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Z 4821-1 : 2015 (ISO 2919 : 2012)
4.2 等級
各試験の等級を表1に示す。表1は,負荷試験条件を示しており,等級を示す数字が大きくなるにつれ
て試験条件が厳しくなる。表3に示す等級には,火災,爆発及び腐食の影響は含まれていないので,製造
業者及び使用者は,火災,爆発,腐食などの可能性とその影響について考慮しなければならない。
特別試験の必要性は,次の要素から決定する。
a) 放射能の漏出による影響
b) 密封線源に収納する放射性物質の質量
c) 放射性核種のグループ
d) 放射性物質の化学形及び物理的形状
e) 密封線源を保管,移動又は使用する環境
f) 密封線源又は装備機器用線源に付与できる保護
附属書Cに有害な環境条件のうち,一般的なものを示す。特別試験が必要な場合は,受渡当事者間で協
定してその試験方法を決定することが望ましい。附属書Dに特別試験の例を示す。
表1−密封線源の等級別試験条件
試験 等級
項目 1 2 3 4 5 6 7 8 X
温度 無試験 −40 ℃ −40 ℃ −40 ℃ −40 ℃ −40 ℃ − − 特別
(20 min) (20 min) (20 min) (20 min) (20 min) 試験
+80 ℃ +180 ℃ +400 ℃ +600 ℃ +800 ℃
(1 h) (1 h) (1 h) (1 h) (1 h)
熱衝撃 熱衝撃 熱衝撃
400 ℃→ 600 ℃→ 800 ℃→
20 ℃ 20 ℃ 20 ℃
圧力 無試験 25 kPa 25 kPa 25 kPa 25 kPa 25 kPa − − 特別
(絶対圧) (絶対圧) (絶対圧) (絶対圧) (絶対圧) 試験
→大気圧 →2 MPa →7 MPa →70 MPa →170 MPa
(絶対圧) (絶対圧) (絶対圧) (絶対圧)
衝撃 無試験 1 mから50 g 1 mから200 g 1 mから2 kg 1 mから5 kg1 mから20 kg − − 特別
又は同等の 又は同等の 又は同等の 又は同等の 又は同等の 試験
エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー
振動 無試験 10 min×3回 10 min×3回 30 min×3回 − − − − 特別
25500 Hz 2550 Hz 2580 Hz 試験
最大加速度 最大加速度 p-p値c)
49 m/s2 49 m/s2(5 G)a)
1.5 mm及び
(5 G)a) 及び5090 Hz 802 000 Hz
p-p値c) 最大加速度
0.635 mm及び 196 m/s2
90500 Hz (20 G)a)
最大加速度
98 m/s2(10 G)a)
パン 無試験 1 mから1 g 1 mから10 g 1 mから50 g1 mから300 g 1 mから1 kg − − 特別
ク 又は同等の 又は同等の 又は同等の 又は同等の 又は同等の 試験
エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー エネルギー
――――― [JIS Z 4821-1 pdf 6] ―――――
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Z 4821-1 : 2015 (ISO 2919 : 2012)
表1−密封線源の等級別試験条件(続き)
試験 等級
項目 1 2 3 4 5 6 7 8 X
曲げ 7.7.1による。
無試験 7.7.1による。 7.7.2に
7.7.1による。 7.7.1による。 7.7.1による。 7.7.3に 特別
b)
100 N 500 N 1 000 N 2 000 N 4 000 N よる。 よる。 試験
(10.2 kg) (51 kg) (102 kg) (204 kg) (408 kg) L≧100 L≧30 mm
L/D≧15 L/D≧15 L/D≧15 L/D≧15 L/D≧15 mmかつ の近接照
L/D≧10 射治療用
刺入線源
注a) 1 G=9.8 m/s2
b) 及びDは,7.7参照。
c) 正弦振動の最大値(JIS B 0153の2.33参照)
4.3 等級の決定
密封線源の等級は,次のいずれかの方法によって決定する。
− 2個の試験線源について,表1の各試験を箇条7に規定する方法で実施する。
− 実際に試験を行わずに,箇条7の試験に合格することを技術的解析によって立証する。
5 放射能レベル
密封線源の使用条件及び設計に対して,特別な評価を必要としない放射能の限度値は,附属書Aに記載
する放射性核種グループによって分類する4グループについて,それぞれ表2に示す最大放射能とする。
この最大放射能を超える放射能を含有する密封線源は,使用条件及び設計について個別に評価しなけれ
ばならない。密封線源を製造するときは,表2に従って含有放射能の適性を確認する。
密封線源の放射能が表2の値を超えない場合には,特別の要求がない限り,密封線源の使用条件及び設
計に対する個別の評価は必要ないが,表2の値を超える場合には,密封線源の仕様を個別に考慮しなけれ
