JIS X 7136:2012 地理情報―地理マーク付け言語(GML) | ページ 2

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 7136 : 2012
(ISO 19136 : 2007)

地理情報−地理マーク付け言語(GML)

Geographic information-Geography Markup Language (GML)

序文

  この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 19136を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。この規格は,ISO/TC 211が関与する種々の地理情報規格を基とした日
本工業規格(以下,JIS X 7100シリーズという。)の一つである。JIS X 7100シリーズは,地球上の位置と
直接的又は間接的に関連づけられたオブジェクト又は現象に関する情報処理技術のための標準であり,河
川,道路などに関する様々なデータを電子化し,各種情報処理の高度化・効率化に適用される。
なお,この規格で,側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
地理マーク付け言語(GML)は,当初Open Geospatial Consortium, Inc. (OGC)が作成した。ISO 19136は,
ISO/TC 211及びOGCが共同で作成した。
地理マーク付け言語は,地理情報の伝送及び格納を行うとともに,応用スキーマを記述するためにXML
Schemaで書いたXML文法である。
実世界をモデル化するために地理マーク付け言語(GML)が使う主要な概念は,JIS X 7100シリーズ(ISO
19100シリーズ)及びOpenGIS抽象仕様からとった。地球上の場所と関連する“実世界の現象の抽象概念”
(ISO 19101)を地物という。したがって,実世界のデジタルな表現は,地物の集まりと考えられる。地物
の状態は,プロパティの集まりで定義する。ここで各プロパティは,[{名前,型,値}]の組と考えられる。
地物がもつことのできる,名前及び型を伴うプロパティの数は,地物の型定義によって定まる。プロパ
ティとして幾何要素をもつ地物は,幾何要素の値をもつことができる。地物の集まりはそれ自身地物とし
て扱うので,地物の集まりは,地物型をもち,それゆえ,それに含まれる複数の地物に加えて,それ自身
も,個別のプロパティをもつことができる。
JIS X 7109に適合する応用システム及び応用分野における地物型は,通常応用スキーマの中に含まれる。
GML応用スキーマは,XML Schemaに従って示し,次の二つの手段のいずれかによって構築する。
− JIS X 7109が示すUMLで記述する応用スキーマのための規則を順守し,そしてそれらのスキーマに
対する制約及びこの規格で示すGML応用スキーマへの写像のための規則に適合する。
− XML Schemaで直接GML応用スキーマを作成するために,この規格で示すGML応用スキーマのため
の規則を順守する。
この規格では,これらの二つの手段をサポートする。JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シリーズ)の規
格の概念モデリングフレームワークの適切な使用を確実にするためには,全ての応用スキーマを,JIS X
7109が示す一般地物モデルに従ってモデル化することが求められる。JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シ
リーズ)では,概念スキーマをモデル化する言語としてUMLを推奨している。
GMLは,JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シリーズ)の規格及びOpenGIS抽象仕様が定義する概念クラ
スの多くに対し,ISO 19118に適合したXML符号化を規定する。規定された概念モデルは,次の規格文書
で規定する概念モデルを含んでいる。

――――― [JIS X 7136 pdf 6] ―――――

2
X 7136 : 2012 (ISO 19136 : 2007)
− ISO/TS 19103−概念スキーマ言語(計測単位,基本型)
− JIS X 7107−空間スキーマ(幾何及び位相オブジェクト)
− JIS X 7108−時間スキーマ(時間幾何及び位相オブジェクト,時間参照系)
− JIS X 7109−応用スキーマのための規則(地物)
− ISO 19111(JIS X 7111は,旧版に対応)−座標による空間参照(座標参照系)
− ISO 19123−被覆の幾何と関数のためのスキーマ
この規格の目的は,上記の規格が示す概念モデルに示す型の,標準的な符号化(すなわち,XMLによる
規格適合の実装)を行うことである。仮に,全ての応用スキーマを個別に符号化し,その符号化処理が,
例えばJIS X 7108:2004からとった型を含むとき,一義的で完全に固定化した符号化規則がなければ,XML
による符号化は,異なるものになってしまう。また,全ての実装手段は,それぞれ長所短所をもつので,
JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シリーズ)の規格の中でモデル化する,核となる地理情報概念の規格,
及び応用スキーマで共通的に使用するXMLによる符号化の規格が役に立つ。
多くの場合,概念クラスからの写像は,簡明なものだが,より複雑になる場合もある(写像の詳細記述
は,この規格の一部である。)。
加えて,GMLは,JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シリーズ)の規格又はOpenGIS抽象仕様でモデル化
していない追加的な概念,例えば,動的地物,単純観測,値オブジェクトなどのためのXMLによる符号
化法を示す。

