JIS Z 4821-1:2015 密封放射線源―第1部:一般要求事項及び等級 | ページ 3

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Z 4821-1 : 2015 (ISO 2919 : 2012)
表4−試験温度及び昇温時間
温度 時間
℃ min
80 5
180 10
400 25
600 40
800 70
等級2及び等級3では,少なくとも最高温度を1時間保持し,その後,加熱装置内又は実験室内で徐々
に冷却する。
等級4,等級5及び等級6では,少なくとも最高温度を1時間保持した後,熱衝撃試験を行う。
熱衝撃試験は,室温で,試験線源を1分間当たり試験線源体積の10倍以上の流量で流れている水中,又
は試験線源体積の20倍以上の静水中に15秒以内に移す。室温は約20 ℃が望ましい。

7.3 圧力試験

7.3.1  装置
圧力計は,試験圧力より10 %以上広い圧力範囲で校正したものを用いる。真空計は,少なくとも20 kPa
絶対圧程度まで読み取れるものでなければならない。表1に規定する減圧及び加圧それぞれの試験には,
別の装置を用いてもよい。
7.3.2 手順
試験線源を装置の中に入れ,5分間ずつ2回,試験圧力を保持する。各回の加圧は,大気圧から始める。
低圧試験は,空気中で行う。高圧試験は,試験線源に接する媒体として水を用いる水圧法によって行う。
油が試験線源と直接接触すると,一時的に小さな漏出を塞ぐことがあるので,油を用いない方がよい。

7.4 衝撃試験

7.4.1  装置
7.4.1.1 鋼製ハンマ
鋼製ハンマは,直径が(25±1)mmで,下面は,半径が(3.0±0.3)mmの丸みの縁をもつ平らな打撃
面であり,上部には,取付け具をもつものとする。鋼製ハンマの重心は,打撃面の中心線上にあり,この
中心線は,取付け点を通る。鋼製ハンマの質量は,等級ごとに表1による。
7.4.1.2 鉄床
鉄床の質量は,鋼製ハンマの10倍以上であり,衝撃時に傾くことのないように固定する。また,上面は,
試験線源を置くのに十分な面積で,かつ,平らなものでなければならない。
7.4.2 手順
表1の等級に応じて鋼製ハンマの質量を選ぶ。鉄床上の試験線源の最上部から鋼製ハンマの最下部まで
の距離が1 mになるように調整する。試験線源の最も弱い部分に鋼製ハンマが当たるように,試験線源の
位置を調整し,試験線源に鋼製ハンマを落下させる。

7.5 振動試験

7.5.1  装置
試験に適した振動試験装置を用いる。
7.5.2 手順
試験線源を振動試験装置の台に固定する。試験線源は,台に常時接触していなければならない。等級2

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Z 4821-1 : 2015 (ISO 2919 : 2012)
及び等級3の試験は,規定した各条件で3回繰り返す。最低振動数から最高振動数まで一定の割合で振動
数を増大させ,最高振動数で10分間以上振動させた後,最低振動数に戻す。共振が起きた場合は,各々の
共振振動数で30分間試験を行う。
等級4の試験線源は,表1に示した条件で3回繰り返す。最低振動数から最高振動数まで一定の割合で
振動数を増大させ,最高振動数で30分間以上振動させた後,最低振動数に戻す。共振が起きた場合は,各々
の共振振動数で30分間試験を行う。
これらの試験は,最大,3軸で行う。球状の試験線源では,任意の1軸で行う。断面がだ円形又は円形
の試験線源では,対称軸方向と対称軸に垂直な任意の方向の2軸で行う。その他の試験線源では,外形上
重要な3方向で行う。

7.6 パンク試験

7.6.1  装置
7.6.1.1 鋼製ハンマ
鋼製ハンマは,上部に取付け具をもち,下部にピンを固定したものを用いる。ピンの中心線は,重心と
鋼製ハンマの取付け点を通る。鋼製ハンマとピンとの総質量は,試験の等級に応じて定める。ピンの仕様
は,次による。
a) ロックウェル硬度C : 5060
b) 全長 : (6.0±0.2)mm(鋼製ハンマの表面から)
c) 外径 : (3.0±0.1)mm
d) 打撃面 : 半球状
7.6.1.2 鉄床
鉄床は,質量が鋼製ハンマの10倍以上であり,試験時に傾くことのないように固定する。試験線源と鉄
床との接触面は,試験時に変化しない十分に大きいものとする。必要な場合は,適切な支えを用いてもよ
い。
7.6.2 手順
表1によって等級に応じた鋼製ハンマとピンとの総質量を決める。鉄床上の試験線源の最上部からピン
の先端までの距離を通常1 mとし,試験線源の最も弱い部分にピンが当たるように,試験線源の位置及び
ピンの位置を調整し,鋼製ハンマを落下する。
なお,試験線源の大きさなどの理由で試験が行えない場合は,滑らかな案内管を用いてもよい。

7.7 曲げ試験

7.7.1  密封線源がL/D≧15の場合
この曲げ試験は,密封線源がL/D≧15の場合に適用する(L : 線源部の長さ,D : 線源部の長さにわたっ
て,カプセルの最小の外径又は密封線源の主軸と垂直方向の外寸法)。
等級によって,図1に示すシリンダ配置及び加える静的な力の大きさが異なる。
3個のシリンダを回転しないように固定し,また,長軸が互いに平行になるように置く。シリンダの表
面は,滑らかで,試験中にカプセルの表面に完全に接触するだけの十分な長さが必要である。シリンダは,
ロックウェル硬度Cが5055の硬い物質で作製したものを用いる。試験に際して不必要な力の増加がな
いように,動的な力を加えないように注意する。静的な力を試験線源の最も弱い部分に加える。
等級ごとの静的な力の大きさを表1に示す。
柔軟性のある試験線源の場合は,加圧シリンダの軸が2個の支持シリンダの軸を通る平面を通過するま
で試験し,密封性が保たれる場合に合格とする。

