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7.1.1 目的 この試験は,製品が製造過程や使用時など,包装が施されない環境下で耐えられる許容速度
変化を決定する。その結果を基に,製造,流通及び使用環境で受ける速度変化と比較して,緩衝包装が必
要であるか,又は製品の増強が必要であるかを判断する(附属書3参照)。
7.1.2 衝撃パルス この試験を実施するための衝撃パルスは,任意の波形でよいが,発生及び制御のしや
すさから正弦半波を標準とする(図1)(附属書1参照)。
衝撃パルスの有効作用時間は,供試品が衝撃速度に比例した応答をするように,供試品の損傷しやすい
部分の固有振動数に応じて,次の式(1)を満足する必要がある。
De≦1 000/ (2 (1)
ここに, De : 供試品に与える衝撃パルスの有効作用時間 (ms)
有効作用時間=速度変化/最大整形加速度
fc : 供試品の損傷しやすい部分の固有振動数 (Hz)
例 衝撃作用時間Dが3msの正弦半波パルスを用いて試験できる供試品の損傷しやすい部分の固有振
動数fcは,83Hz以下である。
図1 正弦半波衝撃パルス
7.1.3 手順
a) 供試品の検査及び取付け 供試品の構造と機能の検査を行ってから,衝撃台上に7.3に規定する方法
によって供試品を固定する。
b) 試験開始速度変化の設定 供試品に加える速度変化が,供試品を損傷しないと予想される範囲に衝撃
台の落下高さを設定する。この場合,次の式(2)によって求めた速度変化に基づき衝撃台の落下高さを
設定することが望ましい。
Vs=Vc− (56) ・ (2)
ここに, Vs : 最初に印加する速度変化
Vc : 供試品の推定許容速度変化
囿 速度変化増加幅
Vcが予測できない場合は,衝撃台の落下高さを510cmに設定し,落下高さの増加幅を12cmと
して試験を行うのが一般的である(附属書5参照)。
c) 損傷検査 第1回の衝撃を供試品に加え,損傷の有無を検査する。
d) 速度変化の計測 供試品に加えた衝撃パルスは,6.2に定める計測装置によって測定し,図1に従って
速度変化,加速度及び作用時間を記録する。
e) 速度変化の増加 供試品に損傷がなければ,前回と同じ方法で供試品を衝撃台上に取り付け,損傷が
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認められるまで速度変化を試験ごとに増加して試験を繰り返す。損傷までの試験回数は,繰返し衝撃
による蓄積疲労の影響を避けるため多くとも56回が望ましい(附属書5参照)。
f) 許容速度変化 許容速度変化は,供試品に損傷が認められた試験の1回前の試験による速度変化とす
る(図5参照)。
7.2 許容加速度試験(方法B)
7.2.1 目的 この試験は,緩衝包装設計のための製品の許容加速度を決定する。7.1で求めた許容速度変
化が流通過程で製品が受ける速度変化より大きい場合[式(3)の場合]は,この試験を省略してもよい(附
属書3参照)。
V 1 e 2ghここに, V : 流通過程で製品が受ける速度変化 (m/s)
Vc : 供試品の許容速度変化 (m/s)
h : 落下高さ (m)
g : 重力の加速度 (9.8m/s)
e : 反発係数(不明なときは,1.0)
7.2.2 衝撃パルス この試験を実施するための衝撃パルスは,台形波が用いられる。許容加速度Acは,
衝撃波形によって変化するが,緩衝材によって伝達される波形が様々であることや,製品各部の固有振動
数が広範囲であることを考慮して,広範囲の振動数において安定した応答加速度となる方形波に近似した
台形波を用いる(附属書4参照)。
台形波パルスの立上がり時間及び下降時間は,それぞれ1.8ms以内,及び作用時間の10%以内とする(図
2)。
図2 台形波衝撃パルス
7.2.3 手順
a) 供試品の検査及び取付け 供試品の構造と機能の検査を行ってから,衝撃台上に7.3に規定する方法
によって供試品を固定する。
b) 速度変化の設定 7.1.3 f)で決定した許容速度変化の少なくとも1.6倍以上の速度変化となるように衝
撃台の落下高さを設定する。許容速度変化が未定のときは,その供試品の予定される包装貨物として
の落下試験に相当する速度変化とする(附属書3参照)。
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c) 試験開始加速度の設定 衝撃台に発生する加速度は,供試品が損傷しないと予想される範囲に設定す
る。この場合,次の式(4)により求めた加速度に基づき最初に加える加速度を設定することが望ましい。
As=Ac− (56) ・ (4)
