JIS W 0106:1995 航空用語(航空機一般)

JIS W 0106:1995 規格概要

この規格 W0106は、航空機に関する用語について規定。

JISW0106 規格全文情報

規格番号
JIS W0106 
規格名称
航空用語(航空機一般)
規格名称英語訳
Glossary of terms for aircraft general
制定年月日
1972年1月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.49, 49.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1972-01-01 制定日, 1975-01-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1983-06-01 確認日, 1984-12-01 改正日, 1990-03-01 確認日, 1995-03-01 改正日, 2000-11-20 確認日, 2005-09-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS W 0106:1995 PDF [14]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                            JIS
                                                                            W 0106-1995

航空用語(航空機一般)

Glossary of terms for aircraft general

1. 適用範囲 この規格は,航空機に関する主な用語について規定する。
2. 分類 用語は,次のように分類する。
(1) 航空機の種類に関する用語
(2) 航空機の寸法·面積に関する用語
(3) 航空機を構成する部分に関する用語
(4) 航空機の重量(物体に作用する重力の大きさ)比に関する用語
(5) 航空機の空気力学·性能に関する用語
(6) 航空機の運航·整備に関する用語
3. 用語·定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
 なお,参考のため対応英語及び一部の用語に対する記号を示す。
    備考1. 用語欄で二つの用語を並べてある場合は,その順序に従って優先的に使用する。
         2. 用語欄の( )内の太字体の語は省略してもよい。
         3. 用語欄の( )内の細字体の語は参考として示したものである。
         4. 用語の下に括弧で示したものは,読み方である。
(1) 航空機の種類に関する用語
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 1010    航空機                                                       aircraft
                              人が乗って,航空の用に供することができる機器
                              の総称。
 1020    軽航空機                                                     lighter-than-air aircraft
                              飛行中の揚力を,主として空気より軽い気体の静
                              的な浮力から得るすべての航空機。
 1030    飛行船             推進装置及び操縦装置を備えた軽航空機。   airship
 1040    重航空機                                                     heavier-than-air aircraft
                              それ自体の重量が,その排除する空気の重量より
                              も重く,飛行中の揚力を主として空気力学的な力
                              から得るすべての航空機。
 1050    固定翼航空機                                                 fixed wing aircraft
                              固定した翼面をもち,その翼面に生じる揚力によ
                              って飛行する重航空機。
 1060    飛行機                                                       aeroplane,
                              推進装置を備え,飛行中の揚力を,主として,そ
                                                                        airplane(米)
                              れぞれの飛行状態において固定翼面上に生じる空
                              気力学的な力から得る固定翼航空機。
 1070    可変後退翼機                                                 variable-swept-wing airplane
                              飛行中に翼の後退角を変更させることができる飛
                              行機。
 1080    無尾翼機           水平尾翼をもたない飛行機。               tailless airplane

――――― [JIS W 0106 pdf 1] ―――――

2
W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 1090    陸上機             陸上で発着する飛行機。                   landplane
 1100    水上機             水上で発着する飛行機。                   seaplane
 1110    フロート水上機                                               float seaplane,
                              水上にあるとき,フロートによってその重量を支
                              持する水上機。                           float plane
 1120    飛行艇                                                       flying boat
                              水上にあるとき,主に艇体によってその重量を支
                              持する水上機。
 1130    水陸両用機                                                   amphibian
                              陸上又は水上のいずれへも発着できる飛行機及び
                              へリコプタ。
 1140    グライダ                                                     glider
                              推進装置を備えず,飛行中の揚力を主として固定
          (滑空機)         翼面上に生じる空気力学的な力から得る固定翼航
                              空機。
 1150    ソアラ                                                       sailplane,
                              大気の動きを利用して,長時間又は長距離の飛行
                              を行うグライダ。                         soarer
 1160    モータグライダ                                               motor glider
                              50kW以下のエンジンを装備し,主として離陸上昇
          (動力滑空機)     時に動力を用い,所要の高度から滑空を行う固定
                              翼航空機。
 1170    回転翼航空機       飛行中の揚力を回転翼から得る重航空機。   rotor craft,
                                                                        rotary-wing aircraft
                              回転翼の配置によって,単回転翼機,同軸回転翼
                              機,タンデム回転翼機などがある。
 1180    ジャイロプレーン                                             gyroplane
                              起動の時だけエンジン駆動によるが,飛行中は空
                              気力の作用によって回転する1個以上の回転翼に
                              よって揚力を,またプロペラによって推進力を得
                              る回転翼航空機。
 1190    ヘリコプタ                                                   helicopter
                              ほぼ垂直な軸周りに回転するエンジン駆動の回転
                              翼によって揚力及び推進力を得る回転翼航空機。
 1200    複合ヘリコプタ                                               compound helicopter
                              回転翼のほかに推進装置と固定翼とをもち,水平
                              飛行中の推進力と揚力の大部分をこれらによって
                              得るヘリコプタ。
 1210    ジャイロダイン                                               gyrodyne
                              1個以上のエンジン駆動の回転翼によって揚力を
                              得,推進力はプロペラによって得る回転翼航空機。
 1220    短距離離着陸(航空)短い滑走距離で離着陸できる重航空機。     STOL aircraft (short takeoff
          機                                                             and landing aircraft)
 1230    垂直離着陸(航空)機                                         VTOL
                              離着陸の際,ほぼ垂直に上昇又は降下できる重航  aircraft (vertical
                              空機。                                     takeoff and landing
                                                                          aircraft)
 1240    亜音速機                                                     subsonic aircraft
                              空気の圧縮性の影響がほとんどない速度域で飛行
                              する航空機。
 1250    遷音速機                                                     transonic aircraft
                              機体の表面の空気の流れが音速に達している部分
                              とそれ以下の部分が共存している速度域まで飛行
                              できる航空機。
 1260    超音速機           音速を超える対気速度で飛行できる航空機。 supersonic aircraft
 1270    極超音速機         音速の約5倍以上の対気速度で飛行できる航空 hypersonic aircraft
                              機。
 1280    輸送機             人員及び物資を輸送するために使用される航空transport aircraft
                              機。
 1290    旅客機             乗客の輸送を主目的とする航空機。         airliner
 1300    CCV                                                          control configured vehicle
                              機体固有の不安定性及び剛性の不足を制御系によ
                              って補償し,機体の小型化·軽量化,操縦性の向
                              上等を図った航空機。

