JIS Z 4751-2-54:2021 医用電気機器―第 2-54部:撮影・透視用X線装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 4

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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
注記 これらの要求事項は,IEC 60601-2-32:1994の22.4.4参照。
201.9.2.3 動く部分に関わる他の機械的ハザード
201.9.2.3.1 意図しない動き
追加
正常な使用時及び単一故障状態において,患者又は操作者に身体的危害を引き起こす可能性のある意図
しない(不慮の)動きを,できるだけ最小限にするための手段を講じなければならない。次のような手段
を適用しなければならない。
a) リレー接点の溶着などの故障が制御不能な動きを生じる場合には,冗長的制御又は他のこのような保
護を備えなければならない。冗長的制御の一つが故障した場合,直接又は取扱説明書に従った試験に
よって操作者に表示しなければならない。
b) スイッチ開閉素子部は,駆動制御回路の接地側には接続してはならない。
(試験)適合性は,回路図の調査,目視調査及び機能試験によって確認する。
注記1 これらの要求事項は,IEC 60601-2-32:1994の22.4.2参照。
永久設置形X線装置又はX線装置の部分について,次を適用する。
物体又は患者の配置又は移動が動作制御用の二つのスイッチで動作できる場合には,駆動制御を不可能
にする動作禁止スイッチを備えなければならない。
注記2 このスイッチは,検査室内に配置できるが,テーブル側面である必要はない。動作禁止スイ
ッチを照射禁止スイッチの近くに配置させると,操作者にとって使いやすい。
動作禁止スイッチの操作は,そのスイッチ自体では,動作を開始できてはならない。
操作者の作業する位置で,動作禁止スイッチの状態を表示しなければならない。
動作禁止スイッチの位置,機能及び操作を,取扱説明書に記載しなければならない。
動作禁止スイッチは,照射禁止スイッチとは区別しなければならない。
そのスイッチは,操作者によって容易にアクセスが可能で,誤操作の可能性を最小限にするための配置
とすることが望ましい。
配置は,ユーザビリティエンジニアリングプロセスにおいて考慮しなければならない。
(試験)適合性は,機能試験並びに取扱説明書及びユーザビリティエンジニアリングファイルの調査に
よって確認する。
201.9.2.3.1.101 患者乗降時の意図しない動き
患者の乗降時に,X線装置又はX線装置の部分の意図しない動きが,患者又は操作者に受容できないリ
スクを生じないように設計しなければならない。
(試験)適合性は,最大公称患者質量を考慮に入れた機能試験によって確認する。
追加の細分箇条
201.9.2.3.101 圧力及び力の制限
診断のために患者に加えることが許されている圧力又は力は,X線装置と接触する可能性のある体の部
位,用途上の要求事項及び潜在的な傷害について分析しなければならない。一般的な指針としては,患者
に対する圧力は最大70 kPa,力は200 Nに制限することが望ましい。
なお,X線透視撮影台の圧迫筒の圧迫の強さは,80 Nを超えないことが望ましい。
圧迫器の上限値は,各国の規制によってはより大きい値を許容してもよい。
注記1 対応国際規格の注記には許容事項が含まれているため本文へ移動した。
注記2 対応国際規格では,各国及び各地域的要因で,各国及び各地域で制限する上限値を許容して

