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(3) 試料はかり取り量が23gの場合は,2530mlを加える。
(4) ニッケルを還元剤として用いた場合は,ニッケルシリンダー又はニッケル線を取り出し,これ
らと共にゴム栓などを水洗する。
(5) 洗浄水は煮沸して空気を追い出し,二酸化炭素を通じながら冷却した水を用いる。
(6) よう素酸カリウム標準溶液の代わりに,よう素標準溶液を用いてもよい。
備考 還元装置に付図7のものを用いる場合は,次のように操作する。
7.2.5(1)(3)の手順に従って操作し,硫酸の白煙を十分に発生させる。
放冷後,水200ml及び塩酸50mlを加えて塩類を溶解した後,還元装置の三角フラスコ (a) に
入れ,三塩化アンチモン溶液10mlと鉛10g,又はニッケルシリンダー若しくは線を加え,ゴム
栓 (b) をして二酸化炭素を通じながら約30分間煮沸してすずを還元する。
二酸化炭素を通じながら流水で10℃以下に冷却した後二酸化炭素の送入を止め,二酸化炭素
導入管 (c) 及び導出管 (d) の両端にはめたゴム管をピンチコックで閉じる。ガラス棒 (e) を取
り,孔 (f) からでんぷん溶液5mlを指示薬として加え,更に速やかにビュレットの先端を孔 (f)
に挿入し,よう素酸カリウム標準溶液(6)で滴定する。終点近くになったときゴム栓 (b) を取り
外し,洗浄水(5)で三角フラスコ (a) の内壁ゴム栓 (b) の下端及びガラス管を洗浄して滴定を続
け,溶液が青紫色に変わった点を終点とする。
7.3 原子吸光法
7.3.1 要旨 試料を硝酸とふっ化水素酸との混酸で分解し,ほう酸を加えた後,定容とし,原子吸光光度
計を用いて吸光度を測定する。
7.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) ほう酸溶液 (5w/v%)
(2) 混酸 硝酸 (2+1) 1lふっ化水素酸25mlを加える。
(3) 銅[99.96%以上,JIS H 2121(電気銅地金)相当品]
(4) 亜鉛[99.99%以上,JIS H 2107(亜鉛地金)の特種相当品]
(5) 標準すず溶液 (5mgSn/ml) すず(99.90%以上,JIS H 2108の1種A相当品)1.250gをはかり取って
ポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れ,硝酸 (2+1) 10mlとふっ化水素酸2mlを加えて水浴上で
静かに加熱分解する。常温に冷却後,250mlのポリエチレン製メスフラスコ(7)に移し入れ,水で標線
まで薄める。
7.3.3 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る。
7.3.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってポリエチレンビーカー (100ml) に移し入れ,混酸10mlを加えて,室温で放置し
て分解する(8)。分解が終わった後,ほう酸溶液10mlを加える。
(2) 常温まで冷却した後,100mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
(3) 原子吸光光度計を用いて,この溶液を空気−アセチレンフレーム中に噴霧して,波長286.3nmにおけ
る吸光度を測定する。
7.3.5 計算 7.3.6で作成した検量線からすず量を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出す
る。
圀
すず % 100
ここに, A : 試料溶液中のすず検出量 (g)
――――― [JIS Z 3902 pdf 6] ―――――
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W : 試料はかり取り量 (g)
7.3.6 検量線の作成 試料に含有する銅及び亜鉛を試料含有率とほぼ同率で,全量が1gとなるようには
かり取り,これを1組とし,数組をはかり取って,それぞれをポリエチレンビーカー (100ml) に移し入れ,
混酸10mlを加えて室温で放置して分解する(8)。これに標準すず溶液010.0ml(すずとして00.05g)を
段階的に加え,更にほう酸溶液10mlを加える。以下,7.3.4(2),(3)の手順に従って操作し,試料と並行し
て測定した吸光度とすず量との関係線を作成して検量線とする。
注(7) ポリエチレン製メスフラスコ(ポリプロピレン製メスフラスコを用いてもよい)はJIS K 0050
の11.(4)によって補正を行って使用する。
(8) 室温及び混酸の液温が低い場合には,20℃以上に加熱して分解を行う。
備考 7.3.4(1)の操作を,次のように行ってもよい。