――――― [JIS W 0106 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
                                                                                    W 0106-1995
(2) 航空機の寸法·面積に関する用語
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 2010    上反角             翼が付け根から翼端に向かって上がっているとdihedral angle
                              き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
                              となす角。
                                 参考 量記号    は    
 2020    下反角             翼が付け根から翼端に向かって下がっているとcathedral angle
                              き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
                              となす角。
 2030    後退角                                                       swept-back angle
                              翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し後
                              退しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
                              な平面となす鋭角。
                                 参考 量記号     
 2040    前進角                                                       swept-forward angle
                              翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し前
                              進しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
                              な平面となす鋭角。
 2050    取付け角                                                     angle of incidence
                              翼弦と胴体基準線とがなす角度。通常,翼の付け
                              根の値を用いる。
                                 参考 量記号iで表す。
 2060    ねじり上げ(角)                                             wash-in (angle)
                              翼の取付け角が翼端に向かって次第に増すように
                              翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との取
                              付け角の差。
 2070    ねじり下げ(角)                                             wash-out (angle)
                              翼の取付け角が翼端に向かって次第に減じるよう
                              に翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との
                              取付け角の差。
 2080    尾翼取付け角       尾翼の翼弦と胴体基準線とがなす角度。     tail-setting angle
                                 参考 量記号itで表す。
 2090    総翼面積           胴体部分を含めた主翼の投影面積。         gross wing area
                                 参考 量記号SLで表す。
 2100    正味翼面積         胴体部分を除いた主翼の投影面積。         net wing area
 2110    ぬれ面積           航空機の全表面積。                       wetted area
 2120    円板面積                                                     disc area
                              回転翼が回転することによって描かれる円形の面
                              積。
 2130    縦横比                                                       aspect ratio
                              総翼面積に対する翼幅の二乗の比。く(矩)形翼
          (たてよこひ)     の場合は翼弦長に対する翼幅の比になる。
                                 参考 量記号     A又は    
 2140    テーパ比           翼根弦長に対する翼端弦長の比。           taper ratio
                                 参考 量記号    
 2150    厚さ比             翼弦長に対する翼形の最大厚さの比。       thickness ratio
 2160    翼形                                                         aerofoil section,
                              翼の平面形における翼幅方向の基準線(通常は,
                                                                        wing section,
                              25%弦長点を連ねる線)に直角にとった翼の切り
                              口の形状。                               profile
 2170    翼形中心線                                                   center-line of an aerofoil,
                              翼形の上面及び下面までの距離がそれぞれ等しく
                              なる点を結んで得られる線。               mean line
 2180    中心線の反り                                                 center-line camber
                              翼形中心線と翼弦との隔たりを,翼弦長に対する
                              百分率で表したもの。
 2190    反り                                                         maximum camber
                              翼形中心線と翼弦との隔たりの最大値を,翼弦長
                              に対する百分率で表したもの。
 2200    翼弦               翼形中心線の前端と後端とを結んだ直線。   chord
 2210    翼弦長             翼弦の長さ。                             chord length
                                 参考 量記号cで表す。

――――― [JIS W 0106 pdf 3] ―――――

4
W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 2240    25%弦長点          翼弦の前端から翼弦長の25%隔たった点。    quarter-chord point
 2250    幾何平均翼弦       翼面積を翼幅で割った値。                 mean geometric chord
 2260    空力平均翼弦                                                 aerodynamic mean chord,
                              縦揺れモーメントに関して翼の空気力学的性質を
                              代表する翼弦。                           mean aerodynamic chord
                                                                          (米)(MAC)
 2270    前縁               翼形又は翼の前端。                       leading edge
                                 備考 構造上は,前けたから前方の翼の部分
                                      をいう。
 2280    後縁               翼形又は翼の後端。                       trailing edge
                                 備考 構造上は,後けたから後方の翼の部分
                                      をいう。
 2290    翼幅               左右の両翼端の間の水平距離。             span,
                                 参考 量記号bで表す。                  wing span
 2300    全長               航空機の最前端と最後端との間の水平距離。 overall length
                                 参考 量記号lRで表す。
 2310    全高               航空機の最低端と最高端との間の垂直距離。 height
                                 参考 量記号hRで表す。
 2320    車輪左右間隔                                                 wheel track,
                              主着陸装置の左右の車輪中心間距離。車輪の代わ
          てつ(轍)間距離   りに,そり,スキーなどでも同じ。         wheel tread
 2330    車輪前後間隔       前部着陸装置と後部着陸装置の車軸中心間の距wheel base
          軸間距離           離。車輪の代わりに,そり,スキーなどでも同じ。
(3) 航空機を構成する部分に関する用語
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 3010    機体                                                         airframe
                              主翼,胴体,尾翼,着陸装置など,航空機を構成
                              する構造部分。
 3020    翼                                                           wing,
                              重航空機が空気中でその重量を支持するのに必要
                                                                        aerofoil,
                              とする空気力学的な力(揚力)を発生するもの。
                                                                        airfoil(米)
 3030    主翼                                                         main wing,
                              重航空機の重量を支持するための揚力の大部分を
                              発生する翼。                             main plane
 3040    テーパ翼                                                     taperd wing
                              翼の付け根から翼端に向かって,直線的に翼弦長
                              が小さくなっている翼。
 3041    く(矩)形翼       翼弦長が付け根から翼端まで一定の翼。     constant chord wing
 3050    後退翼             後退角をもつ翼。                         swept-back wing
 3051    前進翼             前進角をもつ翼。                         swept-forward wing
 3060    三角翼                                                      delta wing
                              平面形が三角形であり,比較的小さい縦横比の翼。
 3070    短翼                                                         stub wing
                              胴体の両側面に取り付けられた短い翼。主として,
                              着陸装置,エンジンなどを取り付けたり,物をつ
                              り上げるために用いる。
 3080    ウィングレット                                               winglet
                              主翼の翼端にほぼ垂直に取り付けられ,これによ
                              って得られる翼端渦の減殺と推力成分の効果を利
                              用して,誘導抗力の減少と有効揚力の増加を図る
                              ための小翼片。
 3090    操縦だ(舵)面                                               control surface
                              航空機の姿勢及び飛行方向を制御するために用い
                              る可動翼面。だ(舵)面ともいう。
 3100    補助翼                                                       aileron
                              操だ(舵)によって航空機の前後軸周りに回転運
                              動(横揺れ)を起こさせるため,主翼の後縁に取
                              り付ける可動翼面。