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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
おり,X線透視撮影台の圧迫筒の圧迫の強さについては追加要求している。
電動圧迫機構は,取扱説明書に記載した制限値に従って,患者に加える力を制限する手段を備えなけれ
ばならない。
(試験)適合性は,目視調査,機能試験,測定及び取扱説明書の調査によって確認する。
注記3 これらの要求事項は,IEC 60601-2-32:1994の22.4.3参照。
201.9.2.3.102 圧迫器に関わるインタロック
患者近傍で操作者が直接的な制御を行わず,かつ,患者を圧迫する場合は,患者にとって受容できない
リスクを生じる動き及び検査に必要のない動きを防止しなければならない。手順(手技)を続行するため
にインタロックを解除しなければならない場合には,専用回路によってこのインタロックを解除してもよ
い。インタロック解除が作動している間は,操作者に視覚的表示を与えなければならない。
このインタロック解除によって知らせる必要があると判断したリスクを,操作者に対する警告情報とし
て取扱説明書に記載しなければならない。
(試験)適合性は,機能試験及び附属文書の調査によって確認する。
201.9.2.4 緊急停止装置
追加の細分箇条
201.9.2.4.101 制御
患者の身体的傷害を引き起こす可能性のある全ての電動駆動の動きには,緊急停止の制御を備えなけれ
ばならない。緊急停止によって,X線装置が使用できない間,患者に近づいたり,患者を移動させたりす
るための手段を備えなければならない。
他の手段によって安全性を確保でき,かつ,リスクマネジメントファイルにて正当化できる場合は,緊
急停止の制御は必要ない。
正常な使用時に,電動駆動のME機器の部分が,患者に接触することを意図しているか又はその可能性
があり,かつ,設計上の用途として適切な場合で,その接触が患者の身体的傷害に関係する受容できない
リスクを引き起こす可能性がある場合は,患者への接触を検出し,その動きを停止するための手段を備え
なければならない。
(試験)適合性は,機能試験及びリスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
注記 これらの要求事項は,IEC 60601-2-32:1994の22.4.1参照。
201.9.8 支持機構に関わる機械的なハザード
201.9.8.3.3 人の荷重による動的な力
追加
注記 耐荷重に相当する質量をもつ物体を150 mmの距離から落として加速させ,その後60 mmの発
泡材の圧縮中に減速し,その際の力は,安全動作荷重の2倍3倍に相当する。
通則に規定する動的負荷試験よりも厳しいことを機械的解析によって証明できる代替静的負荷試験を実
施する場合には,リスクマネジメントに基づき動的負荷試験を省略することが可能である。動的負荷試験
に合格した場合には,代替静的試験を不要としてもよい。
この試験を行うに先立って,患者支持又は懸垂システムは,正常な使用時の最も不利な位置で水平に配
置する。
患者又は操作者が座ることのできる支持又は懸垂の部分については,取扱説明書に定義する患者又は操
作者に相当する安全動作荷重に妥当な倍数を乗じた質量(通則の図33で規定されたような)を,少なく
とも1分間その部分に負荷する。

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受容できないリスクを生じる可能性のある機能の喪失又は構造の損傷は,不適合とする。
201.9.8.4 機械的保護装置を備えた機構
追加の細分箇条
201.9.8.4.101 機械的保護装置
正常な使用時に負荷のかかるロープ,チェーン又はバンドと平行に並べて,正常な使用時に負荷のかか
らない別のロープ,チェーン又はバンドは,機械的保護装置とみなしてもよい。
機械的保護装置として使用するロープ,チェーン又はバンドは,調査のために接近できなければならな
い。また,附属文書には,調査についての適切な指示を記載しなければならない。
(試験)適合性は,機能試験及び附属文書の調査によって確認する。
注記 これらの要求事項は,IEC 60601-2-32:1994の28.105参照。
追加の細分箇条
201.9.8.101 緩衝手段
正常な使用時に,例えば,急激な加速又は減速の結果,大きな動荷重が生じる場合には,適切な減衰手
段を講じなければならない。
(試験)適合性は,機能試験によって確認する。
注記 これらの要求事項は,IEC 60601-2-32:1994の28.103参照。

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護

  適用しない10.3(マイクロ波放射線)を除いて,通則の箇条10を適用する。
注記 副通則JIS T 0601-1-3は,通則で引用され,この個別規格の箇条203で扱う。

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護

  次を除き,通則の箇条11を適用する。
201.11.1.1 正常な使用時の最高温度
追加
油に接する部分に関する通則の表22における許容最高温度の制限は,油に完全に浸せきされた箇所には
適用しない。
注記 対応国際規格の注記には指示·要求事項が含まれているため本文へ移動した。
201.11.8 ME機器への電源供給又は電源(商用)の中断
第一段落を次によって置換
ME機器は,電源の中断及び復帰が基礎安全の喪失をもたらさないように,また,電源の復帰が基本性
能の喪失をもたらさないように設計しなければならない。
追加の細分箇条
201.11.101 X線管装置の過度の温度に対する保護
保護していない高温となるX線管装置の接触可能表面は,正常な使用でのあらゆる目的においても,そ
こに触る必要がないように適切な手段を講じなければならない。
注記 例として,カバー類,操作ハンドルがある。
また,全ての意図しない接触を避ける手段を講じることが望ましい。その場合は,取扱説明書に正常な
使用において予測できる接触可能表面の温度についての情報を記載しなければならない(通則の表22表
24を参照)。