試料をはかり取って100mlのポリエチレン製メスフラスコ(7)に移し入れ,混酸10mlを加え
て室温で放置して分解する(8)。分解が終わった後,常温まで冷却し,水で標線まで薄める。以
下,7.3.4(3)の手順に従って操作し,すずを定量する。ただし,この場合の検量線は,この操作
を用いて作成する。
8. 鉄定量方法
8.1 方法の区分 鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
(1) スルホサリチル酸吸光光度法
(2) 原子吸光法(A法) この方法は,すずを含まないBCuZn-0及びBCuZn-4の試料に適用する。
(3) 原子吸光法(B法) この方法は,すずを含むBCuZn-3及びBCuZn-5の試料に適用する。
8.2 スルホサリチル酸吸光光度法
8.2.1 要旨 試料を硝酸で分解し,アンモニア水を過剰に加えて,銅,亜鉛,ニッケル及び銀などを錯体
として溶解するとともに,鉄などを沈殿させこし分ける。沈殿を塩酸に溶解し,アンモニア水と硝酸を用
いてpHを調節した後,スルホサリチル酸を加えて呈色させて,その吸光度を測定する。
8.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+3,1+50)
(2) 硝酸 (1+1,1+2,1+100)
(3) アンモニア水 (1+1,1+20)
(4) スルホサリチル酸溶液 スルホサリチル酸10gを水約80mlに溶解した後,アンモニア水 (1+1) でpH
を2.02.5とし,水で100mlに薄める。
(5) 標準鉄溶液 (100 最 攀一 99.5%以上)0.100gを塩酸 (1+1) 15mlで加熱分解し,過酸化水素水
+1) 2mlを少量ずつ注意して滴加後,煮沸して過剰の過酸化水素を分解する。冷却後1 000mlのメス
フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
(6) チモールブルー試験紙 良好なろ紙をチモールブルーのエタノール溶液 (0.1w/v%) に浸した後乾燥し
て用いる。
8.2.3 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る(9)。
8.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 15mlを加え,静かに
加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,引き続き加熱して酸化窒素を追い
出した後(10),水で約60mlに薄める。
――――― [JIS Z 3902 pdf 7] ―――――
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(2) アンモニア水 (1+1) を一度生成した銅,亜鉛などの沈殿が溶解するまで加えて強アンモニア性溶液
とし,加熱して12分間煮沸する。しばらく静置後ろ紙(5種B)を用いてこし分け,温アンモニア
水 (1+20) で十分に洗浄する。
(3) 漏斗下に元のビーカーを受け,ろ紙上から温塩酸 (1+3) のなるべく少量を注いで沈殿を溶解した後,
温塩酸 (1+50) で数回洗浄する(11)。
(4) ろ液及び洗液に水を加えて液量を約60mlとし,アンモニア水 (1+1) を加えてほぼ中和した後,硝酸
(1+2) 及びアンモニア水 (1+1) を用いてpHを2.02.5(12)とする。
(5) 常温まで冷却した後100mlのメスフラスコに移し入れ,スルホサリチル酸溶液3mlを加え,水で標線
まで薄め,よく振り混ぜて呈色させる。
(6) この溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,波長545nm付近の吸光度を測定する。
8.2.5 計算 8.2.6で作成した検量線から鉄量を求め,試料中の鉄含有率を次の式によって算出する。
圀
鉄% 100
ここに, A : 試料溶液中の鉄検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
8.2.6 検量線の作成 標準鉄溶液020.0ml(鉄として02.0mg)を段階的に数個のビーカー (200ml) に
取り,8.2.4(4)(6)の手順に従って操作し,得た吸光度と鉄量との関係線を作成して,検量線とする。
注(9) 鉄の含有量がなるべく2mg以下となるように採取量を加減する。
(10) この際けい素,すずなどの沈殿を認めたときは,温所に約1時間静置後,直ちに少量のろ紙パ
ルプを加えたろ紙(5種B)でろ過し,温硝酸 (1+100) を用いて十分に洗浄した後,ろ液及び
洗液を加熱蒸発して約60mlとする。
(11) ろ液に塩化銀の沈殿を認めた場合は,元のろ紙を用いてろ過し,温塩酸 (1+50) で十分に洗浄
した後,ろ液及び洗液を加熱蒸発して約60mlとする。
