JIS Z 2343-1:2017 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類 | ページ 3

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e) 上記a) d)の方法の組合せ
圧縮空気を用いる場合は,その空気は水分及び油脂を含んでおらず,試験面での圧力を可能な限り低く
保持できるように注意を払わなければならない。
熱風循環システム(例 乾燥器)を使用する場合,空気の温度は70 ℃を超えてはならない。乾燥時間
は試験面温度が50 ℃を超えないように設定しなければならない。
きずに浸透している浸透液が乾燥しない方法で,試験面の乾燥を実施しなければならない。
特別に認められている場合を除いて,乾燥中の試験面温度は50 ℃を超えてはならない。

8.6 現像剤の適用

8.6.1  一般事項
現像剤は,均質な状態に維持し試験面に一様に適用しなければならない。
現像剤の適用は余剰浸透液の除去後できるだけ速やかに実施しなければならない。
水洗性浸透液に湿式現像剤を適用する場合,過剰に浸透液がきず内部から除去されないように注意しな
ければならない。
注記 ASTM E1417,Standard Practice for Liquid Penetrant Testingでは,受渡当事者間で合意があった
場合に,鋳造アルミニウム合金及び鋳造マグネシウム合金の製造中の試験にはタイプI浸透液
では無現像法でもよいとの記載がある。この場合,現像剤は適用しないで観察前に乾燥後,10
分以上待たなければならない。また,2時間を超えてはならず,2時間を超えた場合には前処理
からやり直さなければならない。
8.6.2 乾式現像剤
乾式現像剤は,蛍光浸透探傷法に限り適用してよい。乾式現像剤は次の方法の一つによって試験面に均
一に適用しなければならない。
適用方法 : 散布法,静電噴霧法,粉末塗布ノズル法,流動床法又は浸せき法
試験面は,現像剤で薄く覆われ,また,現像剤が局部的に密集することを避けなければならない。
過剰な現像剤は現像時間経過後,観察前に指示模様を乱さないような方法で除去しなければならない。
8.6.3 水懸濁性現像剤
現像剤を薄く均一に適用するためには,かくはんされた懸濁液中に浸せきするか承認された手順書に従
って適切な装置で吹き付ける。現像剤の浸せき時間及び温度は,製造業者の使用説明書に従った予備試験
を通じ使用者が決めなければならない。最適の結果を確保するために,浸せき時間は可能な限り短くしな
ければならない。
試験体は,蒸発又は熱風循環式乾燥器の使用によって乾燥させなければならない。
8.6.4 速乾式現像剤
現像剤は,スプレ法によって均一な塗膜ができるように適用しなければならない。スプレ法は,現像剤
が試験面を軽く湿らせ薄く均一な層を形成できるものでなければならない。
8.6.5 水溶性現像剤
現像剤を薄く均一に適用するためには,浸せきするか,承認された試験手順書に従って適切な装置で吹
き付ける。現像剤の浸せき時間及び温度は,製造業者の使用説明書に従った予備試験を通じ使用者が決め
なければならない。最適の結果を確保するために,浸せき時間は可能な限り短くしなければならない。
試験体は,蒸発又は熱風循環式乾燥器の使用によって乾燥させなければならない。
8.6.6 特殊用途用(例 離可能な現像剤)
記録する必要のある浸透指示模様を検出した場合は,離可能な現像剤を用いて記録することができる。

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その手順は,次による。
a) 清潔で乾いた糸くずの出ない布又は紙で現像剤を拭う。
b) 同じ浸透液を適切な方法で適用する。その後の処理は,現像剤の適用まで最初に用いた方法と全く同
様の方法で行う。
c) 余剰浸透液の除去及び試験面の乾燥後,製造業者の推奨する離現像剤を適用する。
d) 現像時間が経過した後,現像剤の皮膜を注意深く引きがす。試験面に直接接触した塗膜面上に浸透
指示模様が現れる。
8.6.7 現像時間
現像時間は,10分30分とすることが望ましい。受渡当事者間で,更に長い時間を決めてもよい。現像
時間の開始は,次による。
a) 乾式現像剤が適用された場合は,適用直後とする。
b) 湿式及び速乾式現像剤が適用された場合は,乾燥直後とする。

