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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
図 5 連続的に有効な文書のバージョン及び同時発生的に有効な文書のバージョン
メタデータに関しての必要な情報については,6.6.2を参照。
4.5.5 製品設計の成熟度 同時平行で進むエンジニアリング環境の中では,文書は,平行して進行する作
業に対して情報を提供するのに使用される。
成熟度は,文書が示す計画した最終製品に対する目的志向的完成度合いを示す。特定の目的ための成熟
度は,一つ又は複数の発行された文書のバージョンの集合によって表される。それぞれの文書のバージョ
ンは,一つ又は複数の目的のためのものである。成熟度は,同時にそれぞれ並行して作業を行うのに適し
ている。ある場合には,例えば,特定の適用領域において,若しくは特定の製品又は特定の種類のプロジ
ェクトにおいて,あらかじめ定義した成熟度を列挙することが可能である。しかし,通常,適用できるも
のはない。
成熟度は,製造物責任及び/又は法的責任に関して何も示さない。
成熟度の概念を,図6に示す。
製品の販売
製品開発
第4段階−目的n+2用文書のバージョンの発行
第3段階−目的n+1用文書のバージョンの発行
第2段階−目的n用文書のバージョンの発行
第1段階−目的m用文書のバージョンの発行
予備的発行
設計・開発からのアウトプット及び発行時期
図 6 成熟度の概念
5. 使用環境に関連した文書のメタデータ
5.1 一般
文書マネジメントに関するメタデータには,次に示すような様々な種類がある。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 11] ―――――
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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
− 文書ライフサイクルに関連したメタデータ。
− そのオブジェクトを作り出すビジネスプロセス(“製品ライフサイクル”)に関連したメタデータで,
情報の伝達手段として使用されるもの。
− 当該する製品及びその構造に関連したメタデータ。
− ビジネスプロセスを運用している組織の一般的知識ベースの生成及び維持管理に関連したメタデータ。
文書(様々な完成度合いをもった文書)は,製品ライフサイクルでの一つの作業プロセスの結果とみな
すことができ,順次,次のプロセスに情報を伝達するものである。
ある環境下にある製品に関連した文書は,通常,一つ又は複数の製品に関連している。その文書自体は,
その製品又はプロセスについての情報の一部を示すものである。
文書ライフサイクルは,製品のライフサイクルからは独立しているが,個々の文書のバージョンは,製
品のライフサイクル中の一つ又は複数の段階に関連している。
文書は,情報を示している。情報は,企業においては重要な資源である。したがって,情報は,プロセ
ス及び製品から独立してマネジメントすることが望ましい。
文書マネジメントシステムの典型的な環境を,附属書Aに示す。
5.2 オブジェクトに関連したメタデータ
あるバージョンの中で取り扱うオブジェクト(例えば,製品,
プロセス)に属する情報は,文書のメタデータに含めない方がよい。統合化されたシステム環境(例えば,
製品データマネジメントシステム)では,これらのデータは,関連するオブジェクト(例えば,製品バー
ジョン,ワークフロー)に属するものとし,関係する文書は相互リンクによって参照するものとする。そ
のような統合化された環境がない場合,これらの情報の一部を,例えば,より容易に取出しが可能な文書
マネジメントシステムで実行してもよい。
この規格群は,これらのオブジェクトに関連する多くのデータ諸元項目の内容を規定するものである。
6. 文書ライフサイクル内の活動に関連したメタデータ
6.1 一般
文書は,各種のメタデータと関連しており,その種類及びデータ量は,そのライフサイクル
の段階によって大きく異なる。それらを容易にマネジメントできるようにするために,この箇条では,文
書ライフサイクルの段階を構造化原則のように取り扱う。
文書マネジメントとは,文書ライフサイクル中の文書の取扱いについての規則及び手順を確立すること
である。文書ライフサイクルを幾つかの段階に分割し,それぞれの段階で一定の機能を果たすのための要
件を含むようにする。
文書ライフサイクル中の段階を,次のように分類する。
− 着手
− 作成
− 確立(調査及び承認)
− 使用
− 改訂
− 廃止
− 削除
図7に文書ライフサイクルに沿った活動,及びそれぞれの段階で遂行される特徴的な作業項目を示す。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 12] ―――――
