JIS Z 3930:2013 アーク溶接のヒューム発生量測定方法及び分析用ヒューム採取方法 | ページ 2

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Z 3930 : 2013
表2−コンタクトチップ距離
単位 mm
コンタクトチップ距離a)
ワイヤ径
ソリッドワイヤ フラックス入りワイヤ
0.6 8 −
0.8 10 −
0.9 − 15
1.0 15 18
1.2 18 20
1.4 − 22
1.6 22 25
2.0 26 28
2.4 28 30
注a) 他のワイヤ径のコンタクトチップ距離は,内挿法又は外挿法で求めることができる。

5.4.8 溶接条件の測定方法

  溶接電流,アーク電圧及びワイヤ送給速度は,適切な測定器を用いて±5 %以内の精度で測定する。
なお,アーク電圧測定用導線の取付けは,次による。
a) 被覆アーク溶接では,試験板又はその近傍に導線の一端を取り付け,もう一方の導線の端を溶接棒ホ
ルダ近傍に取り付け,アーク電圧を測定する。
b) それ以外の溶接では, 試験板又はその近傍に導線の一端を取り付け,もう一方の導線の端をコンタク
トチップ近傍に取り付け,アーク電圧を測定する。

5.4.9 アークタイム

  アークタイムは,次による。
a) ヒューム発生量を測定する場合のアークタイムは,60秒とし,ストップウォッチなどを用いて0.1秒
の精度で測定する。ただし,あらかじめ試験を行って,溶接ヒュームが100 mg以上採取でき,かつ,
ろ過材の目詰まりが生じない程度を上限とする。ヒューム発生量が多いなどの理由で溶接ヒュームが
捕集箱から漏れる場合は,アークタイムを60秒未満に短縮してもよい。
b) 溶接ヒュームを100 mg以上採取するのに60秒を超えるアークタイムが必要な場合,必要に応じて新
しい試験板を使用して上記の手順を繰り返し,同じろ過材でヒュームを採取する。この場合,アーク
タイムは合計したものを使用する。
c) 分析用のヒュームを採取する場合のアークタイムは,必要量の分析用ヒュームが採取できるまで溶接
を行う。

5.5 溶接ヒュームの採取及び計量

5.5.1 サンプラによる吸引

  溶接開始と同時にサンプラによる吸引を開始し,溶接終了後,少なくとも30秒間は吸引を行う。捕集箱
内に溶接ヒュームが認められなくなるまで続けるものとするが,溶接終了後5分を超えて吸引する必要は
ない。

5.5.2 溶接ヒュームの計量

  ろ過材の溶接ヒューム捕集前後の質量差から,採取した溶接ヒュームの質量を算出する。ろ過材の質量
は1 mgの精度で測定する。

――――― [JIS Z 3930 pdf 6] ―――――

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5.6 分析用ヒュームの採取

  分析用ヒュームを採取する場合には,ヒュームをろ過材からブラシなどを用いて異物が混入しないよう
に注意しながら掃き落とした後,水分の吸収を防ぐため気密容器の中に入れて保管する。
注記1 分析用ヒュームを十分採取するため,複数の試験板及び被覆アーク溶接棒を用いて溶接を行
ってもよい。
注記2 ろ過材から採取した分析用ヒュームの量が不十分な場合,そのろ過材を用いて繰り返し溶接
し,採取してもよい。

6 ヒューム発生量の求め方

  ヒューム発生量試験の場合は,同一条件で3回測定を行い,その平均値をもって表す。ただし,個々の
測定値が,平均値の±10 %を超える場合は,更に2回測定を行い,5回の平均値で表す。
単位時間当たりのヒューム発生量は,次の式によって求める。
なお,有効数字は2桁以上とする。
W2−W1
Fs=
T
Fh=Fs×3.6
ここに, Fs : 溶接の1秒間当たりのヒューム発生量(mg/s)
Fh : 溶接の1時間当たりのヒューム発生量(g/h)
W1 : ヒューム採取前のろ過材の質量(mg)
W2 : ヒューム採取後のろ過材の質量(mg)
T : アークタイム(s)