ばならない。
表2−核種グループ別放射能レベル
放射性核種グループ 最大放射能
(附属書A参照) TBq(Ci)
浸出性 非浸出性
A 0.01(0.3) 0.1(3)
B1 1.11(30) 11.1(300)
B2 11.1(300) 111(3 000)
C 18.5(500) 185(5 000)
6 性能要件
6.1 一般要求事項
一般要求事項は,次による。
− 密封線源は,製造後,表面汚染がないことを確認するため,表面汚染検査を行わなければならない。
この検査は,JIS Z 4821-2の5.3(ふき取り試験)に規定する試験のいずれかで行う。
− 密封線源は,製造後,密封性があることを確認するため,漏出検査を行わなければならない。この検
査は,JIS Z 4821-2に規定する漏出試験方法の少なくとも一つで行う。
− 密封線源は,製造後,放射線出力測定を行わなければならない。ただし,放射線出力測定ができない
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線源もある。このような場合には参照標準との比較測定又は含まれる放射性物質についての記述でも
よい(例えば,ベータ線源はイオン電流出力又は他の方法によって測定される場合がある。)。
− 密封線源は,放射能を評価しなければならない。放射能は,放射線出力測定の結果,又は製造に用い
た原料の放射能から求める。
− 密封線源は,箇条7で規定する等級試験を行い,箇条4によって等級を決定する。
− 密封線源の試験結果,その他を記載した試験成績書を箇条9によって作成しなければならない。
− 密封線源は,箇条8によって表示しなければならない。
− カプセルは,物理的及び化学的性質が内容物に適した材質とする。カプセルに密封した状態で,中性
子などを直接照射して密封線源を作る場合は,JIS Z 4821-2によって放射性物質がカプセルから遊離
せず,漏出がないことを示さなければならない。
− 試験線源に封入する放射能は,試験環境において十分に安全な数量(例えば,137Csでは1 MBq程度)
とする。
6.2 代表的な用途に対する密封線源の性能要件
代表的な用途に対する密封線源の性能要件は,次による。
密封線源,線源アセンブリ又は装備機器用線源の代表的用途について要求される最低限の性能要件を,
表3に示す。
曲げ試験は,7.7に規定する試験のうちの一つ又はそれ以上とする。
密封線源の線源部の長さ(L)とカプセルの最小径(D)との比が15以上(L/D≧15)の場合は,7.7.1
の曲げ試験を行う。例えば,カテゴリIの照射装置に使用する密封線源に必要な等級は,4,カテゴリII,
III及びIVの照射装置に使用する密封線源の等級は,5となる。
密封線源の線源部の長さ(L)とカプセルの最小径(D)との比が10以上(L/D≧10)で,Lが100 mm
以上(L≧100 mm)の場合は,必要な等級は,7であり,曲げ試験は,7.7.2による。
密封線源の線源部の長さ(L)が30 mm以上(L≧30 mm)の照射治療用小線源の場合は,必要な等級は,
8であり,曲げ試験は,7.7.3による。
これらの要件は,通常使用及び一般に起こり得る事故を考慮しているが,火災,爆発,腐食のことは,
考慮していない。装備機器用線源の場合,表3に示す等級は,装備機器による保護効果を考慮している。
したがって,装備機器用線源の等級試験は,機器から取り外した状態で行う。ただし,イオン発生用線源
は,収納する容器と組み合わせた状態で試験してもよい。また,事故のような特殊な条件が推定される場
合は,製造業者及び使用者は,それぞれの場合に応じて,適切な試験を考慮しなければならない。
なお,表3に示す数字は,表1における等級を示す。
6.3 等級の決定手順及び性能要件
6.3.1 附属書Aによって,放射性核種グループを決定する。
6.3.2 表2によって,放射能レベルを決定する。
6.3.3 火災,爆発,腐食などによる密封線源への影響を,次によって評価しなければならない。
a) 密封線源の放射能が表2の値を超える場合,又は火災,爆発及び腐食による危険がある場合は,性能
試験の内容並びに密封線源の設計及び使用条件について,個別に評価しなければならない。
b) 密封線源の放射能が表2の値を超えない場合で,かつ火災,爆発及び腐食による危険がないときには,
密封線源の用途又は使用条件に対して最低限要求される等級を決定してもよい。
6.3.4 密封線源の用途又は使用条件に対して最低限要求される等級を決定し,その性能要件を表1から選
択する。
――――― [JIS Z 4821-1 pdf 8] ―――――
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6.3.5 密封線源の等級は,表1によって決定する。適切な等級は,用途に応じて表3から選択することが
できる。
表1における等級1から等級8までの数字は,等級を示す数字が大きくなるにつれて条件が厳しくなっ
ている。ある等級の密封線源は,その等級又はそれよりも低い等級の使用条件に適用することができる。
6.4 ワーキングライフ
