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T 9252 : 2007
止することができるかを確認する。
6.5 耐荷重性能試験
6.5.1 静的荷重試験
テーブルを最高高さに上昇させて最大積載量の1.5倍の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等
に載せ,20分間放置し,おもりを取り除いた後5分間放置する。その後,各部の状況を目視によって確認
する。
6.5.2 動的荷重試験
最大積載量の1.25倍の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,最低高さから最高高さま
での往復行程を5回動作させ,おもりを取り除いた後,目視によって確認する。
6.5.3 耐久性試験
最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せて,昇降サイクルを10 000回
の繰り返した後,段差解消機の各部の異常の有無を目視によって確認する。
6.5.4 耐衝撃性試験
テーブルを昇降行程の中間の位置に置き,テーブルの出入口の端から0.1 mの位置に0.2 mの高さから
10 kgの砂袋又はこれに代わるおもりをそれぞれ5回落下させ,各部の状況を目視によって確認する。
6.6 昇降性能試験
6.6.1 昇降速度試験
最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せて,テーブルを上昇及び下降
させ,それぞれの時間を測定し,各測定時間を昇降行程で除し,各速度を求める。
6.6.2 昇降時の騒音試験
最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,高さ1 m,駆動装置から1 m
離れJIS C 1509-1の騒音計によって測定する。この試験は別置きの駆動ユニットに対しても適用する。
6.7 昇降停止性能試験
6.7.1 無負荷時の昇降停止試験
上昇・下降時に行程の中央位置で電動式にあっては,操作スイッチなどを操作して電源を切り,手動式
にあっては,上昇下降動作を中止して,電源を切った時点又は動作を中止した時点から停止した位置まで
の距離を測定する。上昇及び下降のそれぞれについて5回行う。
6.7.2 最大積載量負荷時の昇降停止試験
最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,6.7.1に規定する無負荷時の
昇降停止試験と同様に行程の中央位置で停止させ,電源を切った時点又は動作を中止した時点から停止し
た位置までの距離を測定する。上昇及び下降のそれぞれについて5回行う。
6.7.3 自然降下量試験
最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せたまま,最高高さの位置で15
分間放置し,この間の降下量をテーブル前方中央上面を基準として測定する。
6.7.4 クリープ性能試験
テーブルの上面を上部床面及び下部床面と同じ高さの二つの位置について,最大積載量と同等の質量の
おもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せた場合及び無負荷の場合における,3時間放置後降下量を測
定する。
なお,下部床面がテーブル最低高さ(これ以上降下しない位置)と同一高さの場合には,上部床面だけ
試験する。
――――― [JIS T 9252 pdf 11] ―――――
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6.7.5 エンドリミット装置の停止性能試験
最大積載量をテーブル全面にできるだけ均等に載せた場合及び無負荷の場合に,テーブルが上昇及び下
降のいずれにおいてもエンドリミット装置が作動し,作動と同時に停止することを確認し,停止時の位置
と基準面の位置とのずれを測定する。上昇及び下降のそれぞれについて5回行う。
6.8 安定性能試験
6.8.1 テーブルの安定性試験
最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せてテーブルを昇降させ,動作
の状況を目視で確認する。
6.8.2 傾斜安定性試験
6.8.2.1 据置式の場合
定盤又は厚さ12 mm以上の平らな鋼板を傾斜角度1度に設置し,その上に段差解消機を通常使用状態に
して載せ,6.6.2に規定する位置に最大積載量を載せて,テーブルを最低高さから最高高さまで昇降させる。
6.8.2.2 移動式の場合
定盤又は厚さ12 mm以上の平らな鋼板を傾斜角度5度に設置し,その上に段差解消機を通常使用状態に
して載せ,6.6.2に規定する位置に最大積載量を載せて,テーブルを最低高さから最高高さまで昇降させる。
6.8.3 ずれ安定性試験
ずれ安定性試験は,移動式及び据置き式のものに適用し,次による。
a) 静的ずれ安定性試験 試験台上に段差解消機を通常の使用状態に設置し,テーブルをベースに力が加
えられる最も低い高さ及び最高高さに置き,各々の高さでベースの長さ方向では両端部から内側50
mmの位置及び中央部の3か所,幅方向では両端部から内側50 mmの位置の2か所に各々30 Nの力を
順次加えたときの,設置位置からのずれを測定する。反対側の幅及び長さ方向についても試験を行う。
b) 動的ずれ安定性試験 試験台上に段差解消機を通常の使用状態に設置し,最大積載量と同等の質量の
おもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せた場合及び無負荷の場合に,各昇降サイクルを30回作
動させ,終了後設定位置からのずれを測定する。
6.9 耐水性試験
テーブルを昇降行程の中間位置に置き,JIS C 0920の保護等級IPX3に相当する試験を行い作動に異常
がないかを確認する。
7 検査
7.1 検査の種類及び検査項目
家庭用段差解消機の検査は,形式検査1)と製品検査2)とに区分し,検査の項目は,それぞれ次のとおり
とする。
なお,形式検査と受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議によって定める。
注1) 製品の品質が設計で示したすべての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
注2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しのとき,必要と認める特性
を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
a) 形式検査項目
1) 外観
2) 構造
3) 性能
――――― [JIS T 9252 pdf 12] ―――――
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b) 製品検査項目
1) 外観
2) 安全装置。ただし,5.4.2 d) は除く。
3) 動的荷重性能
4) 昇降速度
5) 昇降停止性能。ただし,5.4.6 c) 及び5.4.6 d) は除く。
6) 表示
8 表示及び取扱説明書
8.1 表示
段差解消機には,次の項目を表示する。ただし,c) 及びd) については出入口の見やすい箇所でもよい。
a) 規格番号
b) 種類又は種類の記号
c) 使用形態又はその記号
d) 最大積載量及び定員
e) 操作ボタン,停止ボタンなどの表示
f) 禁止事項,注意事項などの表示
g) 製造業者名又はその略号
h) 製造番号
i) 製造年又はその略号
8.2 取扱説明書
取扱説明書には,次の項目を記載する。
a) 種類
b) 最大積載量及び定員
c) 製造業者名
d) 最高高さ
e) 最低高さ
f) 使用形態及びテーブル寸法
g) 昇降速度
h) 設置上の留意点
i) メンテナンス方法
j) その他,段差解消機に関する必要な情報
参考文献 JIS T 0601-1-2 医用電気機器−第1-2部 : 安全に関する一般的要求事項−電磁両立性−要求事
項及び試験
ISO 9386-1 : 2000,Power-operated lifting platforms for persons with impaired mobility−Rules for
safety, dimensions and functional operation−Part 1 : Vertical lifting platforms
JIS T 9252:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.140 : 建築物の付帯施設 > 91.140.90 : リフト.エスカレータ
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.10 : 移動用介護用具
JIS T 9252:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC9335-1:2014
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:通則
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]