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された無人航空機運航者,整備員)だけが実施する必要のある,無人航空機システムの保守及び点検に関
する説明を含めなければならない。
整備員向けの保守説明と無人航空機運航者向けの保守説明とは,明確に区別する必要がある。
保守説明は,無人航空機システムの安全性,品質及び機能性を同水準に維持するための十分な情報を含
んでいなければならない。
無人航空機システムと併せて提供する情報には,必要な場合,次の事項を含めなければならない。
a) 無人航空機,設置,取付け並びに動力装置と補給源との接続に関する明確で包括的な記述
b) 動力装置及び構造への要求事項
c) 整備のための手順及び点検の判断指標
d) 必要に応じて,保守時の物理的環境に関する情報(例えば,照明,振動,騒音レベル,大気汚染物)
e) 次に関する情報
− 無人航空機システムの設定,使用又は保守に必要なソフトウェアの使用方法
− 保守用の運転手順
− 点検の頻度
− 機能試験の頻度及び方法
− 装置及び回路の調整及び保守に関する手引
− 交換部品のリスト
− 使用する治工具のリスト
f) 適宜,負荷電流,ピーク起動電流及び許容電圧降下に関する情報
――――― [JIS W 0711 pdf 26] ―――――
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附属書A
(参考)
無人航空機システムの重要危険源のリスト
この附属書は,この規格で対象とする全ての無人航空機システムについて,最低限の重要危険源を表A.1
に示している。無人航空機システムに見込まれる用途が広範囲に及ぶことから,表A.1に示す危険源は,
全てを網羅したものではなく,優先順位を示すものでもない。したがって,設計者は,無人航空機システ
ムに存在する,その他の危険源同定結果を拡張し,網羅することが必要である。
表A.1−無人航空機の危険源
番号 危険源の種別 危険源分析 関連する安全要 注記
危険源 潜在的結果 求事項の箇条
1 保管に関する バッテリの発火(保管) 火災,危険な煙又は物質の 5.2.1
危険源 放出
2 バッテリの発火(充電中)火災,危険な煙又は物質の 5.2.1
放出
3 液体燃料又は潤滑油の発 火災,危険な煙又は物質の 5.2.1
火,漏れ 放出
4 高い電気エネルギー源との感電,やけど 5.2.1
危険な接触
5 機体の鋭利な突起物 突き刺し,失明 5.2.3
6 可動部への挟み込み 骨折,切断 5.2.3
7 盗難 犯罪使用 5.2.4
8 運搬に関する 運搬中の機体落下·転倒(人
押しつぶし,突き刺し,切 5.3.1
危険源 による運搬) 断,骨折
9 機体突起物との接触 突き刺し,切断,失明 5.3.1
10 機体高温部との接触 やけど 5.3.1
11 運搬時の不意作動 骨折,切断 5.3.1
12 可動部への挟み込み 骨折,切断 5.3.3
13 機体運搬中の車両振動·温機体破損による暴走又は 5.3.3
度·衝撃 墜落に伴う死亡,骨折,設
備破損など
14 機体本体及び ソフトウェア判断の誤りに死亡,骨折,設備破損など 5.4.1
制御装置の機 よる暴走又は墜落
15 能欠如による プロペラ又はロータ回転の死亡,骨折,設備破損など 5.4.1
危険源 停止による暴走又は墜落
16 電源又は燃料不足による暴死亡,骨折,設備破損など 5.4.1
走若しくは墜落
17 通信途絶による暴走又は墜死亡,骨折,設備破損など 5.4.1
落
18 センサ異常による暴走又は死亡,骨折,設備破損など 5.4.1 測位センサ受信
墜落 不能を含む。
19 プロポ及び地上局の設定異死亡,骨折,設備破損など 5.4.1
常による暴走又は墜落
――――― [JIS W 0711 pdf 27] ―――――
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W 0711 : 2021
表A.1−無人航空機の危険源(続き)
番号 危険源の種別 危険源分析 関連する安全要 注記
危険源 潜在的結果 求事項の箇条
20 地上局,電波 操縦方式不明による暴走又死亡,骨折,設備破損など 5.5.1
及び灯火類に は墜落
21 関する危険源 燃料又はバッテリ状態不明死亡,骨折,設備破損など 5.5.1
による暴走又は墜落
22 機体本体の構 不適切な重心位置による暴死亡,骨折,設備破損など 5.6.1
造に関する危 走又は墜落
23 険源 機体の鋭利な突起物 突き刺し,失明 5.6.3
24 破損した部品の飛散による失明,骨折,設備破損など 5.6.3
人,設備などへの接触
25 堅ろう(牢) 機体破損による暴走又は墜死亡,骨折,設備破損など 5.6.1
性·耐久性不 落
