26
X 0607-1996
第4部 ファイル構造
第1章 一般
1. 適用範囲 この規格は,第1部の適用範囲(1/1.参照)に加えて,第4部として,次を規定すること
によって,ファイル構造に関するフォーマット及び関連システム要件を規定する。
(1) ファイルの配置
(2) ファイルの属性
(3) 論理ボリュームのファイル間の関連
(4) 媒体交換の水準
(5) 異なるシステム間での情報交換を可能にするために,情報処理システムが提供する処理に対する要件
第4部は,この要件を規定するために,第4部に適合する媒体を作成又は受領しようとするシステ
ムが提供する機能を規定する。
2. 部の参照 第1部の部の参照(1/2.参照)を第4部に適用する。
3. 他の部との関係 他の規格又は他の部に対する第4部の関係を,3.が規定する。
3.1 入力 第4部は,他の規格又は他の部による次の規定を必要とする。
(1) 一つ以上のボリュームから成るボリューム集合
(2) ボリューム順序番号(4/8.1参照)を割り当てる方法
(3) 区画から成る論理ボリューム
(4) 論理ボリューム中の区画の,番号による識別情報
(5) ボリュームを第3部に従って記録する場合,3/8.8に従って番号付けた区画
(6) 一つ以上のファイル集合を記録する論理ボリュームの識別情報
(7) 論理ボリュームの区画を固定長の論理ブロックに分割する方式
(8) 区画中の論理ブロック番号による識別情報
(9) 論理ブロックの大きさ。512の整数倍であること。
(10) 論理ブロックが未記録かどうかの判定手段
(11) ボリュームを第3部に従って記録する場合,論理ブロックを構成する論理セクタのすべてが未記録の
場合,その論理ブロックは未記録とする。論理ブロックは,完全に記録済み又は完全に未記録のいず
れかでなければならない。
(12) 論理ボリュームのファイル集合記述子列(4/8.3.1参照)の先頭エクステントを識別する手段
(13) ボリュームを第3部に従って記録する場合,論理ボリュームのファイル集合記述子列の先頭のエクス
テントは,ファイル集合記述子を記録した論理ボリュームを記述する論理ボリューム記述子の論理ボ
リューム内容用欄(3/10.6.7参照)に,longad(4/14.14.2参照)として記録する。
(14) 論理ボリュームの論理ボリュームヘッダ記述子(4/14.15参照)を指定する手段
(15) ボリュームを第3部に従って記録する場合,論理ボリュームの最新論理ボリューム保全記述子の論理
ボリューム内容用欄(3/10.10.5参照)に,論理ボリュームヘッダ記述子を記録する。
(16) ファイル集合を記録する論理ボリュームの各区画について次で示すものを識別する手段
(a) 未割付け空間表及び未割付け空間ビットマップ(4/10.参照)
――――― [JIS X 0607 pdf 26] ―――――
27
X 0607-1996
(b) 未初期化空間表及び未初期化空間ビットマップ(4/10.参照)
(c) 区画保全表(4/10.参照)
ボリュームを第3部に従って記録する場合,区画を記述する区画記述子(3/10.5参照)の区画内容
用欄(3/10.5.6参照)は,区画ヘッダ記述子(4/14.3参照)として記録する。その区画記述子は,区画
内容欄が “+NSR02” でなければならない。
3.2 出力 第4部は,他の規格又は他の部が使ってもよい次の内容を規定する。
(1) ファイルのデータ空間(4/8.8.2参照)
(2) ファイルの属性
(3) ディレクトリの属性
(4) ディレクトリ階層の属性
4. 適合性
4.1 媒体の適合性 第1部の媒体の適合性(1/3.1参照)を第4部に適用する。
4.2 情報処理システムの適合性 第1部の情報処理システムの適合性(1/3.2参照)を第4部に適用する。
5. 定義 第1部の定義(1/5.参照)に追加して,次の定義を第4部に適用する。
5.1 エクステント (extent)昇順に連続する論理ブロック番号をもつ論理ブロックの列。エクステント
の番地又は位置は,その先頭論理ブロックの番号とする。
