過ぎず,また,窮屈過ぎない場
合は,正しく表示されているものとする。手袋のフィット性は,5人の被験者及び1名の判定者が判定す
る。
手袋を適切に装着する。次に被験者は,被験者の正面の腰の高さ付近に固定された直径30 mm40 mm
の水平バーを握る。
次の基準のいずれかに一致した場合は,手袋が小さ過ぎると判定する。
− 着用者が,バーを握ったときの変形,又は握っているときの手のひら若しくは手の甲が締め付けられ
ると感じる。
− 着用者が,バーを中心として親指又は他の指を曲げた状態を維持するために,連続した筋肉の緊張を
感じる。
− 着用者の手袋の各指先がきつく,着用者がバーを握っている間,判定者が手袋の指先の部分をつまむ
ことができない。
次の基準のいずれかに一致した場合は,手袋が大き過ぎると判定する。

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− 着用者が,バーを握っているとき手袋が手に緩く,握りを少し緩めたときに手が手袋の内側で容易に
動く。
− 判定者が手袋の両側面をつまんだとき,つまんだ部分の長さが両側面で合計15 mm以上になる。
− 判定者が任意の指の先端をつまんだとき,つまんだ部分の長さが20 mm以上になる,又は5本の指の
つまめる部分の長さの平均が15 mm以上である。
被験者の回答が著しく客観性に欠ける場合には,同じ公称サイズの手をもつ2名の追加被験者がその手
袋を着用し,そのフィット性を再評価する。追加被験者の両者がフィットした場合には,そのサイズ表示
を合格とする。
評価結果を試験報告書に記録する。
A.5 アームガード及び防護スリーブのサイズ確認手順
取扱説明書及び製品に添付された表示を試験する。該当するサイズの5人の被験者を選択し,製品を評
価する。製品に装着する適切なサイズの互換式手袋を選択し,着用する。
試験をするとき被験者が製品の下に着用する衣服は,取扱説明書によるものとする。指示がない場合は,
薄地の半袖つなぎ服又はジャケットを着用し,その上に長袖つなぎ服又はジャケットを着用する。
取扱説明書によって,製品を着用し,調整する。互換式手袋を装着して調整する。着用者は,立った状
態で腕を垂直に持ち上げ,上に伸ばす。次に,腕を体の脇に下ろし,握った拳を胸に持っていき肘を最大
限曲げる。次に腕の力を抜いて体の脇に垂らす。次に,前にある水平バーをA.4の規定に従って握り締め
る。
判定者は,アームガード又は防護スリーブによる防護範囲が,JIS T 8121-1の4.1.6.1(硬質アームガー
ドの防護領域)4.1.6.3(長尺アームガードの防護領域と取付け)並びに4.1.5(手袋のサイズ)及び4.1.6
(アームガード及び手袋の組合せ)に規定した要求事項に適合していることを確認する。
次に着用者は,伸ばし,曲げ及びリラックス動作を,アームガード,防護スリーブ又は手袋を調整せず
に10回繰り返す。次に着用者は,水平バーを握り締め,判定者は,アームガード又は防護スリーブ及び手
袋が与える防護領域を確認する。特に判定者は,製品が適切な部位に留まっており,要求された重なり部
分が手首部分に保持されていることに注意する。
着用者は,製品の過剰な窮屈さ又は試験中の動きの制約,及び製品の不適切な緩み又は動きを報告する。
アームガード又は防護スリーブの合否の評価とともに,試験報告書に評価結果を記載する。
A.6 グリップアンドプルテスト
A.6.1 原理
作業の対象物をしっかりと握ることが可能であり,ナイフで大きな力を加えたとき滑らないことが,食
肉の切り分けなどに使用される手袋の重要な安全上の特性である。骨スキでの作業に関する力の測定結果
は,ピーク時に300 Nを超えており,絶えず100 Nの力が加えられていることを示している。この規格に
よって規定する種類の手袋は,軽作業だけに使用することを前提としている。試験で加える力は表A.4に
規定する。
この試験では,金属製の円柱を手前に引っ張る4名の被験者が必要である。これは,体から離れた位置
で切り分け作業をするときに作業対象を保持する動作を模している。被験者は,試験用の手袋の装着及び
素手,並びに試験用円柱に潤滑油を塗布及び非塗布の状態で動作したとき,自覚される手の疲労感につい
て報告する。

