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T 9241-5 : 2015
4.2 最大持ち上げ質量による区分(区分記号)
最大持ち上げ質量による区分(区分記号)は,表2による。
表2−最大持ち上げ質量による区分(区分記号)
単位 kg
区分記号 最大持ち上げ質量範囲
WS 60以下
WM 60を超え 80以下
WL 80を超え 100以下
WLL 100を超え 120以下
WX 120を超えるもの
5 一般要求事項
5.1 リスクマネジメントによる設計
リスクマネジメントによる設計は,製造業者又は販売業者によって実施手順及び実施結果を文書に表し
維持しなければならない。
a) 予測耐用期間をリスクマネジメントファイルに記録する。
注記 予測耐用期間とは,リスクマネジメントを実施するときの前提となる期間である。
b) スリングは取扱説明書に従って正しく装着され,かつ,使用又は合理的に予見できる誤使用をされた
としても,関連するリスクを受容できるレベルまで低減できるように,設計,製造及び配置をする。
c) 合理的なリスク軽減措置を取った後にもリフトにリスクが残る場合は,その防護手段及びリスクがあ
る旨の警告をリフトに表示し,かつ,取扱説明書に記載する。
d) スリングの隙間から落下又は身体が挟み込まれるリスクに関してリスクマネジメントを実施する。
e) 身体に接触する材料については,肌に触れることに関するリスクについてリスクマネジメントを実施
する。リスクマネジメントは,使用目的及び被懸ちょう者と材料との接触を考慮する。
f) 指示される使用法によって被懸ちょう者の身長等の身体的構造に合致させるか,又は合致しない場合
は,リスクマネジメントを実施する。
5.2 外観
スリングは,布地及び糸のほつれ・縫い目のほころびがあってはならない。また,損傷,摩耗又は機能
低下があってはならない。
6 性能
6.1 静的強度
静的強度は,7.2.1によって試験したとき,使用上支障があるような損傷,摩耗又は機能低下があっては
ならない。
6.2 難燃性に関する要求事項
製造業者がスリングの材料を難燃性と明記した場合には,その材料は,7.2.2の試験で発火してしまった
り炎が上がったりしてはならない。
6.3 洗濯及び乾燥
洗濯及び乾燥は,次による。
a) 7.2.3によって試験したとき,スリングの長さと幅は5 %以上収縮してはならない。
――――― [JIS T 9241-5 pdf 6] ―――――
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b) 7.2.3に規定する試験の終了後に,スリングに使用上支障のある損傷,摩耗又は機能低下があってはな
らない。
7 試験方法
7.1 一般試験方法
7.1.1 試験条件
試験は,通常の屋内条件下で行わなければならない。全ての試験は,この規格に規定した順番で行う。
7.1.2 試験装置
試験装置は,次による。
a) 試験おもり シリンダ状のおもりを必要とする場合には,鉄製で角を丸くとり(R25 mm以上),直径
350 mmとする(図2参照)。非剛性スリングの試験を行うときには,被懸ちょう者に模擬したおもり
を用いることもできる。
図2−試験用おもり
b) 荷重負荷装置 動的要素が無視できる負荷を加えられるものとする。
7.1.3 試験装置の許容誤差
試験装置の最大許容誤差は,次による。
− 圧力 : ±5 %
− 力/荷重 : ±5 %
− 速度 : ±5 %
− 角度 : ±0.25°
− 長さ : 100 mm以下の場合 ±0.5 mm
− 長さ : 100 mm超えの場合 ±0.5 %
− 時間 : ±0.1 s
この仕様と一致しているか又は一致していないかの確認は,JIS B 0641-1の手順が参考となる。
7.2 スリングの試験方法
7.2.1 静的強度試験
静的強度試験は,次による。
a) スリングに最大質量の1.5倍の負荷を20分間加える。
b) 負荷を取り除いた後に,使用上支障があるような損傷,摩耗又は機能低下がないかを確認する。
――――― [JIS T 9241-5 pdf 7] ―――――
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7.2.2 難燃性試験
難燃性試験は,JIS L 1091のA法による。
7.2.3 洗濯及び乾燥試験
洗濯及び乾燥試験は,次による。
a) スリングが洗濯可能なものについては,スリングを製造業者の指定に基づき洗濯及び乾燥を10回行
い,その後,最大質量の1.5倍の負荷を20分間加えて試験する。
b) ) の試験終了後,布地,縫い目,ステッチ,ループ,ループ固定部,硬い部品が当たっている部分の
布地などを特に念入りに目視によって検査する。また,使用上支障があるような損傷,摩耗又は機能
低下がないかを確認する。その後,寸法の変化を測定して確認する。
8 検査方法
スリングの検査は,形式検査1)と受渡検査2)とに区分し,検査項目はそれぞれ次による。検査は,箇条5
及び箇条6に適合したものを合格とする。
なお,受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議による。
a) 形式検査項目
1) リスクマネジメントによる設計
2) 外観
3) 性能
4) 表示及び取扱説明書
b) 受渡検査項目