5.2 ファイル集合 (file set) ファイル及びディレクトリの集まり。
5.3 グループID (group ID) 利用者のグループの識別情報。
5.4 論理ボリューム中の割付けの単位。
論理ブロック (logical block)
5.5 論理ボリューム (logical volume)一つ以上のファイル集合を記録した区画の空でない集合。
5.6 区画 (partition) ボリューム中の論理ブロックのエクステント。
5.7 利用者ID (user ID) 利用者の識別情報。
6. 表記法 第1部の表記法(1/6.参照)を第4部に適用する。
7. 基本種別 第1部の基本種別(1/7.参照)に追加して,次の基本種別を第4部に適用する。
7.1 記録番地 論理ブロック番地は,lbaddrで示し,図4/1のフォーマットで記録する。
図4/1 論理ブロック番地 (lbaddr) のフォーマット
RBP 長さ 名前 内容
0 4 論理ブロック番号 Uint32 (1/7.1.5)
4 2 区画参照番号 Uint16 (1/7.1.3)
7.1.1 論理ブロック番号 (RBP0) 区画参照番号欄で識別する区画の先頭からの相対ブロック番号を指
定する。論理ブロック番号0は,区画の先頭の論理ブロックであることを示す。
7.1.2 区画参照番号 (RBP4) 論理ボリューム(4/3.1参照)中の区画の識別番号を指定する。
7.2 記述子タグ 第4部で規定する記述子には,16バイト長の構造であるタグ (tag) を記述子の先頭に
記録する。タグは,図4/2のフォーマットで記録する。
参考 共通のタグ構造を使用するのは,二つの主な理由がある。一つは,ほとんどの記述子は,共通
なCRC及びフォーマット版数を扱う必要があるためである。もう一つの理由は,媒体の破壊又
――――― [JIS X 0607 pdf 27] ―――――
28
X 0607-1996
は何らかの方法で不正になった後の回復を実現するためである。ここで示すタグは,自己識別
する構造であり,小さな環境でも確認できる。
図4/2 タグ (tag) のフォーマット
RBP 長さ 名前 内容
0 2 タグ識別子 Uint16 (1/7.1.3)
2 2 記述子版数 Uint16 (1/7.1.3)
4 1 タグチェックサム Uint 8 (1/7.1.1)
5 1 予備 #00バイト
6 2 タグ通し番号 Uint16 (1/7.1.3)
8 2 記述子CRC Uint16 (1/7.1.3)
10 2 記述子CRC長 Uint16 (1/7.1.3)
12 4 タグ位置 Uint32 (1/7.1.5)
7.2.1 タグ識別子 (RBP0) 記述子種別を指定する。種別0は,第4部で規定する記述子のフォーマッ
トでないことを示す。種別17及び9は,第3部で規定する。種別8は,第3部及び第4部で同一に規
定する。種別256265は,第4部で規定する。その他の種別は,将来の標準化のための予備とする。第4
部で規定する記述子種別を,図4/3に示す。
図4/3 記述子の解釈
種別 解釈
8 終端記述子(3/10.9及び4/14.2)
256 ファイル集合記述子 (4/14.1)
257 ファイル識別記述子 (4/14.4)
258 割付けエクステント記述子 (4/14.5)
259 間接エントリ (4/14.7)
260 終端エントリ(4/14.8)
261 ファイルエントリ (4/14.9)
262 拡張属性ヘッダ記述子 (4/14.10.1)
263 未割付け空間エントリ (4/14.11)
264 空間ビットマップ記述子 (4/14.12)
265 区画保全エントリ (4/14.13)
7.2.2 記述子版数 (RBP2) 記述子の版数を示し,値2を指定する。
7.2.3 タグチェックサム (RBP4) タグの03バイトと515バイトとの和を256で割った余りを指定
する。
7.2.4 予備 (RBP5) 将来の標準化のための予備とし,#00を設定する。
7.2.5 タグ通し番号 (RBP6) 記述子集合の識別情報を指定する。この欄の内容が0の場合は,記述子
