JIS X 0145-4:2010 情報技術―プロセスアセスメント―第4部:プロセス改善及びプロセス能力判定のための利用の手引 | ページ 7

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
附属書B
(参考)
再請負契約者及びコンソーシアム
B.1 概要
幾つかの組織単位,すなわち,再請負契約者,共同事業体の構成員又は組織の別部門が規定要求事項の
実行に関与する場合,結合したプロセス能力は,各組織単位からの貢献からなる。この概念の例を図B.1
に示す。
主契約者
システム設計 アプリケーション ネットワーク設計 システム統合 独立したシステム試験
再請負契約者 開発再請負契約者 再請負契約者 再請負契約者 再請負契約者
ネットワーク実装 ネットワーク実装
孫請け契約者 孫請け契約者
図B.1−主契約者及び再請負契約者
このような能力を対象とする場合,異なる二つの状況を考慮する必要がある。
B.1.1 個別に展開したプロセスの組合せ
各プロセスが一つの組織単位だけによって展開されている場合,二つの組織単位が同じプロセスを実装
することはない。この場合,あるプロセスの属性を支援する支援プロセスも,元のプロセスを実装する組
織単位によって提供される。各プロセスは,それぞれそれ自身の支援環境の中で運用される。そして,例
えば,プロジェクト計画立案が各組織で別々に実施されたとしても,現在の能力を継続して実施した適合
プロセスの能力に影響を及ぼしてはならないものである。こうした状況下では,個々の組織単位で実行し
た適合プロセスアセスメントから作成されるプロセスプロファイルから,組み合わさった能力を表すプロ
セスプロファイルの結合した一式を組み上げることができる。
支援プロセス群に対する一式の結合プロセスプロファイルを作成することは考えられない。一つの組織
単位が,他の組織単位の中で選択された幾つかのプロセスを支援するようなプロジェクト管理プロセスを
実施することはできない。ただし,そのすべてのプロセスが,能力的に同等というのではないが,実効的
に同一であるというのならば別であるが,そのようなことは到底ありえない。

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
B.1.2 二つ以上の組織単位で展開されたプロセスの結合
二つ以上の組織単位が一つ以上の同じプロセスを同時に展開する場合。例えば,幾つかの再請負業者が
同じプロセスを実施している場合に,異なる組織単位をまたがって平均的なプロセス属性評定値を求める
ことは妥当でない。
この場合,結合した能力を表現する多くの方法がある。
− 最も悪い能力,すなわち,鎖の最も弱いわ(環)を示してもよい。
− 関連する各組織単位のプロセス能力を表すプロセス属性評定値群をそのまま集めたものを,上位の評
定値集合としてもよい。すなわち,関連する各組織単位ごとに一つの下位集合として提供してもよい。
− それぞれのプロセスの属性評定値ごとに,すべての関連組織単位に与えられた最小評定及び最大評定
は,元の多様な値よりも参考となる能力表現形式を提供するものだと考えて,結合した評定値として
それらを示すことができる。
プロセスが一つの組織単位の内で展開していれば発生しないような組織単位間の困難なインタフェース
の問題が存在し得る。例えば,主契約者及び再請負契約者が異なる構成管理プロセスを用いれば,再請負
によって引き渡したサブシステムの構成管理は問題をはらむかもしれない。結合した能力水準を提案して
いる組織単位と,プロセス能力判定チームとがこれらの問題を対象とした適切な仕組みを特定するよう保
証するのがよい。提案した組織が複雑であるとか,文化的な違いが存在するとか,又はプロセス能力が組
織単位間で異なるといった場合に,インタフェースの問題が発生する可能性が高い。
異なる組織単位内のプロセスを結合する方法は多数ありえるので,プロセス能力判定チームは,そうい
うときに,専門的判断を適用していかに最良の方法でプロセス能力判定をするかの判定を実施するかを決
定しなければならないし,また,プロセス能力判定計画におけるこの判断の論理的根拠を記録しておかな
ければならない。
B.2 企業参照アーキテクチャ
ISO 15704,Industrial automation systems−Requirements for enterprise-reference architectures and
methodologiesは,組織単位が個々のプロセスをどのように結合プロセス能力に統合していくことができる
かについての手引,及び関連する組織単位の中でのライフサイクル間の関係についての手引を提供する。

