JIS X 0145-4:2010 情報技術―プロセスアセスメント―第4部:プロセス改善及びプロセス能力判定のための利用の手引 | ページ 6

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
附属書A
(参考)
プロセス関連リスクの分析
A.1 はじめに
この附属書で示しているプロセス関連リスクを分析するための進め方の例では,プロセス関連リスクは,
プロセスごとに診断され,かつ,目標プロセスプロファイルと診断対象プロセスプロファイルとの間の差
異の存在から推定される。
次のような場合に,各プロセスで差異が存在するという。
− 特定のプロセス属性を“十分達成している”ということを目標プロセスプロファイルが要求している
場合で,診断対象プロセス属性評定値が“十分達成している”よりも低い場合に差異は存在する。
− 特定のプロセス属性を“おおむね達成している”ということを目標プロセスプロファイルが要求して
いる場合で,診断対象プロセス属性評定値が“おおむね達成している”よりも低い場合に差異は存在
する。
したがって,各プロセスに関連した総合的なリスクは,認識された差異から問題が起こる確率及び万が
一問題が発生した場合の潜在的な重大性から導き出される。
A.2 確率
問題の起こる確率は,目標プロセスプロファイルと診断対象プロセスプロファイルとの間の差異の程度
から導き出される。
プロセス属性の差異は,診断対象プロセス属性評定値が要求されたプロセス属性評定値に達しない場合
には常に発生する。プロセス属性差異は,表A.1のように示すことができる。
表A.1−プロセス属性差異
目標のプロセス属性評定値 診断対象のプロセス属性評定値 プロセス属性差異
十分達成している 十分達成している なし
おおむね達成している 主要でない
部分的に達成している 主要な
達成していない 主要な
おおむね達成している 十分達成している なし
おおむね達成している なし
部分的に達成している 主要な
達成していない 主要な
表A.2に示すように,問題の発生する確率は,プロセス属性差異の程度及び差異が発生する能力水準に
依存する。
表に示すように,問題発生の確率が最も高いのは,能力水準に深刻な差異があるときだけである。深刻
な差異とは,水準1における主要なプロセス属性差異,又は水準25における二つ以上の主要な差異から
発生する。水準1の一つの主要でない差異,又は水準25における一つの主要な差異は,重大な能力水準
差異及び問題発生の適度の可能性を表している。水準25における主要でない差異は,軽微な能力水準差
異及び問題発生の確率が低いことを表している。

――――― [JIS X 0145-4 pdf 26] ―――――

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
表A.2−能力水準差異
プロセス属性差異の数及び能力水準 能力水準差異 問題が発生する確率
主要な差異又は主要でない差異がない。 なし 最小
水準1において差異がない。かつ,水準25において主要 軽微な
でない差異がある。
水準1において主要でない差異がある。又は,水準25に 重大な
おいて主要な差異が一つある。
水準1において主要な差異がある。又は,水準25におい 深刻な
て二つ以上の主要な差異がある。 最大
A.3 重大性
個々のプロセス属性差異に関連した潜在的な重大性を,表3で説明している。しかし,この附属書で示
すようにプロセス関連リスクの分析の目的のために,表A.3の中で示すように,重大さの程度は,差異が
発生する能力水準に依存する。
例えば,選択したプロセスが十分に実行されていないと診断される場合,すなわち,PA 1.1が十分に達
成されていない場合,プロセスの成果は,達成できないという最も重大な結論となるかもしれない。
表A.3−問題発生の重大性
差異が発生する能力水準 重大性の特徴 重大さの程度
5 最適化しているプロセス プロセス改善の達成又は評価ができない。 最小
4 予測可能なプロセス 性能の測定又は問題の早期検出ができない。
3 確立されたプロセス 組織横断のプロセス実行の一貫性がない。
2 管理されたプロセス 費用又は時間が超過している。製品品質は予測
不能である。
1 実施されたプロセス 作業生産物が見当たらない。プロセスの成果を
達成していない。 最大
A.4 プロセス関連リスク
各プロセスに関連したプロセス関連リスクは,認識された差異から発生する問題の発生確率,及び万が
一問題が発生した場合の潜在的な重大性に依存する。
表A.4で示すように,最も高いリスクは低位の能力水準における深刻な差異から発生する。
二つ以上の能力水準においてリスクを識別する場合は,最も高い能力水準リスクをプロセスに対するプ
ロセス関連リスクとみなす。
表A.4−各能力水準に関連したリスク
重大性 : 差異が発生している能力水 確率 : 能力水準差異の程度で示す。
準で示す。 軽微な 重大な 深刻な
5 最適化しているプロセス 低いリスク 低いリスク 低いリスク
4 予測可能なプロセス 低いリスク 低いリスク 中程度のリスク
3 確立されたプロセス 低いリスク 中程度のリスク 中程度のリスク
2 管理されたプロセス 中程度のリスク 中程度のリスク 高いリスク
1 実施されたプロセス 中程度のリスク 高いリスク 高いリスク