足による危険
源
26 ペイロードの 不適切なペイロード搭載に死亡,骨折,設備破損など 5.7.1
保持に関する よる暴走又は墜落
27 危険源 ペイロードの脱落による機死亡,骨折,設備破損など 5.7.1
体暴走又は墜落
28 脱落したペイロードの人,死亡,骨折,設備破損など 5.7.1
設備などへの接触
29 耐環境性不足 風速などの気象条件,温度, 死亡,骨折,設備破損など 5.8.1
による制限空 湿度,気圧などの周囲環境
域逸脱に関す 変化による暴走又は墜落
る危険源
30 搭載機器によ レーザ機器,その他電磁波死亡,骨折,設備破損など 5.9.1
る危険源 発生機器による機体暴走又
は墜落
31 レーザ機器,その他電磁波失明など人体への悪影響 5.9.1
発生機器による人体への悪
影響
32 目視内飛行に 機体位置,機体方向誤認に死亡,骨折,設備破損など 5.10.1
おける機体方 よる暴走又は墜落
向誤認の危険
源
33 自動飛行に関 設定飛行経路からの逸脱に死亡,骨折,設備破損,有 5.11.1
する危険源 よる暴走又は墜落 人航空機との接触など
34 飛行禁止·制限区域への侵死亡,骨折,設備破損,有 5.11.1
入 人航空機との接触など
35 離陸前に関す 離陸前点検の不備による機死亡,骨折,設備破損,有 5.12.1.2
る危険源 体故障,暴走又は墜落 人航空機との接触など
36 離陸地点,飛行範囲,気象死亡,骨折,設備破損,有 5.12.1.2
条件の不適による接触又は人航空機との接触など
墜落
37 飛行申請情報の不備による有人航空機との接触など 5.12.1.3
不適正な飛行
38 プロペラ,ロータなど回転死亡,骨折,切断,設備破 5.12.2.2
物が不意に回転し,人,設損など
備などへの接触
――――― [JIS W 0711 pdf 28] ―――――
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表A.1−無人航空機の危険源(続き)
番号 危険源の種別 危険源分析 関連する安全要 注記
危険源 潜在的結果 求事項の箇条
39 離陸後に発生 離陸直後の異常状態による死亡,骨折,設備破損など 5.12.4.2
する危険源 暴走又は墜落
40 着陸時に関す 着陸による機体破損及び機機体破損又は飛散回転物 5.13.1.2
る危険源 体転倒による回転物飛散 による骨折,切断,失明,
設備破損など
41 着陸誤判定による暴走 死亡,骨折,切断,設備破 5.13.2.2
損など
42 着陸場所不適による衝突 死亡,骨折,設備破損など 5.13.3.2
――――― [JIS W 0711 pdf 29] ―――――
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附属書B
(参考)
無人航空機に関するFMEAの結果の例
表B.1表B.5に,無人航空機システムに関するFMEAの結果の例を示す。この結果は,全てを網羅し
たものではない。したがって,設計者は,無人航空機システムに関するFMEAの結果を拡張又は拡大して,
残りの故障モードを網羅するようにするとよい。
なお,図1のブロック図に記載していない機器についても参考として記載している。
表B.1−通信系統
品目 機能 故障 故障 飛行 影響 影響 検知方法 対処方法 特記事項
モード確率 (サブシステム)
フェーズ (上位システム)
無人航空機 搭載機器類
プロポ操縦者操縦電源遮断 離陸, 制御信号なし 日常 : 飛行前点検,
遠隔操作での非常停止不 自動操縦による帰還,不
受信機コマンドの 飛行中, 可 機体運動(操縦応答)
時着又は地上局コマン
受信 着陸 地上操作端末 ドによる非常停止
通信不通, 離陸, 制御信号なし 日常 : 飛行前点検,
遠隔操作での非常停止不 自動操縦による帰還,不
劣化 飛行中, 可 機体運動(操縦応答)
時着又は地上局コマン
(機器間) 着陸 地上操作端末 ドによる非常停止
通信不通, 離陸, 制御信号なし 日常 : 飛行前点検,
遠隔操作での非常停止不 自動操縦による帰還,不
劣化 飛行中, 可 機体運動(操縦応答)
時着又は地上局コマン
(空地) 着陸 地上操作端末 ドによる非常停止
誤信号の 離陸, 機体運動
コマンド値異常 日常 : 飛行前点検
自動操縦による帰還,不
入力 飛行中, 目視 時着又は地上局コマン
着陸 地上操作端末 ドによる非常停止
データ システム
·アップリン 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
通信機クコマンド遮断 可,ダウリンク送
飛行中, 地上操作端末
可,データ·ダウリンク不 時着又は非常停止
搭載用受信 着陸 信不能 可,自動操縦での非常停止
·ダウンリン 不可