また,ろ液が銅イオンの呈色を示すときは,8.2.4(2)の操作を行って再沈殿を行い,こし分け
洗浄する。
(12) チモールブルー試験紙を用いることができる。この場合,試験紙が微赤色を呈する程度とする。
8.3 原子吸光法(A法)
8.3.1 要旨 試料を硝酸で分解し,定容とした後,原子吸光光度計を用いて吸光度を測定する。
8.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+1)
(2) 銅[7.3.2(3)による。]
(3) 亜鉛[7.3.2(4)による。]
(4) 標準鉄溶液 (25 最 攀一 99.5%以上)0.100gを硝酸 (1+1) 20mlで加熱分解し,常温に冷却後
100mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄め原液とする。使用の都度,この原液の一定量を
水で正しく40倍に薄め,標準鉄溶液とする。
8.3.3 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る。
8.3.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1±1) 20mlを加えて加熱分
解する。分解が終われば時計皿の下面及びビーカーの内壁を水洗する。
(2) 常温まで冷却した後,100mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
――――― [JIS Z 3902 pdf 8] ―――――
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(3) 原子吸光光度計を用いて,この溶液を空気−アセチレンフレーム中に噴霧して波長248.3nm(13)におけ
る吸光度を測定する。
8.3.5 計算 8.3.6で作成した検量線から鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
圀
鉄% 100
ここに, A : 試料溶液中の鉄検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
8.3.6 検量線の作成 試料に含有する銅及び亜鉛を試料含有率とほぼ同率で全量が1gとなるようにはか
り取り,これを1組として数組をはかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に入れ,8.3.4(1)の時計皿で覆
い,以降の手順に従って操作した後,これに標準鉄溶液08.0ml(鉄として0200 柿 を段階的に加える。
以下,8.3.4の(2)及び(3)の手順に従って操作し,試料と並行して測定した吸光度と鉄量との関係線を作成
して検量線とする。
8.4 原子吸光法(B法)
8.4.1 要旨 試料を硝酸とふつ化水素酸との混酸で分解し,ほう酸を加えた後定容とし,原子吸光光度計
を用いて吸光度を測定する。
8.4.2 試薬 試薬は,次による。
(1) ほう酸溶液 (5w/v%)
(2) 混酸 硝酸 (2+1) 1lにふっ化水素酸25mlを加える。
(3) 銅[7.3.2(3)による。]
(4) 亜鉛[7.3.2(4)による。]
(5) 標準鉄溶液 (250 最 攀一 4)で調製した原液の一定量を水で正しく4倍に薄める。
(6) 標準鉄溶液 (25 最 攀一 4)によって調製する。
8.4.3 試料はかり取り量 試料は,BCuZn-3については0.2g,BCuZn-5については1gをはかり取る。
8.4.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってポリエチレンビーカー (100ml) に移し入れ,混酸10mlを加えて室温で放置して
分解する(8)。分解が終わった後,水約40ml及びほう酸溶液10mlを加える。
(2) 常温まで冷却した後,100mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
(3) 原子吸光光度計を用いて,この溶液を空気−アセチレンフレーム中に噴霧して波長248.3nm(13)におけ
る吸光度を測定する。
8.4.5 計算 8.4.6で作成した検量線から鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
圀
鉄% 100
ここに, A : 試料溶液中の鉄検出量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
――――― [JIS Z 3902 pdf 9] ―――――
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8.4.6 検量線の作成 試料に含有する銅及び亜鉛を試料含有率とほぼ同率で,かつ試料はかり取り量と同
