JIS X 6241:2004 120 mm DVD―再生専用ディスク | ページ 2

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 6241 : 2004
(ISO/IEC 16448 : 2002)

120 mm DVD―再生専用ディスク

120 mm DVD―Read-only disk

序文

 この規格は,2002年に第2版として発行されたISO/IEC 16448:2002,Information technology―120 mm
DVD―Read-only diskを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)で
ある。

第1章 一般事項

1. 適用範囲

 この規格は,120 mm DVD―再生専用ディスク(以下,ディスクという。)の互換を可能に
する機械的特性,物理的特性及び光学的特性を規定するとともに,情報交換を可能にする記録した信号の
品質,データのフォーマット及び記録方法について規定する。
この規格は,次の事項について規定する。
− このディスクについて関連する四つの異なるタイプ(7.参照)
− 適合条件
− このディスクの使用環境及び保存環境
− データ処理システム間の機械的互換のためのディスクの機械的特性及び物理的特性
− トラックとセクタの物理的配置,誤り訂正符号及び使用したコーディング方法を含むディスク上の情
報のフォーマット
− データ処理システムがディスクから情報の読取りを可能にするための,ディスクに記録された信号の
特性
この規格は,ディスクドライブ間のディスクの互換性を与える。ボリューム及びファイル構造の規格と
ともに,データ処理システム間の完全なデータ互換性を与える。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO/IEC 16448:2002,Information technology―120 mm DVD―Read-only disk (IDT)

2. 適合性

2.1 光ディスク

 この規格では,ディスクのタイプを規定する。ディスクは,そのタイプの要求事項を
満たすとき,この規格に適合する。

2.2 製造システム

 製造システムは,製造するディスクが2.1に一致するとき,この規格に適合する。

2.3 情報再生システム

 情報再生システムは,2.1に適合する4タイプのディスクのすべてを取り扱うこ
とができるならば,この規格に適合する。

――――― [JIS X 6241 pdf 6] ―――――

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3. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追
補には適用しない。
IEC 60950:1991 Safety information technology equipment including electrical business equipment
備考 IEC規格番号は,1997年1月1日から実施のIEC規格新番号体系によるものであり,これに
よって前に発行された規格についても,規格番号に60000を加えた番号に切り替えた。これは,
番号だけの切替えであり,内容は同一である。

4. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

4.1 接着層 (Adhesive layer)

 ディスクの二つの部分を一つに結合する接着物質の層。

4.2 チャネルビット (Channel bit)

 変調後の2値の“0”及び“1”をディスク上のピットで表す要素。

4.3 クランプゾーン (Clamping Zone)

 クランプ装置機構によってクランプ力が加わるディスクの環状
の部分。

4.4 ディジタル総計値 (Digital Sum Value)

 10進数の数値 1をビット“1”及び10進数の数値−1をビ
ット“0”に割り当てることによってビットストリームから得た算術和。

4.5 ディスク基準面 (Disk Reference Plane)

 ディスクのクランプゾーンをクランプし,理想スピンドル
の完全に平らな環状表面で定義される回転軸に対して垂直な面。

4.6 2層ディスク (Dual Layer disk)

 一つ又は二つの入射面をもち,各々の入射面から異なる一対の記録
層にアクセスできるディスク。

4.7 ダミー基板 (Dummy substrate)

 ディスク及び/又は記録層を機械的に支持するための透明又は不透
明な層。

4.8 入射面 (Entrance surface)

 光ビームが最初に当たるディスクの表面。

4.9 光ディスク (Optical disk)

 光ビームによって読み取ることのできる記録層にピット形態で情報を
受容し保持するディスク。

4.10 物理セクタ番号 (Physical sector number)

 ディスクの物理セクタに割り当てた連続番号。

4.11 再生専用ディスク (Read-only disk)

 ディスクの製造時に情報を記録したディスク。情報は,修正で
きずディスクから読み取ることだけができる。

4.12 記録層 (Recorded layer)

 層の上又は層の内にデータを記録したディスクの層。

4.13 リードソロモン符号 (Reed-Solomon code)

 誤りの訂正のための誤り検出及び/又は誤り訂正符号。

4.14 予備フィールド (Reserved field)

 特に規定のない限りすべて“0”に設定し,将来の標準化のために
予備とするフィールド。

4.15 セクタ (Sector)

 他のアドレスできる部分とは独立してアクセスできる情報ゾーンのトラックの一
番小さい部分。

4.16 単層ディスク (Single Layer disk)

 一つ又は二つの入射面をもち,各々の入射面から異なる一つの記
録層にアクセスできるディスク。
  •  4.17 スペーサ (Spacer)・・・・[2]
層ディスクで,同じ入射面からアクセスできる二つの記録層間にある透明な層。

4.18 基板 (Substrate)

 記録層を機械的に支持する透明なディスクの層。これを通して光ビームが記録層
にアクセスできる。

4.19 トラック (Track)

 360°回転の連続スパイラル。

――――― [JIS X 6241 pdf 7] ―――――

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4.20 トラックピッチ (Track pitch)

 半径方向に測定される一対の隣接する物理トラック中心線間の距離。

4.21 ゾーン (Zone)