1 適用範囲

  地理マーク付け言語(GML)は,地理情報の伝送及び格納のための,ISO 19118に適合するXML符号
化法である。ここでいう地理情報とは,JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シリーズ)の規格で使用する“概
念モデル化フレームワーク”に応じてモデル化されるものであり,空間プロパティ及び非空間プロパティ
を含む。
この規格は,次に示すような機能・特徴をもつXML Schemaの構文規則,仕組み及び仕様を定義する。
− XMLで地理情報の伝送及び格納を行うための地理空間応用スキーマの記述を行う,開放型の中立的な
枠組みを提供する。
− GMLの枠組みの中で記述できる適切な部分集合をサポートするプロファイルを許す。
− 専門領域及び情報コミュニティのための地理空間応用スキーマの記述を可能とする。
− 互いに関連する地理応用スキーマ及びデータ集合の生成及び維持を可能とする。
− 応用スキーマ及びデータ集合の格納及び伝送を可能とする。
− 地理応用スキーマ及びそれに従う情報を共用する組織の能力を増大させる。
実装を行う者は,GMLで地理応用スキーマ及び情報を格納することを決めることができ,要求に応じて
別の格納形式から変換したり,スキーマ及びデータの伝送にGMLだけを使用したりすることを決めても
よい。
注記1 UMLで記述するJIS X 7109に従う応用スキーマを地理情報の格納及び伝送のための基礎と
して使用するとき,この規格は,そのような応用スキーマをXML SchemaによるGML応用
スキーマに写像し,JIS X 7109適合の応用スキーマに応じる論理構造をもつデータをXML
符号にするための規定を示す。
注記2 地理マーク付け言語(Geography Markup Language)は,地理情報の伝達及び格納を行うとと
もに,応用スキーマを記述するためにXML Schemaで書いたXML文法である。

――――― [JIS X 7136 pdf 7] ―――――

                                                                                              3
X 7136 : 2012 (ISO 19136 : 2007)
注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を示す記号を,次に示す。
ISO 19136:2007,Geographic information−Geography Markup Language (GML)(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
ことを示す。

2 適合性

2.1 適合性の要件

  この規格の箇条7箇条19は,XML Schema構成部品,言い換えれば,GMLスキーマの仕様を示す。
これは,箇条21に従うGML応用スキーマで使用しなければならない。箇条20は,GML応用スキーマで
使用するために定義することができるGMLプロファイルの仕様の規則を示す。
GMLスキーマがもつ記述可能性を最大限使用することを要求する応用は,ほとんどない。箇条2は,そ
れゆえ,最低限の単純な地物型を必要とするものからGMLスキーマの完全な仕様を必要とするものまで
の範囲で要求される応用に対応する,適合性クラスの集合を定義する。
この規格に示す大部分のスキーマ構成部品は,JIS X 7100シリーズ(ISO 19100シリーズ)の規格が定
義する構成部品を実装している。その実装それぞれについて,この規格が定義する適合性クラスは,対応
する規格が定義する適合性クラスに基づく。
GML応用スキーマ,GMLプロファイル又はソフトウェアの実装が,適合性クラスのいずれか一つに対
して適合性を主張する場合,その適合性クラスに対応する抽象試験項目群の全ての試験項目に合格しなけ
ればならない。
どのようなソフトウェアの実装であっても,この規格への適合性を主張するときは,その実装がサポー
トするGMLプロファイルを文書上で示さなければならない。その作られたGMLプロファイルは,GML
プロファイル用の複数の抽象試験項目群の中の全ての必須試験項目に合格しなければならない。

2.2 GML応用スキーマに関係する適合性クラス

  この規格への適合性を求めるGML応用スキーマは,箇条7箇条21に示す規則に適合し,A.1に示す
抽象試験の中にある全ての関係する試験項目に合格しなければならない。
GML応用スキーマの特性に依存して,適合性クラスを12種類に分類する。表1は,これらのクラス及
び抽象試験項目群が対応する細分箇条の一覧である。
表1−GML応用スキーマに関係する適合性クラス
適合性クラス 抽象試験項目群の細分箇条
全てのGML応用スキーマ A.1.1
UMLによるJIS X 7109応用スキーマから変換するGML応用スキーマ A.1.2
UMLによるJIS X 7109応用スキーマに変換するGML応用スキーマ A.1.3
地物及び地物の集まりを定義するGML応用スキーマ A.1.4
空間幾何要素を定義するGML応用スキーマ A.1.5
空間位相要素を定義するGML応用スキーマ A.1.6
時間要素を定義するGML応用スキーマ A.1.7
座標参照系を定義するGML応用スキーマ A.1.8
被覆を定義するGML応用スキーマ A.1.9
観測を定義するGML応用スキーマ A.1.10
辞書及び定義を定義するGML応用スキーマ A.1.11
値を定義するGML応用スキーマ A.1.12