ク信号の送通信不通, 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
信 劣化 可,ダウリンク送
飛行中, 地上操作端末
可,データ·ダウリンク不 時着又は非常停止
(機器間) 着陸 信不能 可,自動操縦での非常停止
不可
通信不通, 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
劣化 可,ダウリンク送
飛行中, 地上操作端末
可,データ·ダウリンク不 時着又は非常停止
(空地) 着陸 信不能 可,自動操縦での非常停止
不可
誤信号の 離陸, コマンド値異常 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンドの異常 遠隔操作による帰還,不
入力 飛行中, 時着又は非常停止
目視(操縦応答)
着陸
地上用機器類
プロポ 電源遮断
操縦者操縦 離陸, 制御信号なし 日常 : 飛行前点検,
遠隔操作での非常停止不 自動操縦による帰還,不
コマンドの 飛行中, 可 目視(プロポ)
時着又は地上局コマン
送信 着陸 地上操作端末 ドによる非常停止
通信不通, 離陸, 制御信号なし 日常 : 飛行前点検,
遠隔操作での非常停止不 自動操縦による帰還,不
劣化 飛行中, 可 目視(機体運動)
時着又は地上局コマン
着陸 地上操作端末 ドによる非常停止
誤信号の入 コマンド値異常
離陸,飛 機体運動 日常 : 飛行前点検
自動操縦による帰還,不
力 行中,着 目視(機体運動)
時着又は地上局コマン
陸 ドによる非常停止
データ システム遮
·アップリン 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
通信機 断
クコマンド 可,ダウリンク受
飛行中, 目視
可,飛行状態情報喪失,自 時着又は非常停止
地上用送信 着陸 信不能 地上操作端末
動操縦での非常停止不可
·ダウンリン
通信不通, 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
劣化
ク信号の受 可,ダウリンク送
飛行中, 目視
可,飛行状態情報喪失,自 時着又は非常停止
信 (機器間) 着陸 信不能 地上操作端末
動操縦での非常停止不可
通信不通, 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
劣化 可,ダウリンク送
飛行中, 目視
可,飛行状態情報喪失,自 時着又は非常停止
(空地) 着陸 信不能 地上操作端末
動操縦での非常停止不可
誤信号の入 離陸, コマンド値異常 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンドの異常, 遠隔操作による帰還,不
力 飛行中, 目視
飛行状態情報喪失,自動操 時着又は非常停止
着陸 地上操作端末
縦での非常停止不可
地上操 システム異
·アップリン 離陸, コマンド送信不 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンド変更不 遠隔操作による帰還,不
作端末 常
クコマンド 可,ダウンリンク
飛行中, 目視
可,飛行状態情報喪失,自 時着又は非常停止
入力及び生 着陸 受信不能 地上操作端末
動操縦での非常停止不可
成 離陸, 日常 : 飛行前点検
通信不通, 自動操縦コマンド変更不
コマンド送信不 遠隔操作による帰還,不
劣化
·ダウンリン 可,ダウンリンク
飛行中, 目視
可,飛行状態情報喪失,自 時着又は非常停止
ク信号の表
(機器間) 着陸 受信不能 地上操作端末
動操縦での非常停止不可
示 誤信号の入 離陸, コマンド値異常 日常 : 飛行前点検
自動操縦コマンドの異常, 遠隔操作による帰還,不
力 飛行中, 目視
飛行状態情報喪失,自動操 時着又は非常停止
着陸 地上操作端末
縦での非常停止不可
――――― [JIS W 0711 pdf 30] ―――――
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JIS W 0711:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS W 0711:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5750-4-3:2011
- ディペンダビリティ マネジメント―第4-3部:システム信頼性のための解析技法―故障モード・影響解析(FMEA)の手順
- JISC5750-4-4:2011
- ディペンダビリティ マネジメント―第4-4部:システム信頼性のための解析技法―故障の木解析(FTA)
- JISW0141:2019
- 無人航空機―用語