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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
3.2.3 文書(document) 使用者とシステムとの間で1単位としてマネジメントでき,かつ,交換できる
固定され構造化された一定量の情報の集まり。
[ISO/IEC 8613-1,修正]
備考 この単位は,必ずしも人間が知覚できる必要はない。情報は,通常データ媒体に保存される。
3.2.4 文書化(documentation) 与えられた主題に関連する文書の収集。
[JIS C 0454]
備考 これには,技術,商用,その他の文書を含む。
3.2.5 文書部分(document part) 文書の一部で,それ自身が役割をもっているもの。
[JIS C 0454]
3.2.6 集合文書(aggregated document) 論理的には従属しているが,物理的には独立してマネジメント
でき別々に識別される,文書(部分)からなる文書。
備考 集合文書は,それ自身のメタデータをもっている。
3.2.7 複合文書(compound document) 一つの特定のファイル構成にはり付けられた数個のファイルか
らなる文書。
3.2.8 文書セット(document set) 特定の目的のために1単位としてまとめてマネジメントする文書の
収集。
備考 文書セットのメタデータには,どの文書から構成されているかを記述してある。そのセットは,
それ自身のメタデータをもつがそれ自身の内容はない。
3.2.9 文書ライフサイクル(document life cycle) 文書の概念的な着想の段階から論理的・物理的に削除
されるまでの期間。
3.2.10 文書のバージョン(document version) 文書ライフサイクルの中で識別される文書の状態で,文
書の履歴として,又は配布を目的として,検索・取出しできるように記録してある文書の状態。
3.2.11 文書の改定(document revision) 正式に承認された文書のバージョン。
3.3 製品に関する用語
3.3.1 製品(product) 自然若しくは人工的プロセス又は労働を通して得られる“意図された結果”又は
“達成された結果”。
備考1. 通常,製品は,部品番号・注文番号・タイプ指定及び/又は名前をもつ。
2. 技術的なシステム,プラント又はサービスを,製品とみなすことがある。
[JIS C 0452-1]
3.3.2 製品ライフサイクル(product life cycle) 製品の概念的な着想の段階から最終廃棄までの期間。
[ISO 15226,修正]
3.4 ワークフローに関係する用語
3.4.1 成熟度(maturity level) 文書が示す計画した最終オブジェクトに関する情報の目的志向的完成度
合い。
3.4.2 有効性(effectivity) 日付又はできごとによって追跡できる,ある文書のバージョンが使用できるこ
との妥当性の証明。
3.4.3 承認(approval) あるものがあらかじめ定義した要求事項に適合していることの権威のある者に
よる保証。
3.4.4 発行(release) 文書がその目的に対して有効であることを公表する権威のある者の正式行為。
3.4.5 構成(configuration) あるシステムの要素の配列。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 6] ―――――
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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
[ISO 10007:1995]
備考 構成に関する原則及び実施についての更なる定義及び指針は,ISO 10007にある。
3.4.6 構成管理(configuration control) 文書の構成が正式に確立した後の,構成項目に対する変更管理
を含む行為。
[ISO 10007]
4. 文書マネジメントの原則
4.1 一般
文書のライフサイクルにわたるマネジメントのために,及びパートナ間の文書交換のために,
文書は,一組のメタデータ,すなわち,その文書を識別及び/又は記述するデータと関連付けられなけれ
ばならない。
そのようなメタデータは,次の部分に現れる。
− 表現された文書の可視部分として
− 文書マネジメントシステム間で転送される文書ファイルの中に
− 文書マネジメントシステム中の文書に関連して
− 検索及び取出しを目的として,文書とは独立してマネジメントされる単独の一組のデータとして
備考 紙に基づく環境では,メタデータと文章内容との間に明確な違いはない。なぜならば,両者と
もに同じオブジェクト内に現れるからである。EDMSを導入するに当たっては,両者を明確に
区別することが望ましい。
4.2 メタデータによって支援されるプロセス
メタデータは,そのデータ保管領域(リポジトリ)内に
おいて,文書のマネジメント,検索,取出しなどを可能にするための付加的な情報を提供する。
IEC 82045-2では,文書を交換及び共有することを目的として,意味的に正しく記述することを支援す
るためのデータ諸元項目のリストを規定している。
メタデータは,次のような課題を支援する。
− 文書の表示及び再加工のプロセス(表現の観点)
− 文書の識別(組織の観点)
− ワークフロー及び文書のバージョンのマネジメント(文書ライフサイクルの観点)
− 文書とその文章に関連付けられた製品との関係(製品の観点)
4.3 文書の概念
ここに示す文書の概念は,従来の紙による文書だけでなく,1単位(情報が格納された
一つの容器)として扱われるコンピュータベースの情報も取り扱う。この単位で,識別,構成,処理,管
理,交換及び伝達される。
この規格において文書は,単体文書,複合文書,集合文書又は文書セットのいずれかになり得る。
例を,次に示す。
− テキスト文書,例えば,文字による記述又はメッセージ。
− グラフィカル文書,例えば,製図,絵画,図形,図表。
− リスト,例えば,部品リスト。
− ハイパーテキスト文書,例えば,SGML,XML,HTML上にリンクされた文書。
− マルチメディア文書,例えば,テキスト,画像,ビデオ,音声を合成したもの。
− 電子情報パッケージ(バスメッセージ),例えば,クエリーメッセージ,自動ログメッセージ。
− CAxモデル,例えば,CAE,CAD,CAM,多観点のモデル。
4.3.1 単体文書 個々の文書は,メタデータに関係付けられている(図1参照)。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 7] ―――――
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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
備考 だ(楕)円形と長方形との間の線は,メタデータと文書との間の論理的連結を表している。
読取り :
メタデータに
関連した文書
図 1 関連メタデータをもった文書
例 ビジネスレター,メモ及びスケッチ