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−検索
−取出し
−検索 −閲覧
−取出し −削除
−閲覧 −フォーマット更新
−削除 −代替情報媒体提供
−検索 −編集 −回覧 −通知 −着手 −着手 −着手
−再利用 −検索 −調査 −購読 −検索 −検索 −検索
−識別 −再利用 −検討 −配布 −前面改訂 −協調 −協調
−分類 −半自動 −承認 −全複写 −校正 −承認 −承認
−目次 −生成 −発行 −部分複写 −記述 −廃止 −消去・削除
−回覧 −代替フォー −協調 −ファイル履
−参照 マット提供 歴
−共同作業 −情報媒体提 −取出し
供
−取出し
−閲覧
−内容分析
図 7 文書ライフサイクルに沿った活動
着手段階では,文書を識別できるようにしなければならない。文書を文書マネジメントシステム又はそ
の使用環境の中で一意に識別しなければならない。
文書に関する分類情報を適切に付与しなければならない。文書を一つ又は多数の特定した分類システム
と関連付けてもよい。
作成段階では,内容を展開する。
文書マネジメントの手順(JIS Q 9000シリーズ参照)に従って,責任ある組織内で文書の調査及び承認
を行うことが望ましい。
契約上の要求がある場合には,更に,外部の承認手続き段階を完了する必要がある。
いったん,承認手続きに入ったら,文書内のすべての変更は,追跡可能でなければならない。
確立段階は,発行によって完了する。発行とは,文書が意図した目的に使用できることを意味する。
改訂段階では,文書の内容を変更する。
ある期間が過ぎて,文書が使用されなくなる場合がある。そのような場合には,その文書を廃止する。
しかし,その文書は,アーカイブ(6.7参照)として,より長期間保存しなければならない。このことに
関する法的な要求は,大きく変わる可能性がある。加えて,契約によって,最小限の法的要求期間よりも
延長される場合がある。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 13] ―――――
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Z 8245-1 : 2006 (IEC 82045-1 : 2001)
アーカイブからの消去・削除とは,関連するメタデータを含み,その文書を削除し,追跡できないよう
にすることをいう。
備考 その文書を参照しているものがある場合は,消去することはできない。その文書が他のところ
で参照されている可能性がある場合は,メタデータを保存しておく方がよい。メタデータを保
存することによって,その参照が正しいことが明らかになる。メタデータが保存されていない
場合,使用者は,その参照の正しさが判断できない。
6.2 着手段階
6.2.1 一般 この段階は,文書の入口である。後で文書を作成するために必要なデータを収集し,そろえ
る段階である。この段階は,製造計画プロセスの開始に相当する。この段階には,文書の内容の,すなわ
ち,個々のオブジェクトの説明及びデータを伴う文書の中身の作成・確立は含まない。この段階での成果
物は,枠組みであり,その枠組みの下で当該の文書を作成する。
6.2.2 識別 文書は,決められた使用状況において明確な識別を必要とする。識別することによって,そ
の文書を参照することが可能になる。その識別は,不変のものとし,表現の形式及び文書上の物理的な場
所に依存してはならない。
このことは,一つの文書を異なる言語バージョンで表すことができることを意味する。さらにいえば,
一つの文書を物理的に異なる様式,ハードコピー,マイクロフィルム,映像などで表すことも可能である。
したがって,文書の作成,表示及びマネジメントに使用するツールによっては,同一の文書が別々の使
用者には異なったものとして見えるかもしれない。これは,文書が必ずしもすべてのケースにおいて情報
の全体集合を示すものではないからである。
同じ情報内容を含んでいる限り,同じ文書である。
同じ情報を,例えば,表示のために使用する電子的なテンプレート,スタイルシートなどによって,視
覚化してもよい。したがって,同じ情報は,例えば,xml,doc,tif,pdf,rtfのような物理的に異なる形式
(ファイル)で,利用できるようにすることも可能である。しかしながら,独立した文書として視覚化し
た表現としての取扱いを望む場合,この文書は,その出典(原典)を逆参照しなければならない。
ここでのメタデータとしては,次のいずれかの内容をもたなければならない。
− 組織を元とした文書識別
− 国際文書ナンバリングシステム,例えば,ISBN, ISSN
− IDDN(interdeposit digital number)などのデジタル出版物の国際的な識別子
− 国際商品コードシステム, 例えば,JAN/EAN/UPC
6.2.3 分類 分類することによって,文書の特徴に関する情報が明らかになる。また,分類することによ
って,類似の及び/又は同一の問題を扱う文書の検索及びデータ取出しが容易になる。