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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
(試験)適合性は,機能試験及び取扱説明書の調査によって確認する。
201.11.102 照射野限定器の過度の温度に対する保護
光照射野表示器を内蔵する照射野限定器は,ランプが点灯したままで起こる温度上昇を,照射野限定器
が正常な熱放散を減少させる布又は他の材料で覆われていても低減するように,次に規定する手段のいず
れかを備えなければならない。
a) 照射野限定器の接触可能表面の温度が,通則の11.1.1の許容最高温度を超えたときに,ランプが通電
したままになることを防ぐための感熱遮断器
b) 操作者がランプを最後に点灯してから2分間を超えると,ランプへの通電を遮断するタイマ
c) ) に規定した機能を果たすため,外部接続されるタイマの詳細についての附属文書への記載
(試験)適合性は,機能試験及び附属文書の調査によって確認する。

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護

  次を除き通則の箇条12を適用する。
追加
注記 通則の12.4.5に従ったこの問題の線量に関連する事項は,203.6.4.3に規定している。

201.13 ME機器の危険状態及び故障状態

  通則の箇条13を適用する。

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)

  通則の箇条14を適用する。

201.15 ME機器の構造

  通則の箇条15を適用する。

201.16 MEシステム

  次を除き,通則の箇条16を適用する。
201.16.8 MEシステムの部分への電源供給の中断
第一段落を次によって置換
MEシステムは,MEシステム全体又はMEシステムのいずれかの機器への電源供給の中断及び復帰に
よって,基礎安全の喪失が生じないように,かつ,電源供給の復帰によって基本性能の喪失が生じないよ
うに設計しなければならない。

201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性

  通則の箇条17を適用する。
注記 IEC 60601-1-2:2007は,IEC 60601-1-2:2001のイメージング装置についての規定不足の問題を解
決するために,一部修正された。

202 電磁妨害-要求事項及び試験

  次を除き,JIS T 0601-1-2:2018を適用する。

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Z 4751-2-54 : 2021 (IEC 60601-2-54 : 2009,Amd.1 : 2015,Amd.2 : 2018)
追加

202.101 *基本性能のイミュニティ試験

  製造業者は,表201.101に挙げる追加の基本性能候補に対し,リスクマネジメントプロセスを通じて実
用的な水準まで試験要求を最小化してもよい。
試験項目を選択するときに,製造業者は,EMC環境での(X線装置の)感受性,EMC条件になる可能
性及び受容できないリスクに対する重大さ並びに発生頻度及び寄与率を,リスクマネジメントプロセスを
通じて考慮する必要がある。
X線装置のイミュニティの評価に用いる測定機器の精度は,試験のための電磁的影響を受けてはならな
い。
測定機器は,X線装置のイミュニティに影響を与えてはならない。非破壊的な測定だけを実施しなけれ
ばならない。
試験を実施するX線装置は,イミュニティ試験のために改造してはならない。
(試験)適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。

203 診断用X線装置における放射線防護

  次を除き,JIS T 0601-1-3:2015を適用する。

203.4 一般要求事項

203.4.1 適合宣言
置換
X線装置(又はサブアセンブリー)について,この規格に適合することを宣言する場合には,次の様式
で宣言しなければならない。
X線撮影·X線透視用X線機器·++)JIS Z 4751-2-54:2021 ++)形式名称
追加の細分箇条
203.4.101 定義した用語の限定条件
203.4.101.1 電力
この個別規格の201.7.9.2.1.101のc)及びd)で記載している高電圧回路の電力は,次の式によって算出す
る。
P=f×U×I
ここに, P : 電力
f : 管電圧の波形に依存する因子で,次から選択する。
a) 0.95 : 6ピーク形X線高電圧装置を備えたX線装

b) 1.00 : 12ピーク形X線高電圧装置又は定電圧形X
線高電圧装置を備えたX線装置
c) 他のME機器(例えば,インバータ式X線高電圧
装置を備えたX線装置)については,管電圧の波
形から最も当てはまる値を選び,その選択理由を
記載する。
U : 管電圧
I : 管電流
203.4.101.2 定電圧形X線高電圧装置のリプル百分率
定電圧形X線高電圧装置を備えたX線装置の,出力電圧のリプル百分率は,4 %を超えてはならない。

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JIS Z 4751-2-54:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-54:2009(IDT)

JIS Z 4751-2-54:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4751-2-54:2021の関連規格と引用規格一覧