――――― [JIS Z 3930 pdf 7] ―――――

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Z 3930 : 2013
附属書A
(規定)
試験報告書
溶接法 (自動/手動)
製造業者 報告書番号

接 該当規格 発行年月日

料 銘柄 試験年月日
寸法 mm 試験機関
該当規格 測定者

験 寸法 mm 溶接者

表面状態 室温/湿度 ℃ / %
製造業者 形式
電 形式 角度 度(前進溶接/後進溶接)

パルス条件 ト 構造 水冷 / 空冷

極性 チ ノズル内径 mm
ノス゛ルとコンタクトチッフ゜
溶接姿勢
相対位置 mm
溶接速度 mm/min コンタクトチッフ゜距離 mm
シールドガスの種類 シールドガス流量 L/min
測定記録
採取した
溶接 アーク ワイヤ アーク ろ過材質量 ヒューム発生量
測定 ヒュームの質量
電流 電圧 送給速度 タイム
回数 W1 W2 W 2−W 1 Fs Fh
A V m/min s
mg mg mg mg/s g/h
1
2
3
平均値 個々の測定値が,平均値の±10 %を超える場合は,更に2回測定を行う。
4
5
平均値
備考
W1 : 試験前のろ過材の質量(mg),W2 : 試験後のろ過材の質量(mg),W2−W1 : 採取したヒュームの質量(mg)
Fs : 溶接の1秒間当たりのヒューム発生量(mg/s),Fh : 溶接の1時間当たりのヒューム発生量(g/h)
Fs=(W2−W1) / T,Fh=Fs×3.6,T : アークタイム(s)

――――― [JIS Z 3930 pdf 8] ―――――

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附属書B
(参考)
溶接ヒューム捕集装置の例
B.1 溶接ヒューム捕集装置の例1
図B.1は,日本で実用されている溶接ヒューム捕集装置の一例である。溶接ヒューム捕集箱の概略寸法
は,長さ700 mm,幅700 mm,高さ800 mmであり,その上部にはヒューム捕集用のろ過材を設置する組
立部品及びサンプラが取り付けられており,空気を取り入れる空気孔は基部近くの側面に設けられている。
観察窓及び手の差入れ口が設けられているので手動溶接が可能で,溶接台の代わりに走行台車に試験板
を載せて溶接を行う自動溶接試験にも適している。
単位 mm
主要部位
1 サンプラ
2 空気孔
3 溶接台(又は走行台車)
4 試験板
5 手の差入れ口
6 溶接ヒューム捕集箱
7 観察窓
8 ろ過材
図B.1−溶接ヒューム捕集装置の例1(手動及び自動溶接用)

――――― [JIS Z 3930 pdf 9] ―――――

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Z 3930 : 2013
B.2 溶接ヒューム捕集装置の例2
図B.2に示す溶接ヒューム捕集箱は,概略寸法が基部の直径600 mm,高さ600 mmの円すい(錐)形で,
頭部の直径は300 mmである。その上部にヒューム捕集用のろ過材を設置する組立部品及びサンプラが取
り付けられている。
ヒュームが漏れることを防ぐゴム製密閉フラップが付いた手の差入れ口及び観察窓が取り付けられてい
るので,手動溶接試験及び自動溶接試験の両方に適している。
主要部位
1 観察窓 6 補強リング
2 トーチ 7 溶接ヒューム捕集箱
3 調整可能なスタンド 8 ろ過材
4 回転盤 9 サンプラ
5 支持テーブル
図B.2−溶接ヒューム捕集装置の例2(手動及び自動溶接用)
B.3 溶接ヒューム捕集装置の例3
図B.3に示す溶接ヒューム捕集箱は,概略寸法が,長さ500 mm,幅500 mmの土台つきピラミッド形及
び直径200 mm,高さ300 mmの円筒形である。その上部にはヒューム捕集用のろ過材を設置する組立部品
が設けられており,適切なサンプラへと繋がっている。
自動溶接試験に適しているが,手の差入れ口を組み込んで改造すれば手動溶接試験にも使用できる。

――――― [JIS Z 3930 pdf 10] ―――――

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JIS Z 3930:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15011-1:2009(MOD)

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JIS Z 3930:2013の関連規格と引用規格一覧