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X 33003 : 2019 (ISO/IEC 33003 : 2015)
b) プロセス測定フレームワークの信頼性及び妥当性に関する主張は,構成概念仕様と一貫していなけれ
ばならない。
c) プロセス属性が反映的である場合,信頼性測定量としての一貫性(等価性ともいう。)を検査しなけれ
ばならない。
d) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性及びそのプロセス属性に対して,妥当性を検
査しなければならない。
e) プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特性及びその測定量に対して,構成概念仕様を実
験的に検査しなければならない。
f) 開発中のプロセス測定フレームワークの外部測定量(例えば,目標,基準及び/又は達成度合い)は,
妥当性の調査のために文書化しなければならない。
5.2 手引
プロセス品質特性及びそのプロセス属性の品質は,信頼性評価(特に反映的の場合)及び妥当性テスト
のような実験的手法を使用して調べることができる。プロセス測定フレームワークは,それらの信頼性及
び妥当性の主張と,それらの主張がどのように裏付けられるかとを示さなければならない。この箇条5で
規定する要求事項の統計的妥当性確認は,別の文書又はプロセス測定フレームワークの附属書によって提
供できる。
5.2.1 信頼性
測定量の信頼性の一般的な定義は,真の変数の(潜在変数の)分散を測定量の総和の分散で除した値の
分散である。信頼性は,潜在変数を把握する能力によって測定量の再現性(安定性)と一貫性(等価性)
の程度とに着目する。再現性とは,“同じプロセスに対する二つの異なる時点における,同じアセッサによ
る同一又は代替の手段で”,繰り返されたアセスメントが同一と認められる結果をもたらすことを意味する。
一貫性(等価性)は,特定の時点で測定した,構成概念の複数の測定量に注目する。ここでの各測定量は,
基本的な概念を説明できる独立しているが等価な測定量とみなされる。C.2では,信頼性を評価するため
の統計的方法を簡単に紹介している。
信頼性の満足度は,プロセス測定フレームワークからのアセスメント結果がどのように使用されるかに
依存する。例えば,合成値に関して重要な決定を行う状況に適用するのであれば,通常,一貫性の高い値
が最小許容値として推奨される。
反映的構成概念では,一次元性は,信頼性分析及び構成概念の妥当性の必要条件である。
5.2.2 構成概念の妥当性
プロセス品質特性及びプロセス属性の品質は,(反映的な場合は)信頼性評価及び妥当性テストのような
実験的方法を使用して調べることができる。プロセス測定フレームワークの妥当性確認は,測定しようと
しているプロセス品質特性及びプロセス属性の客観的な証拠が存在するか否か,並びにそれらが意図した
目的に対して有効か否かを判断する手順である。幾つかの妥当性確認の方法は,箇条4に記載しているよ
うに,(プロセス測定フレームワークの)標準の開発中に行うことができる。しかしながら,この箇条5
は,試行中及び/又は公開後にプロセス測定フレームワークの妥当性を確認するための事後統計分析につ
いて記載している。
プロセス測定フレームワークのプロセス品質特性及びそのプロセス属性が,正しく操作,測定又は統計
的妥当性確認がされていない場合,あらゆる合成の測定量は,不十分又は不適切であってもよい。したが
って,統計的テストがこの規格の目的ではないが,プロセス測定フレームワークにおけるプロセス品質特
性及びそのプロセス属性は,その統計的妥当性確認とリンクすることが望ましい。妥当性への脅威は,プ
――――― [JIS X 33003 pdf 11] ―――――
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X 33003 : 2019 (ISO/IEC 33003 : 2015)
ロセス測定フレームワークの妥当性を評価する際に取り組むことが望ましい。妥当性テストは,構成概念
仕様に依存する。
外部測定量のデータは,客観的又は主観的に収集することができる。それらは,予測妥当性の検証に使
用する。構成概念の妥当性は,C.3を参照。
5.2.3 構成概念仕様
プロセス品質特性とそのプロセス属性との間の関係が形成的であるか反映的であるかを決めるために,
構成概念仕様(仕様モデルともいう。)を統計的にテストすることができる。必要に応じてシミュレーショ
ンによる調査を行うことができる。全ての集約が構成概念仕様の理論的根拠を満たすことが望ましい。
注記 確認的四分子分析(C.4を参照)を使用して構成概念仕様を統計的にテストすることができる。
6 プロセス測定フレームワークの適合性検証
この箇条は,この規格の要求事項が満たされていることを検証するために使用してもよい仕組みに関係
する。
この規格の要求事項への適合性は,次の当事者によって検証してもよい。
− 自己宣言(第一者)
− 第二者
− 第三者
適合確認を実行する当事者は,プロセス計測フレームワークが箇条4に記載された要求事項を満たして
いるという客観的証拠を得なければならない。プロセス測定フレームワークの完全性及び一貫性を実証す
るための客観的証拠を提供しなければならない。
――――― [JIS X 33003 pdf 12] ―――――
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附属書A
(参考)
用語の関係
図A.1は,箇条3で定義した用語の図を示し,箇条4で定義した要求と指針とを含む(矢印は,読む方
向を示す。)。プロセス品質特性を,一次元構造構成概念の集合からなる多次元構造によって説明し,記載
