JIS X 6241:2004 120 mm DVD―再生専用ディスク | ページ 3

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
相対湿度 : 4575 %
大気圧 : 86106 kPa
別に規定しない限り,すべての試験及び測定は,この試験環境条件で行わなければならない。
8.1.2 動作環境条件 この規格によって,規定した測定環境でこの規格のすべての規定要求事項を満たす
ディスクは,動作環境条件において環境パラメータの規定範囲にわたってデータ交換ができなければなら
ない。
データ交換用ディスクは,動作状態のドライブに装着し,ディスク近傍で測定したとき,次の条件下で
動作しなければならない。
保存条件にさらされたディスクは,動作前に少なくとも2時間動作環境条件に放置してから使用するも
のとする。
温度 : −2570 ℃
相対湿度 : 395 %
絶対湿度 : 0.560 g/m3
温度急激変動 : 最大 50 ℃
相対湿度急激変動 : 最大 30 %
ディスクに結露があってはならない。
8.1.3 保存環境条件 保存環境条件はディスク近傍の環境条件とし,次による。
温度 : −2550 ℃
相対湿度 : 590 %
絶対湿度 : 130 g/m3
大気圧 : 75106 kPa
温度変動 : 最大 15 ℃/h
相対湿度変動 : 最大 10 %/h
8.1.4 輸送 この規格は,輸送条件については規定しないが指針を附属書Jに示す。

8.2 安全性

 意図した方法又は情報システムでの使用において予見できる使用法のとき,ディスクは,
IEC 60950の要求事項を満たす。

8.3 耐燃性

 ディスクは,IEC 60950に規定しているように,HB材料の耐燃性クラス又はそれ以上のク
ラスに適合する材料で作る。

9. 基準測定装置

 この規格に適合するために,光学的特性の測定には基準測定装置を使用しなければな
らない。これらの装置の重要部品は,この項で定義する特性をもつ。

9.1 ピックアップヘッド (PUH)

 光学パラメータを測定する光学系を図2に示す。測定の精度に影響し
ないようにするために,その光学系は,ディスク入射面から反射した検出光を最小化するものとする。偏
光ビームスプリッタCを1/4波長板Dと組み合わせることによって,入射光とディスクFからの反射光は
分離される。偏光ビームスプリッタCのP-S強度/反射率の比は,少なくとも100以上とする。光学系G
は,非点収差法による焦点合わせ及び読取りのために,非点収差を生成してディスクFの記録層で反射し
た光をコリメートする。四分割ディテクタの位置は,対物レンズの焦点が記録層に合ったとき,光スポッ
トが四分割ディテクタの中心と一致する中心をもつ円になるように調整する。そのようなフォトディテク
タの例を図2に示す。寸法a及びbは,1012 μmのM倍である。ここで,Mはディスクから四分割ディ
テクタH近傍の共役面までの拡大率である。

――――― [JIS X 6241 pdf 11] ―――――

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
Ia,Ib,Ic,Id
A : レーザダイオード,B : コリメータレンズ,C : 偏光ビームスプリッタ,D : 1/4波長板,E : 対物レンズ,F : ディ
スク,G : 非点収差法の光学系,H : 四分割ディテクタ,Ia,Ib,Ic,Id : 四分割ディテクタ出力,J : 直流結合増幅器
図 2 PUHの光学系
PUHの特性は,次による。
波長(λ) : 650 nm±5 nm
偏光 : 円偏光
偏光ビームスプリッタ : 特に規定のない限り使用
開口数 : 0.60±0.01
対物レンズのひとみ(瞳)の縁での光強度
: 半径方向は最大光強度の6070 %,接線方向は最大光強度の90 %以上
単層ディスクの理想基板を通過した後の波面収差(厚さ0.6 mm,屈折率1.56)
: 最大0.033λrms
ディスク上に正規化したディテクタサイズ
: 100 μm2 レーザダイオードの相対ノイズ強度(RIN)10 log[(交流光パワー密度/Hz)/直流光パワー]
: 最大−134 dB/Hz