 ディスクの環状領域。

5. 慣例及び表記法

5.1 数値表示

 測定値は,該当規格値の最下位けたに丸める。例えば,+0.01のプラス許容差と−0.02
のマイナス許容差をもつ1.26という規格値は,1.235以上1.275未満の測定値の範囲を許容する。
10進数は,0から9までの数字で表す。
16進数は,括弧でくくった,0から9までの数字とAからFまでのアルファベットで表す。
ビットの設定は,“0”及び“1”で表す。
2進数及びビットパターンは,左側を最上位ビットとし,“0”及び“1”の一連で表す。
2進数の負の値は,2の補数として表す。
各フィールドで,データは,バイト0とする最上位のバイト(MSB)を最初に記録し,最下位バイト(LSB)
を最後に記録する。
8nビットのフィールドで,ビットb(8n-1)は,最上位ビット(msb)とし,ビットb0は,最下位ビット(lsb)と
しなければならない。
ビットb(8n-1)を最初に記録する。

6. 略語

  BCA : Burst-Cutting Area バーストカッティング領域
BP : Byte Position バイト位置
BPF : Band Pass Filter 帯域フィルタ
CLV : Constant Linear Velocity 一定線速度
CPR_MAI : Copyright Management Information 著作権管理情報
DCC : DC component (suppress control) 直流成分抑圧制御
DL : Dual Layer 2層
DPD : Differential Phase Detection 位相差検出法
DSV : Digital Sum Value ディジタル総計値
ECC : Error Correction Code 誤り訂正符号
EDC : Error Detection Code 誤り検出符号
EQ : Equalizer 波形等化器
FWHM : Full Width at Half Maximum 半値幅
HF : High Frequency 高周波
ID : Identification Data 識別子
IED : ID Error Detection (code) D誤り検出符号
IR : Index of Refraction 屈折率
LPF : Low-Pass Filter 低域フィルタ
LSB : Least Significant Byte 最下位バイト
MSB : Most Significant Byte 最上位バイト
NRZ : Non Return to Zero 非ゼロ復帰
NRZI : Non Return to Zero Inverted 非ゼロ反転復帰

――――― [JIS X 6241 pdf 8] ―――――

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
OTP : Opposite Track Path 対向トラック径路
PBS : Polarizing Beam Splitter 偏光ビームスプリッタ
PE : Phase Encoding フェイズエンコーディング
PI : Parity (of the) nner (code) 内符号パリティ
PLL : Phase-Locked Loop 位相同期ループ
PO : Parity (of the) uter (code) 外符号パリティ
PTP : Parallel Track Path 平行トラック径路
PUH : Pick-Up Head ピックアップヘッド
RIN : Relative Intensity Noise 相対ノイズ強度
RS : Reed-Solomon (code) リードソロモン符号
RZ : Return to Zero ゼロ復帰
SL : Single Layer 単層
SYNC Code : Synchronization Code 同期符号
lsb : least significant bit 最下位ビット
msb : most significant bit 最上位ビット

7. ディスクの概要

 この規格の主題であるディスクは,記録層を内側に設けた二枚の基板をは(貼)り
合わせて構成する。ディスクの中心位置決めは,読取り側のディスク中心孔のエッジで行う。クランプは,
クランプゾーンで行う。この規格は,次のタイプについて規定する。
タイプA 基板,一つの記録層及びダミー基板からなり,記録層には一方向だけからアクセスできる。容
量の公称値は,4.7ギガバイトである。
タイプB 二つの基板,二つの記録層からなり,ディスクの一方向からは,これらの記録層の一つだけに
アクセスできる。容量の公称値は,9.4ギガバイトである。
タイプC 基板,ダミー基板及び層間にスペーサのある二つの記録層からなり,二つの記録層には,一方
向だけからアクセスできる。容量の公称値は,8.5ギガバイトである。
タイプD 層間にスペーサのある二つの記録層をそれぞれにもつ二つの基板からなり,ディスクの一方向
からは,一対の記録層だけにアクセスできる。容量の公称値は,17.0ギガバイトである。
図1に模式的にこれらの4タイプを示す。タイプA及びBは,単層(SL)ディスク,タイプC及びDは,
2層(DL)ディスクである。2層ディスクの二つの層は,レイヤ0,レイヤ1として識別する。ここでレイヤ
0は入射面に近いレイヤである。タイプA及びCは,片面ディスク,タイプB及びDは,両面ディスク
である。
タイプCにおいて,例えば,レイヤ1をエンボスをもつようなダミー基板上においた場合,接着層の機
能は二つの記録層間のスペーサで果たす。

――――― [JIS X 6241 pdf 9] ―――――

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
図 1 120 mm DVD―再生専用ディスクのタイプ

8. 一般要求事項

8.1 環境条件

8.1.1  試験環境条件 試験環境条件は,ディスク近傍の環境条件とし,規定がない限り次による。
a) 寸法測定用
温度 : 23 ℃±2 ℃
相対湿度 : 4555 %
大気圧 : 86106 kPa
b) )以外の測定用
温度 : 1535 ℃

――――― [JIS X 6241 pdf 10] ―――――

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JIS X 6241:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 16448:2002(IDT)

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