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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
注記1 JIS T 0601-1-3:2015の7.2参照。
注記2 JIS Z 4751-2-7:2008の2.101.2参照。
注記3 定電圧形X線高電圧装置とは,出力管電圧のリプル百分率が4 %を超えない電圧波形を出力
するX線高電圧装置である。
203.4.101.3 負荷時間
負荷時間は,次の二つの時間の差を測定することによって求める。
− 管電圧が,最初にそのピーク値の75 %に達した時点
− 管電圧が,最後にそのピーク値の75 %まで降下した時点
電子管又はX線管のグリッドによる高電圧回路の電子制御を備えたME機器(X線高電圧装置)の場合
には,負荷時間は,タイマが照射開始信号を発した時点と照射終了信号を発した時点との間の時間として
もよい。
高電圧回路とX線管のフィラメント加熱とを同時に負荷するME機器(X線高電圧装置)の場合には,
負荷時間は,管電流が最初に最大値の25 %に達した時点と,最後に最大値の25 %まで降下した時点との
間の時間とする。
注記1 JIS T 0601-1-3:2015の3.37参照。
注記2 JIS Z 4751-2-7:2008の2.101.4参照。
注記3 注記2で参照しているJIS Z 4751-2-7:2008の2.101.4の題名は,“照射時間”である。同じ説
明だが,この個別規格とJIS Z 4751-2-7:2008とでは異なる定義の用語を使用している。これ
は,JIS Z 4005:2012で照射時間に対しての定義を見直すよう注釈が追加されたことに伴った
ものである。
203.4.101.4 公称最短照射時間
公称最短照射時間は,最短負荷時間と同様に203.6.5.101に従う。
− 203.6.3.2.103に従って測定したとき,少なくとも50倍よりも大きな負荷時間によって得られた平均の
空気カーマ(又は蛍光量)から20 %を超えない平均の空気カーマ(又は蛍光量)が得られる負荷時間
− 203.6.3.2.102 c) 2) に合致する安定性及び203.6.3.2.102 d) に合致する再現性の要求事項の最短負荷時
間よりも短くない。
注記 これらの規定は,JIS Z 4751-2-7:2008の50.104.3参照。
203.5 X線装置の標識,表示及び文書
203.5.2.1 参照がある細分箇条
修正
JIS T 0601-1-3:2015の表2中,“5.2.4.4(臨床上の手順)”は,適用しない。
203.5.2.4 取扱説明書
203.5.2.4.4 臨床上の手順
JIS T 0601-1-3:2015の5.2.4.4は,適用しない。
追加の細分箇条
203.5.2.4.101 検査プロトコル
検査プロトコルが,製造業者によって提示され,機器に事前に組み込まれている場合は,そのプロトコ
ルが最適な操作が行える推奨されたプロトコルであるか,又はそのプロトコルが一例若しくはひな(雛)
形であって責任部門が独自に作ったプロトコルに置き換えられるかを,取扱説明書に明示しなければなら
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ない。
(試験)適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
203.5.2.4.5 確定的影響
追加の細分箇条
203.5.2.4.5.101 X線透視及び/又は連続撮影用X線装置の線量情報
a) 皮膚線量レベル 意図する使用の下で,反復又は長時間の照射をする場合には,局部的な組織反応を
引き起こす皮膚線量のリスクに対する注意を,取扱説明書に記載しなければならない。X線透視及び
X線撮影で利用できる選択可能な様々な設定による線質,放射される基準空気カーマ又は基準空気カ
ーマ率へ与える影響を記載しなければならない。
(試験)適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
b) 利用できる設定 製造業者は,取扱説明書に意図する使用において,線質又は基準空気カーマ(率)
値に影響を与える利用できる構成,例えば,操作モード,X線管負荷条件の設定及び作動パラメータ
のような情報を提供しなければならない。この情報には,次の事項を含めなければならない。
1) 指定されたX線透視の操作モード。例えば,通常の解像度,低解像度,高解像度,又は通常の線量
モード,低線量モード,高線量モードについての情報
2) 1) で規定するような標準的な操作モード,初期値及び操作モードを選択した後に,変更可能な利用
できる範囲の詳細
3) 線透視における利用できる最大の基準空気カーマ率となるX線管負荷条件の設定
4) 線撮影における利用できる最大の基準空気カーマ(フレームごとの)となるX線管負荷条件の設
定
5) 基準空気カーマ又は基準空気カーマ率の最小値,標準値となる焦点受像器間距離の設定
(試験)適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
c) *放射線データ b)に従って規定した操作モード,及び一連の設定値の203.5.2.4.5.102で示す測定方法
に基づいた基準空気カーマ(率)の代表値を,取扱説明書に記載しなければならない。さらに,この
細分箇条のb) 1) 及びb) 2) で規定した利用可能な操作モードのそれぞれに対して,操作者によって関
連する操作モード要因が変更できる場合には,次の要因を変えたとき,203.5.2.4.5.102で規定する測定
方法に基づく基準空気カーマ(率)の代表値を取扱説明書に記載しなければならない。
