JIS X 0526:2017 情報技術―自動認識及びデータ取得技術―バーコードシンボル印刷品質の評価仕様―二次元シンボル | ページ 2

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X 0526 : 2017 (ISO/IEC 15415 : 2011)
GT 全域的しきい(閾)値(Global Threshold)
MARGIN モジュールと全域的しきい(閾)値との反射率差の算出値で,正しくない反射率状態のモジュ
ールの場合その値はゼロとなる。
MOD モジュールと全域的しきい(閾)値との反射率差の絶対値
Rmax 1回走査での反射率波形において,全エレメント若しくはクワイエットゾーンの最大反射率,
又は二次元マトリックスシンボルの全抽出範囲での最大反射率
Rmin 1回の走査での反射率波形において,全エレメントの最小反射率,又は二次元マトリックスシ
ンボルの全抽出範囲での最小反射率
SC シンボルコントラスト(Rmax−Rminに同じ。)(Symbol Contrast)
t 誤り数
UEC 未使用誤り訂正(Unused Error Correction)

5 品質グレード付け

5.1 概要

  二次元シンボルの測定項目は,シンボルの作成者と利用者とが,診断及び工程管理の目的に用いること
ができる総合品質を示す品質グレードを導き出すように構成されており,そのグレードによって,様々な
環境下で,そのシンボルに期待する可読性を広く予測できる。その手続きは,規定された項目の,測定及
びグレード付けであり,そこから個別の走査のグレード(走査反射率波形グレード又は走査グレード)を
導き出し,複数回の走査グレードを平均して,シンボルの総合グレードを得る。
実際のアプリケーションでは,異なる条件下で異なる様式の読取装置を用いるので,容認できる性能レ
ベルを確実にするために,二次元シンボルに要求される品質レベルが(アプリケーションごとに)異なる。
アプリケーション仕様は,この規格に従って,総合シンボルグレードとして要求性能を規定するのが望ま
しい。この規格を採り入れたアプリケーション仕様を記述する補助としてD.4に指針を示す。
この規格は,個々のシンボルに対する品質グレードを得るための方法を規定する。大量品の品質管理体
制で有効な結果を得るためには,抜取検査が必要となる場合がある。このような抜取検査方法については,
要求される抜取率を含め,この規格の範囲外である。
注記 サンプリング方法に関する情報は,次に示す規格で見つかる場合がある。
ISO 3951-1,ISO 3951-2,ISO 3951-3,ISO 3951-5又はISO 2859-10

5.2 品質グレードの表現

  この規格は,品質グレードを表すために,“4”を最高,“0”を最低とする数字体系を規定しているが,
個々のパラメタグレード及び個々の走査グレードは,ANSI X3.182と歴史的関連のあるアプリケーション
仕様における,AD及びFの英字体系(Fを欠陥グレードとする。)で表示してもよい。
数字グレードと英字グレードとの各々の対比を表1に示す。
表1−数字グレードと英字グレードとの対比
数字グレード 英字グレード
4 A
3 B
2 C
1 D
0 F

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5.3 総合シンボルグレード

  総合シンボルグレードは,6.2.6又は7.10の規定によって計算する。総合シンボルグレードは,“4.0”を
最高,“0.0”を最低とする数値で表すグレードであり,小数第1位まで表す。
アプリケーション仕様において,総合シンボルグレードを英字で規定する場合の,英字グレードと数値
で表すグレードとの対応を図1に示す。例えば,数値で表すグレードが,1.5以上2.5未満がグレードCに,
3.5以上4.0以下がグレードAに,それぞれ相当する。
A B C D F
4.0 3.5 2.5 1.5 0.5 0.0
図1−総合シンボルグレードの英字グレードと数値で表すグレードとの対応図