8.7 観察

8.7.1  観察条件
8.7.1.1 一般事項
観察条件は,JIS Z 2323によらなければならない。
8.7.1.2 蛍光浸透探傷試験
検査場所での試験員の眼を暗順応させるために要する必要な時間は,通常,少なくとも1分間としなけ
ればならない。
A領域紫外線を使用することが有用である。
試験面でのA領域紫外線放射照度は,10 W/m2(1 000 μW/cm2)以上でなければならない。A領域紫外
線照射灯及び周囲からの照度の合計は20 lx以下でなければならない。
8.7.1.3 染色浸透探傷試験
観察では試験面における照度は500 lx以上でなければならない。
8.7.2 一般事項
浸透探傷試験の指示模様はきずの形状及び寸法について限られた情報を提供する場合がある。現像剤適
用直後,又は現像剤が乾燥後,直ちに観察を行うと現像による指示模様の拡大前の形状を知ることができ
るので,指示模様の評価が容易になることがある。
最終検査の観察は,現像時間の経過後に実施しなければならない。
拡大鏡のような観察補助具を使用することができる。
ワイプオフ法(8.7.3参照)による評価は,指示模様解釈の手助けになる場合がある。
8.7.3 ワイプオフ法
ワイプオフ法はきずの性状の評価を手助けするために用いられ,最初の指示模様の除去と引き続き行わ
れる現像処理によって構成される。この技法は不十分な除去処理のような不適切な試験手順を修正するた
めに使用するものではない。正確な手順は受渡当事者間での合意事項としてもよい,又は該当する合否基
準として規定してもよい。
特に受渡当事者間で合意されている場合を除いて,この技法を繰り返し実施してはならない。
この技法で指示模様が再現しなかった場合,それだけで疑似指示模様であると判断してはならない。こ
の技法は最初の指示模様の解釈(例えば,水滴跡又は表面汚染)が正しいことを確認するため,又は立会
検査員が再現像時間の中で指示模様が変化することによって有用な追加情報を得るために使用される。

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手順は,次による。
a) 糸くずの出ない小形の綿棒を用いて,指示模様のある付近の表面の探傷剤を拭き取る(1回だけ)。
b) 探傷剤が完全に除去されていることを確認するため,観察条件で拭き取った箇所を確認する。
c) 速乾式現像剤の薄い膜を作るため,現像剤を適用する。受渡当事者間で合意されていなければ速乾式
現像剤は適用後直ちに乾燥するような距離で適用しなければならない。
d) 現像剤適用後,直ちに該当箇所を観察する。
e) 一定間隔及び10分後に観察する。
8.7.4 記録
記録は,適切な方法によって行う。例えば,筆記説明,スケッチ又は写真。

8.8 後処理及び保護処理

8.8.1  後処理
探傷剤が試験体に対し後の加工工程又は稼動条件に影響を与える場合は,最終検査後に後処理を行う必
要がある。
8.8.2 保護処理
必要のある場合には,適切な防食処理をしなければならない。

8.9 再試験

  浸透指示模様の評価が不明確で再試験が必要な場合には,前処理から全ての試験手順を繰り返さなけれ
ばならない。
必要な場合,より好ましい試験条件を選定しなければならない。きず内部に残っている浸透液を完全に
取り除くことができない場合には,前回と異なった種類の浸透液又は異った製造業者の浸透液は,用いて
はならない。

9 試験報告書及び様式

9.1 試験報告書

  試験報告書には,この規格に関連する次の事項を含まなければならない。
a) 試験体の情報
1) 名称
2) 寸法
3) 材質
4) 表面状態
5) 工程上の段階
b) 試験の適用範囲
c) ロット番号,製造業者名及びその製品名並びに6.4で規定した探傷剤の分類の名称
d) 試験手順書番号
e) 手順書からの逸脱(該当する場合)
f) 試験結果(検出されたきずの説明)
g) 試験場所,試験年月日,試験員の氏名
h) 試験監督者の氏名,認定証明書及び署名