6.4.1 ワーキングライフは,設計上の環境及び使用条件で,密封線源が記載された性能を満足すると製造
業者が定めた期間を表す。
6.4.2 ワーキングライフの期限を超えて使用する場合,又は設計上の使用条件の範囲を超えて使用する場
合には,密封線源がその使用に耐え得るかどうかをあらかじめ検討することが望ましく,さもなければ,
密封線源を交換するのがよい。
6.4.3 ワーキングライフを超過しても必ずしも密封線源が使用及び輸送に適さないわけではなく,継続使
用に適するかの妥当性評価の必要性を意味することになる。
6.4.4 妥当性評価には,漏出及び/又は表面汚染検査,並びに安全設計及び使用環境からの影響の再検討
を含めることが望ましい。
6.4.5 適切な機関による検査及び技術評価に基づき,個々の密封線源のワーキングライフを延長すること
ができる。適切な機関は,製造業者とするのが望ましい。
6.4.6 製造業者の指示に従って密封線源の健全性を維持することは,使用者の責任である。
表3−代表的な用途に対する密封線源の性能要件
密封線源の用途 要求される試験項目及び等級
温度 圧力 衝撃 振動 パンク
ラジオグラフィ用線源 機器に装備されていないもの 4 3 5 1 5
(工業用) 機器に装備されているもの 4 3 3 1 3
医療用線源 ラジオグラフィ用 3 2 3 1 2
γ線遠隔照射治療用 5 3 5 2 4
組織内及び腔内用a) 5 3 2 1 1
表面照射用b) 4 3 3 1 2
γ線ゲージ 機器に装備されていないもの 4 3 3 3 3
(中,高エネルギー) 機器に装備されているもの 4 3 2 3 2
β線ゲージ及び低エネルギーγ線ゲージ又は 3 3 2 2 2
蛍光X線分析用線源b)
石油検層用線源 5 6 5 2 2
可搬形水分計及び密度計用線源 4 3 3 3 3
一般的用途の中性子線源(原子炉始動用を除く。) 4 3 3 2 3
校正用線源(1 MBqを超えるもの) 2 2 2 1 2
γ線照射用線源d) カテゴリI b) 4 3 3 2 3
カテゴリII,III,IV c) 5 3 4 2 4
イオン発生用線源c) クロマトグラフィ用 3 2 2 1 1
静電気除去装置用 2 2 2 2 2
煙感知器用b) 3 2 2 2 2
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表3−代表的な用途に対する密封線源の性能要件(続き)
注a) この種の密封線源は,使用時に変形しやすいので,受渡当事者間の協定によって,これ以外の試験も
行うことが望ましい。
b) 気体を封入した密封線源は,除外してある。
c) 密封線源と装置又は装置の一部との組合せで試験してもよい。
d) γ照射用線源は,四つのカテゴリに分類する。
カテゴリI : 機器に装備されていて乾式保管のもの。
カテゴリII : 機器に装備されていなくて乾式保管のもの。
カテゴリIII : 機器に装備されていて湿式保管のもの。
カテゴリIV : 機器に装備されていなくて湿式保管のもの。
7 試験方法
7.1 一般
7.1.1 ここに規定する試験は,等級の決定をするための試験である。試験の条件は,最低限の要求である。
ここで示す手順と少なくとも同等と認められる手順であれば適切とみなす。温度試験以外の全ての試験は,
室温で行う。
7.1.2 各試験に,同形式の少なくとも二つの試験線源を用い,全てが7.1.5の規定を満たさなければなら
ない。
7.1.3 試験は,最も影響を受けやすい向きで実施しなければならない。その向きは,技術的な分析によっ
て決定するのがよい。2か所以上の位置が影響を受けやすいと考えられる場合は,試験は,全ての影響を
受けやすい向きについて,少なくとも二つの試験線源を用いて実施するのがよい。
7.1.4 異なる試験線源を各試験に用いてもよい。試験は,任意の順序で実施し,重複して実施する必要は
ない。
7.1.5 試験への適合性は,各試験の後,密封線源から内容物の漏出がなく,密封性が維持されていること
によって定める。試験線源は,外観検査によって健全性が確認され,JIS Z 4821-2によって適切な漏出試
験に合格しなければならない。試験線源に物理的及び化学的性質が実物に類似した放射性物質を封入した
線源を用いる場合には,選択した方法の適合性を評価しなければならない。
7.1.6 二重以上のカプセルからなる試験線源の場合,少なくとも一つのカプセルの密封性が保証されれば
合格とする。
7.2 温度試験
7.2.1 装置
加熱又は冷却用装置の内容積は,試験線源の体積の少なくとも5倍以上でなければならない。
7.2.2 手順
試験は,固体二酸化炭素(ドライアイス)を用いた二酸化炭素雰囲気中での低温試験の場合を除き,空
気中で行う。
注記 ドライアイスを用いた場合,要求される温度より低くなることがある。
低温試験は,試験線源を45分以内に試験温度まで冷却しなければならない。高温試験は,試験線源を少
なくとも表4に示す時間以内又は類似の温度上昇勾配となるように試験温度まで加熱する。
――――― [JIS Z 4821-1 pdf 10] ―――――
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