9.2 測定条件

 チャネルビットレートが26.156 25 Mbpsのときの走査速度
単層ディスク用 : 3.49 m/s±0.03 m/s
2層ディスク用 : 3.84 m/s±0.03 m/s
クランプ力 : 2.0 N±0.5 N
テーパコーン角度 : 40.0°±0.5°(附属書E参照)
動作信号の測定条件は,次による。
CLVサーボ特性 f(−3 dB),閉ループ帯域幅 : 5 Hz
焦点制御方法 : 非点収差法
トラッキング制御方法 : 位相差検出法

――――― [JIS X 6241 pdf 12] ―――――

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)

9.3 正規化サーボ伝達関数

 軸方向と半径方向のトラッキングのサーボシステムを規定するために,関
数HSを用いる[式(1)参照]。それは23.1 Hzから10 kHzの周波数範囲において,基準サーボの開ループ伝
達関数Hの公称値を規定する。
3i
2 1
1 0 0
HiS () (1)
3 i i
13
0
ここに,
i 1
f0 : 開ループ伝達関数の0 dBクロスオーバ周波数。サーボの位相進み遅れ回路のクロスオーバ周波数は,
次による。
進み交差周波数 : f1 0 3/1
遅れ交差周波数 : f2 0 3

9.4 軸方向のトラッキング基準サーボ

 軸方向のトラッキング基準サーボの開ループ伝達関数Hに対し
|1+H |は,図3に示すハッチング領域内にある。
図 3 軸方向のトラッキング基準サーボ
100 Hzから10 kHzまでの帯域幅 |1+H |は,|1+HS |の20 %以内でなければならない。
クロスオーバ周波数f0=ω0/2πは,式(2)による。
1 3 max 1 8 5.1 3
f0 6 0.2kHz (2)
2 emax 2 .023 10
ここで, maxは,軸方向の最大加速度期待値8 m/s2の1.5倍,最大許容トラッキングエラーemaxは,0.23
μmとする。軸方向最大許容トラッキングエラーemaxは0レベルから軸方向に上向き又は下向きの変位のピ
ークである。
23.1 Hzから100 Hzまでの帯域幅 |1+H |は,次の4点で囲まれる範囲内とする。
100 Hzで40.6 dB (100 Hzで|1+HS |−20 %)
23.1 Hzで66.0 dB (23.1 Hzで|1+HS |−20 %)

――――― [JIS X 6241 pdf 13] ―――――

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
23.1 Hzで86.0 dB (23.1 Hzで|1+HS |−20 %に20 dB加える)
100 Hzで44.1 dB (100 Hzで|1+HS |+20 %)
9.6 Hzから23.1 Hzまでの帯域幅 |1+H |は,66.0 dBと86.0 dBの間になければならない。

9.5 半径方向のトラッキング基準サーボ

 半径方向のトラッキング基準サーボの開ループ伝達関数Hに
対し|1+H |は,図4に示すハッチングの領域内にある。
図 4 半径方向のトラッキング基準サーボ
100 Hzから10 kHzまでの帯域幅 |1+H |は,|1+HS |の20 %以内でなければならない。
クロスオーバ周波数f0 = 一 ‰ 式(3)による。
1 3 max 1 1.1 5.1 3
f0 6 4.2kHz (3)
2 emax 2 .0022 10
ここで, maxは,半径方向の最大加速度期待値1.1 m/s2の1.5倍,最大許容トラッキングエラーemaxは,
0.022 μmとする。半径方向最大許容トラッキングエラーemaxは0レベルから半径方向に内向き又は外向き
の変位のピークである。
23.1 Hzから100 Hzまでの帯域幅 |1+H |は,次の4点で囲まれる範囲内とする。
100 Hzで43.7 dB (100 Hzで|1+HS |−20 %)
23.1 Hzで69.2 dB (23.1 Hzで|1+HS |−20 %)
23.1 Hzで89.2 dB (23.1 Hzで|1+HS |−20 %に20 dB加える)
100 Hzで47.3 dB (100 Hzで|1+HS |+20 %)
9.6 Hzから23.1 Hzまでの帯域幅 |1+H |は,69.2 dBと89.2 dBの間になければならない。