――――― [JIS X 7136 pdf 8] ―――――

4
X 7136 : 2012 (ISO 19136 : 2007)

2.3 GMLプロファイルに関係する適合性クラス

  応用スキーマの要件によって,GMLプロファイルが含まなければならない,GMLスキーマから取り出
されたXML Schema構成部品が決まる。この規格への適合を求めるGMLプロファイルは,A.2に示した
抽象試験項目群の要件を満たさなければならない。
個々のGMLプロファイルに関連する内容及び要件によって,クラスを31種類に分類する。表2は,こ
れらのクラス及び抽象試験項目群が対応する細分箇条の一覧である。
表2−GMLプロファイルに関係する適合性クラス
適合性クラス 抽象試験項目群の細分箇条
全てのGMLプロファイル A.2.1
幾何プリミティブ(空間)−零次元 A.2.2.1.1
幾何プリミティブ(空間)−零/一次元 A.2.2.1.2
幾何プリミティブ(空間)−零/一/二次元 A.2.2.1.3
幾何プリミティブ(空間)−零/一/二/三次元 A.2.2.1.4
幾何複体(空間)−零/一次元 A.2.3.1.1
幾何複体(空間)−零/一/二次元 A.2.3.1.2
幾何複体(空間)−零/一/二/三次元 A.2.3.1.3
位相複体(空間)−零/一次元 A.2.4.1.1
位相複体(空間)−零/一/二次元 A.2.4.1.2
位相複体(空間)−零/一/二/三次元 A.2.4.1.3
幾何実現を伴う位相複体(空間)−一次元 A.2.5.1.1
幾何実現を伴う位相複体(空間)−二次元 A.2.5.1.2
幾何実現を伴う位相複体(空間)−三次元 A.2.5.1.3
座標参照系 A.2.6
二つの座標参照系間の座標演算 A.2.7
時間幾何要素−零次元 A.2.8.1
時間幾何要素−零/一次元 A.2.8.2
時間位相要素 A.2.9
時間参照系 A.2.10
動的地物 A.2.11
辞書 A.2.12
単位辞書 A.2.13
観測地物 A.2.14
抽象被覆 A.2.15.1
離散点被覆 A.2.15.2
離散曲線被覆 A.2.15.3
離散曲面被覆 A.2.15.4
離散立体被覆 A.2.15.5
グリッド被覆 A.2.15.6
連続被覆 A.2.15.7
一次元空間幾何オブジェクトを含むGMLプロファイルにおける曲線の実装には,常に“線形”内挿法
がなければならない。二次元空間幾何オブジェクトを含むGMLプロファイルにおける曲面の実装には,
常に“平面”内挿法がなければならない。追加的な曲線内挿及び曲面内挿の仕組みの選択は任意とするが,
実装する場合は,この規格に含む定義に従わなければならない。

――――― [JIS X 7136 pdf 9] ―――――

                                                                                              5
X 7136 : 2012 (ISO 19136 : 2007)
注記1 JIS X 7107:2005 の2.,JIS X 7108:2004の2.2及びISO 19123:2005の箇条2と,これらの適
合性クラスとを比較するとよい。
注記2 次の三つの適合性クラス,つまり,“幾何プリミティブ(空間)−零次元”,“幾何プリミティ
ブ(空間)−零/一次元”及び“幾何プリミティブ(空間)−零/一/二次元”(“全てのGML
プロファイル”に加えて)は,ISO 19137:2007で定義した空間プロファイル,並びにISO
19137:2007のB.1,B.2及びB.3の適合性試験のそれぞれに適合する。

2.4 GML文書に関係する適合性

  この規格に適合することを求めるGML文書は,箇条7箇条21に示した規則及びA.3に示す抽象試験
項目群の,全ての関連する試験項目に合格しなければならない。

2.5 ソフトウェア実装に関係する適合性

  この規格に適合することを求めるGML又はGML応用スキーマを読み書きするソフトウェアの実装は,
附属書Bの抽象試験項目群に規定した,対応する抽象試験項目群全てに合格しなければならない。
実装の可能性に応じて,適合性クラスを12種類に分類する。表3は,これらのクラス及び抽象試験項目
群中が対応する細分箇条の一覧を示す。
表3−実装に関係する適合性クラス
適合性クラス 抽象試験項目群の細分箇条
全てのソフトウェア実装 B.1
XLinkの遠隔単純リンクのサポート B.2.1
XLinkの拡張リンクのサポート B.2.2
nil値をとることができるプロパティのサポート B.2.3
計測単位のサポート B.2.4
プロパティ所有権の意味規則のサポート B.2.5
メタデータプロパティ B.2.6
インスタンスの妥当性確認におけるGMLプロファイルのサポート B.2.7
GMLの書き出し B.3
GMLの読込み B.4
GML応用スキーマの書き出し B.5
GML応用スキーマの読込み B.6

3 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0301 情報交換のためのデータ要素及び交換形式−日付及び時刻の表記
注記 対応国際規格 : ISO 8601,Data elements and interchange formats−Information interchange−
Representation of dates and times(MOD)
JIS X 4158 XML名前空間
注記 W3C XML Namespaces, Namespaces in XML, W3C Recommendation (14 January 1999) に対応し
ている。
JIS X 4159:2005 拡張可能なマーク付け言語(XML)1.0

――――― [JIS X 7136 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS X 7136:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 19136:2007(IDT)

JIS X 7136:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 7136:2012の関連規格と引用規格一覧