――――― [JIS W 0106 pdf 4] ―――――

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                                                                                    W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 3110    差動補助翼                                                   differential aileron
                              補助翼を操だ(舵)したとき,上がる角度と下が
                              る角度とが異なるような機構をもった補助翼。
 3120    フリーズ補助翼                                               Frise aileron
                              上げ側の補助翼の前縁部が主翼の下面に突き出す
                              ようにしてある補助翼。
 3130    すきま補助翼                                                 slotted aileron
                              主翼後縁との間に,気流を円滑に流すために整形
                              されたすきまをもたせた補助翼。
 3140    釣合いだ(舵)面                                             balanced surface
                              昇降だ(舵),方向だ(舵),補助翼,タブなどの
                              操縦だ(舵)面に取り付けられ,操だ(舵)力を
                              軽くする仕掛けをもった操縦だ(舵)面。
 3150    ホーン·バランス                                             horn balance
                              だ(舵)面の平面形において,翼端部がヒンジ中
                              心線より前方に張り出している釣合いだ(舵)面
                              の形式。
 3170    エレボン                                                     elevon
                              昇降だ(舵)と補助翼の二つの働きを併せもつよ
                              うに設計された操縦だ(舵)面。
 3180    高揚力装置                                                   high-lift device
                              離着陸速度を低減させ又は空中操作を容易にする
                              ため,最大揚力係数を大きくする装置。
 3190    すきま翼                                                     slotted aerofoil wing,
                              高揚力装置の一種で,翼の前縁に可動式又は固定
                              式のすきまをもった翼。                   slotted wing
 3200    スラット                                                     slat
                              翼の前縁に取り付けられ,迎え角が大きいときの
                              気流のはがれを遅らせて最大揚力係数を大きくす
                              る固定式又は可動式の小翼。
                                 備考 高揚力装置の一種。
 3210    折り曲げ前縁                                                 drooped leading edge
                              翼の前縁部を下方へ折り曲げて翼の反りを増すよ
                              うにしたもの。
 3220    境界層制御装置     境界層に原因する好ましくない空気力学的効果boundary-layer control
                              (失速,抗力増加など)を減少又は除去するためsystem
                              の装置。
 3230    フラップ                                                     flap
                              主翼の後縁又は前縁に取り付けられ,翼面積若し
                              くは翼の反り又は両方を増して,主として最大揚
                              力係数を大きくする働きをもつ装置。
                                 備考 高揚力装置の一種。
 3240    フラッペロン                                                 flaperon
                              フラップと補助翼の機能を兼ね備えた可動翼面。
 3250    前縁フラップ       翼の前縁部に取り付けられたフラップ。     leading-edge flap
 3260    クルーガフラップ                                             Krger flap
                              前縁フラップの一種で,翼の前縁下側にその前端
                              をヒンジ止めした小翼で,作動時に後端を翼の前
                              下方に開くようにしたフラップ。
 3270    後縁フラップ       翼の後縁部に取り付けられたフラップ。     trailing edge flap
 3280    ファウラフラップ                                             fowler flap
                              翼の後縁部が後方に張り出して翼面積を増す効果
                              を併せもっている形式のフラップ。
 3290    単純フラップ                                                 plain flap
                              翼の後縁部分をそのまま下方へ折り曲げる形式の
                              フラップ。
 3300    すきまフラップ                                               slotted flap
                              フラップを下げたとき,翼本体とフラップの前縁
                              との間にすきまができるようにした形式のフラッ
                              プ。
 3310    開きフラップ       翼の後縁部の下方だけを開く形式のフラップ。split flap
 3320    吹出しフラップ                                               blown flap
                              フラップを下げたとき,その上面に沿って高速の
                              空気を後方に吹き出して,フラップの効果を高め
                              る機能をもったフラップ。
 3330    ジェットフラップ                                             jet flap
                              翼の後縁から後下方に高速の空気を吹き出し,そ
                              の噴流によってフラップの効果を得る装置。

