JIS T 9205:2016 病院用ベッド | ページ 4

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9.15 不要な水平方向の動き(滑りを含む)による不安定性試験

  不要な水平方向の動き(滑りを含む)による不安定性試験は,次による。
a) 試験の前にベッドを次に示す正常使用での最も不利な位置に準備する。
− ボトムはフラット状態,ボトムの高さ,ベッドの長さ
− キャスター
− サイドレール
− 附属品の耐荷重(利用者体重を除く)を負荷した附属品及び附属品の組み合わせ。
− 製造業者が指定するマットレス(例えば,高さ,質量),又はそのマットレスの質量に相当するおも
りをボトムに均一に分配して載せた状態にする。
b) ベッドに安全動作荷重を図2に示す位置に搭載し,ロック装置(例 ブレーキ)をかけ,2 mm4 mm
の厚さのビニール床材が敷かれ,水平から6°傾いたコンクリート面に乗せる。
c) ロック装置(例 ブレーキ)をかけ,キャスターは最も不利な位置にセットする。
d) 初期のしなやかな動き,初期滑り,初期のキャスターの首振りなどの初期動作後に続き,(傾斜面に対
して)ベッドは50 mmより大きく動かないか確認する。
e) ベッドの通常使用を考慮し,いかなる初期動作も受容できないリスクを生じないか確認する。

9.16 清掃及び消毒試験

  清掃及び消毒試験は,次による。
a) この規格への適合が,本体及びそれらの部分並びに附属品を清掃又は消毒することによって影響を受
ける場合,それらは,いずれかの冷却又は乾燥期間を含む指定した方法に従って一度清掃又は消毒す
る。
b) ベッド洗浄装置に対応したベッドは,製造業者の指定に従い洗浄装置によって洗浄する。
c) これらの手順の後,目視検査によって本体,それらの部分又は附属品には,受容できないリスクを生
じる劣化の兆候がないことを確認し,引き続き9.17によって絶縁耐力試験及び漏えい電流試験を行う。
d) 製造業者が,複数回の清掃又は消毒の影響を評価したことを,リスクマネジメントファイルを調査し
て確認する。

9.17 絶縁耐力試験及び漏えい電流試験

  絶縁耐力試験及び漏えい電流試験は,次による。
a) 絶縁耐力試験は,充電部と器体の表面との間に,定格電圧が150 V以下のものにあっては1 000 V,定
格電圧が150 Vを超えるものにあっては1 500 Vの交流電圧を加えたとき,連続して1分間これに耐
えるか確認する。
b) 漏えい電流試験は,通常の使用状態において,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を
加え,充電部と器体の表面との間又は器体の表面と大地との間に1 kΩの抵抗を接続して流れる電流を
測定したとき,漏えい電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれのない場
合を除き,1 mA以下であるか確認する。

10 検査方法

  ベッドの検査は,製品検査2) と完成品検査3) とに区分し,次のa) 及びb) の検査を実施したとき,この
規格に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の協定によってその一部を省略することができる。
注2) 製品の品質が,設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
3) 既に製品検査に適合した設計・製造による製品の出荷をする場合,必要と認める特性が満足す

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るものであるかどうかを判定するための検査。
a) 製品検査項目
1) リスクマネジメントによる設計
2) 構造及び外観
3) 寸法・形状
4) 性能
5) 表示
6) 附属文書
b) 完成品検査項目
1) 外観
2) 表示

11 表示

11.1 表示の見やすさ

  表示の見やすさは,JIS T 9254の11.1による。

11.2 表示項目

  表示項目は,次によるほかJIS T 9254の11.2による。
a) IS T 9254の11.2 c) を削除する。
b) IS T 9254の11.2 f) を次の文に置き換える。
適合するサイドレール,ベッド用グリップ,マットレス,ヘッドボード及びフットボードの製造番
号又は形式番号
なお,適合機種の種類が多いなどの理由で表示が困難な場合には,“取扱説明書に記載のサイドレー
ル,ベッド用グリップ,マットレス,ヘッドボード及びフットボードを使用すること”などの注意喚
起を表示する。
c) IS T 9254の11.2 l) を次の文に置き換える。
制御装置が,ボトムの不意な動きを防止するために,操作者が動作禁止制御を設定する場合,その
旨をベッドの外側表面で,操作使用時に見える位置に,適切な表示又は記号によって明らかにしなけ
ればならない。
例1 ボトムの不意の動きによって患者が傷害を受ける可能性がある場合,動作禁止制御を遂行す
る。
d) 洗浄装置の使用を意図したベッドは,そのような洗浄方法を許容できないベッドからの区別をするた
め,次に示す文を表示しなければならない。
例2 洗浄目的として,このベッドは洗浄装置を使うことができる。

12 附属文書

12.1 附属文書に関する要求項目

  附属文書は,JIS T 9254の12.1による。

12.2 取扱説明書

  取扱説明書は,JIS T 9254の12.2によるほか,次による。
a) 電源(商用)で作動するベッドが,一次電池及び自動充電回復機能をもたない二次電池の追加の電源