――――― [JIS X 0145-4 pdf 27] ―――――

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
A.5 最大のリスクを表現するプロセスの判定
各プロセスに関連したプロセス関連リスクは,A.7に図解するように一覧にすることができ,最も高い
リスクを表すプロセスを識別できる。
幾つかのプロセスが同じく高い程度のリスクを表す場合,規定要求事項について,成功するためにどの
プロセスが最もクリティカルであるかを判定するために専門的な判断が要求される。多くの場合,主ライ
フサイクルプロセスが最もクリティカルであるが,このことを当たり前のことと思ってはいけない。主ラ
イフサイクルプロセス以上ではないにしても,支援プロセスが同程度にクリティカルである場合があるか
もしれない。
A.6 分析の進め方
各プロセスに対して,分析チームは次のことを行う。
− 目標プロセスプロファイルにおいて各プロセス属性を検討して,表A.1を使用してプロセス属性差異
を決定する。
− プロセス属性差異を考慮して,表A.2を使用して能力水準の差異を決定する。
− 表A.4から各能力水準差異に関連した潜在的なプロセス関連リスクを識別する。
− 最も高いリスクを構成する能力水準差異を識別し,そのプロセスに対するプロセス関連リスクを表現
するために使用する。
その後,分析チームは,どのプロセスが最も高い程度のリスクを表すかを判定する。二つ以上のプロセ
スが同じ程度のリスクを表す場合は,分析チームは,規定要求事項の性質について,どのプロセスが最も
クリティカルであるかを判断し,総合的なリスクの順にそれらを優先付けする。
A.7 リスク分析例
この分析例は,図A.1の中で示すように,4.6に示した出力プロセスプロファイル集合及び5.3に示した
目標プロセスプロファイル集合を使用する。

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
プロセス プロセス属性
実施 管理された 確立された 予測可能な 最適化している
された
PA 1.1 PA 2.1 PA 2.2 PA 3.1 PA 3.2 PA 4.1 PA 4.2 PA 5.1 PA 5.2
目標 F L L
F.1.3.1 要件引出し
診断 F F L
目標 F F F F F L L
F.1.3.3 システム
方式設計
診断 F F F F L L L
目標 F F F L L
F.2.2 構成管理
プロセス
診断 F P L F L
目標 F F F F F
F.3.1.5 リスク管理
診断 P N N N N
目標 F F L L
F.1.1.2 供給者の選択
診断 L L L L L
主要な差異の例 : 目標評
凡例(JIS X 0145-2の定義と同じ)
定は“十分達成している”
に対し診断された評定は 十分達成してい おおむね達成し
“部分的に達成してい
F L
る ている
る”となっている。
部分的に達成し 達成していない
P N
ている
図A.1−目標及び診断対象プロセスプロファイル
A.7.1 F.1.3.3 システム方式設計プロセス
表A.5−システム方式設計プロセスのリスク分析
水準1 水準2 水準3 水準4
PA 1.1 PA 2.1 PA 2.2 PA 3.1 PA 3.2 PA 4.1 PA 4.2
目標プロファイル F F F F F L L
診断結果プロファイル F F F F L L L
プロセス属性差異 − − − − 主要でない − −
能力水準差異 − − 軽微な −
能力水準リスク − − 低い −
プロセス関連リスク 低い

――――― [JIS X 0145-4 pdf 29] ―――――

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X 0145-4 : 2010 (ISO/IEC 15504-4 : 2004)
− プロファイルは,ただ一つのプロセス属性差異がPA 3.2にあることを示す。
− 表A.1によると,これは主要でないプロセス属性差異として指定される。
− 表A.2によると,水準3の一つの主要でないプロセス属性差異は,軽微な能力水準差異を構成する。
− 表A.4によると,水準3の軽微な差異は,能力水準リスクが低いことを表す。
− システム方式設計プロセスに関連したプロセス関連リスクは低い。
A.7.2 F.2.2 構成管理プロセス
表A.6−構成管理プロセスのリスク分析
水準1 水準2 水準3 水準4
PA 1.1 PA 2.1 PA 2.2 PA 3.1 PA 3.2 PA 4.1 PA 4.2
目標プロファイル F F F F F − −
診断対象のプロファイル F P L F L − −
プロセス属性差異 − 主要な 主要でない − − − −
能力水準差異 − 重大な − −
能力水準リスク − 中程度 − −
プロセス関連リスク 中程度
− プロファイルは,プロセス属性差異がPA 2.1及びPA 2.2にあることを示す。
− 表A.1によると,これらは主要なプロセス属性差異及び主要でないプロセス属性差異を示す。
− 表A.2によると,水準2の一つの主要なプロセス属性差異は,重大な能力水準差異として指定される。
− 表A.4によると,水準2の重大な差異は,能力水準リスクが中程度であることを表す。
− 構成管理プロセスに関連した,プロセス関連リスクは中程度である。
A.7.3 F.3.1.5 リスク管理プロセス
表A.7−リスク管理プロセスのリスク分析
水準1 水準2 水準3 水準4
PA 1.1 PA 2.1 PA 2.2 PA 3.1 PA 3.2 PA 4.1 PA 4.2
目標プロファイル F F F F F − −
診断対象のプロファイル P N N N N − −
プロセス属性差異 主要な 主要な 主要な 主要な 主要な − −
能力水準差異 深刻な 深刻な 深刻な −
能力水準リスク 高い 高い 中程度 −
プロセス関連リスク 高い
− このプロファイルは,五つのプロセス属性においてプロセス属性差異があることを示す。
− 表A.1によると,五つのプロセス属性はすべて,主要なプロセス属性差異として指定される。
− 表A.2によると,水準1の一つの主要なプロセス属性差異は,深刻な能力水準差異を表す。水準2の
二つの主要なプロセス属性差異は,別の深刻な能力水準差異を表す。水準3の二つの主要なプロセス
属性差異は,もっと深刻な能力水準差異も表す。
− 表A.4によると,水準1及び2の深刻な能力水準差異は,能力水準リスクが高いことを表す。水準3
の深刻な能力水準差異は,能力水準リスクが中程度であることを表す。
− リスク管理プロセスに関連した,プロセス関連リスクは高い。

――――― [JIS X 0145-4 pdf 30] ―――――

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JIS X 0145-4:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15504-4:2004(IDT)

JIS X 0145-4:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0145-4:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称