分類する場合には,様々な個別に独立した分類方式を適用してもよい。ここでいう分類方式とは,例え
ば,JIS C 0451,ICS,レポジトリ又はシソーラスから選定してあらかじめ定義した記述子[文書の内容(見
出し)から生み出したキーワードではない],部品群,用紙サイズの様式,用途制限による分類などのこと
である。
ここでのメタデータとして,次のものが考えられる。
− 契約上の識別子並びにパートナーである組織及びその役割。
− 作業指示書の識別子。
− プロジェクトの識別子。
− 所有者,著者及び関連組織のデータ。
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− 文書識別システム。システムが複数ある場合,それぞれはあらかじめ決められた出典に基づいており,
特定の一つの組織に関連していなければならない。これらの組織の一つは,管理者でなければならな
い。6.2.2参照。
− 文書の役割。
− 文書の内容を示す文書の表題。
− 文書で使用する言語。
− 記載されたオブジェクト,例えば,識別された製品の参照。
− 発行日,有効期限。
− 作業分類体系における特定のノードとの対応。
− 文書化体系における特定のノードとの対応。
− 文書分類システム。複数ある場合は,それぞれはあらかじめ決められた出典に基づく。6.2.3参照。
− 文書の作成に使用する国際規格,地域規格,国家規格及び/又は契約文書のリストへの参照情報。こ
のリストは,例えば,文書化規格(JIS C 1082-1[1](1), JIS C 0452-2[2], JIS C 0455[4], JIS C 0450[3]
など),品質保証要求事項(JIS Q 9000など)を含む。
注(1) 角括弧内の数字は,参考文献の番号を示す。
備考1.プロジェクト全体に有効な品質保証上の要求を契約資料に包括的に規定することが望ましい。
− 内外の文書承認用及び/又は製品検査用の仕様書として利用する文書リストへの参照情報(例えば,
チェックリストなど)。
備考2. これらの参照情報は,例えば,契約,プロジェクト又はプロジェクトの一部で提供される
すべての文書に適用することが可能である。
− 文書のバージョン履歴(例えば,置換,更新)。
− (あらかじめ設定した)セキュリティ等級。この等級は,文書のバージョンを進めることなしに変更
することが可能である。
− メタデータ及び関連文書内容へのアクセス権(例えば,読取り,書込み,削除,変更,確立などの権
利)をもつ個人又は組織。
備考3. アクセス権は,ライフサイクル全体にわたって使用され,数度にわたり変更される場合も
ある。
− 国家的,地域的又は組織的な契約で定めた譲渡制限。
− 契約又は業務指示書で規定された利用上の権利又は責任。
− 著作権,特許権及びISO 16016に基づく権利の保護。
− 適用する評価及び承認手続。
− 複数の言語によって表現された同一の情報をもつ文書がある場合は,原典(原語)の識別。
− 電子文書の作成に使われたテンプレート及び出典の識別。
データ諸元項目の定義のリストに関するすべての情報については,IEC 82045-2を参照。
6.3 作成段階
この段階は,文書の着手段階の後に始まる。これは,文書を作成し確立作業へ引き渡す
までの段階である。
新規文書は,相当の範囲で他の文書又はその一部に基づいて作成される。大多数の体系的な様式では,
テンプレート文書を利用したり類似文書を参考にしたりする。出典は,明確にしなければならない。この
ことは,版権による制約,履歴マネジメント,法的理由などの要求がある場合に,特に重要である。
この段階でのメタデータとして,次のものが考えられる。
――――― [JIS Z 8245-1 pdf 15] ―――――
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JIS Z 8245-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 82045-1:2001(IDT)
JIS Z 8245-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.01 : ITの応用一般
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.110 : 工業製品の文書化
JIS Z 8245-1:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0451:2004
- 電気及び関連分野―プラント,システム及び装置用の技術文書の分類及び指定
- JISC0452-1:2004
- 電気及び関連分野―工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品―構造化原理及び参照指定―第1部:基本原則
- JISC0454:2005
- 電気及び関連分野―技術情報及び文書の構造化