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を内蔵している場合,取扱説明書には,“追加の電源は,定期的な点検又は交換が必要です。”という
警告文を含める。
b) 電池からの漏出が受容できないリスクを生じる場合,取扱説明書には“ベッドをある期間使用しない
場合は,電池を取り外すこと。”という警告文を含める。
c) 内部電源が交換可能な場合は,取扱説明書にその仕様を記載する。
d) 清掃及び/又は消毒のための装置を使用することを意図したベッドの場合,製造業者は,清掃及び/
又は消毒の手順を指定しなければならない。

12.3 技術解説

  技術解説は,JIS T 9254の12.3による。

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附属書A
(参考)
個別指針及び根拠
A.1 一般
個別指針及び根拠は,次を除き,JIS T 9254の附属書Aによる。
なお,次による括弧内の箇条番号は,本文の箇条番号を示す。
A.2 電源供給[6.1 h)]
電源供給/電源(商用)が遮断されている間に必要とされる緊急手段(製造業者によって特定される)
の例 :
− 心肺そ(蘇)生位置(CPR)への緊急背下げ
− その他,製造業者によって特定されるもの
A.3 安定性試験(9.3)
a) 利用者体重として1 100 Nを使用する根拠 1 100 Nは利用者,居住者又は訪問者の体重をシミュレー
トするものとして使用される。110 kgは,男性体重の99パーセンタイルである[3]。110 kgは,1 078 N
又は約1 100 Nに相当する。
b) 負荷をかける領域の説明 横方向試験に関していえば,二人の人間がベッドの側端部に可能な限り近
く並んで前後の端部に座ることも理解できる。IEC 60601-2-38[4]及びEN 1970[5]のとおり,95パーセ
ンタイル値の男性が座ったときのでん(臀)部の幅が466 mmである[3]。よって,2×1 100 N=2 200 N
の負荷を,約950 mmの長さ(466 mm≒475 mm)×2に対して,幅250 mm(従来規格のとおり)に
分布させることを推奨した。縦方向試験の人間一人分の荷重(固定されたヘッドボード及びフットボ
ードの場合)に関しては,ヘッドボード及びフットボードがベッド端に座らせることを阻むため,負
荷は475 mm×250 mmの面積に分布させ,両側部に載せる。ヘッドボード及びフットボードが取り外
し可能な場合の縦方向の試験では,ベッド足側の幅全体に2 200 Nの荷重を分布させる。その長さは,
およそ950 mmである。
患者がベッドにいないときに,来訪者が医療用ベッドの側部又はベッド端部に座ることは非常に一
般的であるため,試験は安全動作荷重なしで行う。これが一番不利なケースである。試験中に安全動
作荷重をベッド上に与えることはベッドを安定させるのに役立ってしまうため,使用するべきではな
い。同様に,横方向及び縦方向安定性試験で規定する荷重は,転倒の可能性を最大限にするために,
一番重い側部又は端部に配置するべきである。しかし,ベッドのいずれの側部が重いかを決めること
は困難であるため,試験は両側部,両端部で実施するのが望ましい。
A.4 患者搬送時の敷居乗り越え試験(9.13.1)
ベッドがキャスターを全部付けた状態で敷居を乗り越えられるようにするためには,JIS T 0601-1の0.4
m/sではなく0.8 m/sを使用する必要がある。操作者は,敷居を乗り越えるのにこの速度を要するため,0.8
m/sの速度は実際の状況に相当する。したがって,在宅環境以外の医療療養施設環境で使用されるベッド
の構造はこの状況に耐え得るものでなければならない。

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A.5 ベッド単体の移動時ドア枠衝撃試験[9.13.2 c)]
速度が,9.13.1(敷居乗り越え試験)及び9.13.2のa) 及びb) で適用される速度0.8 m/sと異なるのは,
操作者がドア枠にぶつからないように,意図的にゆっくりな速度(0.4 m/s)を保つと考えられるためであ
る。
速度0.4 m/sは,旧対応国際規格(IEC 60601-2-38)で要求されていた速度である。
A.6 不要な水平方向の動き(滑りを含む)による不安定性試験(9.15)
6°の角度は,異なる国の建築の法規制を基に決定した。これらの法規制では,床に対して許容される最
大角度が定められており,カナダは5.7°,イギリスは4.76°,アメリカは4.76°,デンマークは2.86°で
ある。
参考文献
[1] CISPR 14-1,Electromagnetic compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and similar
apparatus−Part 1: Emission
[2] CISPR 14-2,Electromagnetic compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and similar
apparatus−Part 2: Immunity−Product family standard
[3] PEEBLES, Laura and NORRIS Beverley, Adult data: The handbook of Adult Anthropometric and Strength
Measurements. University of Nottingham, 1998
[4] IEC 60601-2-38,Medical electrical equipment−Part 2: Particular requirements for the safety of electrically
operated hospital beds
[5] EN 1970,Adjustable beds for disabled persons−Requirements and test methods

――――― [JIS T 9205 pdf 20] ―――――

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JIS T 9205:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-52:2009(MOD)
  • IEC 60601-2-52:2009/AMENDMENT 1:2015(MOD)

JIS T 9205:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9205:2016の関連規格と引用規格一覧