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
附属書C
(参考)
プロセス改善及び組織文化
C.1 はじめに
プロセス改善は,組織全体を通して指導力,コミュニケーション及び動機付けによって強く支援される
ことが望ましい。適切な組織文化(すなわち,優先順位付け,価値及び期待)がすべての階層で認識して
取り扱われる場合にだけ,改善活動は効率的に遂行することができる。さらにいえば,プロセスに見られ
る主要な問題は,多くの場合,組織文化に起因している。その結果,改善活動の優先順位付けにおいては,
文化的課題は考慮すべき要因の一つとなる。
C.2 管理者の責任及び指導力
プロセスを改善するためにこの規格をうまく使用するには,プロセス改善及び組織変革のための他の進
め方と同じ程度の高度な管理者の指導力及び確約を必要とする。指導力及び継続的プロセス改善のための
環境構築に対する責任は,あらゆる層の管理者にある。特に最高位層の管理者に責任がある。上級管理者
は,組織の成功が,品質の良い製品及びサービス並びにプロセス改善能力にかかっていることを認識する
ことが望ましい。
上級管理者がプロセス改善に対して情報に基づく継続的な確約を表明しない場合,特にあまり成熟して
いない組織では,中間管理者の確約はプロセス改善を成功させる上で特有のリスクを引き起こすかもしれ
ない。短期間でのプロジェクトコミットメントの充足に大いに関心をもつ中間管理者は,中長期的な傾向
があるプロセス改善による効果に注意をほとんど払わないかもしれない。十分でないプロジェクト資源を,
プロセス改善プロジェクトに転用することを嫌がるかもしれない。リスクに対する緩和戦略は,適用する
プロジェクトにおけるプロセスアセスメント活動及び改善活動の費用及び影響について,上級管理者がコ
ミットすることを確実にすることである。
特に成熟度の高い組織において,継続的に改善を助長し実施するための最もうまいやり方の一つは,改
善を願う組織単位が,改善活動を計画し構想し実施し監視する改善チームで,権限を付与され,自律的な
改善チームを形成できることを確実にすることである。これらのチームは,適切な資源及び改善を取り込
む権限に加えて,管理者からの適切な指示及び手引を与えられることが望ましい。
C.3 価値,考え方及び行動
効果的なプロセス改善は,しばしば共有する新しい価値,考え方及び行動を意味していることがあり,
それは次のものを含んでいる。
− 外部の顧客及び内部の顧客の両者の満足度に焦点を絞る。
− 適切な顕彰制度を確立することによって従業員満足度を対象とする。
− 供給者から顧客まで,プロセス改善での全体のサプライチェーンを含んでいる。
− 目的及び目標との連携を取ることによって,管理者の確約,指導力及び関与を明示する。
− プロセス改善が各人の業務の一部であることを強調したり,個々の活動がチームの共通目的に向かっ
てどう役立つかを全員が理解するのを支援する。
− プロセスを改善するために優先順位としての品質,費用及び時間軸での目的を検討する。