――――― [JIS W 0106 pdf 5] ―――――

6
W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 3340    スピードブレーキ                                             speed brake
                              航空機の翼,胴体などの構造物に取り付けられ,
                              これを気流中に出すことによって抗力を増加させ
                              る装置。
 3350    スポイラ                                                     spoiler
                              主翼上面に取り付けられ,これを気流中に出すこ
                              とによって気流を乱し揚力を減殺すると同時に,
                              抗力を増加させる装置。
 3360    先尾翼                                                       canard
                              主翼の前方に取り付けられ,前後の釣合い及び操
                              縦を受け持つ小さい翼。
 3370    尾翼                                                         tail unit,
                              航空機の釣合い,安定及び操縦を受け持つために
                              航空機の尾部に取り付けられた翼の総称。   empennage
 3380    水平尾翼           縦の釣合い,安定及び操縦を受け持つ尾翼。 tail plane,
                                                                        horizontal tail
 3381    T型尾翼            垂直尾翼の上端に水平尾翼が取り付けられた尾T-type tail
                              翼。
 3390    水平安定板                                                   horizontal stabilizer
                              航空機の縦の安定のための水平尾翼の前部の固定
                              した部分。トリムのために可動のものもある。
 3400    昇降だ(舵)                                                 elevator
                              操だ(舵)によって航空機の左右軸周りの回転運
                              動(縦揺れ)を起こさせるため,水平安定板の後
                              部に取り付けられた可動翼面。
 3410    全可動尾翼                                                   flying tail
                              安定板を可動とし,これを動かすことによって縦
                              の操縦を行うことができる水平尾翼。昇降だ(舵)
                              をもち連動して作動するものもある。
 3420    スタビレータ       昇降だ(舵)をもたない全可動尾翼。       stabilator
 3430    垂直尾翼           方向の安定と操縦とを受け持つ尾翼。       vertical tail,
                                 備考 通常,機体の対称面に又は対称面に平fin and rudder
                                      行に取り付けられる。
 3440    垂直安定板                                                   vertical stabilizer,
                              航空機の方向の安定のための垂直尾翼の前部の固
                              定した部分。                             fin
 3450    方向だ(舵)                                                 rudder
                              操だ(舵)によって航空機の上下軸周りの回転運
                              動(偏揺れ)を起こさせるため,垂直安定板の後
                              部に取り付けられた可動翼面。
 3460    背びれ                                                       dorsal fin
                              胴体上面と垂直尾翼前縁とをつないで取り付けら
                              れたひれ状のもの。
 3470    腹びれ                                                       ventral fin
                              胴体の後下方に気流と平行に取り付けられたひれ
                              状のもの。
 3480    タブ                                                         tab
                              補助翼,方向だ(舵),昇降だ(舵)などの主操縦
                              だ(舵)面の後部に取り付けられた小さい翼面。
 3490    釣合いタブ                                                   balance tab
                              主操縦だ(舵)面に機械的に連動し,操だ(舵)
                              力の軽減に用いられるタブ。
 3500    サーボタブ                                                   servo tab
                              操縦かん又は方向だ(舵)ペダルと直接結ばれ,
                              これを操作することによって主操縦だ(舵)面を
                              動かすタブ。
 3510    スプリングタブ                                               spring tab
                              操縦だ(舵)面とタブ操作機構との間にばねを入
                              れたサーボタブで,速度に応じて操だ(舵)力が
                              調整されるタブ。
 3520    トリムタブ                                                   trim tab,
                              主操縦だ(舵)面とは別の系統で操作され,トリ
                              ムを調整するタブ。                       trimming tab
 3530    トリム板                                                     trimming strip
                              主操縦だ(舵)面の後縁に取り付けられたトリム
                              修正用の固定式の小片。

――――― [JIS W 0106 pdf 6] ―――――

                                                                                              7
                                                                                    W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 3540    胴体                                                         fuselage
                              乗員,乗客,貨物その他の搭載物及びその航空機
                              の主要な装備を収容する航空機の部分。
 3550    艇体                                                         hull
                              水上で航空機を支持し,離着水に適した形状をも
                              った飛行艇の胴体。
 3560    スポンソン         胴体の側面に張り出した部分。             sponson
 3570    機室                                                         cabin
                              直接外気に接触しないように閉じられた操縦室及
                              び客室の総称。
 3580    客室               乗客を乗せるように設備された機室。       passenger cabin
 3590    操縦室                                                       control cabin,
                              操縦者が航空機を操縦する所で,操縦装置,操作
                                                                        cockpit
                              装置,計器などが集中的に取り付けられている機
                              室。
 3600    与圧室             圧力が調整できるように作られた機室。     pressurized cabin
 3610    風防                                                         windshield,
                              操縦者を風から遮へいし,前方の視野を確保する
                              ため,操縦室の前側に取り付ける透明な部分。windscreen
 3620    キャノピ           操縦席の透明な覆い。                     cockpit canopy
 3630    フェアリング       空気抵抗を減らすため,形状を整える覆い。 fairing
 3640    フィレット                                                   fillet
                              気流の干渉による抵抗の増加を防ぐための,構造
                              の結合部の覆い。
 3650    ドッグツース                                                 dog tooth
                              薄翼の前縁はく離渦の発生を安定にするため,外
                              翼部前縁に犬歯形の段を設けた平面形。
 3660    境界層板                                                     boundary-layer fence
                              境界層が翼端に向かって流れることを阻止するた
                              めに,翼の上面に気流方向に取り付けた板。
 3670    ボルテックスジェネレ                                         voltex generator
                              境界層のはがれを防止するため,機体表面に,気
          ータ               流に対して適当な角度で並べて取り付けた小片。
 3680    パイロン                                                     pylon
                              動力装置,回転翼,機外搭載物などを支持するた
                              めに,航空機の胴体,翼などから突き出ている構
                              造物。
 3690    レドーム           レーダのアンテナの覆い。                 radome
 3700    ナセル                                                       nacelle
                              胴体とは別に,航空機に付随するもの(エンジン,
                              乗員など)を収め,又は保護するための整形され
                              た覆い。
 3710    エンジンナセル                                               engine nacelle
                              主としてエンジン及びそれに付随する補機などを
                              収めるためのナセル。
 3720    カウリング                                                   cowling
                              エンジン,放熱器などを覆って抵抗を減らし,若
                              しくは保護し,又は内部の気流を整えるための覆
                              い。
 3730    エンジンカウリング エンジンの周りに取り付けられたカウリング。engine cowling
 3740    カウルフラップ                                               cowl flap
                              カウリング内の空気流量を調節するため,カウリ
                              ングの後端部に取り付けられた可動式の板。
 3750    エンジンポッド                                               engine pod
                              エンジンを収めるために翼又は胴体から張り出し
                              て取り付けられるナセル。
 3760    テールブーム                                                 tail boom
                              尾翼又は尾部を,主翼,胴などに結合するために
                              後方に突き出ている構造物。
 3770    テールコーン       胴体後端の円すい状に整形された部分。     tail cone
 3780    操縦装置                                                     flight control
                              航空機の運動方向,姿勢などを制御する装置の総
                              称。
 3790    サーボ操縦装置                                               servo-control
                              機械的又は空気力学的な手段で,人間の力を補う
                              機構をもった操縦装置。

