JIS Z 8402-1:1999 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義 | ページ 4

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Z 8402-1 : 1999 (ISO 5725-1 : 1994)
A A
r r
上記の式の各辺に−1をかけると
A A
r r
となり,本文の式(12)の左辺の [ ] 内の式と等しくなる。
本文の式(15)についても,同様のことがいえる。
表1 併行標準偏差及び再現標準偏差の推定値の不確かさの値
試験 Ar AR
室数 柿 1 柿 2 柿 3
p n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4
5 0.62 0.44 0.36 0.46 0.37 0.32 0.61 0.58 0.57 0.68 0.67 0.67
10 0.44 0.31 0.25 0.32 0.26 0.22 0.41 0.39 0.38 0.45 0.45 0.45
15 0.36 0.25 0.21 0.26 0.21 0.18 0.33 0.31 0.30 0.36 0.36 0.36
20 0.31 0.22 0.18 0.22 0.18 0.16 0.28 0.27 0.26 0.31 0.31 0.31
25 0.28 0.20 0.16 0.20 0.16 0.14 0.25 0.24 0.23 0.28 0.28 0.27
30 0.25 0.18 0.15 0.18 0.15 0.13 0.23 0.22 0.21 0.25 0.25 0.25
35 0.23 0.17 0.14 0.17 0.14 0.12 0.21 0.20 0.19 0.23 0.23 0.23
40 0.22 0.16 0.13 0.16 0.13 0.11 0.20 0.19 0.18 0.22 0.22 0.22
表2 測定方法のかたよりの推定値の不確かさAの値
試験室数 Aの値
p 柿 1 柿 2 柿 5
n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4 n=2 n=3 n=4
5 0.62 0.51 0.44 0.82 0.80 0.79 0.87 0.86 0.86
10 0.44 0.36 0.31 0.58 0.57 0.56 0.61 0.61 0.61
15 0.36 0.29 0.25 0.47 0.46 0.46 0.50 0.50 0.50
20 0.31 0.25 0.22 0.41 0.40 0.40 0.43 0.43 0.43
25 0.28 0.23 0.20 0.37 0.36 0.35 0.39 0.39 0.39
30 0.25 0.21 0.18 0.33 0.33 0.32 0.35 0.35 0.35
35 0.23 0.19 0.17 0.31 0.30 0.30 0.33 0.33 0.33
40 0.22 0.18 0.15 0.29 0.28 0.28 0.31 0.31 0.31
表3 試験室内かたよりの推定値の不確かさAwの値
測定結果の数n Awの値
5 0.88
10 0.62
15 0.51
20 0.44
25 0.39
30 0.36
35 0.33
40 0.31
6.3.4 試験室選択における暗黙の了解
試験室数の選択は,利用可能な人的,財政的,時間的などの資源と,個々の推定値の不確かさを満足で
きる水準にまで下げたいという願望との間の妥協となるであろう。附属書Bにおける図B.1及びB.2を見

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ると,もし精度評価実験に少数の試験室 ( p 5 ) しか参加しないならば,併行標準偏差及び再現標準偏差
は,それらの真の値からかなり逸脱していることもあり得るということが,またpが20を越えるときには,
試験室数が2,3増加しても,これらの推定値の不確かさは僅かしか減少しない,ということが分かる。8
15のpを選択することが普通である。 爰 艙 すなわち, 場合に
そしてそのような場合はしばしばであるが,1水準1試験室当たりn=2より多い測定結果を得ても,成果
はほとんどない。

