JIS Z 2205:2019 スプリット・ホプキンソン棒法を用いた高変形速度試験方法 | ページ 3

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(2L2 G2 )
ΔtT (14)
C2
b) 試験片の動的平衡状態の確認 試験片の左面(入力棒側)の応力σ1及び右面(出力棒側)の応力σ2
を,式(15)及び式(16)によって求める。
A1E1
σ1 (t) εR (t
εI (t) (15)
AS
A2E2
σ2 (t) εT (t)

(pdf 一覧ページ番号 )

                                AS
ここで,σ1及びσ2が式(17)を満たすとき,動的平衡状態が成立しているとみなす。
σ1 (t)
σ2 (t)
10 ≦ 100 ≦10 (%) (17)
σ2 (t)
ただし,動的平衡状態の確認は,入力棒と出力棒との間を弾性応力波が10往復した後(t>20 LS/CS)
に行う。また,圧縮の途中で試験片に破壊が生じた場合は,破壊までの時間を対象とする。
なお,試験片の弾性波速度CSを定められない試験片については,t=50 μs以降において確認を行う。
c) 公称応力,公称ひずみ速度及び公称ひずみの計算 試験片の動的平衡状態が確認できる場合,公称応
力σ及び公称ひずみ速度・εは,式(18)及び式(19)によって求める。公称ひずみεは,式(20)に従い,数
値積分によって求める。また,打撃棒が入力棒に衝突する際の衝突速度V0が大きいなどの理由で,動
的平衡状態を確認できない場合には,附属書Aの式(A.13)によって公称応力,式(A.10)によって公称ひ
ずみ速度,式(A.9)によって公称ひずみを計算する。
1) 公称応力
1
σ(t) A2E2ε2 (18)
AS
2) 公称ひずみ速度

1 A2E2
ε(t) 2C1εI t C1 C2 εT t (19)
LS A1E1
3) 公称ひずみ
t・
ε(t) (20)
ε(t) dt
0

7 引張試験

7.1 試験装置

7.1.1  基本構成
スプリット・ホプキンソン棒法引張試験装置は,打撃管,入力棒,出力棒及びヨークによって構成する
(図3参照)。打撃管,入力棒,出力棒及びヨークを同軸上に並べ,入力棒と出力棒との間に試験片を締
結する。入力棒の他端にはヨークを固定する。入力棒及び出力棒は,真っすぐな丸棒でなければならない。
入力棒及び出力棒の軸方向の動きは,可能な限り拘束してはならない。打撃管は,真っすぐな円管でなけ
ればならない。

――――― [JIS Z 2205 pdf 11] ―――――

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図3−スプリット・ホプキンソン棒法引張試験装置の基本的な構成
7.1.2 構成要素
スプリット・ホプキンソン棒法引張試験装置の構成要素は,次による。
a) 打撃管 打撃管の打出し方法は,圧縮空気方式,スプリング方式などが一般的であるが,いずれの方
法を用いてもよい。
打撃管の材質は,入力棒及び出力棒と同じでなくともよい。打撃管の外径DSTo及び内径DSTiは,打
撃管の機械的インピーダンスが入力棒の機械的インピーダンス以下となるように決定しなければなら
ない。
打撃管の長さLSTtは,式(21)のとおり入力棒の直径D1の10倍以上とする。
LSTt≧10D1 (21)
なお,試験片に発生させる最大ひずみ量を大きくするためには,打撃管の長さLSTtを大きくするか,
又は打撃管の打出し速度を大きくする。
b) 入力棒及び出力棒 入力棒及び出力棒は,一端に試験片締結部をもつ。入力棒及び出力棒と試験片と
の締結方法は,ねじ,ピン,接着剤などを用いる方法が一般的であるが,緩みなく締結できる場合に
は,いずれの方法を用いてもよい。
入力棒には,入射波及び反射波を測定するために,試験片締結部から距離G1tの位置にひずみゲー
ジ1を貼付する。出力棒には,透過波を測定するために,試験片締結部から距離G2tの位置にひずみ
ゲージ2を貼付する。入力棒の長さL1及び出力棒の長さL2,並びに距離G1t及びG2t(ひずみゲージ1
及びひずみゲージ2の貼付位置)は,式(22)式(25)を満たさなければならない。
G≧
t1 2.1CLSTt

(pdf 一覧ページ番号 )

                         C1       STt
L1≧2G1t (23)
G2t≧10D2 (24)
L2 Gt2 2.1CLSTt
≧ (25)
C2 STt
入力棒及び出力棒の直径及び材質は,必ずしも同じである必要はないが,通常,同径及び同材質と
するのがよい。
入力棒及び出力棒の試験片締結部には,試験を通じて塑性変形が生じてはならない。
c) ヨーク ヨークは,入力棒の試験片締結部をもたない端部に固定する。打撃管が衝突するヨークの面
は,入力棒の軸に対して垂直な平面でなければならない。