――――― [JIS W 0106 pdf 7] ―――――

8
W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 3800    不可逆操縦装置                                               irreversible control
                              操縦だ(舵)面に加えられる空気力が,操縦装置
                              の機構を逆に伝わることがないように作られた操
                              縦装置。
 3810    補力操縦装置                                                 power-assisted control,
                              操だ(舵)力を動力装置で補うようにした操縦装
                              置。                                     power-boosted control
 3820    機力操縦装置                                                 power-operated control
                              油圧,電気などの動力で操縦だ(舵)面を動かす
                              機構をもった操縦装置。
 3821    自動操縦装置                                                 automatic pilot system
                              飛行中における航空機の姿勢の変化や設定された
                              飛行条件に応じて,操だ(舵)面を自動的に作動
                              して,航空機の運動(方向,高度,速度など),姿
                              勢などを制御する装置。
                              他の装置(ILS,電波高度計など)との連動によっ
                              て,自動進入·着陸の機能をもつものもある。
 3830    操縦かん                                                     control column,
                              昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための
                              棒又は柱状のもの。                       control stick
 3840    操縦輪                                                       control wheel
                              昇降だ(舵)及び補助翼を操だ(舵)するための
                              ハンドル。
 3850    方向だ(舵)ペダル 方向だ(舵)を操だ(舵)するためのペダル。rudder pedals
 3860    降着装置                                                     landing gear,
                              航空機を地上又は水上で支持し,離着陸又は離着
          着陸装置           水のときに用いる装置の総称。             alighting gear,
                                                                        undercarriage
                                 備考1. 車輪式,フロート式,そり式,スキー
                                        式などの降着装置がある。
                                     2. 水上ではないところで用いる降着装
                                        置を,一般に着陸装置という。
 3870    前輪式着陸装置                                               nose-wheel landing gear,
                              機首にある一組の脚装置と,重心のやや後方にあ
                                                                        tricycle landing gear
                              る二組又はそれ以上の脚装置とで形成される着陸
                              装置。
 3880    尾輪式着陸装置                                               tail-wheel landing gear
                              重心のやや前方にある二組の脚装置と,胴体後方
                              にある一組の脚装置とで形成される着陸装置。
 3890    引込脚                                                       retractable landing gear
                              飛行中,翼,胴体などに引き込める形式の着陸装
                              置。
 3900    スキー式着陸装置                                             ski-landing gear
                              雪上,氷上などに離着陸できるようにスキーが取
                              り付けてある着陸装置。
 3910    フロート                                                     float
                              航空機を水上で支持し,離着水時に使用する舟形
                              又は円筒状の降着装置。
 3920    浮き装置                                                     floatation gear
                              陸上に発着する航空機が水上へ緊急着水したとき
                              に浮力を与える装置。
 3930    動力装置                                                     power plant
                              エンジン本体及びその附属装置一切を含めたもの
                              の総称。
 3940    航空エンジン                                                 aircraft engine
                              航空機の推進力又は揚力を発生させる動力を得る
                              ために使用するエンジン。
 3950    ピストンエンジン                                             piston engine,
                              ピストンの往復運動を,連接棒を経てクランク軸
                                                                        reciprocating engine
                              の回転運動に換えて動力を得る形式のエンジン。
 3960    ロケットエンジン                                             rocket engine,
                              燃料とその酸化剤とを混合して燃焼させ,そのガ
                                                                        rocket motor
                              スを噴出させてスラストを得る形式のエンジン。
 3970    タービンエンジン                                             turbine engine
                              圧縮機で圧縮した空気を燃料と混合して燃焼させ
                              たガスで,タービンを回す形式のエンジン。
 3980    ターボジェットエンジ                                         turbojet engine
                              ガスを噴出させて,その反動でスラストを得る形
          ン                 式のタービンエンジン。