6.4 精確さ評価実験に用いる試料の選択

6.4.1  測定方法の精確さを求めるための実験に用いる試料は,その測定方法が通常用いられると期待され
る範囲を十分に代表していることが望ましい。一般的に,5つの異なる試料は精確さを適切に確定するの
に十分広範囲な水準を与える。改良が必要であると考えられ,さらに精確さ評価実験が予定される新規に
開発された測定方法の最初の検討においては,より少ない試料数でも差し支えないであろう。
6.4.2 測定によって変化しない単位体を測定しなければならない場合,少なくとも原理的には,同一の1
セットの測定対象物を複数の試験室において測定することができる。しかし,このことはしばしば異なる
国や異なる大陸の遠く離れた試験室に同一の1セットの測定対象物を回送することを必要とし,そのとき
は,輸送中の損失や損傷という大きな危除を伴う。もし異なる測定対象物を異なる試験室で用いるときに
は,実際に目的に照らして,それらが同一と見なせることを保証できるように選択しなければならない。
6.4.3 異なる水準を代表する試料を選択するに当たり,試料送付の準備をする前に試料が十分均質化され
ているか,又は精確さの値に試料の不均質の影響を含ませるべきかを検討することが望ましい。
6.4.4 金属,ゴム,織物のような均質化できない固体試料を測定しなければならないときで,さらに同一
の試験片について測定を繰り返すことができないときは,測定試料の不均質性は測定精度の主要な成分を
構成し,もはや同一と見なされる試料という概念は有効ではない。それでも精度評価実験を実施すること
は可能であるが,得られた精度値は用いたその試料にのみ有効であり,そういうものとして引用されるこ
とが望ましい。求めた精度のより普遍的な使い方は,異なる時期,又は異なる製造者で製造された試料を
測定したときの精度の値が,有意に変わらないということを示すことができるときにのみ受け入れられる。
このことはこの規格において考慮されているよりもさらに入念な実験が必要とされるかもしれない。
6.4.5 一般に,破壊試験を必要とする場合,測定を行う試料の違いから生じる測定結果のばらつきへの寄
与は,測定方法そのもののばらつきに比べて無視できるか,さもなければ測定方法のばらつきの固有の部
分を構成し,まさに精度の成分である。
6.4.6 測定中の試料が経時的に変化するときは,このことを考慮に入れて実験全体のタイムスケールを選
ぶことが望ましい。ある場合には試料を測定する日時を指定することが適切かもしれない。
6.4.7 以上では,測定試料の試験室への移送に関連して,異なる試験室における測定について述べている。
しかし,油貯蔵庫の場合のように,ある種の測定試料は移送できない。そのような場合は,異なる試験室
で測定するということはその試験場所に各オペレータを装置と共に送り込むことを意味する。他の場合に
は,川の水流のように,測定する量が過渡的又は変動的であるかもしれない。このときはできるだけ同一
条件で何回かの測定を行うという配慮をしなければならない。指針となる原則は,同一の測定を繰り返す
能力を決めることが常にその目的でなければならない。
6.4.8 測定方法の精度値設定の前提条件は,精度が測定試料に依存しないか,又は予想できるかたちで依
存するということである。ある測定方法では,一つ以上の定義可能なクラス(品質区分)の測定試料に関
してのみその精度を引用することができる。そのようなデータは他に適用するときの精度に対しては大ま
かな基準となるにすぎない。精度は測定水準に密接に関係するということはよくあるが,そのとき,精度

――――― [JIS Z 8402-1 pdf 17] ―――――

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の設定には精度と水準の関係を確立させるということが含まれる。それゆえ,標準測定方法の精度値を公
表する際,精度評価実験に用いる試料について,適用可能な範囲を併せて明確に記載することが推奨され
る。
6.4.9 真度評価のためには,少なくとも用いた試料の内一つは参照値を有していることが望ましい。もし
真度が水準によって変化しそうであれば,いくつかの水準において参照値を有する試料が必要となる。

7. 精確さ(真度と精度)に関する値の利用方法

7.1 真度と精度の公表

7.1.1  精度評価実験で,3.14及び3.18で述べた条件下での併行標準偏差及び再現標準偏差の推定値を得
るのが目的であれば,5.1の基本モデルを使用すべきである。これらの標準偏差を推定する適切な方法はこ
の規格の第2部に述べられており,又代替法がこの規格の第5部に述べられるであろう。中間精度の推定
値を得るのが目的であれば,この規格の第3部に示した代替モデルと代替法を使用しなければならない。
7.1.2 測定方法のかたよりが求められたときは,常にかたよりを求めた標準となるものについての文書を
添えて公表することが望ましい。かたよりが測定(試料)の水準によって変化するときは,水準,求めら
れたかたより及びそれに使用した標準を表にして公表することが望ましい。
7.1.3 真度又は精度を推定するために共同実験が行われた時は,参加した各試験室は実験で求められた全
平均値に対しての試験室のかたより成分を知らされるのが望ましい。そして,そのかたよりの値はその後
類似した実験を行うときは価値のあるものだが,校正を行う目的で使用すべきではない。
7.1.4 すべての標準測定方法の併行標準偏差及び再現標準偏差はこの規格の第2部第4部に従って決め
られなくてはならない。その標準測定方法の一部に「精度」という項目を設けて報告するのが望ましい。
同じ項目に併行許容差及び再現許容差(r及びR)を記述してもよい。精度が測定(試料)の水準によって
変わらないときは,各々(r及びR)につき1つの平均値を示せばよい。精度が試験の水準によって変わる
ときは表4に示した形式で示し,かつ数式で表現してもよい。中間精度も同様の方法で報告するのが望ま
しい。
表4 標準偏差の報告例
(試験の)範囲又は水準
併行標準偏差再現標準偏差
sr sR
7.1.5 報告値のみでなく併行及び再現条件の定義(3.14と3.18)を,「精度」の節に記述しなくてはなら
ない。中間精度の結果が得られている時にはどの要因(時間,オペレータ,装置)が変わったのかを述べ
る点に注意を払うのが望ましい。併行許容差及び再現許容差を述べるときは,二つの試験値の差と確率95%
に関連させた記述を加えることが望ましい。次に示すような記述の仕方を推奨する。
同一と見なせる試料で同じオペレータが同じ装置を使って可能な限り短い時間間隔で試験して得られた
2つの測定結果の差が併行許容差 (r) を越えるのは,規定の操作を間違いなく行っていれば平均して20回
に1回以下であろう。
同一と見なせる試料で2つの試験室で得られた測定結果の差が再現許容差 (R) を越えるのは,規定の操
作を間違いなく行っていれば平均して20回に1回以下であろう。
測定結果を得るのに使用した測定方法の規格の節 (clause) の番号を引用したり他の方法で,測定結果の

