JIS T 9255:2007 電動立上り補助いす | ページ 2

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はならない。
なお,V字状に開口した部位とは,図2に示すように,押し付け力を加えることによって円筒ゲー
ジがはまり込んでいく構造のものをいう。また,背もたれとひじ部の後端とがなす角度が鈍角を構成
し,かつ,円筒ゲージがはまり込んでいかない構造のものは,この規定を適用しない。
e) 駆動時を含み,手指などの挟み込み又はせん断のおそれがある8 mm25 mmのすき間があってはな
らない。ただし,座面の最も外周から80 mm以上の内側部位における駆動機構上やむを得ない部位に
あっては,この規定を適用しない。また,この場合すき間は,手指などの挟み込みを防ぐためにカバ
ーなどを設けることが望ましい。
f) 座いす式については,座面が下降するときは,座面と床面又は製品基礎部との間に足などを挟まない
構造か,又は異物停止装置をもたなければならない(図1参照)。
g) いす式については,座面が上下駆動するときは,身体の一部を挟み込まない構造か,又は挟み込み部
に異物停止装置をもたなければならない。挟み込みの可能性は,8.1.2によって確認する。ただし,上
下駆動する部分がフリーホイール機構のものは,この限りではない(図3 A部,B部参照)。
h) 昇降装置は,ホールドツーラン制御機構であり,任意の位置で座面の昇降を停止することができなけ
ればならない。また,エンドリミット機構をもたなければならない。
i) 手指,手又は足で操作するように設計された操作のボタン,レバーなどの操作力は,次の数値以下で
なければならない。
1) 指による操作 5N
2) 継続的に機能を始動又は解除するためのレバー操作 13 N
3) 手で始動又は解除するレバー操作 60 N
4) 足による操作 引上げ60 N 押下げ 100 N
j) 3個以上のキャスターをもつものは,2個以上のキャスターにロック機構をもたなければならない。
k) 電動モータ部は,駆動シリンダ部以外は,容易に外れないカバーなどで覆われていなければならない。

6.3 材料

  補助いすの材料は,次による。
a) 通常の使用において,生体への悪影響のない部品及び部材を用いる。部品及び部材の生体への影響
は,リスク分析によって評価しなければならない。
b) 難燃性材料を用いるのが望ましい。

6.4 性能

  補助いすは,箇条8によって試験したとき,表3に適合しなければならない。

――――― [JIS T 9255 pdf 6] ―――――

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表3−性能
項目 性能 試験方法
停止性能 異物停止装置 8.2.1
30 N未満で作動し,昇降動作を停止しなければ
ならない。
固定性能 カバー類 100 N以下の力で外れてはならない。 8.2.2
摩擦係数 床面設置部 8.2.3
床面との摩擦係数は,0.2以上でなければならな
い。
静的強度 座面 8.2.4 a)
各部に破損・外れ,使用上支障のある変形及び
背もたれ ゆるみ,異音並びに機能低下があってはならな
8.2.4 b)
ひじ部の水平力 い。 8.2.4 c)
ひじ部の垂直力 8.2.4 d)
耐久性 負荷昇降機構 8.2.5
耐衝撃性 座面 8.2.6 a)
背もたれ 8.2.6 b)
ひじ部の水平力 8.2.6 c)
安定性 前方安定性 転倒してはならない。 8.2.7 a)
側方安定性 8.2.7 b)
転倒に必要な力Fが,20 N以上でなければなら
ない。
後方安定性 転倒してはならない。 8.2.7 c)
昇降速度 電動駆動式 30 mm/s以下でなければならない。 8.2.8
電気的安全性 湿式絶縁性能 絶縁抵抗は1 M 坎 上でなければならない。試8.2.9 a)
験後の機能に異常があってはならない。

7 試験環境及び試験装置

7.1 床面

  床面は,水平で平たん(坦)な面とする。

7.2 円筒ゲージ

7.2.1  けい(頸)部の挟み込み確認用
直径50 mm,長さ100 mmの剛性の円柱とする。
7.2.2 身体の挟み込み確認用
a) 図3に示すA部の確認用は,直径200 mm,長さ100 mmの剛性の円柱とする。
b) 図3に示すB部の確認用は,直径120 mm,長さ100 mmの剛性の円柱とする。

7.3 荷重測定器

  荷重測定器は,プシュプルゲージ,テンションゲージなどを用い,100±1 Nまで計測できる機器とする。

7.4 ストッパ

  ストッパは,補助いすが移動しないようにするためのもので,転倒するのを防止するものであってはな
らない。ストッパの高さは,12 mm以下とし,補助いすの構造によって12 mmより高いストッパを必要と
する場合には,補助いすが滑るのを防止するために必要な最小限の高さでなければならない。

7.5 座面当て板

  表面が硬く,滑らかな自然な形をした剛性のもの[JIS S 1203の6.3(座面当て板)参照]。

7.6 背もたれ当て板

  高さが200 mm,幅が250 mmの剛性く(矩)形物体で,表面が当て板の幅方向に半径450 mmの円筒状
で,縁を半径12 mmに丸める[JIS S 1203の6.5(背もたれ当て板)参照]。