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記号
1 静的な力
2 加圧シリンダ(直径5D)
3 2個の支持シリンダの軸を通る平面
4 支持シリンダ(直径2D)
5 試験線源
図1−曲げ試験パラメータ
7.7.2 密封線源がL/D≧10で,かつL≧100 mmの場合
この曲げ試験は,密封線源がL/D≧10で,かつ,L≧100 mmの場合に適用する(L : 線源部の長さ,D :
線源部の長さにわたって,カプセルの最小の外径又は密封線源の主軸と垂直方向の外寸法)。
試験線源をクランプで水平に固定し,試験線源全長の1/2がクランプから突き出るようにする。鋼製ハ
ンマの平面部をカプセルの突き出た先端部に,最大の損傷を与えるように衝突させ,質量1.4 kgのものが
1 mから自由落下したのと同等の衝撃を与える。
鋼製ハンマの外径は,(25±1)mmで,打撃面の端部を半径(3.0±0.3)mmで丸めたものを用いる。
この曲げ試験に合格した密封線源は,等級7である。
7.7.3 照射治療用小線源の場合
この曲げ試験は,全長が30 mm以上の照射治療用小線源に適用する[2]。
試験線源の全長の約1/3を適切な器具で固定する。突き出た部分を適切な器具(プライヤなど)でつか
み,曲げ半径(3.0±0.1)mmで,90°以上曲げた後,まっすぐに戻す。
この曲げ試験に合格した密封線源は,等級8である。

8 表示

  物理的に可能な場合には,カプセル及び線源アセンブリに,次の事項を製造業者の定める優先順位に従
って,読みやすく,容易に消えない方法で表示しなければならない。
a) “放射性”又は“radioactive”の文字。これらの文字による表示ができない場合は,ISO 361に規定す

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Z 4821-1 : 2015 (ISO 2919 : 2012)
る放射能を表すシンボルマークとする。
b) 製造業者名又はその略号
c) 線源番号
d) 核種の元素記号及び質量数
e) 中性子線源の場合,そのターゲット元素
カプセルへの表示は,試験を実施する前に行う。

9 試験成績書

  製造業者は,全ての密封線源又はバッチごとに試験成績書を発行しなければならない。
試験成績書に記載する事項は,次による。
a) 製造業者名
b) 箇条4に示す等級。
c) 特別形承認番号がある場合は,その番号。
d) 形式番号
e) 線源番号
f) 核種の元素記号,質量数などの記述。
g) ワーキングライフ
h) 放射線出力測定の結果,又は製造に用いた原料の放射性物質の仕様から求めた放射能の数量。
i) 放射線出力,参照標準による測定量又は構造の明細。
j) 表面汚染検査の方法,結果及び実施日時。
k) 漏出検査の方法,結果及び実施日時。
密封線源の試験成績書の例を,附属書Bに示す。
注記1 試験成績書に密封線源に関する適切で詳細な記述を加えることは差し支えない。特に,カプ
セルに関しては,形状,材質,壁厚及び密封方法を,内容物に関しては,化学形及び物理的
形状,寸法,質量又は体積,並びに放射性不純物の量を記述してもよい。
注記2 特別形とは,参考文献[1]における“special form”である。

10 品質保証

  全ての密封線源に関する設計,製造,試験,検査及び文書管理における品質保証計画は,JIS Q 9001又
はそれと同等の規格による。製造業者は,密封線源の設計及び製造に適した品質保証計画を確立していな
ければならない。

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Z 4821-1 : 2015 (ISO 2919 : 2012)
附属書A
(参考)
放射性核種グループ
次に掲げる分類は,ICRP Publication 5 [8]に基づいている。さらに,追加核種として125I,67Ga,87Y及び
111Inを含んでいる。
括弧内の数字は,Euratom Directives 84/466 [9]及び84/467 [10]が推奨するグループで,(2),(3)及び(4)は,
それぞれグループ2,グループ3又はグループ4を示す。
グループA
227Ac 242Cm 231Pa 241Pu 228Th
241Am 243Cm 210Pb 242Pu 230Th
243Am 244Cm 210Po 223Ra 230U
249Cf 245Cm 238Pu 226Ra 232U
250Cf 246Cm 239Pu 228Ra 233U
252Cf 237Np 240Pu 227Th 234U
グループB
サブグループB1
228Ac 36Cl(3) 125I 212Pb 160Tb(3)
110mAg 56Co(3) 126I 224Ra 127mTe(3)
211At 60Co(3) 131I 106Ru 129mTe(3)
140Ba(3) 134Cs 133I(3) 124Sb(3) 234Th(3)
207Bi(3) 137Cs(3) 114mIn 125Sb(3) 204Tl(3)
210Bi 152(13y) Eu 192Ir(3) 46Sc(3) 170Tm(3)
249Bk 154Eu 54Mn(3) 89Sr(3) 236U
45Ca(3) 181Hf(3) 22Na(3) 90Sr 91Y
115mCd 124I 230Pa 182Ta(3) 95Zr(3)
144Ce

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JIS Z 4821-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2919:2012(IDT)

JIS Z 4821-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4821-1:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISQ9001:2015
品質マネジメントシステム―要求事項