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Z 2343-2 : 2017 (ISO 3452-2 : 2013)
6.11 腐食性
6.11.1 一般
試験体の金属と探傷剤との腐食性は,次の方法で確認しなければならない。
6.11.2 形式試験
6.11.2.1 金属との腐食性
6.11.2.1.1 試験手順
金属試験体に適用する供試剤についての試験は,7075-T6アルミニウム合金又は同等品,AZ31Bマグネ
シウム合金又は同等品,30 Cr Mo 4鋼又は同等品について実施しなければならない。これらの材料の試験
片表面は研磨紙(P240)で研磨し,かつ,硫黄を含まない揮発性炭化水素溶剤(例えば,分析用アセトン)
で洗浄しておく。この作業は,使用直前に実施する。試験片が十分に入る寸法のビーカに試験する浸透液
を入れ,試験片の約半分を浸せきさせる。ビーカは,図1に示すようなパーボンベ熱量計内に置かなけれ
ばならない(内圧が700 kPaに保持できる同等の容器でもよい。)。密封した熱量計は,50 ℃±1 ℃に制御
された乾燥器又は湯浴の中に120±5分間保持する。規定時間経過後,試験片を取り出し全ての浸透液を除
去するために,蒸留水又は有機溶剤で短時間すすぎ,試験片を検査しなければならない。
1 ビーカ 3 試験片
2 探傷剤 4 熱量計
図1−パーボンベ熱量計
6.11.2.1.2 要求事項
10倍の拡大鏡を用いて観察した結果,試験片に変色,孔食又は腐食を生じていてはならない。
6.11.2.2 他の材料との腐食性
6.11.2.2.1 試験手順
浸透液を使用する他の任意の材料についても,6.11.2.1.1で使用した手順は,他の材料の試験片と取り替
えて適用することができる。
6.11.2.2.2 要求事項
試験材料の劣化が認められてはならない。
6.11.2.3 チタン合金の高温応力腐食試験
6.11.2.3.1 試験片
試験片は,Ti-8Al-1Mo-1Vチタン合金(Ti811)の時効材でなければならない。
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6.11.2.3.2 試験片の準備
試験片は,図2に示したような形状で,圧延方向と試験片の長手方向とが平行になっていなければなら
ない。試験片の表面粗さはRa : 0.5 μm程度でなければならない。半径7.11 mm±0.25 mmのマンドレルを
用いて65°±5°に試験片を曲げる。
6.11.2.3.3 試験手順
試験をするサンプルには4本の試験片を用いなければならない。応力を加える前に試験片は溶剤で拭き
とるか洗浄し,40 %硝酸(HNO3)と3.5 %ふっ化水素酸(HF)との混合液で,軽くエッチングしなければ
ならない。エッチング後,試験片は酸の残留を除去し,乾燥させる。図2 c)に示すように,6.4 mmのボル
トで試験片に応力を加える。1本の試験片は何も塗らない,もう1本には3.5 %塩化ナトリウム(NaCl)溶
液を塗布する。残りの2本に供試剤を塗布する。塗布は,供試剤中に応力を加えた試験片の開口端を上に
して浸せきすることによって行わなければならない。8時間11時間浸せき後,応力が作用した試験片を
液から取り出す。応力が作用した試験片を540 ℃±10 ℃の炉に4.5±0.9時間置く。
6.11.2.3.4 要求事項
試験片は,応力が加えられた状況で割れの有無を観察しなければならない。もし,NaCl溶液を塗布した
試験片に割れが観察されなかったならば,ボルトを外し,140 ℃±5 ℃の50 %水酸化ナトリウム(NaOH)
溶液に30分間浸せきし,表面の塗膜を除去し,表面を洗浄し,その後,水洗いを行う。40 %HNO3溶液,
3.5 %HF溶液にそれぞれ3分間4分間エッチングを行う。10倍の拡大鏡でエッチング表面を観察する。
もし残りの試験片にピット又は割れが観察されないときは,同様の方法で洗浄し,エッチング表面の観察
を行う。もし,NaCl塗布の試験片にピット又は割れが観察されず,何も塗布しない試験片に割れが観察さ
れた場合,試験は有効ではなく,再試験が必要となる。試験片は再使用してはならない。試験が有効であ
ると判断された場合は,供試剤を塗布した試験片には割れが観察されてはならない。
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単位 mm
板厚を除く公差は±0.5 mmである。
a) 試験片寸法
b) 曲げ状況 c) 応力付加状況
注記 この図はインチをmmに換算している(図は概念を示し,乱尺表示である。)。
図2−高温のチタン応力腐食に対する試験片
6.11.2.4 鋳造ニッケル合金の高温腐食試験
6.11.2.4.1 試験片の準備
試験片は,713LC鋳造ニッケル合金を約25 mm×13 mm×2.5 mmに切り出したものとする。表面はP600
の研磨紙を用いて滑らかで均一になるように磨かなければならない。
6.11.2.4.2 試験手順
試験する4本の試験片が必要である。2本の試験片に供試剤を塗布するか供試剤に浸せきする。供試剤
を塗布した2本と塗布していない2本とを1 000 ℃±50 ℃の炉に100±4時間保持する。試験片を炉から
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取り出し,室温まで冷却する。試験片を切断してマウントに埋め,研磨する。
6.11.2.4.3 要求事項
腐食又は酸化の兆候があるかどうか,200倍の拡大鏡で試料の断面を観察する。供試剤を塗布した試験
片は供試剤を塗布しない試験片に比べ,腐食,酸化,粒界腐食又は選択酸化が同等以下でなければならな
い。
6.11.3 ロット試験
6.11.3.1 金属との腐食性
ロット試験は,AZ31Bマグネシウム合金の試験片を用い,6.11.2.1.1の試験手順に基づき,あらかじめ試
験片を室温で24時間保持した後で試験を実施しなければならない。その後洗浄し,6.11.2.1.1に基づき試
験片を検査しなければならない。
6.11.3.1.1 要求事項
未処理部分と比較した結果,処理部分に変色,孔食又はその他の腐食があってはならない。