――――― [JIS T 9255 pdf 7] ―――――

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7.7 ひじ部当て板

  直径100 mmの剛性の円盤で,表面が平らで縁を半径12 mmに丸める。

7.8 小形座面当て板

  直径200 mmの剛性円盤で,半径300 mmの球状表面で縁を半径12 mmに丸めてあるもの[JIS S 1203
の6.4(小型座面当て板)参照]。

7.9 座面衝撃体

  座面衝撃体は,次による[JIS S 1203の6.8(座面衝撃体)参照]。
a) 円筒部 円筒部は,直径約200 mmで,圧縮コイルをばねによって打撃面とは分離させることとし,
打撃面の中央部の平面に垂直な線に沿って,自由に動くことができるようにする。ばねを除いたこの
円筒部及びその関連部品の質量は,17±0.1 kg,ばね及び打撃面を含む装置全体の質量は,25±0.1 kg
とする。
b) ばね 組み合わせたばね系の呼びばね定数は,6 800±1 000 N/m,可動部分の総摩擦抵抗は0.25 N
0.44 N(0.025 kg0.045 kg)の範囲とする。ばね系は,1 020±5 N(静的に測定)の初期荷重を加えて
圧縮し,その位置からばねが完全密着状態になるまでの距離を60 mm以上としなければならない。
c) 衝撃面 打撃面は,内部に乾燥した細かな砂を入れ,ほぼ平らな革製の当て具とする。

7.10 衝撃ハンマ

  ハンマ頭部は,質量6.5 kgの円筒形とし,直径が38 mmで肉厚が1.6 mmの鋼管を振り子の腕として,
回転軸で支持する。回転軸とハンマ頭部との重心間の距離は,1 000 mmとする。振り子は,低摩擦軸受に
よって回転する[JIS S 1203の6.9(衝撃ハンマ)参照]。

8 試験方法

8.1 外観及び構造

8.1.1  ひじ部と背もたれとのすき間
開口部に7.2.1の円筒ゲージを150 Nの力で押し付け,目視で位置を確認する。ただし,ひじ部上面にク
ッション材などの柔軟な材料が施されている場合の基準面は,円筒ゲージにできるだけ近い位置で平板を
水平に保ちながら,ひじ部上面に50 Nの力を加えたときの平板の下面とする(図2参照)。
a) 適合例 b) 不適合例
図2−ひじ部と背もたれとのすき間
8.1.2 身体の挟み込みの可能性
図3に示すA部のように座面が上昇又は下降するとき,腕などが挟まる可能性のある開口部は,7.2.2 a)
の円柱ゲージを挟み込まないか確認する。また,図3に示すB部のように座面の上下以外の駆動機構によ

――――― [JIS T 9255 pdf 8] ―――――

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り最も狭くなった状態で,7.2.2 b) の円柱ゲージを挟み込まないかを確認する(図3参照)。
図3−駆動部のすき間

8.2 性能試験

8.2.1  異物停止装置の停止性能試験
測定するすき間に7.3の荷重測定器を挿入し異物停止装置を作動させ,下降が停止することを確認し,
このときの荷重を測定する。
8.2.2 カバーの固定性能
カバーが外れる方向に対して最も過酷な条件となる方向に100 Nの力で引っ張り,カバーが外れないこ
とを確認する。
8.2.3摩擦力
座面高を最低位に調整し,キャスターをもつものはロックし,JIS G 4305に規定する平滑な鋼板1)上に
置き,座面前縁部を後方に力を徐々に加え,動き始める最大力(最大静止摩擦力)を測定し,次によって
算出した最大静止摩擦力 (Fs) より大きいことを確認する。
Fs= mP g
ここに, μ : 摩擦係数 (0.2)
Fs : 最大静止摩擦力 (N)
mP : 製品質量 (g)
g : 自由落下の加速度 (9.8 m/s2)
注1) 平滑な鋼板とは,JIS G 4305に規定する表面仕上No. 2B又はこれと同等の表面仕上げをいう。
8.2.4 静的強度
静的強度は,次による。
a) 座面 7.5の座面当て板を用いて,表4に示す荷重を鉛直に10回加える。各回ごとに力は,少なくと
も10秒間維持する(図4参照)。
b) 背もたれ 7.6の背もたれ当て板を用いて,背もたれの最上部から100 mm下の位置に,表4に示す荷
重を背もたれに垂直になるよう10回加える。各回ごとに力は,少なくとも10秒間維持する(図5参
照)。

――――― [JIS T 9255 pdf 9] ―――――

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表4−座面及び背もたれの試験荷重
単位 N
区分記号 座面試験荷重 背もたれ試験荷重
W60 780 340
W80 1 040 450
W100 1 300 560
W120 1 560 680
図4−座面強度試験 図5−背もたれ強度試験
c) ひじ部の水平力 ひじ部の最も過酷な条件の位置に,表5に示す荷重を7.7のひじ部当て板を介して
外向きに10回加える。各回ごとに力は,少なくとも10秒間維持する(図6参照)。
d) ひじ部の垂直力 ひじ部の最も過酷な条件の位置に,表5に示す荷重を7.7のひじ部当て板を介して
鉛直に10回加える。各回ごとに力は,少なくとも10秒間維持する(図7参照)。
表5−ひじ部の試験荷重
単位 N
区分記号 水平力試験荷重 垂直力試験荷重
W60 240 480
W80 320 640
W100 400 800
W120 480 960

――――― [JIS T 9255 pdf 10] ―――――

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