第2章 ディスクの寸法,機械的及び物理的特性

10. 寸法特性(図58) 寸法特性は,ディスクの互換性及び適合をとるうえに必要なパラメータについ
て規定する。設計の自由度があるところは,機能特性の要素記述にとどめる。寸法要求事項は,この規格
に記載している図面にまとめて示す。ディスクの各部分について,中心孔から外周部までを記載している。
寸法は,二つの基準面P及びQを基準とする。
基準面Pは,主基準面とし,クランプゾーン(10.4参照)の下側の面とする。
基準面Qは,クランプゾーンの上側の面の高さで基準面Pと平行な面とする。

――――― [JIS X 6241 pdf 14] ―――――

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X 6241 : 2004 (ISO/IEC 16448 : 2002)
10.1 全体寸法 ディスクの直径(d1)は,次による。
d1 0.30 mm
基板又はダミー基板の中心孔の直径(d2)は,次による。
d2 15.00 mm+0.015 mm
2枚の基板をはり合わせたとき,ディスクの中心孔の直径の最小値は,15.00 mmとする(図6参照)。
中心孔の両方のエッジにばりがあってはならない。
中心孔のエッジは,丸めるか面取りしなければならない。丸みの半径は,0.1 mm以下とする。面取りは,
0.1 mm以上の高さを超えてはならない。
接着層,スペーサ及びレーベルを含むディスクの厚さは,次による。
.030
e1 .120 mm+
−.006 mm

10.2 第1遷移領域

 第1遷移領域は,直径d2及び次に示す直径d3で囲まれた領域とし,この領域のディ
スク面は,基準面P及び/又は基準面Qから最大0.10 mmの内側にあってもよい。
d3≧ 16 0.mm

10.3 第2遷移領域

 第2遷移領域は,直径d3及び次に示す直径d4で囲まれた領域とする。
d4≦ 22 0.mm
この領域では,基準面P又はQの外側に最大0.05 mmの平たん(坦)でない部分又はばりがあってもよ
い。

10.4 クランプゾーン

 クランプゾーンは,直径d4及び次に示す直径d5に囲まれた領域とする。
d5≧ 33 0.mm
クランプゾーンの各面は,0.1 mm以内で平たんでなければならない。クランプゾーンの上面,すなわち,
基準面Qの面は,下面,すなわち,基準面Pの面に0.1 mm以内で平行でなければならない。
クランプゾーンのディスクの厚さ(e2)は,次による。
.020
e2 .120 mm+
−.010 mm

10.5 第3遷移領域

 第3遷移領域は,直径d5及び次に示す直径d6で囲まれた領域とする。
d6≦ 44 0.mm
この領域では,ディスクの上面は,基準面Qから高さh1高くなってもよく,高さh2低くなってもよい。
ディスクの下面は,基準面Pから高さh3高くなってもよく,高さh4低くなってもよい。
高さh1,h2,h3及びh4の値は,次による。
h1≦0.25 mm
h2≦0.10 mm
h3≦0.10 mm
h4≦0.25 mm

10.6 情報ゾーン

 情報ゾーンは,リードインゾーンの始まりから表1に示す直径d10まで広がっていなけ
ればならない。
情報ゾーンでのディスクの厚さは,10.1で規定したe1に等しくなければならない。
10.6.1 情報ゾーンの分割 情報ゾーンの主要部分は,次による。
− リードインゾーン
− データゾーン
− リードアウトゾーン
である。

――――― [JIS X 6241 pdf 15] ―――――

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  • ISO/IEC 16448:2002(IDT)

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