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A.6.2 装置
A.6.2.1 作業台
高さを調節できる天板表面があり,被験者の足をその下に入れるスペースがある。
A.6.2.2 水平のステンレススチール製の円柱
円柱は,直径30±1 mmとし,作業台面の上120±10 mmに取り付ける。
円柱は,作業台の手前の縁に対して90±10°の向きとする。円柱は,その端から少なくとも150 mmの
長さの握り部分をもつものとし,その表面を滑らかに研磨する。
この円柱は,作業台面の手前の縁に向いた,曲面と平面との接合部に少なくとも5 mmの半径をもつ丸
みを帯びた終端をもっていなければならない。円柱は,作業台の手前の縁から奥に向かって150±10 mm
の位置にその終端が位置する。図A.1を参照。
円柱は,長軸方向にだけ移動できるように支持する。
A.6.2.3 力の測定システム
力の測定システムは,円柱に掛かる引張り力を表示し,少なくとも0 N400 Nの測定範囲をもつ直読メ
ータを使用する。
このメータは,被験者から遠い側の円柱の終端(A.6.2.2)に接続する。400 Nで引っ張った場合に,円
柱が50 mm以上動いてはならない。このシステムは,±10 Nより高い精度をもつものとする。
A.6.2.4 ハンドレスト
ハンドレストは,握り円柱システムの左右に設置し,被験者がナイフを握った手をそれに載せることが
できるものとする。
ハンドレストは,120±10 mmの高さがあり,作業台の前縁から奥に300±20 mmの位置にハンドレスト
の前面がくるように設置する。ハンドレストは,少なくとも300 mmの長さ及び少なくとも80 mmの厚み
をもつものとする。その角は5 mm以上の曲率半径をもつものとする。
A.6.3 手順
少なくとも4名の被験者がこの試験に参加する。可能であれば,各被験者は,異なるサイズの手袋を着
用する。着用する手は,被験者が作業時にナイフを持つ手ではない方とする。
握り円柱が,ほぼ被験者の腰の高さになるように装置を調節する。被験者の前腕と上腕との角度が約
120°にならなければならない。各被験者は4種類の連続した試験ユニットを実行する。この試験は二つの
試験セット,表A.1に示す素手及び手袋の着用によって行う。
表A.1−試験の構成
試験円柱の状態 試験セット
A B
素手 手袋着用時
ドライ 試験ユニット1 : 素手,ドライ円柱 試験ユニット3 : 手袋着用時,ドライ円柱
潤滑油塗布 試験ユニット4 : 手袋着用時,潤滑油塗布円柱
試験ユニット2 : 素手,潤滑油塗布円柱
各被験者は,表A.2に示す順番で,試験を実施する。

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表A.2−各被験者の試験ユニット順序
被験者の実施手順 試験ユニット実施順序
1回目試験 2回目試験 3回目試験 4回目試験
実施手順A 試験ユニット1 試験ユニット3 試験ユニット2 試験ユニット4
実施手順B 試験ユニット3 試験ユニット1 試験ユニット4 試験ユニット2
実施手順C 試験ユニット1 試験ユニット3 試験ユニット4 試験ユニット2
実施手順D 試験ユニット3 試験ユニット1 試験ユニット2 試験ユニット4
被験者には,実施手順を無作為に割り当てる。ある被験者がある試験ユニットを完了できなかった場合
は,それ以降は順番を繰り上げて続行する。
ドライ円柱ユニットについては,円柱に潤滑油を塗布してはならず,また,乾燥していなければならな
い。潤滑油塗布円柱については,握り部分に潤滑油を十分に塗布する。
各試験ユニットに対し,被験者は,表A.3に示す手順に従う。
表A.3−試験ユニットの手順
順番 動作
1 被験者は,楽な姿勢で台の前に立ち,ナイフ側の手をハンドレスト上に置き,反対の手で握り,
円柱を軽くつかむ。
2 5秒未満で最大荷重(表A.4参照)に達するように引っ張る。
3 荷重を,表A.4に規定する保持力まで緩めて,その状態を最低10秒間維持する。
4 引張りを停止する。被験者は,握りを緩めてその手を握り円柱から離し,30±5秒間休止する。
5 順番1から4までを,更に,5回繰り返し,合計6回とする。
被験者の手及び手袋サイズによる最大荷重及び保持力を,表A.4に示す。
表A.4−グリップアンドプルテストに加える力
手及び手袋サイズ 最大荷重 保持力
N N
6以下 150 60
7及び7 1/2 200 80
8及び8 1/2 250 100
9以上 300 120
各試験ユニットの後に,表A.5に示すように動作を行うときに自覚された手の緊張感及び疲労感に対し
て一つの“試験ユニット評点”を直ちに宣言する。

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  • ISO 13999-2:2003(MOD)

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