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Z 8402-1 : 1999 (ISO 5725-1 : 1994)
定義を明確にすること。
7.1.6 通常,“精度”の項の終わりの部分に,精確さに関する実験について簡単に記述するのが望ましい。
次に示すような記述の仕方を推奨する。
精確さ(真度と精度)はJIS Z 8402−(部) : (年)に従って, (p) 試験所と (q) の測定水準で評価され
た。 ( ) カ所の試験室のデータは,外れ値を含んでいた。外れ値は併行標準偏差及び再現標準偏差の計
算から除外した。
真度又は精度が(測定する)試料に影響するときは特に,精確さ評価実験に使用された試料についての
記述を加えておくべきである。

7.2 真度と精度の値の実際的な利用

  真度と精度の利用の詳細はこの規格の第6部に述べられている。いくつかの例を次に示す。
7.2.1 測定結果の判定
製品規格では併行条件で得られる繰返しの測定値が要求されることがある。そのような場合には,測定
結果を確認し,それが許容できない場合どんな対策がとられるべきかを決めるために併行標準偏差が使わ
れる。売手と買い手が同一試料を測定しその結果が異なるときは,その差異がその方法に予想された大き
さであるかどうかを判断するために併行及び再現標準偏差が使われることがある。
7.2.2 室内の測定結果の安定性判定
日常的に標準物質を複数回測定することにより,その測定値のかたよりと併行精度の両方についてその
試験室の結果の安定性を確認するとともに,試験室の能力を証明することができる。
7.2.3 試験室の測定能力の評価
試験室の認定制度はますます広く普及しつつある。測定方法の真度と精度に関する知識の普及によって,
標準物質を使ったり共同実験を行うことによって対象試験室のかたよりと併行精度を評価できるようにな
った。
7.2.4 他の測定方法との比較
同じ特性について測定する2つの方法があり,1つは他の方法に比べ簡単でコストのかからない方法だ
が一般には使用されていないとする。この場合,限定された範囲の試料については,真度と精度がそのコ
ストのかからない方法を使用してよいかどうかを判定する基準になるかもしれない。

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附属書A(規定)
JIS Z 8402で用いられる記号
a 関係式s=a+bmの切片 s 標準偏差の予測値
A T
推定値の不確かさを計算するのに用いる係数 ある表示の総和
b 関係式s=a+bmの勾配 t 試験対象または群の数
B 全平均と試験室の測定値の偏差を表す成分UCL 上側管理限界(処置限界または警戒限界)
(かたよりに占める試験室成分) W 重み付き回帰式の計算で用いられる重み係数
B0 Bの成分の中で中間精度条件の下では変わらない, w 一組の測定値の範囲
すべての要因 x グラッブス検定に用いられるデータ
B(1),B(2),など y
Bの成分の中で中間精度条件で変化する要因 測定値
c 関係式logs=c+dlogmの切片 y 測定値の算術平均
C,C',C''検定統計量 y 測定値の全平均
Ccrit,C'crit,C''crit
統計的検定の棄却限界値 愀 有意水準
CDp 確率Pの許容差 戀 第二種の過誤の確率
CRp 確率Pの許容範囲 最 刀
再現標準偏差と併行標準偏差の比 (
d 関係式logs=c+dlogmの勾配 試験室のかたより
e 測定値の成分中,すべての測定値に生じている偶然 定値
誤差 測定方法のかたより
f 許容範囲の係数 定値
Fp ( 分子の自由度 分母の自由度 布のp分位 二つの試験室または二つの測定方法間のかたよりの
点 検出可能な差
G グラッブスの検定統計量 試験特性の真値または参照値
h マンデルの試験室間一致性の検定統計量 自由度
k マンデルの試験室内一致性の検定統計量 方法AとBの併行標準偏差間の検出可能な比
LCL 下側管理限界(処置限界または警戒限界) 標準偏差の真の値
m 試験特性の一般平均;水準 最終校正からの時間経緯に起因する変動を表す測定
M 中間精度条件において考慮される因子の数 値の成分
N 反復数 方法AとBの試験室間平均平方の平方根の検出可能
n 一つの試験室で一つの水準(すなわち,セルごと) な比
で得る測定値の数 自由度 布におけるp分位点
p 共同実験に参加した試験室数 添え字に用いる記号
P 確率 C 校正法が異なることを示す
q 共同実験における試験特性の水準数 E 装置が異なることを示す
r 併行精度限界値(許容差) i 特定の試験室を示す添え字
R 再現精度限界値(許容差) I ( ) 中間精度に関する添え字,かっこ内に中間精度条件
RM 標準物質 のタイプの識別子を記述する
s 標準偏差の推定値 j 特定の水準に関する添え字 (JIS Z 8402-2)

――――― [JIS Z 8402-1 pdf 20] ―――――

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  • ISO 5725-1:1994(IDT)

JIS Z 8402-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧

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