一となるようにはかり取り,これを1組として数組をはかり取り,それぞれをポリエチレンビーカー
(100ml) に移し入れ,混酸10mlを加えて室温で放置して分解する(8)。これにBCuZn-3の試料の場合には,
標準鉄溶液 (250 最 攀一 鉄として03mg),BCuZn-5の試料の場合には,標
(25 最 攀一 鉄として0200 柿 を段階的に加え,更にほう酸溶液10mlを加える。以
(3)の手順に従って操作し,試料と並行して測定した吸光度と鉄量との関係線を作成して検量線とする。
注(13) 波長372.0nmを用いてもよい。
備考 8.4.4(1)の操作を,すず定量方法の7.3原子吸光法の備考に準じて操作し,鉄を定量してもよい。
9. ニッケル定量方法
9.1 方法の区分 ニッケルの定量方法は,次のいずれかによる。
(1) ジメチルグリオキシム重量法
(2) ジメチルグリオキシム分離EDTA滴定法
9.2 ジメチルグリオキシム重量法
9.2.1 要旨 試料を,6.2.1に従って電解し,銅などを分離する。電解残液に酒石酸及び塩化アンモニウ
ムを加えた後,アンモニア性とし,ジメチルグリオキシムを加えてニッケルを沈殿させる。この沈殿をガ
ラスろ過器でこし分け,温水で洗浄した後,乾燥し,その質量をはかる。
9.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+1)
(2) 過塩素酸
(3) 硫酸 (1+1,1+100)
(4) アンモニア水
(5) 塩化アンモニウム溶液 (25w/v%)
(6) アルミニウム 99.5%以上,JIS H 2102(アルミニウム地金)の2種相当品で,ニッケルを含まないも
の。削片として用いる。
(7) 酒石酸溶液 (25w/v%)
(8) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム1.0gを,エタノール (95v/v%) 100mlに溶解する。
(9) メチルレッド溶液 メチルレッド0.10gをエタノール (95v/v%) 90mlに溶解し,水で100mlとする。
9.2.3 試料はかり取り量 試料は,0.5gをはかり取る。
9.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってトールビーカー (300ml) に移し入れ,6.2.5(1)(5)の手順に従って電解を行う。
(2) 電解残液[6.2.5(5)の電解残液を用いてもよい(14)]をビーカー (500ml) に移し入れ,酒石酸溶液10ml
及び塩化アンモニウム溶液20mlを加え,メチルレッド溶液を指示薬としてアンモニア水で中和した
後,その3mlを過剰に加え,液量を約300mlに薄める。
(3) この溶液を約90℃に加熱し,かき混ぜながらジメチルグリオキシム溶液をニッケル予想含有量10mg
につき7mlの割合で加えてニッケルを沈殿させ,更にその5mlを過剰に加え,十分にかき混ぜた後,
室温まで放冷する。
(4) この沈殿を,あらかじめ恒量としたガラスろ過器 (1G3) を用いてこし分け,温水で十分に洗浄した後
110120℃の空気浴中で約1時間乾燥し,デシケーター中で放冷後その質量をはかり,恒量となるま
でこの操作を繰り返す。
――――― [JIS Z 3902 pdf 10] ―――――
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JIS Z 3902:1984の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.50 : ろう付け及びはんだ付け
JIS Z 3902:1984の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0301:1997
- 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則
- JISH0321:1973
- 非鉄金属材料の検査通則
- JISH2102:2011
- アルミニウム地金
- JISH2104:1997
- ニッケル地金
- JISH2105:1955
- 鉛地金
- JISH2107:2015
- 亜鉛地金
- JISH2108:1996
- すず地金
- JISH2121:1961
- 電気銅地金
- JISH2141:1964
- 銀地金
- JISH4502:1990
- 電子管陰極用ニッケル板及び条
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8701:1994
- 鉛(試薬)
- JISZ3262:1998
- 銅及び銅合金ろう
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方