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
− データ及び情報へのアクセスに関して開かれたコミュニケーションを確立する。
− チームワーク及び各個人に対する敬意を促進する。
− 客観的にプロセス実行を測定し,組織内のすべての当事者が同意する現実的な測定法に基づいて意思
決定を行う。
プロセスアセスメントは,組織が価値,考え方及び行動の中で変更する必要があるものを理解すること
を手助けできる。現在の価値,考え方及び行動が組織の事業目標の充足に寄与しない場合,プロセス改善
プログラムは適切な文化的変革を含めることが望ましい。
C.4 プロセス改善の目的及び動機付け
プロセスを改善する目的を確認するために,組織の事業目標を分析することが望ましい。プロセス能力
水準の向上の観点,若しくは組織の事業目標を充足させるプロセスの有効性の観点のいずれか,又はその
両方を組み合わせたものに,目標を設定することが望ましい。成熟度が高くない組織では前者を強調する
傾向があり,成熟度の高い組織では後者を強調する傾向がある。業界ベンチマークは,適切な改善目的設
定のための参考として使用することができる。
定期的な測定を通して進ちょくが可視的である場合,これらの目的を達成するスタッフの動機(付け)
が高められる。さらに,目的は理解可能で,やりがいがあり,的を射たものでなければならない。改善目
的を達成する戦略を全員が理解し納得することが望ましい。目標を定期的に見直すことが望ましく,組織
の事業目標の変更はどのようなものも反映させなければならない。
C.5 コミュニケーション及びチームワーク
アセスメント結果を分析するとき,コミュニケーション及びチームワークの欠落を引き起こし,その結
果プロセスの効果及び効率を阻害する,組織的,言語的,及び個人的な障壁を探すことが重要である。コ
ミュニケーション及びチームワークには,信頼及びスキル(技術)が必要である。教育・訓練は,チーム
ワークスキル(技術)の質及び効果を改善する手段とみなすことが望ましい。
アセスメントを実施する前に,結果及びアセスメント中に収集した他の情報の所有権及び機密保持に関
して合意に至っていることが望ましい。これは,効果的なプロセス改善になければならない信頼を築くの
に役立つだろう。アセスメントの対象である,プロセスに責任をもつ個人及びグループが,目的がプロセ
スを改善することであり,かつ,個人に対して責任の所在を明らかにすることではないことを理解するこ
とが重要である。また,勧告(提言)を最終的なものにする前に,アセスメント受審者とアセスメントで
の所見についてコミュニケーションをとって,議論することが必要である。このことが実施されない場合,
個人又はグループは所見を拒否するかもしれないし,かつ,所見に起因する変更に抵抗するかもしれず,
結果的に成果を台なしにするかもしれない。
C.6 顕彰
顕彰プロセス及び報奨(金)制度は,プロセス改善の成功に必要な態度及び振る舞いを促進するのに役
立つかもしれない。したがって,改善活動を計画する場合,改善目的を達成するために必要な作業と調和
する,適切な顕彰及び報奨(金)制度の定義を考慮することが望ましい。報奨(金)制度は,グループの
実績及びチームワークを顕彰し,有害な内部競合がまん(蔓)延するのを回避する方法で設計することが
望ましい。

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
C.7 教育・訓練
継続的な教育・訓練は,すべての人にとって不可欠である。教育・訓練のプログラムは,プロセス改善
が広く行うことができる環境を築き,維持する上で重要である。
教育・訓練の効果は定期的にアセスメントを行うことが望ましい。新たに獲得したスキル(技術)の使
用から切り離された教育・訓練は,あまり効果的ではない。アセスメント出力には,要員が使用するプロ
セスの中で適切な教育・訓練を受けた程度に関する評定を含んでもよい。この教育・訓練は,改善活動を
計画するときに考慮に入れることが望ましい。
プロセス改善概念の訓練は,特に,プロセス改善に対する組織の準備度を高める。網羅することが望ま
しい重要な概念は,プロセス及び品質概念,プロセス改善概念,プロセス管理スキル(技術),プロセス改
善のツール及び技法,文化的変革スキル(技術),並びに支援スキル(技術)を含む。
プロセスアセスメント及びプロセス改善の概念は,アセスメントを受ける組織のすべての階層に説明す
ることが望ましい。アセッサは,JIS X 0145-3で定義する必要な適格性並びに適切な教育,訓練及び経験
をもつことが望ましい。

――――― [JIS X 0145-4 pdf 35] ―――――

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JIS X 0145-4:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15504-4:2004(IDT)

JIS X 0145-4:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0145-4:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称