5.4 シンボルグレードの報告

  シンボルグレードは,用いた照明及び開口径の情報とともに報告されて初めて意味がある。報告は,“グ
レード/開口/光源/照射角度”の書式で表すことが望ましい。
− “グレード”の欄は,6.2.6又は7.10に規定する総合シンボルグレードであり,走査反射率波形グレー
ド又は走査グレードの算術平均(小数第1位まで)である。
− “開口”の欄は,開口の参照番号(JIS X 0520による値)又は7.3.3に規定している1 000分の1イン
チ単位(mil)で表される直径である。
− “光源”の欄は,照明の種類を規定する。狭帯域照明の場合は,ナノメータ(nm)でピーク波長を示
す数字を表示し,広帯域照明(白色光)の場合は,分光反応特性が公的に規定されているか,又は元
の仕様が明確な光源であり,英文字Wを表示する。
− “角度”は,当該シンボル面に対する照明の入射角を規定する。入射角が45°以外の場合は,総合シ
ンボルグレードの報告に含めなければならない。記載がない場合は,入射角が45°であることを示す。
注記1 入射角は,45°であることが基本設定であるが,グレード付けのための要望事項として角
度を特定することで,他の入射角を規定することができる。ダイレクトパーツマーキング
アプリケーションでは,強く反射する基材にシンボルを形成しなければならない場合,よ
り適するかもしれない他の照明選択肢をISO/IEC TR 29158に規定している。
二次元マトリックスシンボルにおいて,グレード値の後にあるアスタリスク(*)は,シンボルの周辺に
読取りを妨げるかもしれない強度の反射が含まれていることを示す(7.6参照)。
例1 2.8/05/660は,0.125 mmの開口(参照番号が05),入射角が45°及び660 nmの光源で走査した
ときの,各走査反射率波形で得られたグレードの平均が2.8であったことを示す。
例2 2.8/10/W/30は,0.250 mmの開口(参照番号が10),入射角が30°及び広帯域照明下で読み取
るように意図したシンボルのグレードを示している。さらに,測定に用いた参照分光特性が規
定されているアプリケーション仕様の参照資料又は分光特性そのものの記載の添付が必要であ
ることも示している。
例3 2.8*/10/670は,0.250 mmの開口(参照番号が10)及び670 nmの光源を用いて測定したシンボ

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ルのグレードを示すとともに,シンボルの周辺に読取りの妨げとなるかもしれない強度の反射
が含まれていたことも示している。
注記2 同じ記号表記は,この規格に従ってシンボルを測定して得られたグレードが,そのままア
プリケーションで要求される最低グレードを明記するために用いられる。例えば,アプリ
ケーション規格が,シンボル品質要求を1.5/05/660と規定すると,測定されたグレード
XX/05/660においてXXが1.5以上である限り,この要求が満たされることになる。ただし,
2.0/10/660,3.0/05/W又は3.5/05/660/30のように開口,光源,照射角度が異なる場合は,こ
の要求が満たされない。

6 マルチローシンボルの測定方法

6.1 概要

  総合シンボルグレードを導き出すために,マルチローシンボルの評価は,6.2.2又は6.3に規定したJIS X
0520の方法及び当該シンボル体系に適しているならば,6.2.3,6.2.4及び6.2.5に規定した追加条項を適用
しなければならない。外乱光は,測定結果に影響しないように制御しなければならない。アプリケーショ
ン規格に規定された光波長及び有効開口径を用いてシンボルを走査しなければならない。測定するとき,
走査線は,スタートキャラクタ及びストップキャラクタ内のバー高さ方向に対し直角となるようにし,隣
接する“行”からのクロストークを極力少なくするように,可能な限り“行”の中心を通るようにするの
が望ましい。画像技法の場合,多数の走査線は,バーの高さ方向に直角で,シンボルの全ての“行”をカ
バーし,適切な仮想開口(合成開口)で“行”の像を順次取り込むことによって全体像を形成しなければ
ならない。