集合の識別をしないことを意味する。
参考 この欄は,記述子をグループに分けるために使用できる。例えば,書換形媒体を再使用する場
合,処理システムでは,ボリュームを初期化したときに使用した順序番号と異なる順序番号を
選択してもよい。これによって,障害回復機構は,回復する必要のない以前のデータの回復を
避けることができる。この方式を代替する唯一の方式は,ボリュームの初期化を強制すること
である。
7.2.6 記述子CRC (RBP8) 記述子タグ直後の先頭バイトから始まる記述子バイトのCRCを指定する。
バイト数は,記述子CRC長欄で指定する。CRCは16ビットで,CRC-ITU-T多項式(ITU-T勧告V. 41参
照)で生成する。
x16+x12+x5+1
――――― [JIS X 0607 pdf 28] ―――――
29
X 0607-1996
備考 例えば,#70 #6A #77の3バイトのCRCは,#3299である。処理システムは,記述子CRC長欄
の値を0にすることで,CRCの計算を避けられる。このとき,記述子CRCの値も0とする。
7.2.7 記述子CRC長 (RBP10) 記述子CRCを計算するのに使用したバイト数を指定する。
7.2.8 タグ位置 (RBP12) 記述子の先頭バイトを含む論理ブロックの番号を指定する。論理ブロック番
号は、この記述子を記録する区画内における論理ブロック番号である。
参考 タグ位置は冗長に見えるが、そのおもな目的は、論理セクタ又は論理ブロックの先頭16バイト
が記述子タグと同一フォーマットの場合、高い確度でそれを記述子タグとすることである。
第2章 ファイル構造のための媒体に対する要件
8. ファイル構造
8.1 ボリューム集合 ボリューム集合の各ボリュームには,4/3.1に示すとおりにボリューム順序番号を
割り当てる。
8.2 ボリューム集合中の情報の構成 論理ボリューム及び論理ボリュームに関連するファイル集合は,
ボリューム集合に記録する。
8.3 論理ボリューム中の情報の構成 第4部では,論理ボリュームを一つ以上のボリュームに存在する
区画の集合とする。
8.3.1 ファイル集合記述子列 ファイル集合記述子列は,論理ボリュームにエクステントの列として記録
する。ファイル集合記述子列は,図4/4(原文参照)に示すスキーマに従って記録する。
すべてのファイル集合記述子に,ファイル集合記述子番号を割り当てる。
すべてのファイル集合に,ファイル集合番号を割り当てる。
8.4 区画中の情報の構成 ファイル集合を記録する論理ボリュームの各区画について,次で示すものの
位置を識別する手段として,第4部の入力パラメタ(4/3.1参照)で指定する必要がある。
(1) 未割付け空間表及び未割付け空間ビットマップ(4/10.参照)
(2) 未初期化空間表及び未初期化空間ビットマップ(4/10.参照)
(3) 区画保全表(4/11.参照)
8.5 ファイル集合 ファイル集合は,ファイル集合記述子で識別し,次で示すものを指定する。
(1) ファイル集合を記録する論理ボリュームの名前
(2) ファイル集合記述子で識別するファイル集合に関連する記述子の欄で使用可能な文字集合
(3) ファイル集合記述子で識別するファイル集合のファイルを記述するディレクトリ階層のルートの識別
情報
(4) ファイル集合の著作権及び抄録についての情報
8.6 ディレクトリ ディレクトリは,0個以上のファイル又はディレクトリの識別情報をもつ。ディレク
トリ階層は,一つのルートディレクトリから始まるディレクトリの集合とする。
ディレクトリは,図4/5(原文参照)のスキーマに従って記録する。
8.6.1 ディレクトリ記述子の順序 ディレクトリのディレクトリ記述子を,第4部に従って並べる場合,
次の順に並べる。
(1) ファイル識別子の相対値の昇順
(2) ファイル版数の相対値の降順
――――― [JIS X 0607 pdf 29] ―――――
30
X 0607-1996
8.6.2 ディレクトリ階層の大きさの制限 ディレクトリ階層中のディレクトリで記述するディレクトリ
