JIS Z 3315:2012 耐候性鋼用のマグ溶接及びミグ溶接用ソリッドワイヤ | ページ 2

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Z 3315 : 2012
表2−ワイヤの化学成分(続き)
注a) “−”は,その化学成分を規定しないことを意味する。
b) 鉄以外の成分であって,この表で規定しない成分を6.2の過程で検出した場合又は意図的に添加した場合は,
それらの成分の合計は,0.50 %(質量分率)以下でなければならない。
c) 銅めっきが施されている場合は,めっきの銅を含む。

5.3 溶着金属の機械的性質

  溶着金属の機械的性質は,次による。
a) 溶着金属の引張強さ,0.2 %耐力及び伸びは,6.3の方法によって引張試験を行ったとき,表3に適合
しなければならない。
b) 溶着金属のシャルピー吸収エネルギーは,6.3の方法によって衝撃試験を行ったとき,表4に適合しな
ければならない。
表3−溶着金属の引張特性
溶着金属の引張 引張強さ 0.2 %耐力 伸び
特性の記号 MPa MPa %
43 430600 330以上 20以上
49 490670 390以上 18以上
49J 490670 400以上 18以上
55 550740 460以上 17以上
57 570770 490以上 17以上
57J 570770 500以上 17以上
78J 780980 700以上 13以上
注記 1 MPa=1 N/mm2
表4−溶着金属の衝撃特性
衝撃試験 衝撃試験 シャルピー吸収エネルギー
温度の記号 温度 規定値27 Jの場合 規定値47 Jの場合
℃ (記号なし) (記号 : U)
衝撃試験片個数 : 5個 衝撃試験片個数 : 3個
Y +20 3個の平均値 : 47 J以上,かつ,
5個の試験結果から最大値と最小
0 0 値を除いた3個を評価する。 3個の最小値 : 32 J以上,かつ,
1 −5 少なくとも2個が47 J以上
3個の平均値 : 27 J以上,かつ,
2 −20 3個の最小値 : 20 J以上,かつ,
3 −30 少なくとも2個が27 J以上
4 −40
5 −50
6 −60
7 −70
8 −80
9 −90
10 −100
Z 衝撃試験を規定しない。

――――― [JIS Z 3315 pdf 6] ―――――

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6 試験方法

6.1 ロットの決め方

  ワイヤのロットの決め方は,JIS Z 3423による。

6.2 ワイヤの分析試験

  ワイヤの分析試験は,JIS G 0320の箇条4(溶鋼分析方法)の方法又はそれに対応するISO規格による。
なお,製品と変わらない成分の分析試験は,次のいずれかの試験結果を用いてもよい。
a) 同一ヒートの他の径の製品分析試験
b) 同一ヒートの製造途中の線材の分析試験
c) 原料のミルコイルの製品分析値
d) 原料のミルコイルの溶鋼分析値

6.3 溶着金属の引張試験及び衝撃試験

  溶着金属の引張試験及び衝撃試験は,次のa)   k) を除き,JIS Z 3111による。
a) 試験を行うワイヤの径は,ワイヤの種類ごとに1.2 mmとする。ただし,1.2 mmを製造していない場
合は,これに最も近い径とする。
b) 溶接電流の種類は,棒プラスを用いる。ただし,製造業者が他の極性を指定する場合は,それによる。
c) 試験に使用するシールドガスは,ワイヤの種類を区分したガスとする。
d) 試験に使用する試験板の材質は,表5による。ただし,JIS Z 3111によってバタリングを行う場合は,
表5以外の鋼材を試験板として用いてもよい。
e) 試験板は,JIS Z 3111の試験板の記号1.3を使用する。
f) 試験板の予熱及びパス間温度は,135 ℃165 ℃とする。ただし,最初のパスは,100 ℃135 ℃と
してもよい。この場合には,溶接開始後に規定の予熱温度及びパス間温度に達するまでは,連続溶接
とする。
g) 溶接条件は,表6による。ただし,ワイヤの径が1.2 mm以外の場合は,製造業者が推奨する溶接条
件による。
h) 層数は,6層10層とし,各層のパス数は,1層当たり2パス3パスとする。
i) 溶接後熱処理は,次による。また,溶接後熱処理の条件は,表7による。
1) 溶接後熱処理の有無の区分記号がAの場合は,溶接のままで試験を行う。
2) 溶接後熱処理の有無の区分記号がPの場合は,溶接後熱処理を行って試験を行う。
3) 溶接後熱処理の有無の区分記号がAPの場合は,溶接のまま及び溶接後熱処理を行ったものの両方
について試験を行う。
j) 引張試験片は,JIS Z 3111に規定するA0号試験片とする。
k) 衝撃試験の試験片採取個数は,次による。
1) シャルピー吸収エネルギーレベルが27 Jの場合は,5個とする。
2) シャルピー吸収エネルギーレベルが47 Jの場合は,3個とする。