6.2 行また(跨)ぎ走査ができるシンボル体系

6.2.1  グレード付け基準
これらのシンボル体系の特徴は,行の境界を横切る走査線で読み取ることができることである。この規
格を発行する時点で,この種のシンボル体系は,スタートパターン及びストップパターン(特定シンボル
の等価パターン。例えば,MicroPDF417の行アドレスパターン)が行から行の間で一定であるか,変化し
ても,これらのパターンの一つだけのエッジ位置が隣接する行間で1Xを超えない範囲であることが特徴
である。これらのシンボル体系は,次の観点でグレード付けしなければならない。
− JIS X 0520に基づく走査反射率波形の分析(6.2.2参照)
− コード語復号率(6.2.3参照)
− 未使用誤り訂正(6.2.4参照)
− コード語の印字品質(6.2.5参照)
6.2.2 走査反射率波形の解析に基づくグレード
シンボルのスタートパターン及びストップパターン,又は同等のパターン(例えば,行アドレスパター
ン)は,JIS X 0520に従って評価しなければならない。データを含む領域は,6.1.2,6.1.3及び6.1.4に規
定しているように,個別に評価する。スタートパターン及びストップパターンを走査して,JIS X 0520に
規定している全ての要素でグレードを付けなければならない。有効開口径は,適切なアプリケーション規
格で規定するか,JIS X 0520でシンボルのX寸法に対応して事前設定している開口径である。
走査反射率波形の解析には,走査回数は10回が望ましいが,10回未満の場合は,シンボル高さを測定
開口径で除した値(小数点以下を切り上げ)が望ましい。シンボルの高さにわたり,おおむね均等な間隔
で走査するのが望ましい。例えば,20行のシンボルで10回走査の場合は,一行飛ばしで行ってもよい。2

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行シンボルの場合は,5回までの走査が各行のバー高さの異なる位置で行ってもよい。シンボル体系仕様
が,用いる走査(回数)の選択肢について,より詳細な手引を与えてもよい。
バー及びスペースを特定するには,走査ごとに全域的しきい(閾)値を決める。全域的しきい(閾)値
は,反射率において (Rmax+Rmin) / 2に等しい。ここに,Rmax値及びRmin値は,それぞれ,その走査での最
大反射率及び最小反射率である。全域的しきい(閾)値よりも大きい反射率の領域は,スペース(又はク
ワイエットゾーン)とみなし,小さい反射率の領域は,バーとみなす。
エッジ位置は,JIS X 0520によって,隣接するスペース及びバーにおいて,反射率値がスペースの最大
反射率とバーの最小反射率との中間値の位置である。
パラメタの“復号”及び“復号容易度”の評価には,当該シンボル体系の参照復号アルゴリズムを適用
する。
各走査のグレード付けは,その走査における各パラメタグレードの最低値とする。走査反射率波形に基
づくグレードは,個々の走査グレードの算術平均とする。
バー幅の太り又は細りの測定は,工程管理用として用いてもよい。この方法は,スタートキャラクタ及
びストップキャラクタ部分がはしご(梯子)状印字になる場合は,寸法精度が低くなることに留意する。
印刷工程の十分な解析が必要な場合は,柵状印字も行い,両方向で試験するのが望ましい。
6.2.3 コード語復号率に基づくグレード
このパラメタは,直線走査がマルチローシンボルからデータを復元できる効率を測定する。コード語復
号率は,有効に復号されたコード語数の,チルト方向を調整後に復号され得たであろうコード語の最大数
に対するパーセント値である。他の測定値が良好なシンボルであるにもかかわらず,コード語復号率が低
い場合は,Y軸の印字品質問題(表C.1に示しているような)を示唆している。
UEC計算(6.2.4参照)を満足する結果から得られるような,正しいシンボルキャラクタ値の全体配列を
得る。この全体配列は,復号されたコード語が有効であるかを検証するために,次に続く手続きで“シン
ボル最終復号”として用いられる。
個々の走査は,次の二つの条件のいずれかに合致すれば,コード語復号率の計算に含めてよい。
a) その走査が,シンボルの最上行又は最下行のいずれかのあらかじめ分かっている部分を含まない。さ
らに,少なくともスタートパターン及びストップパターンのいずれか(又は,行アドレスパターン)
が,少なくとも一つの追加コード語又は二番目の対応するスタートパターン若しくはストップパター
ンのいずれか(若しくは,行アドレスパターン)とともに,その走査で正しく復号されている。
b) その走査が,シンボルの最上行又は最下行のいずれかのあらかじめ分かっている部分を含む。さらに,
シンボルのスタートパターン及びストップパターンの両方が,その走査で正しく復号されている。
一対のスタートパターン及びストップパターンを,これらに隣接するどのコード語も復号不能であった
場合に,それらを見つけて復号するためには,そのシンボルの参照復号アルゴリズムへの拡張が要求され
ることに留意することが重要である。例として,PDF417の対をなすスタートパターン及びストップパタ
ーンを,又はMicroPDF417の対をなす行指示子パターンを,参照復号アルゴリズムだけで復号できなかっ
たとき,1本の走査によって見つけるために,前述の要求を履行することになる。つまり,このような拡
張が,どのコード語(対をなす終端パターン以外の)も復号されなかった走査を,有効にすることができ
る。しかしながら,次のことに留意する必要がある。ある走査がこの1本の走査によって見つけた単独の
スタートパターン又はストップパターンだけを含んでいて,他のコード語,2番目の対応するスタートパ
ターン又はストップパターン,又は行アドレスパターンのいずれも復号されなかった場合は,有効な走査