6.11.3.2 他の材料との腐食性
探傷剤を使用する他の任意の材料についても,6.11.2.1.1で使用した手順は,他の材料の試験片と取り替
えて適用することができる。
6.11.3.2.1 要求事項
試験材料に劣化が認められてはならない。
6.12 硫黄及びハロゲン含有量(低ハロゲン,低硫黄用探傷剤)
6.12.1 試験方法
硫黄及びハロゲンの含有量は,適切な方法で試験しなければならない。液体に対する精度は,200 ppm
(質量分率)より少ない場合については±10 ppm(質量分率)としなければならない。固体の場合は,±
50 ppm(質量分率)の精度としなければならない。スプレ缶の場合は,試料採取前に5秒間噴射しなけれ
ばならない。100 mLビーカに噴射した後に質量を測定し,直ちにその内容物を白金製の燃焼容器に移さな
ければならない。この操作は,供試剤の採取からボンベ熱量計の密封までの時間を2分間以内としなけれ
ばならない。
6.12.2 要求事項
蒸発させない状態での全硫黄の含有量は,200 ppm(質量分率)未満でなければならない。蒸発させな
い状態での全ハロゲン(塩化物,ふっ化物)の含有量は,200 ppm(質量分率)未満でなければならない。
6.13 蒸発残さ/固形分の含有量
6.13.1 方法Cの除去剤
6.13.1.1 試験手順
100 mL±1 mLの初期体積の供試材をとり,供試材の最高沸点より15 ℃±1 ℃高い温度で15 cm±1 cm
の試料皿上で湯浴又は加熱器によって,1時間蒸発させなければならない。規定時間経過した後,残さの
質量を測定しなければならない。
6.13.1.2 要求事項
残さの質量は,5 mg未満でなければならない。
6.13.2 フォームd及びeの現像剤
6.13.2.1 試験手順
100 g±1 gの初期質量の供試剤をとり,製品の最高沸点より15 ℃±1 ℃高い温度で15 cm±1 cmの試料
皿上で湯浴又は加熱器によって1時間蒸発させなければならない。規定時間経過した後,残さの質量を測
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定し初期質量と比較して,%(質量分率)で記録しなければならない。
6.13.2.2 要求事項
形式試験の結果(社内基準値)は,報告しなければならない。ロット試験に対しては,社内基準値の±
10 %まで許容できる。
6.14 浸透液含有量
6.14.1 油ベース乳化剤(方法B)
使用する乳化剤中に,その体積の20 %の浸透液を加えた状態において,バックグラウンドの上昇を生じ
てはならない。
6.14.2 水ベース乳化剤(方法D)
除去剤として規定された濃度の乳化剤中に,その体積の1 %の浸透液を加えた状態において,バックグ
ラウンドの上昇が生じてはならない。
6.15 現像剤の性能
探傷剤製造業者の推奨に基づいて使用するとき,現像剤は微細で,均一であり,反射がなく,蛍光を発
しない塗膜でなければならない。適正な浸透液と組み合わせた場合,現像剤は指示模様の視認性を高める
ものでなければならない。
6.16 再分散性
6.16.1 水懸濁性湿式現像剤
かくはんすることによって,現像剤粉末は容易に懸濁するものでなければならない。
6.16.2 速乾式現像剤
かくはんすることによって,現像剤粉末は容易に分散するものでなければならない。エアゾールタイプ
のものは,30秒間振り懸濁するものでなければならない。
6.17 溶媒の濃度
6.17.1 試験方法
溶媒の濃度は,±1 %以内の精度が得られる方法で測定しなければならない。
6.17.2 要求事項
形式試験の結果(社内基準値)は,報告しなければならない。ロット試験に対しては,社内基準値の±5 %
まで許容される。
6.18 製品性能(加圧式容器)
探傷剤製造業者の推奨に基づいて使用する場合,噴霧式の製品は,通常のロット製品に対する要求事項
及び6.12の要求事項を満足しなければならない。
6.19 粒度分布
乾式現像剤及び湿式現像剤の固体含有物の粒度分布は,回折法又はそれと同等な方法によって決めなけ
ればならない。
粒度分布は,次の因子によって特徴付けられる。
下限の粒径dl : dl未満の現像剤が全体に対する体積分率10 %になる値
平均の粒径da : daより大きな粒径の現像剤が全体に対する体積分率50 %で,小さな粒径の現像剤が
50 %になる値
上限の粒径du : duより大きな現像剤が全体に対する体積分率10 %になる値
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JIS Z 2342:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.020 : 流体貯蔵装備 > 23.020.30 : 圧力容器,ガスボンベ
JIS Z 2343-2:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG0415:2014
- 鋼及び鋼製品―検査文書
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
- JISQ9001:2015
- 品質マネジメントシステム―要求事項
- JISZ2305:2013
- 非破壊試験技術者の資格及び認証
- JISZ2323:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験及び磁粉探傷試験―観察条件
- JISZ2343-1:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
- JISZ2343-3:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第3部:対比試験片
- JISZ2343-5:2012
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第5部:50℃を超える温度での浸透探傷試験
- JISZ2343-6:2012
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第6部:10℃より低い温度での浸透探傷試験