9.2 試験報告書の様式

  試験報告に用いることができる様式の割り付けを附属書Cに示す。このデータは,適宜試験体の種類に

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よって修正するのがよいが,附属書Cには試験結果の評価に重要となる試験方法の全詳細及び試験体に関
する追加の情報を含んでいる。他の様式を使用する場合,9.1のa) h)に記載した全ての事項を含まなけれ
ばならない。
試験手順書が9.1のa) d)に記載した事項を含み8.1の要求事項を充足し,かつ,適切な方法で9.1のe)
h)の事項が文書化されている場合,試験報告書は省略してもよい。

10 浸透指示模様及びきずの分類

10.1 浸透指示模様の分類の手順

  浸透指示模様の分類は,次の手順によって行う。
a) 浸透指示模様の分類は,箇条8に示した方法によって浸透指示模様を検出し,指示模様が疑似指示で
ないことを確認してから行う。
b) 浸透指示模様の分類は,補修又は手直しを必要とするものについては,補修又は手直しの前後で行う
ものとする。

10.2 指示模様の分類

  浸透指示模様は,形状及び存在の状態から,次のように分類する。
なお,浸透指示模様からの情報では,割れ,線状又は円形状の分類ができない場合は,10.3による。
a) 独立浸透指示模様 独立して存在する個々の浸透指示模様は,次の3種類に分類する。
1) 割れによる浸透指示模様 割れであることが確認されたきず指示模様
2) 線状浸透指示模様 割れによらない浸透指示模様のうち,その長さが幅の3倍以上のもの
3) 円形状浸透指示模様 割れによらない浸透指示模様のうち,線状浸透指示模様以外のもの
b) 連続浸透指示模様 複数個の指示模様がほぼ同一直線上に連なって存在し,その相互の距離が2 mm
以下の浸透指示模様。浸透指示模様の指示の長さは,特に指定がない場合,浸透指示模様の個々の長
さ及び相互の距離を加え合わせた値とする。
c) 分散浸透指示模様 一定の面積内に,複数個の浸透指示模様が分散して存在する浸透指示模様。

10.3 きずの分類の手順

  きずの分類は,次の手順によって行う。
a) きずの分類は,浸透指示模様を10.2によって分類した後に行う。
b) 指示模様の現像剤を取り除いて試験体表面に現れたきずを観察し,寸法を測定して記録する。この場
合,きずが認めにくい場合には,拡大鏡,エッチングなど適切な方法を用いる。

10.4 きずの分類

  きずは,形状及び存在の状態から,次のように分類する。
a) 独立したきず 独立して存在するきずは,次の3種類に分類する。
1) 割れ 割れと認められたもの
2) 線状のきず 割れ以外のきずで,その長さが幅の3倍以上のもの
3) 円形状のきず 割れ以外のきずで,線状きずでないもの
b) 連続したきず 割れ,線状きず及び円形状きずが,ほぼ同一直線上に存在し,その相互の距離と個々
の長さとの関係から,一つの連続したきずと認められるもの。きずの長さは,特に指定がない場合は,
きずの個々の長さ及び相互の距離を加え合わせた値とする。
c) 分類したきず 定められた面積の中に存在する1個以上のきず。分散したきずは,きずの種類,個数
又は個々の長さの合計値によって評価する。

――――― [JIS Z 2343-1 pdf 14] ―――――

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11 表示

  表示は,次による。
試験を実施し,合格した試験体で表示を要するものについては,次によって表示を行う。表示は,その
後の取扱いによって消失又は変色のおそれがない方法を選択しなければならない。
a) 全数検査の場合 全数検査の場合は,次による。
1) 刻印,腐食又は着色(えび茶)によって,試験体にPの記号を表示する。
2) 試験体にPの表示を行うことが困難な場合には,えび茶に着色して表示する。
3) 上記の表示ができない場合は,試験記録に記載した方法による。
b) 抜取検査の場合 合格したロットの全ての試験体に,a)に準じてPの記号又は着色(黄色に限る。)に
よって表示する。

――――― [JIS Z 2343-1 pdf 15] ―――――

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