――――― [JIS W 0106 pdf 8] ―――――

                                                                                              9
                                                                                    W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 3990    ターボファンエンジン                                         turbofan engine
                              空気圧縮機の前方又はタービンの後方にファンを
                              備える形式のタービンエンジン。
 4000    ターボプロップエンジ                                         turboprop engine
                              ガスのエネルギーをプロペラの回転に用いてスラ
          ン                 ストを得る形式のタービンエンジン。
 4010    ターボシャフトエンジ                                         turboshaft engine
                              ガスのエネルギーを回転軸の回転に用いて動力を
          ン                 得る形式のタービンエンジン。
 4011    ラムジェットエンジン                                         ramjet engine
                              前進速度によるラム圧力を利用してダクトの中で
                              圧縮された気体の中で燃料を燃焼させ,ノズルで
                              膨張させることによって,スラストを得るエンジ
                              ン。
 4020    スラストリバーサ                                             thrust reverser
                              ジェットエンジンの噴出するガスやファンの噴流
                              の向きを変えて逆方向のスラストを得る装置。
 4030    補助動力装置                                                 auxiliary power unit (APU)
                              種々の系統を駆動する動力を得るために機上に搭
                              載された補助エンジン及びその附属装置。
 4040    プロペラ                                                     propeller
                              翼形断面をもつ羽根をエンジンによって回転させ
                              て推力を得る装置。
 4050    固定ピッチプロペラ ピッチを変えることができないプロペラ。   fixed-pitch propeller
 4060    可変ピッチプロペラ                                           variable-pitch propeller
                              回転中にピッチを変えることができるプロペラ。
 4070    定速プロペラ                                                 constant-speed propeller
                              回転速度を決めておくと,飛行姿勢,飛行速度な
                              どに関係なくその回転速度を維持する機構をもっ
                              たプロペラ。
 4080    フェザープロペラ                                             feathering propeller
                              プロペラが風車回転しない位置まで,ピッチを変
                              えることができるプロペラ。
 4090    可逆ピッチプロペラ                                           reversible-pitch propeller
                              ピッチの変更範囲が,負の角度にまで及ぶプロペ
                              ラ。
 4100    回転翼                                                       rotor
                              翼形断面をもつ羽根を回転させて,揚力を得たり
                              方向の操縦などに用いる装置。
 4110    主回転翼                                                     main rotor
                              単回転翼機において,主として揚力を得るために
                              用いられる回転翼。
 4120    尾部回転翼                                                   tail rotor
                              単回転翼機において,尾部に取り付けられ,主回
                              転翼のトルクの平衡,方向の操縦などに用いられ
                              る回転翼。
 4130    同軸回転翼                                                   coaxial rotor
                              同一回転軸上に配置され,互いに逆方向に回転す
                              る回転翼。
 4140    タンデム回転翼                                               tandem rotor
                              機体の前後に配置され,互いに逆方向に回転する
                              回転翼。
(4) 航空機の重量比に関する用語
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 5010    馬力荷重           飛行機の重量をエンジンの馬力で割った値。 power loading
 5020    翼幅荷重           飛行機の重量を翼幅で割った値。           span loading
 5030    翼面荷重           飛行機の重量を総翼面積で割った値。       wing loading
 5040    正味翼面荷重       飛行機の重量を正味翼面積で割った値。     net wing loading
 5050    スラスト荷重                                                 thrust loading
                              飛行機の重量をエンジンのスラストで割った値。
 5060    スラスト重量比                                               thrust-to-weight ratio
                              エンジンのスラストを飛行機の重量で割った値。
 5070    円板荷重           回転翼航空機の重量を回転翼円板面積で割ったdisc loading
                              値。
(5) 航空機の空気力学·性能に関する用語
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 6010    層流               流体部分が層状に秩序正しく流れている状態。laminar flow

――――― [JIS W 0106 pdf 9] ―――――

10
W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 6020    乱流                                                         turbulent flow
                              流体部分が細かい渦を含み,不規則に混合しなが
                              ら流れている状態。
 6030    静圧               流れに平行な物体面に垂直に働く圧力。     static pressure
                                 参考 量記号ps又はpで表す。
 6040    動圧                                                         dynamic pressure
                              流体がもっている単位体積当たりの運動エネルギ
                              ー。
                                 参考 量記号qで表す。
 6041    総圧                                                         total pressure
                              流れが等エントロピー的(断熱可逆的)によどん
          全圧               だ場合の圧力。非圧縮流れの場合は,静圧と動圧
                              の和に等しい。
                                 参考 量記号pi又はptで表す。
 6050    境界層                                                       boundary layer
                              流体の粘性が小さく速度が大きいとき,粘性の影
                              響が顕著に現れる物体表面に近い薄い層。
 6060    レイノルズ数       粘性力に対する流れの慣性力の比。         Reynolds number
                                 参考 量記号Reで表す。
 6070    揚力                                                         lift
                              流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な
                              流れに直角な方向の成分。
                                 参考 量記号Lで表す。
 6080    揚力係数                                                     lift coefficient
                              揚力をその物体に関係した特有な面積と流れの動
                              圧との積で割ったもの。
 6090    抗力                                                         drag
                              流れの中に置かれた物体に働く全合力の,一様な
                              流れの方向の成分。
                                 参考 量記号Dで表す。
 6100    抗力係数                                                     drag coefficient
                              抗力をその物体に関係した特有な面積と流れの動
                              圧との積で割ったもの。
 6110    揚抗比                                                       lift to drag ratio
                              同じ迎え角における揚力(係数)の抗力(係数)
                              に対する比。
 6120    迎え角             翼の進行方向と,翼弦とのなす角。         angle of attack
                                 参考 量記号     
 6121    横滑り角           航空機の対称面と,進行方向とのなす角。   angle of sideslip
                                 参考 量記号 戰 
 6130    空力中心                                                     aerodynamic center
                              翼形において,ある点周りの空気合力のモーメン
                              トが,迎え角にかかわらず一定である点。
          (くうりきちゅうしん)
 6140    マッハ数                                                     Mach number
                              音速に対する航空機の対気速度又は流れの速度の
                              比。
                                 参考 量記号Maで表す。
 6150    横揺れ             機体の前後軸周りの回転運動。             rolling
 6160    縦揺れ             機体の左右軸周りの回転運動。             pitching
 6170    偏揺れ             機体の上下軸周りの回転運動。             yawing
          (かたゆれ)
 6180    バンク角           水平姿勢を基準として測った左右の姿勢角。 bank angle
                                 参考 量記号    
 6190    横滑り                                                       side slip
                              航空機がその対称面と平行でない運動をするとき
                              の状態。
 6200    横転               機体の前後軸周りに回転する飛行。         roll
 6210    宙返り             垂直面内に閉円形の経路を描く対称飛行。   loop
 6220    水平飛行           一定高度を保つ飛行。                     level flight
 6230    上昇               高度を次第に増す飛行。                   climb
 6240    ズーム                                                       zoom
                              水平飛行で加速し,その余力によって短時間に急
                              上昇をする飛行。