さらに,この規格では,次のより包括的な構造をサポートしている。
4.3.2 複合文書 文書は,結果として二つ以上の種類の文書から構成されたものになる。例えば,技術仕
様文書は,テキストファイル及び/又は画像的表現のファイルからなる。個々のファイルは,異なったソ
フトウェアアプリケーションによって作られる場合もある(図2参照)。結果としての文書からは,それの
前段階のプロセスは分からない。
複合文書に含まれる他文書とのリンクのマネジメントについては,4.4を参照。
備考 点線の矢印は,過去に使用した情報源を指している。
図 2 複合文書の概念
例 表計算シート,他の文書表現などからなるレポート。
4.3.3 文書集合 文書集合は,それぞれがそれ自身でメタデータとの関連付けをもっている独立した文書
の集合である。文書集合はメタデータをもつが,必ずしも自身の単独の文書をもつ必要はない(図3を参
照)。
備考 文書集合には,何がどのように集合しているかの“レシピ”が含まれている。このレシピは,
文書集合のメタデータ又は文書自体の一部である。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 8] ―――――
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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
必す(須)
必す(須)
図 3 文書集合の概念
例 相互リンクが取られているウェブページ。モデルファイルの参照を伴うCAD図面。
4.3.4 文書セット 文書セットは,それ自身のメタデータをもつ。そのメタデータは,文書セットに含ま
れている文書のリストだけでなく文書セットの目的が記述されている。文書セットに含まれる各文書は,
それ自身のメタデータをもっている。図4を参照。
必す(須)
必す(須)
図 4 文書セットの概念
例 一つの配布リストによって一式として受取人へ送付された文書セット。入札用書類文書一式。マ
ネジメントシステムの中のフォルダ。
4.4 リンクされた文書
作成段階の文書のバージョンは,その構成要素となっている他の文書などに連
結するリンクをはり付けてもよい。しかし,文書のバージョンが,例えば,承認及び発行のためにバージ
ョン管理下に入る場合(すなわち,内容が固定化される場合)は,連結するリンクは許されない。能動的
に変化するリンクによってバージョンの内容が変更してしまうからである。
備考 能動的に変化するようなリンクをもつ文書は,製造物責任などに関する問題が生じる可能性が
あることに注意を要する。
4.5 文書のバージョン
4.5.1 一般 文書を使用及び/又は処理する限定された環境の中では,新しい文書のバージョンの発行基
準を定めなければならない。一般的に次の2種類の変更が発生する。
a) 情報の変更
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 9] ―――――
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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
b) 情報の可視的な表現の変更
発行された文書のバージョンの基礎となる情報が変更される場合,文書のバージョンを新しくしなけれ
ばならない。
文書の表現の変更の場合は,必ずしもバージョンを新しくする必要はない。
4.5.2 バージョンの有効性 文書のバージョンは,一つ又は複数の定められた目的のために発行すること
ができる。文書のバージョンのそれぞれの目的には,有効となる時期及び期間,すなわち,バージョンの
有効性を宣言する。目的とともにその有効性が変わった場合は,新しいバージョンを作成せずに,目的を
変更してその有効期間を延長してもよい。
4.5.3 連続的に有効性が遷移するバージョン 連続的に有効なバージョンを更新する場合,最新に発行さ
れた文書のバージョンが唯一効力をもつ。すなわち,新しく発行されたバージョンは,同じ文書で以前に
発行されたバージョンに絶えず取って代わる。このことは最新発行のバージョンが,その文書の以前のバ
ージョンで意図した目的のすべてを包含していることを意味している。新しい文書のバージョンが発行さ
れる場合,“取って代わる/取って代わられる”という双方向の関係が新旧のバージョン間で確立されなけ
ればならない。先行のバージョンのメタデータに,それが後続のバージョンによって取って代わられるこ
とを記述する。また,後続のバージョンのメタデータに,それが先行のものに取って代わることを記述す
る。
メタデータに関して必要な情報については,6.6.2を参照。
備考1. JIS Q 9000によれば,関連しているパートナーには,新しい文書のバージョンについて知ら
せることが望ましい。
2. 手作業による文書マネジメントシステムでは,すべての変更,改訂などは,通常,一つの“マ
スタ文書”に参照できるようにすることが重要である。その文書には,以前に発行されたす
べての文書のバージョンの履歴を含む。発行された個々の文書のバージョンの読取専用のも
のは,法的責任対応という理由で保存する。
3. 電子文書マネジメントシステムでは,その結果,すべての発行された文書のバージョンが参
照用及び法的責任対応の目的で保存される。
4.5.4 同時に複数有効性が存在するバージョン 同時に有効なバージョンが複数存在する方法が適用さ
れる場合,幾つかの発行された文書のバージョンが同時に有効である。すなわち,新しく発行された文書
のバージョンは,同じ文書の以前に発行されたバージョンに自動的には取って代わることはない。
バージョンのそれぞれの決められた目的は,その目的の明確な終了,すなわち,決められた有効期限ま
では有効である。
備考 文書のバージョンに関連した目的の有効性が変更される場合,関連するパートナーに知らせる
ことが望ましい。
図5は,連続的及び同時発生的に有効な文書のバージョンの違いを示す。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8245-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 82045-1:2001(IDT)
JIS Z 8245-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.01 : ITの応用一般
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.110 : 工業製品の文書化
JIS Z 8245-1:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0451:2004
- 電気及び関連分野―プラント,システム及び装置用の技術文書の分類及び指定
- JISC0452-1:2004
- 電気及び関連分野―工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品―構造化原理及び参照指定―第1部:基本原則
- JISC0454:2005
- 電気及び関連分野―技術情報及び文書の構造化