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として数えない。
シンボルを完全に復号し,そのシンボルの全体配列を得る。
各有効な走査に対し,実際に復号したコード語をそのシンボルの全体配列のコード語と比較し,一致す
るコード語の数を数える。有効に復号したコード語の数を累積し,シンボルの各コード語で復号した回数
及び各行の検出された回数を更新する。また,各走査において,行また(跨)ぎの検出回数[行また(跨)
ぎは,1本の走査線が,隣接する行から,複数のコード語を正しく復号したときに“検出”される。]を記
録する。
各走査を実行した後,有効走査の数にシンボルの列数(PDF417のスタートパターン及びストップパタ
ーン,又はMicroPDF417の行指示子のような固定パターンを除く。)を乗じて,これまでに復号されたで
あろうコード語の最大値を計算する。
シンボル全体は,次の三つの条件に合致するまで,複数回走査しなければならない。
a) 復号したであろうコード語の最大数が,シンボル内の総コード語数の少なくとも10倍であり,
b) シンボルの復号できる最上行及び最下行(必ずしも,最初の行及び最後の行である必要はない。)が,
それぞれ少なくとも3回は走査され,さらに,
c) コード語(データ又は誤り訂正)の少なくとも(0.9 n)個が,2回以上正しく復号されている。ここ
に,nは,シンボル内で誤り訂正でないデータのコード語数。
例 例えば,6行16列で,誤り訂正レベルが4のPDF417シンボルとすると,総コード語数が96で,
そのうち64がデータ,32が誤り訂正である。条件a)を満足するには,復号したであろうコード
語の最大数は,少なくとも960でなければならない。条件c)を満足するには,nが64なので,少
なくとも58のコード語(0.9×64=57.6)が2回以上復号していなければならない。
有効に復号したコード語の合計数と検出した行また(跨)ぎの合計数との比率が10 : 1よりも小さい場
合は,直近に得られた測定結果を破棄し,行また(跨)ぎの数を低下させるために,走査線の角度を調整
して測定手順を繰り返す。
そうでない場合は,存在する傾きを埋め合わせるために,復号したであろうコード語を計算した最高数
から,検出した行また(跨)ぎの数を減じる。
コード語復号率は,表2に示すようにグレード付けしなければならない。
表2−コード語復号率グレード
コード語復号率 グレード
≧ 71 % 4
≧ 64 % 3
≧ 57 % 2
≧ 50 % 1
< 50 % 0
6.2.4 未使用誤り訂正に基づくグレード
復号したコード語の数が安定するまで,シンボルの復号及び走査を行う。未使用誤り訂正(UEC)をUEC
=1.0−((e+2t) / Ecap) で計算する。ここに,eは消失誤りの数,tは代入誤りの数,Ecapはシンボルの誤り
訂正能力(誤り訂正コード語の数から,誤り検出に残された誤り訂正コード語の数を減じたもの)である。
そのシンボルに誤り訂正を一つも適用せずに復号した場合,UEC=1となる。(e+2t)がEcapよりも大きい
場合,UEC=0となる。誤り訂正ブロックが1よりも多い(すなわち,飛越し配置されている)シンボル

――――― [JIS X 0526 pdf 10] ―――――

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JIS X 0526:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15415:2011(IDT)

JIS X 0526:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0526:2017の関連規格と引用規格一覧