――――― [JIS W 0106 pdf 10] ―――――

                                                                                             11
                                                                                    W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 6250    急降下                                                       dive
                              機首を急角度に下げて行う急角度の降下経路をも
                              つ飛行。
 6260    旋回               飛行方向を変える運動。                   turn
 6270    滑空                                                         glide
                              グライダがえい(曳)航力から切り離されて行う
                              飛行,又は飛行機がエンジン停止状態で行う飛行。
 6280    失速                                                         stall
                              翼の揚力が迎え角の増大とともに増し,ある迎え
                              角に達すると翼上面の気流にはく離を生じ,揚力
                              が急減する現象。
 6290    きりもみ                                                     spin
                              飛行機が完全に失速した後に起こる運動で,機体
                              が旋回しながら急降下する状態。
 6300    曲技飛行                                                     acrobatics,
                              飛行姿勢,高度,速度などの急激な変化を伴う,
                              故意に行う操縦運動。                     acrobatic maneuver,
                                                                        aerobatics
 6310    横安定                                                       lateral stability
                              横揺れ,偏揺れ,横滑り又はこれらのいずれかの
                              組合せを含む運動に関する安定。
 6320    縦安定             対称面内の運動に関する安定。             longitudinal stability
 6330    方向安定                                                     directional stability
                              偏揺れ,横滑り又はこれらの組合せを含む運動に
                              関する安定。
 6340    静安定                                                       static stability
                              釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力
                              やモーメントによって,機体が元の釣合い状態に
                              戻るかどうかの傾向。
 6350    動安定                                                       dynamic stability
                              釣合い状態からじょう乱を受けたときに生じる力
                              やモーメントによって,機体が時間の経過によっ
                              てどのような挙動を示すかの性質。
 6360    トリム                                                       trim
                              航空機の対気姿勢角を希望する値に保持し,その
                              ときの操だ(舵)力を零とすること。この状態で
                              は釣合いがとれている。
                              なお,航空機の対気姿勢角を希望する値に保持す
                              ることだけをトリムということもある。
 6370    真対気速度         大気に相対的な真の速度。                 true airspeed
                                 参考 量記号VTで表す。                  (TAS)
 6380    指示対気速度       通常の動圧型速度計が指示する速度。       indicated airspeed
                                 参考 量記号VIで表す。                  (IAS)
 6381    校正対気速度                                                 calibrated airspeed
                              指示対気速度に速度計系統の各種誤差(ピトー圧,
                                                                         (CAS)
                              静圧管,指示計などに関するもの)の補正を施し
                              た速度。
                                 参考 量記号VCで表す。
 6382    等価対気速度                                                 equivalent airspeed
                              校正対気速度に空気の圧縮性の影響を加えた速度
                                                                         (EAS)
                              で,真対気速度と相対空気密度の平方根との積と
                              して得られる。
                              海面上標準大気状態では,校正対気速度と等しく
                              なる。
                                 参考 量記号VEで表す。
 6390    対地速度                                                     ground speed
                              飛行中の航空機と地表面との相対的な水平飛行速
                              度。
 6400    最大速度                                                     maximum speed
                              連続最大出力又は連続最大スラスト時の定常水平
                              飛行速度。
 6410    巡航速度           巡航飛行時の速度。                       cruising speed
 6420    着陸速度                                                     landing speed
                              航空機が着陸進入を開始してから接地するまでの
                              間にとる速度の総称。

――――― [JIS W 0106 pdf 11] ―――――

12
W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 6430    失速速度           失速状態に突入する寸前の速度。           stalling speed
 6440    地面効果                                                     ground effect
                              固定翼機又は回転翼機が,地面付近を飛行すると
                              き,主翼·尾翼の揚力又は回転翼の推力が地面の
                              反作用を受けて増大する効果。
 6450    ホバリング                                                   hovering
                              ヘリコプタや垂直離着陸機が空中で停止飛行する
                              状態。
 6460    絶対上昇限度                                                 absolute ceiling
                              標準大気内で航空機が連続最大出力状態で水平飛
                              行を維持できる最大高度。
 6470    実用上昇限度                                                 service speed
                              標準大気内で航空機の上昇率を0.5m/s (100 ft/min)
                              に維持できる最大高度。
 6480    ホバリング上昇限度                                           hovering ceiling
                              ヘリコプタや垂直離着陸機がホバリングできる最
                              大高度。
 6490    上昇率             航空機が上昇する場合の垂直方向の速度。   rate of climb
 6491    降下率             航空機が降下する場合の垂直方向の速度。   rate of descent
 6500    航続距離                                                     range
                              航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる
                              距離。
                                 参考 量記号Rで表す。
 6510    航続時間                                                     endurance
                              航空機がその搭載燃料によって飛行を持続できる
                              時間。
 6520    離陸重量           航空機の離陸時の重量。                   take-off weight
 6530    着陸重量           航空機の着陸時の重量。                   landing weight
 6540    ペイロード                                                   payload
                              有効搭載量(乗員,燃料,乗客,貨物など)のう
                              ち,輸送の対象となる乗客,手荷物,貨物,郵便
                              物などの重量。
 6550    離陸距離                                                     take-off distance
                              航空機が静止出発点から加速を行い所定の高度に
                              達するまでに要する水平距離。
 6560    着陸距離                                                     landing distance
                              航空機が着陸に際し,所定高度の点から接地し完
                              全に停止するのに要する水平距離。
 6570    飛行性                                                       flying qualities
                              安定性,操縦性のほかに,操縦士の特性,操縦系
                              統の特性,飛行状態,大気の乱れ,故障時の特性
                              なども考慮した場合の飛行特性。
 6580    操縦性                                                       controllability
                              操縦士が操縦によって定常飛行を維持し,また,
                              ある飛行状態から他の飛行状態に移る場合の操縦
                              操作の難易の性質。
 6590    運動性                                                       maneuverability
                              航空機の曲技飛行,旋回運動などの各種の運動が
                              円滑に行われるか否かの性質。
 6600    安定性                                                       stability
                              航空機が定常運動中に突風などによって,じょう
                              乱を受け動揺を起こしたとき,操縦士が復元のた
                              めの操縦を行わなくても,自力で元の定常状態に
                              戻る特性。
(6) 航空機の運航·整備に関する用語
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 7010    運航規程                                                     operations manual
                              航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ
                              ばならない運航に関する規程。
 7020    飛行規程                                                     flight manual
                              航空機に搭載しなければならない書類で,航空機
                              の性能,操作などを示すもの。
 7030    運用限界                                                     operating limitation
                              積載物の重量,速度,高度などの航空機の運用可
                              能範囲。