− 選択可能な付加フィルタ
− 入射野寸法
− X線パルス繰返し周波数
与えられた値を検証するために,203.5.2.4.5.102に規定した手順を用いることができるX線装置の
構成及び試験の幾何学的配置の情報を,記載しなければならない。203.5.2.4.5.102に従った測定によっ
て検証するための詳細事項を,提供しなければならない。取扱説明書に記載した値は,203.5.2.4.5.102
の方法によって検証するときに許容される精度になる場合には,計算を含む他の方法によって決定し
てもよい。
測定値は,取扱説明書に記載した値から50 %を超える差異があってはならない。
注記 測定値は,取扱説明書に記載した値と比較するので,50 %の差異は適切である。
(試験)適合性は,機能試験及び取扱説明書の調査によって確認する。基準空気カーマ(率)の値
及びその値の変動についての記載は,取扱説明書に記載した構成及び試験の幾何学的配置を用いて,
203.5.2.4.5.102の方法によって検証する。
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d) *患者照射基準点 取扱説明書において,患者照射基準点の位置を,X線透視装置の形式ごとに記載し
なければならない。
患者照射基準点は,次に位置する。
− X線源装置が患者支持器の下にあるX線装置は,患者支持器から1 cm上
− X線源装置が患者支持器の上にあるX線装置は,患者支持器から30 cm上
− Cアーム式X線装置は,アイソセンタから焦点方向へ15 cm又は次による。
· アイソセンタのないCアーム式X線装置は,製造業者が定義したX線ビーム軸に沿った患者皮
膚面とX線ビーム軸との交点。この場合には,取扱説明書の記載には,製造業者による位置選択
の根拠を含める。
· 45 cm未満の焦点受像器間距離のCアーム式X線装置は,最小限の焦点皮膚間距離を表している
点。
注記 Cアームが横向きの状態にあるときでも,同じ説明がなされるように,患者照射基準点の
定義がアイソセンタとの関係で使われる。
− 上記に当てはまらないX線装置の場合には,患者照射基準点は,製造業者が指定する。
(試験)適合性は,取扱説明書の調査によって確認する。
203.5.2.4.5.102 *線量情報の試験
線量情報の決定には,次の試験方法を適用する。
− 一辺が25 cm以上の長方形で厚さ20 cmのポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)製のファントムを
用いる(ファントムは,幾層かの材料で組み立ててもよい。)。
− 測定面内のX線ビームの面積の80 %を超えない十分に小さい検出器を備えた吸収線量計を用いる。
また,X線源−X線受像器軸に垂直な線量計の検出器の断面積は,30 cm2を超えてはならない。
− 焦点受像器間距離を最小値に合わせる。ファントムは,X線源装置とファントムの入射面との間の距
離をできるだけ離して,X線受像器の近くに配置する(これは,測定における散乱放射線の影響を最
小にするため。)。
− 測定検出器を,次のいずれかの点に配置する。
· 患者照射基準点(測定検出器とファントムとの間に少なくとも20 cmの距離がある場合。)
· 焦点とファントムの入射面との中間(この場合には,測定値は,適切な距離に対する値に補正する。)
注記1 これは,測定値に対する迷放射線の影響を最小にするためである。
− 203.5.2.4.5.101 c) で記載を要求しているそれぞれの透視設定についての基準空気カーマ率に対する空
気カーマ率を測定する。
− 203.5.2.4.5.101 c) で記載を要求しているそれぞれの撮影設定に対する画像ごとに空気カーマを測定す
る。
注記2 測定が自動露出制御を選択し測定する場合,測定検出器がない場合のX線条件を確認する。
手動モードで設定したこれらのX線管負荷条件で線量測定を行う。
− それぞれの設定において,次の要因を二つ組み合わせて,ファントムを用いて空気カーマ(率)を測
定する。
· 選択可能な付加フィルタ
· 主たる操作者が選択可能な入射野寸法
· X線パルス繰返し周波数(パルスレート)
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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
203.6 放射線管理
206.6.1 一般
追加の細分箇条
203.6.1.101 X線透視画像記録の管理
X線透視用X線装置は,表示用のX線透視再生用連続画像を記憶する機能を提供することが望ましい。
この機能は,次のような画像の記憶に限定してもよい。
· 毎秒10パルス以下のパルスレートでは,X線透視の最後の30秒間
· 毎秒10パルスを超えるパルスレートでは,最後の300画像
· 連続的なX線透視では,X線透視の最後の10秒間
(試験)適合性は,機能試験によって確認する。
203.6.1.102 検査プロトコルの管理
事前に組み込まれた検査プロトコルを呼び出すことができ,かつ,X線装置の意図する使用が成人用途
と小児用途との両方を対象としている場合,これらのプロトコルは,成人用途と小児用途との両方を明確
に区別しなければならない。
自動制御機能をもたない装置の場合は,次による。
− 成人患者については,少なくとも三つの患者サイズを操作者が選択できることが望ましい。
− 小児用途が意図する使用に含まれる場合,小児患者については,少なくとも三つの患者サイズを操作
者が選択できることが望ましい。
(試験)適合性は,調査又は適切な試験によって確認する。
203.6.2 照射の開始及び終了