し,整理する。一次元構造構成概念のそれぞれは,対象とする現象を意味付ける。構成概念は,概念化を
通じて識別し,明確化し,構成概念定義でまとめる。
概念化
現象 [4.1]
多次元構成概念
を記述し,組織化し,を特定し,明確にする [4.2]
意味を割り当てる プロセスである
用語である である
から構成する
の意味を定義し,
プロセス品質特性
構成概念 (構成概念)
の構成概念仕様 一次元構成概念の集合
定義 [4.1]
を明確化する
[4.2]
のために の一次元構成概念
評価される を表す
にまとめられる
妥当性と信頼性 構成概念 潜在変数
[5.1] の操作化である [4.2]
仕様試験
感度分析 [5.1]
について が反映的又は
[4.7] 評価される 形成的かどうかを 補償及び
実験的に評価する 非補償モデル
の尺度の プロセス属性
診断 ために実施する 合成の測定量
[4.3]
に割り当てられる [4.2]
によって得られる を含む
評定
[4.5] によって の評定のために の合成値
検査される 実施される を決める
MCDM
の一種である
構成概念仕様の 集約
決定規則 [4.6]
[4.4]
注記 図中の記載“A − B → C”は,矢印の向きに沿って,“A(主語)は,C(目的語)を,B(術語)する。”を
意味する。例えば,“概念化(A)−を特定し,明確にするプロセスである(B)→ プロセス品質特性(構成概
念)(C)”は,“概念化は,プロセス品質特性(構成概念)を特定し,明確にするプロセスである。”と読む。
図A.1−用語の関係
反映的又は形成的のいずれかに指定するプロセス属性集合としてプロセス品質特性を操作化する。決定
規則は,プロセス属性の定義に関するガイドになる。プロセス属性を反映的測定量として定義している場
合,因子分析は,一次元構造概念の集合を決定する助けになる。一方,形成的として定義したプロセス属
性は,各プロセス属性を単一の次元として扱ってもよい。プロセス属性の各次元は,一つの潜在変数によ
って表せる。構成概念仕様テストによって,プロセス属性を反映的か形成的かを決めるために経験的に評
価する。アセスメントによって得た評定を,各プロセス属性に割り当てる。
――――― [JIS X 33003 pdf 13] ―――――
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X 33003 : 2019 (ISO/IEC 33003 : 2015)
プロセス属性に割り当てた評定を集約し,数値又は順位として合成の測定量を導出する。集約方法は,
一種のMCDMモデル(補償型又は非補償型)である。選択した集約方法は,構成概念仕様(すなわち,
反映的若しくは形成的),評価方針(例えば,補償型若しくは非補償型),合成の測定量の目的及び/又は
その測定尺度の影響を受ける場合がある。
適用可能な場合,プロセス属性の測定尺度,集約方法及び重み付けに対して感度分析を実行できる。プ
ロセス品質特性及びそのプロセス属性の品質は,信頼性予測及び有効性テストのような経験的手法を使用
して調べることができる。
――――― [JIS X 33003 pdf 14] ―――――
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附属書B
(参考)
構成概念仕様 : 反映的又は形成的
この附属書は,構成概念仕様を扱っている。次は,三つのモデルを記載しており,それらは,測定値の
集約(例えば,プロセス属性の評定集合)を介して合成値(例えば,プロセス品質水準)を作るために使
用できる。図B.1 a) 及び図B.1 b) に説明の基礎となる二つの仕様を示す。
ゼータ
(ζ)
クサイ イータ
(ξ) (η)
λ1 λ2 λ3 λ4 γ1 γ2 γ3 γ4
x1 x2 x3 x4 x1 x2 x3 x4
δ1 δ2 δ3 δ4
a) 反映的仕様 b) 形成的仕様
図B.1−構成概念とその尺度との関係
上記の図B.1 a) において,ラムダ(λ)は,負荷変数であり,構成概念クサイ(ξ)と測定量xとの間の
相関を示す。デルタ(δ)は,誤差項である。図B.1 b) において,ガンマ(γ)は,測定量xの負荷変数で
ある。ゼータ(ζ)は,外乱項である。
因果関係の方向は,プロセス背景におけるプロセス属性に重要な意味をもつ。プロセス品質特性が反映
的と仮定する場合,活動の目標は,広範な利益が自然に流れ,プロセス属性に反映することが望ましい。
働きかけが個々のプロセス属性だけに焦点を当てると,より有用な活動から資源をそらす可能性がある。
形成的構成概念における働きかけは,プロセス品質特性を構成するプロセス属性に関連する特定の領域に
焦点を当てることが望ましい。この場合,一つのプロセス属性の改善は,他の測定量の改善を意味するわ
けではない。構成概念仕様の決定規則を表1に要約している。
B.1 反映的モデル
図B.1 a) に示すように,理論的に定義した構成概念は,間接的な複数項目測定を使用して測定できる抽
象的な概念である。構成概念は,測定の原因とみなすことができる。つまり,構成概念を変更した程度を
反映又は明示し,構成概念の変動は,対策の変動をもたらす。構成概念要素の変化は,全ての測定量が同
じ基本的な構成概念を反映しているため,同じ方向に変化することを期待している。したがって,任意の
二つの測定量間の高い相関が期待できる。
さらに,尺度は,同じ又は類似の内容をもち,同じ概念的な領域から抽出することになっているので,
信頼できる尺度は交換可能であり,一つの尺度を除いて構成概念の概念的な領域を変えないほうがよい。
――――― [JIS X 33003 pdf 15] ―――――
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