1) 外観
2) 表示
注1) 製品の品質が,設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。
9 表示及び取扱説明書
9.1 一般
表示及び取扱説明書は,JIS S 0101及び附属書JAによるのがよい。
9.2 表示
9.2.1 一般
この規格の全ての要求事項に適合したスリングには,容易に消えない方法で見やすい箇所に次の事項を
表示する。
a) 製品の名称,規格番号及び種類
b) 製造業者又は販売業者の名前及び住所
c) 区分
d) ロット番号又はシリアル番号
注記 トレーサビリティ及び検査記録の視点から,シリアル番号が望ましい。
e) 製造年月
f) 最大持ち上げ質量
――――― [JIS T 9241-5 pdf 8] ―――――
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9.2.2 スリングの表示
製造業者は,スリングに少なくとも次の事項を記載した容易にがれないような固定ラベルを付けなけ
ればならない。ただし,d) f) については,取扱説明書に記載してもよい。
a) スリングの寸法
例 サイズ(S,M,L),縦の長さなど。
b) 介護者がリフトとスリングの取扱説明書を参照するように指示する警告/注意の表示
c) スリングがある特定のハンガーにだけ使用できるようなデザインの場合は,その旨を表示
d) スリングの洗浄及び消毒の方法
注記 例えば,洗浄の場合は,洗濯に関するJIS L 0001の記号がある。
e) スリング個々の適用分野,取扱方法
f) つり上げ方法でも特に姿勢,座位姿勢か,側が(臥)位か,又はその両方か,更に機種選択,デザイ
ン,使用方法に関するその他一切の重要情報
g) スリングの損傷又は摩耗が激しい場合には使用を中止することの警告
9.3 取扱説明書
スリングの購入者に提供される取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載した取扱説明書を添付しな
ければならない。
a) 製造業者,取扱業者又は代理店の氏名,住所及び電話番号
b) 使用前のチェックリスト
c) スリングの使用方法[正しい使用方法及び間違った使用方法を分かりやすく図解することが望ましい。
また,被懸ちょう者を持ち上げることで生じる体圧を分散する方法,背抜き(被懸ちょう者を持ち上
げることで生じる皮膚の引き連れを直すこと。)の方法を記しすることが望ましい。]
d) リフト及びスリングの使用目的
e) ) に規定する主要項目寸法を示すための図/イラスト
f) アフターサービスを受ける際の連絡先の名称,住所,電話番号
g) 洗浄又は消毒の方法などの保守情報
h) 故障及び対応の詳細
i) 技術仕様
− 寸法
− 最大持ち上げ質量
例 リフト及びスリングの最大質量をチェックし,負荷が低い方の質量を超えないように使用し
てください。
− 安全警告(必要に応じて次の内容を含む。もし,リフト機構,ハンガー,スリングのそれぞれの最
大持ち上げ質量が異なる場合には,最も低い最大持ち上げ質量を常に使用しなければならない。)
− 無負荷時のリフトの全質量及び必要に応じて取外し可能(例えば,輸送などのため)な主な部分の
質量
j) 問合せに対して,提供できる取替え可能部品のリスト
k) リスクマネジメントに基づいた全ての警告
l) スリングに使用されている材料
m) スリングの調整及び取外し方法
n) スリングを選択する際には,寸法,種類及びスリングの形を検討する,という利用者への警告
――――― [JIS T 9241-5 pdf 9] ―――――
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o) スリングの取付け及び取外しの方法が,附属の取扱説明書に明確に記載しなければならない。
p) リフトの最大質量区分及びリフト用スリングの最大質量区分が異なる場合の注意
q) スリングが特定の被懸ちょう者に適合しない場合は,具体的な障害の部位及びその症状。
r) スリングが用途,対象リフト及び/又は対象ハンガーを限定する場合は,限定する事項
s) 適用身長
――――― [JIS T 9241-5 pdf 10] ―――――
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JIS T 9241-5:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10535:2006(MOD)
JIS T 9241-5:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.10 : 移動用介護用具
JIS T 9241-5:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0641-1:2020
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品及び測定装置の測定による検査―第1部:仕様に対する合否判定基準
- JISL1091:1999
- 繊維製品の燃焼性試験方法
- JISS0101:2000
- 消費者用警告図記号
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]