9
Z 2342 : 2022
a) I型 : 全過程散発型 : AEは全過程にわたって散発しており,集中発生がない。
b) II型 : 低圧又は中圧過程集中発生型 : AEは低圧力又は中圧力で発生し,高圧力では発生が停止又は急
減する。
c) III型 : 高圧過程急増型 : AEは高圧力で急増する。
d) IV型 : 全過程頻発型 : AEは全過程で頻発している。
A.3.3.3 ゾーンのレベル評価
ゾーンの累積AEイベント数と累積AEエネルギー値とのレベル判定図表上において,次のレベル1
レベル4に評価される。そのAE活動度のレベル評価例を表A.1に示す。レベル判定図表における判定レ
ベルは,更に判定基準に用いる累積AEイベント数(NR)及び累積AEエネルギー値(ER)は,そのゾー
ンの対応する位置特性(例えば,溶接線,マンホール,ノズル,溶接支持部又は母材部)によって異なる
ため,事前の試験片による破壊試験及びAE試験適用実績に基づいて,AE試験対象物のゾーンに対応した
構造及び材質ごとに決定する。
a) レベル1 : 微小欠陥,ノイズなどに対応する。
b) レベル2 : 安定化した欠陥,又は安定化傾向にある小欠陥に対応する。
c) レベル3 : 拡大傾向性を残す欠陥に対応する。
d) レベル4 : 加圧中に拡大を続けている欠陥に対応する。
A.3.3.4 ゾーンのAE総合評価
各ゾーンのAE総合評価のランク(α)は,表A.2に示すように,型(m)及びレベル(n)の組み合わせ
によってランクADで表示する。
A.3.3.5 出力メッセージ
負荷試験中は,AEイベントが検出されるごとにそのゾーンのAE総合評価を行ってランクの変化状況
に応じて5段階の出力表示を行うことが望ましい。出力メッセージ例を表A.3に示す。表A.3では,現在
の負荷圧力を5等分した圧力が負荷圧力を5等分した値以下となる条件においてもランクAの状態が続く
場合は,最も危険な状態であることから危険状態継続警報とみなす。
――――― [JIS Z 2342 pdf 11] ―――――
10
Z 2342 : 2022
AE発生位置推定 AEデータ 特性化 総合評価 警報
発生パターン 型 ランク変動
クラスター
又は
ゾーン I型;安定
総合 警報
II型;安定化
III型;不安定 評価 メッセージ
到達時間差 IV型;特に不安定 ランク 出力
又は AEイベント数
ゾーン標定
レベル
Aランク;特に注意
解放エネルギー量 Bランク;注意
Cランク;注意不要
レベル1;微小欠陥 Dランク;注意不要
レベル2;安定欠陥
到達時間差 : AE源エネルギー値 レベル3;拡大欠陥
ゾーン標定 : AEエネルギー値 レベル4;拡大中欠陥(規模及び頻度が大)
図A.1−評価のフローチャート
E
累 E5
積
エ E4
ネ
ルギ
E3
ー E2
値
E1
Pi-1
圧力
現在負荷圧力Pi
現在負荷圧力値Pを5等分し,各区間の累積エネルギー差分(ΣE1ΣE5)の分布値によってI型
IV型を計算する。
· ΣE=ΣE1+ΣE2+ΣE3+ΣE4+ΣE5
· Pi-1 型判定開始圧力
· E0 II型,III型判定用エネルギー値(使用者が設定)
· E1 IV型判定用エネルギー値(使用者が設定)
a) ΣE1ΣE5が全てE1以上 IV型(全過程頻発型)
b) (ΣE4+ΣE5)/ΣE≧70 %∩ΣE≧E0 III型(高圧過程急増型)
c) (ΣE2+ΣE3+ΣE4)/ΣE≧70 %∩ΣE≧E0 II型(中圧過程集中発生型)
d) (ΣE1+ΣE2/ΣE≧70 %∩ΣE≧E0 II型(低圧過程集中発生型)
e) a) d)のいずれにも属さないもの I型(全過程散発型)
注記 ∩は集合記号でandを意味する。
この図に示す累積エネルギー値は,到達時間差を用いる場合は,クラスターごとのAE源エネルギー
の累積値であり,ゾーン標定を用いる場合は,ゾーンごとに累積したAEエネルギー値となる。
図A.2−AE挙動の特徴に基づく型評価方法の例
――――― [JIS Z 2342 pdf 12] ―――――
11
Z 2342 : 2022
表A.1−AE活動度のレベル評価例
ER
↑ 2 3 4 4
累 E3
積
エ
ネ 1 2 3 4
ル E2
ギ
ー
値 1 1 2 3
E1
1 1 2 2
N1 N2 N3 →NR
累積AEイベント数
レベルの評価は,計測開始後の各グループの累積AEイベント数(ΣN)又は各ゾーンの累積AEイ
ベント数(ΣN)及び累積エネルギー値(ΣE)によってレベルを判定する。レベル判定レベルN1,N2,
N3,NR,E1,E2,E3,ER及び表中のレベル1レベル4は,試験条件によって設定する。
ここに示す累積エネルギー値は,到達時間差を用いる場合は,クラスターごとのAE源エネルギー
の累積値であり,ゾーン標定を用いる場合は,ゾーンごとに累積したAEエネルギー値となる。
表A.2−AE総合評価値の評価
m型 レベルn
1 2 3 4
I D D C B
II D C C B
III D C B A
IV C B A A
表中のADは試験条件によって設定変更を行う。
ランクA : 特別要注意,NDTによる確認を必要とする。
ランクB : 要注意,NDTによる確認を必要とする。
ランクC : 注意不要。
ランクD : 注意不要。
――――― [JIS Z 2342 pdf 13] ―――――
12
Z 2342 : 2022
表A.3−出力メッセージ例
メッセージ 条件 内容
危険状態継続警報 A⇒A∩P≦Pc ランクAが続き,かつ,発生圧力間隔が短いとき。
(Danger)
危険状態開始警報 1 B,C,D⇒A 1 ランク(B,C,D)が初めてランクAになっ
(Warning) 2 A⇒A∩P≧Pc たとき。
2 ランクAが続いたが,発生圧力間隔がまのび
したとき。
危険状態解除 A⇒B ランクがAからBに落ちたとき。
(Danger-down)
一般注意警報 B,C,D⇒B 1 ランクBが続いたとき。
(Attention) 2 ランクがC又はDからBへ上がったとき。
注意解除 A,B⇒C,D ランクがA又はBからC又はDに落ちたとき。
(No-attention)
なし C,D⇒C,D ランクC以下が続くとき。
注記 Pは,現在の負荷圧力を5等分した圧力。
Pcは,負荷圧力を5等分した圧力の臨界値で,最大圧力勾配を意味し,ユーザーが設定する。
参考文献
EN 1330-9:2017,Non-destructive testing−Terminology−Part 9: Terms used in acoustic emission testing
ISO 12714:1999,Non-destructive testing−Acoustic emission inspection−Secondary calibration of acoustic
emission sensors
NDIS(日本非破壊検査協会規格)2109:2004,相互校正法によるアコースティック·エミッション変換子
の絶対感度校正方法
JIS Z 2342:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.020 : 流体貯蔵装備 > 23.020.30 : 圧力容器,ガスボンベ