203.6.2.1 正常な照射の開始及び終了
追加
a) 一つ前の照射を開始した制御を解除することなく,その次の照射,又は連続撮影においてはその次の
連続撮影が開始できてはならない。
b) 各負荷の完了前でも,各負荷を終了させることが可能でなければならない。ただし,連続撮影中又は
負荷時間が0.5秒以下の単一負荷を除く。
連続撮影において,操作者はいつでも照射を終了させることが可能でなければならないが,一連の
負荷の中の一つの負荷を実行中の場合は,その負荷の完了を待って終了させてもよい。
c) 線透視の操作で照射の時間を操作者によってあらかじめ設定したとき,たとえ照射中であっても時
間計測器(透視用積算タイマ)は,積算負荷時間の完了を操作者に知らせる警告音を出す機能を備え
なければならない。また,時間計測器(透視用積算タイマ)は,次の特性を備えなければならない。
1) 積算透視時間が5分に至るまで警告を出すことなく,負荷が行えるような時間の設定ができなけれ
ばならない。時間計測器(透視用積算タイマ)は,5分よりも短い時間で設定してもよい。時間計
測器(透視用積算タイマ)を再設定せずに負荷を行う場合,及び最後に設定した時間の終了後,引
き続き負荷を行う場合,負荷中に連続して警告音を発しなければならない。
2) 警告音を停止して引き続き負荷を行うときは,負荷を中断することなくタイマの再設定ができなけ
ればならない。再設定は,5分を超えて設定できないようにしなければならない。再設定した時間
においては,警告音は発しない。
3) 時間計測器(透視用積算タイマ)の設定及び再設定のための手段は,照射スイッチとは別のもので
なければならない。
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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
d) 時間計測器(透視用積算タイマ)は,c) の要求に加えて,次の機能を備えなければならない,すなわ
ち,連続して10分間負荷を行った場合は,自動的に停止する。また,正常状態においてこの手段によ
って停止した場合は,照射スイッチを押し直すことによって再び負荷が行える。
e) *0.5秒を超えるX線透視の照射イベントの場合,X線装置は,操作者が制御を開放(例えば,フット
ペダルから足を離す。)してから0.1秒以内に負荷を終了しなければならない。停止までの時間は,可
能な限り短くすることが望ましい。
0.5秒以下のX線透視の照射イベントの場合,X線装置は,操作者が制御を開放(例えば,フット
ペダルから足を離す。)してから0.5秒以内に負荷を終了しなければならない。
取扱説明書には,上記のe) に記載された制御を開放した後に持続するX線透視の照射イベントの時間
及びその時のX線透視を継続する最大時間を,記載しなければならない。
(試験)適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
追加の細分箇条
203.6.2.1.101 充電時のインタロック
充電器が組み込まれた移動形X線装置は,許可されていない人による電動移動及びX線の発生を防止す
る手段を備えなければならない。また,このとき,蓄電池の充電を妨げてはならない。
注記 適切な例としては,鍵を差し込んでいるときだけ電動移動及びX線の発生が可能とする。
なお,鍵なしで充電が可能である。
(試験)適合性は,調査によって確認する。
203.6.2.1.102 外部のインタロックの接続
移動形X線装置を除きX線装置には,次のいずれか又は両方の機能をもつ外部電気回路への接続手段を
備えなければならない。
− X線照射の開始を禁止するための接続手段
− X線照射を停止するための接続手段
外部電気回路によって状態を制御盤に表示しない場合は,視覚的方法によってその状態を示すことが望
ましい旨の責任部門向けの情報を,附属文書に記載しなければならない。
注記 この機能の例は,X線透視時の防護遮蔽体の存在を保証するものである。
(試験)適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
203.6.2.2 照射が正常に終了しなかった場合の安全機構
追加
正常な終了が放射線測定(自動露出制御)に基づく場合,
− 照射が正常に終了できない場合には,照射を終了させる安全手段を備えなければならない。
− 管電圧,管電流及び負荷時間の積が,1回の照射につき60 kWsを超えてはならないか,又は管電流時
間積が,1回の照射につき600 mAsを超えてはならない。
(試験)適合性は,調査及び適切な機能試験によって確認する。
203.6.3 放射線の線量及び線質
203.6.3.1 放射線の線量及び線質の調整
追加
a) 線管負荷条件を自動制御するシステムは,自動制御が副通則の要求に適合する範囲内で使用できる
ように,あらかじめ選定できなければならない。X線管負荷条件の組合せの適切な範囲を備えなけれ
ばならない。
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JIS Z 4751-2-54:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-54:2009(IDT)
JIS Z 4751-2-54:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4751-2-54:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4120:2008
- 診断用X線管装置―焦点特性
- JISZ4122:2009
- 診断用回転陽極X線管装置の最大対称照射野の決定