ここに, As : 最初に印加する加速度 (m/s2)
Ac : 供試品の推定許容加速度 (m/s2)
加速度増加幅
Acが予測できない場合は,As=150m/s2程度から試験を行うのが一般的である
d) 損傷検査 第1回の衝撃を供試品に加え,損傷の有無を検査する。
e) 加速度の計測 供試品に加えた衝撃パルスは,6.2に規定する計測装置によって測定し,図2に従って
加速度,速度変化及び作用時間を記録する。
f) 加速度の増加 供試品に損傷がなければ,前回と同じ方法で供試品を衝撃台上に取り付け,損傷が認
められるまで加速度を増加して試験を繰り返す。損傷までの試験回数は,繰返し衝撃による蓄積疲労
の影響を避けるため多くとも56回が望ましい。速度変化(衝撃台の落下高さ)を一定に保ったまま
加速度増加を繰り返すと,台形波に近似しなくなる(立上がり時間及び下降時間が作用時間の10%以
上になる。)ので,この場合は,速度変化を増加(落下高さを増加)し,台形波を維持しながら加速度
を増加する(附属書5参照)。
g) 許容加速度 許容加速度は,供試品に損傷が認められた試験の1回前の試験による加速度とする。
7.3 供試品の取付
け(図3及び図4参照)7.3.1 保持a) 許容速度変化試験方法Aの場合は,衝撃台上に直接又はジグによって取り付ける。ジグの供試品を支
持する位置は,供試品の衝撃強さに影響を及ぼすため,供試品の剛性のある場所とする。
b) 許容加速度変化試験方法Bの場合は,製品の突起部を避けて,構造本体部位を支持する。包装の緩衝
材による支持部が決まっている場合には,ジグはその支持部と同一の形状とすることが望ましい。
7.3.2 支持ジグ 支持ジグは衝撃台に発生した加速度パルスが,供試品に変化なく伝達するように剛性の
高い構造と材料を用いる。通常はアルミニウム,硬質プラスチック,硬質木材などである。
7.3.3 押さえジグ 衝撃台の跳返りによって供試品が浮き上がるのを防止するため,供試品は押さえジグ
で固定する。押さえジグは,供試品上部の剛性部又は広い面積によって支持する。衝撃によって押さえジ
グが供試品に荷重を与えないように,また供試品に初期荷重が加わらないように押さえジグ自体も固定す
ることが望ましい。
7.3.4 方向 供試品に衝撃を加える方向は,全面6方向が望ましいが,少なくとも包装したときの底面と,
形状又は構造上から最も損傷すると思われる方向とする。
参考 供試品の取付方法は,JIS C 0047を参考にするとよい。
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図3 供試品の取付け例−1
図4 供試品の取付け例−2
- 8. 損傷境界曲線の作成・・・・[7]
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図5 損傷境界曲線
9. 試験報告
試験の報告には,通常,次の事項を記載する(参考図2参照)。
a) 供試品の明細(品名,種類,質量,寸法など)
b) 供試品の数量
c) 試験環境及び前処置条件
d) 供試品の取付方法,ジグの形態及び材質
e) 用いた試験装置及び測定機器
f) 各試験方向の許容加速度,許容速度変化,波形及び作用時間
g) 各試験方向の損傷境界曲線(衝撃試験値を記入)
h) 各試験方向の損傷状況の詳細
i) 損傷箇所を修理・交換した場合は,その状況
j) 供試品の所要位置の応答加速度
k) 試験年月日並びに試験室の温度及び相対湿度
l) 試験結果に対する総合所見
m) その他特に記録すべき事項
関連規格 JIS C 0047 環境試験方法−電気・電子−動的試験での供試品の取付方法及び指針
ISO 5348 Mechanical vibration and shock−Mechanical mounting of accelerometers
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JIS Z 0119:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.160 : 振動,衝撃及び振動の測定
JIS Z 0119:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0153:2001
- 機械振動・衝撃用語
- JISZ0108:2012
- 包装―用語
- JISZ0203:1950
- 包装貨物の落下試験方法
- JISZ0203:2000
- 包装貨物―試験の前処置
- JISZ9015-0:1999
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論