――――― [JIS Z 3315 pdf 7] ―――――

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表5−試験板の材質
溶着金属の引張特性 ワイヤの化学成分の
試験板の材質
の記号 記号
CCJ JIS G 3114のSMA400AP,SMA400BP又はSMA400CP a)
43
NCC JIS G 3114のSMA400AW,SMA400BW又はSMA400CW a)
CCJ JIS G 3114のSMA490AP,SMA490BP又はSMA490CP a)
49,55 NCC,NCCT,NCCT1,
JIS G 3114のSMA490AW,SMA490BW又はSMA490CW a)
NCCT2
49J NCCJ JIS G 3140のSBHS400W a)
CCJ JIS G 3114のSMA570P a)
57 NCC,NCCT,NCCT1,
JIS G 3114のSMA570W a)
NCCT2
57J NCCJ JIS G 3140のSBHS500W a)
N4M4T,N5M3T,
78J N7M4T,N5CM3T, JIS G 3140のSBHS700W a)
N5C1M3T,N6CM3T
注a) この試験板と同等の機械的性質及び化学成分をもつ鋼材を試験板として用いてもよい。
表6−溶接条件
ワイヤ径 溶接電流 アーク電圧 コンタクトチップ距離
mm A V mm
1.2 290±30 適正電圧 20±3
表7−溶接後熱処理条件
溶着金属の引張特性の記号 溶接後熱処理条件
315 ℃以上での加熱速度は220 ℃/h以下,冷
43,49,49J,55,57,57J 605 ℃635 ℃で60 min75 min 却速度は195 ℃/h以下とし,315 ℃未満での
冷却は炉冷又は空冷とする。
300 ℃以上での加熱速度は220 ℃/h以下,冷
78J 585 ℃635 ℃で60 min75 min 却速度は195 ℃/h以下とし,300 ℃未満での
冷却は炉冷又は空冷とする。

7 検査方法

  検査方法は,次による。
a) ワイヤの検査項目は,JIS Z 3423の試験スケジュールによる。
b) 検査は,ワイヤのロットごとに,JIS Z 3423による試験スケジュールに従い,箇条6によって試験し,
該当する箇条5に適合しなければならない。
c) 試験スケジュールに従い,箇条6によって実施した分析試験,引張試験及び衝撃試験のいずれかの試
験結果が,箇条5に適合しなかった場合には,適合しなかった全ての試験について倍数の再試験を行
い,そのいずれの試験結果も箇条5に適合しなければならない。この場合の再試験のための試験片は,
当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験材から採取する。また,
分析試験において,当初の試験結果が箇条5に適合した成分は,再試験を行わなくてもよい。
d) 試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続を行っていない試験を含み,試験結果が合否の判定
に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかかわ

――――― [JIS Z 3315 pdf 8] ―――――

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らず無効とする。無効となった試験は,正規の手続に従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c) の再試験の対象とはしない。

8 製品の呼び方

  製品の呼び方は,ワイヤの種類の記号,径及び質量による。
呼び方の例を,次に示す。
例1 G 49 A 0 U C1−NCC − 1.6 − 10
ワイヤの種類の記号 径 質量
49 : 溶着金属の引張特性(表3による。)
A : 溶接のまま
0 : シャルピー衝撃試験温度が0 ℃
U : シャルピー吸収エネルギーが47 J
C1 : シールドガスが炭酸ガス(JIS Z 3253に規定するC1で,炭酸ガス)
NCC : ワイヤの化学成分(表2による。)
例2 G 78J A 2 U M21−N5C1M3T − 1.2 − 20
ワイヤの種類の記号 径 質量
78J : 溶着金属の引張特性(表3による。)
A : 溶接のまま
2 : シャルピー衝撃試験温度が −20 ℃
U : シャルピー吸収エネルギーが 47 J
M21 : シールドガスが混合ガス[JIS Z 3253に規定するM21で,炭酸ガス15 %25 %(体
積分率)とアルゴンとの混合ガス]
N5C1M3T : ワイヤの化学成分(表2による。)

9 包装

  包装は,JIS Z 3200による。

10 表示

10.1 製品の表示

  製品の表示は,JIS Z 3200による。

10.2 包装の表示

  包装の表示は,JIS Z 3200による。

――――― [JIS Z 3315 pdf 9] ―――――

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Z 3315 : 2012
Z3
3
附属書JA
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(参考)
5 : 2
JISと対応国際規格との対比表
0 12
JIS Z 3315:2012 耐候性鋼用のマグ溶接及びミグ溶接用ソリッドワイヤ ISO 14341:2010 Welding consumables−Wire electrodes and weld deposits for gas
shielded metal arc welding of non alloy and fine grain steels−Classification
ISO 16834:2006 Welding consumables−Wire electrodes, wires, rods and deposits
for gas-shielded arc welding of high strength steels−Classification
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範 対応国際規格(ISO ISO 14341 1 System A及びSystem Bに 削除 JISは,System Bを採用して規対応国際規格では,System A及び
囲 14341 及び ISO ISO 16834 ついて規定 定した。 /又はBを使用できる。また,耐
16834)のSystem B 候性鋼用を除いたものについて
であって,かつ,耐 は,別のJISで対応する。
候性鋼用だけを規

2 引用規

3 用語及 JIS G 0203,JIS Z ISO 14341 − − 追加 JISでは,専門用語及び定義の
び定義 3001-1及びJIS Z ISO 16834 規格の引用を記載した。
3001-2を引用
4 種類及 ワイヤの種類及び 3B 種類及び記号の付け方を 変更 JISでは,ワイヤの化学成分の技術的な差異はない。
び記号の 記号の付け方を規 規定 記号の前にハイフンを付与し
付け方 定 て区切りを明確にした。
溶着金属の引張特 ISO 14341 4.2 引張特性の区分として, 追加 JISでは,49J,57Jを追加した。 国内の使用実態に合わせ,鋼材に
性の記号を規定 合計4区分を規定 整合した区分とした。
ISO 16834 4.2 引張特性の区分として, 削除 JISでは,4区分を削除した。
合計6区分を規定 追加 JISでは,78Jを追加した。

――――― [JIS Z 3315 pdf 10] ―――――

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JIS Z 3315:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14341:2010(MOD)
  • ISO 16834:2006(MOD)

JIS Z 3315:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3315:2012の関連規格と引用規格一覧