――――― [JIS Z 2205 pdf 12] ―――――

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d) 測定機器 測定機器の測定条件は,附属書Bによる。
7.1.3 標準試験装置
入力棒及び出力棒を同材質及び同径とし,打撃管を同材質とした,スプリット・ホプキンソン棒法の標
準引張試験装置の種類及び寸法を表5に示す。
打撃管,入力棒及び出力棒の材料は,鋼製(JIS G 4805に規定するSUJ2などの高降伏応力の鋼材)を
基本とするが,試験片に生じる引張強さの大きさに応じて,アルミニウム合金(JIS H 4040又はJIS H 4080
に規定する2000系及び7000系)を選択してもよい。
表5−標準引張試験装置の種類及び寸法
単位 mm
寸法の 試験装置の種類
記号 T25試験装置 T16試験装置
D1 25 16
D2 25 16
L1 2500 2500
L2 1600 1500
G1t 1250 1250
G2t 350 250
DSTi 60 30
DSTo 65 34
LSTt 1000 1000
7.1.4 打撃管の打出し速度
打撃管の打出し速度V0t(ヨークに衝突する際の衝突速度)は,試験片に生じさせたい平均公称ひずみ速
・ε
度の絶対値ave 及び公称ひずみの絶対値の最大値εmaxを勘案して,式(26)及び式(27)によって求める。
LF ZSTt Z1 ・
A2E2 1 AStσB
Vt0 εave C1 C2 (26)
2 ZSTt A1E1 LP A2E2
LF ZSTt Z1 CSTt A2E2 1 AStσB
Vt0 εmax C1 C2 (27)
2 ZSTt 2LSTt A1E1 LP A2E2
また,打撃管の打出し速度V0tの上限は,式(28)による。
ZSTt Z1
Vt0 α A1σYt (28)
ZSTtZ1
ここに, α : 定数
式(28)において,αは0.5を基本とするが,入力棒に塑性変形が生じない場合は1.0以下の範囲で決定し
てもよい。

7.2 試験片

7.2.1  一般事項
この規格で特に規定しない事項については,試験対象の材料に対応する関連規格(例えば,JIS Z 2241
など)の要求に従って,適切に取り扱わなければならない。

――――― [JIS Z 2205 pdf 13] ―――――

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7.2.2 形状及び寸法
試験片の形状及び寸法は,次による(図4参照)。
a) 丸棒引張試験片の形状は,中央を平行部とし,その両端は平行部よりも断面積が大きい締結部とする。
平行部と締結部との間には肩部を設けなければならない。
b) 板状引張試験片の形状は,中央を平行部とし,その両端は平行部よりも幅が大きい固定部とする。平
行部と固定部との間には肩部を設けなければならない。板状引張試験片の板厚は全体で均一とする。
板状試験片をねじ締結する場合は,板厚と等しい厚さのスリットをもつ締結部を別途作製し,金属用
接着剤などで試験片と一体化するのがよい[3]。スリット付き締結部の材質は,入力棒及び出力棒と同
じであることが望ましい。
a) 丸棒引張試験片 b) 板状引張試験片
LF=LP+2R
注記 試験片の締結部及び固定部の形状は,参考の形状である。
図4−引張試験片
7.2.3 標準試験片
標準丸棒引張試験片の種類及び寸法を表6に,標準板状引張試験片の種類及び寸法を表7に示す。
表6−標準丸棒引張試験片の種類及び寸法
単位 mm
寸法の 試験片の種類
記号 TC6試験片 TC4試験片 TC2試験片
dSt 6 4 2
LP 912 612 312
R 1 1 1
表7−標準板状引張試験片の種類及び寸法
単位 mm
寸法の 試験片の種類
記号 TP6試験片 TP4試験片 TP2試験片
wt 6 4 2
ht 3以下 2以下 1.6以下
LP 912 612 312
R 1 1 1

――――― [JIS Z 2205 pdf 14] ―――――

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7.2.4 試験片の作製
試験片の作製方法は,6.2.4による。
7.2.5 試験片の数
試験に用いる試験片の数は,3個以上とする。

7.3 試験手順

  試験は,次の手順に従って行う。
a) 試験片は,その中心軸を入力棒と出力棒との軸上に一致させ,入力棒及び出力棒の間に緩みがないよ
うに強固に締結する。
b) 試験環境の温度を記録する。
c) 7.1.4に従って求めた打出し速度で打撃管を打ち出し,入力棒と出力棒とに生じるひずみを記録する。
d) 入力棒及び出力棒の試験片締結部に塑性変形が生じていないことを確認する。
e) 7.4に従い,試験片の動的平衡状態を確認する。
f) 試験前後の試験片のフィレット間距離LFから試験片の変形量を測定する。試験片の変形量の測定値
と,式(40)によって計算される公称ひずみの絶対値の最大値εmaxに試験前の試験片のフィレット間距
離LFを乗じた値との誤差が±5 %に収まっているか確認する。試験片が破断しない場合は,誤差の確
認ができないため,破断しなかった事実を結果に記録する。樹脂材料のように形状が復元する材料に
関しては,高速度ビデオカメラなどで確認することが望ましい。

7.4 計算

  入力棒のひずみゲージ1によって記録したひずみε1及び出力棒のひずみゲージ2で記録したひずみε2
を用いて,試験片の公称ひずみ速度,公称ひずみ及び公称応力は,a) c)の手順によって計算する(詳細
は,附属書A参照)。各試験結果の数値は,個々に算術し,有効数字3桁に丸める。
a) 入射波,反射波及び透過波のひずみ値 入射波の波頭が試験片に到達した時間をt=0とし,式(29)
式(31)によって,入射波のひずみ値εI,反射波のひずみ値εR及び透過波のひずみ値εTを求める。
Gt1
εI)
(t ε1 t (29)
C1
Gt1
εR)(
t ε1 t (30)
C1
Gt2
εT)
(t ε2t (31)
C2
ただし,式(32)式(34)に示すそれぞれの測定可能時間内のデータだけを採用する。
2Gt1
ΔtI (32)
C1
(2L1 Gt1 )
ΔtR (33)
C1
(2L2 Gt2 )
ΔtT (34)
C2
b) 試験片の動的平衡状態の確認 試験片平行部の左側断面(入力棒側)の応力σ1t及び右側断面(出力棒
側)の応力σ2tを,式(35)及び式(36)によって求める。
A1E1
σ1t (t) εR (t
εI (t) (35)
ASt

――――― [JIS Z 2205 pdf 15] ―――――

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