――――― [JIS W 0106 pdf 12] ―――――

                                                                                             13
                                                                                    W 0106-1995
   番号         用語                          定義                       対応英語(参考)
 7040    航空日誌                                                     flight log book
                              航空機に搭載しなければならない航空機の飛行及
                              び整備の実施記録。
 7050    整備規程                                                     maintenance manual
                              航空運送事業者が,運輸大臣の認可を受けなけれ
                              ばならない整備に関する規程。
 7060    型式証明                                                     type certificate
                              航空機及び装備品の設計,製造について運輸大臣
                              が行う安全性の証明。
          (かたしきしょうめい)
 7070    耐空証明                                                     airworthness certificate
                              個々の航空機について運輸大臣が行う安全性の証
                              明。
 7080    飛行計画                                                     flight plan
                              出発地,到着地,時刻,速度,高度,航路などの
                              飛行予定。
 7090    航法                                                         navigation
                              計画された飛行位置,方向などを正しく航行する
                              方法。
 7100    有視界飛行                                                   visual flight
                              気象状態が,定められた基準以上の場合,計器に
                              よらないで行う飛行。
 7110    計器飛行                                                     instrument flight
                              航空機の姿勢,高度,位置及び針路の測定を計器
                              だけに依存して行う飛行。
 7120    航空路                                                       airway
                              運輸大臣が指定する,航空機の運航に適する空中
                              の通路。
 7130    航空交通管制業務                                             air traffic control service
                              航空交通が安全で秩序ある流れを維持する目的で
                              行われる業務。
 7140    運航整備           運航の間に駐機場で行う整備。             line maintenance
 7150    整備性             整備の容易さを表す性質又は度合い。       maintainability
 7160    飛行時間           離陸から着陸までの時間。                 flight time
                              航空機が動き出してから停止までの時間は,ブロ
                              ック·タイムと呼び区別される。
 7170    航空管制官                                                   air traffic controller
                              航空交通管制業務をつかさどる運輸省組織に定め
                              られた官職。
 7180    運航乗務員         操縦室で航空機の操縦又は操作に従事する者。cockpit crew
 7190    運航管理者                                                   aircraft dispatcher
                              定期航空会社にだけ要求される資格者で,飛行情
                              報及び飛行計画の作成を行う者。
 7200    航空整備士                                                   aircraft mechanic
                              航空機の整備作業について確認を行う資格をもつ
                              者。
 7210    飛行場                                                       aerodrome
                              航空機が離着陸する施設。主として,航空運送の
                              用に供する公共飛行場を空港という。
 7220    滑走路             航空機が離陸及び着陸の際滑走を行う区域。 runway
 7230    誘導路             滑走路と駐機場との間の通路。             taxiway
 7240    エプロン                                                     apron
                              旅客の乗降,貨物の積卸し,給油,整備などを行
                              うため,航空機が駐機する場所。
 7250    スポット           航空機の駐機場所で特に区画整理されたもの。spot
 7260    格納庫             航空機の整備及び格納を行うための施設。   hangar
 7270    管制塔             飛行場管制を行うための施設。             control tower
 7280    地上走行           航空機が自らの動力によって地上を移動するこtaxiing
                              と。
 7290    飛行場管制         飛行場及びその周辺における航空交通管制。 aerodrome control
 7300    進入管制                                                     approach control
                              計器飛行状態で出発,着陸する航空機に指示又は
                              誘導を行う航空交通管制。

――――― [JIS W 0106 pdf 13] ―――――

14
W 0106-1995
                                    原案作成委員会 構成表
                                     氏名                          所属
       (委員長)            松 木 正 勝        日本工業大学
       (副委員長)          葛 馬    孝       石川島播磨重工業株式会社
       (委員)              平 井 敏 文        通商産業省機械情報産業局
                              山 村 修 蔵        工業技術院標準部
                              (笹 尾 照 夫) (工業技術院標準部)
                              平 沢 愛 祥        運輸省航空局
                              寺 川 義 彦        海上保安庁装備技術部
                              中 西 忠 雄        防衛庁装備局
                              山 根 晧三郎       科学技術庁航空宇宙技術研究所
                              守 田 正 公        社団法人日本航空技術協会
                              中 込 常 雄        日本工業標準調査会自動車航空部会
                                                  規格調整専門委員会
                              久木田 実 守       株式会社富士キメラ総研
                              白 浜 洋 海        日本航空株式会社
                              吉 井 正 洋        株式会社日本エアシステム
                              渡 辺    正       川崎重工業株式会社
                              香 坂 哲 哉        株式会社島津製作所
                              藤 井 洋 三        帝人製機株式会社
                              曽 我    章       日本航空電子工業株式会社
                              渡 辺    晃       日本飛行機株式会社
                              中 神 雄 三        富士重工業株式会社
                              清 田 紀 男        三菱電機株式会社
                              廣 田 和 弘        三菱重工業株式会社
                              宇田川 知 行       横河電機株式会社
                              播 磨 克 彦        アエロスペック研究会
       (事務局)            礒 部 瑛 二        社団法人日本航空宇宙工業会

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