及びファイルの個数の合計は,232より小さくなければならない。
8.7 パス名 パス名は,ファイル又はディレクトリを名前で示す場合に使用する。
8.7.1 帰着パス名 ディレクトリ階層中では,ファイル又はディレクトリを示すすべてのパス名は,帰着
パス名をもつ。
8.8 ファイル ファイルは,記録したデータの位置及び属性を指定するファイルエントリ(4/14.9参照)
で記述する。
8.8.1 ファイルの属性 ファイルエントリは,ファイルの属性を規定する。属性の幾つかはファイルエン
トリ中の欄に記録する。残りは,拡張属性として記録する。
8.8.2 ファイルのデータ空間 ファイルのデータ空間は,次で示すものとする。
(1) ファイルを論理ブロックのエクステントの列の内容として記録する場合,このエクステントがファイ
ルのデータ空間とする。データ空間のバイトには,昇順に連続番号を割り当てる。番号付けは,デー
タ空間の先頭エクステントの先頭論理ブロックの先頭バイトに割り当てる0から始まる。
(2) ファイルをファイルエントリの割付け記述子欄に記録する場合,ファイルエントリの割付け記述子欄
の先頭バイトから始まる割付け記述子欄の長さで指定するバイト数がファイルのデータ空間とする。
データ空間のバイトは,昇順に連続番号を割り当てる。番号付けは,データ空間の先頭バイトに割り
当てる0から始まる。
ファイルのデータ空間のバイト数を,ファイルの情報長(4/14.9.10参照)と呼ぶ。
8.9 レコード構造 ファイルの情報を,4/14.9.7に従うレコードの集合としてもよい。
8.10 情報制御ブロック (ICB) ファイルの各インスタンスは,ICBの一つのエントリで記述する。ファ
イルのインスタンスを記述するエントリの集合は,一つ以上のICB中のエントリの集合で記述する。この
ICBの集合は,4/8.10.1で示すICB階層を形成する。
ICBは,論理ブロックのエクステント中に記録するICBエントリの列とする。ICBの番地又は位置は,
そのエクステントの番地とする。列の一つのエントリは,次に示すもののいずれかとする。
(1) ファイル又はエクステントの集合の記録実体を記述する,直接エントリ
(2) ほかのICBを記述する,間接エントリ(4/14.7参照)
(3) このエントリ以降にエントリがないことを示す,終端エントリ(4/14.8参照)
(4) このエントリ以降にエントリがないことを示す,未記録論理ブロック
8.10.1 ICB階層 ICB階層は,ルートICBから始まるICBの集合とする。ルートICBは,ICB階層のレ
ベル1の唯一のICBとする。間接エントリによってほかのICBを識別するICBは,識別されるICBの親
ICBとする。
9. 拡張属性 拡張属性は,属性種別及び属性副種別を指定し,属性ごとの固有の情報を指定してもよい。
拡張属性は,ファイルに関連する。すべての拡張属性は,一つ以上の拡張属性空間に記録する。属性種別
欄及び属性副種別欄が同一内容である拡張属性を,拡張属性のインスタンスと呼ぶ。
拡張属性空間は,次に示すものの一つとする。
(1) ファイルエントリの拡張属性欄
(2) ファイルエントリで識別するICBによって記述するファイル
いずれの場合でも,拡張属性空間は,図4/6(原文参照)で示すスキーマに従って記録する。
――――― [JIS X 0607 pdf 30] ―――――
次のページ PDF 31
JIS X 0607:1996の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 13346-1:1995(MOD)
- ISO/IEC 13346-2:1995(MOD)
- ISO/IEC 13346-3:1995(MOD)
- ISO/IEC 13346-4:1995(MOD)
- ISO/IEC 13346-5:1995(MOD)
JIS X 0607:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.040 : 文字セット及び符号化