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Z 8403-1996
附属書2表4 制御因子及び水準の選定21
因子 水準
1 2 3
A : 刃具 従来品* 新型 −
1
B : 切込み量 (mm) 2 従来* 2倍
C : 1刃当たりの送り量 C1 C2* C3
D : 回転速度 (rpm) D1 D2* D3
1
E : ピックフィード (mm) 2 従来* 2倍
F : 送りのオーバライド F1 F2* F3
G : 機械定数 G1 G2* G3
注* 現状条件を示す。
手順2 制御因子の水準を,附属書2表4のように設定した。因子C,D,F,Gの水準は,従
来の設定条件を第2水準として,実行可能な限り大きく水準幅を取った。信号因子は,
加工曲面の特定の位置の高さの設計値(NC指令値)とし,高さの違う5か所の位置
を指定した。誤差因子は,N1=x軸方向,N2=y軸方向での加工の2水準とした。
手順3 附属書2表5のように,制御因子を直交配列表L18の各列に割り付けた。
誤差因子は直交配列表の外に割り付けた。
附属書2表5 割付け及び実験結果の解析で得られたSN比
行番 因子及び列番 SN比
A B C D E F G
1 2 3 4 5 6 7 (dB)
1 1 1 1 1 1 1 1 25.3
2 1 1 2 2 2 2 2 24.4
3 1 1 3 3 3 3 3 23.2
4 1 2 1 1 2 2 3 25.1
5 1 2 2 2 3 3 1 25.8
6 1 2 3 3 1 1 2 24.6
7 1 3 1 2 1 3 2 25.0
8 1 3 2 3 2 1 3 24.0
9 1 3 3 1 3 2 1 26.0
10 2 1 1 3 3 2 2 25.4
11 2 1 2 1 1 3 3 25.6
12 2 1 3 2 2 1 1 27.5
13 2 2 1 2 3 1 3 27.0
14 2 2 2 3 1 2 1 28.7
15 2 2 3 1 2 3 2 25.6
16 2 3 1 3 2 3 1 28.3
17 2 3 2 1 3 1 2 25.2
18 2 3 3 2 1 2 3 23.1
手順4 直交配列表L18の各条件の組合せのもとで,x軸方向,y軸方向の加工を行って試料を
作製し,信号因子として指定した5か所の高さを測定した。データは,曲面の基準面
からの高さである。直交配列表の第1行目のデータは,附属書2表6のとおりである。
附属書2表6 直交表L18の1行目の実験結果
誤差因子 信号
――――― [JIS Z 8403 pdf 16] ―――――
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M1 M2 M3 M4 M5
−10.13 −3.56 3.44 9.83 30.00
N1 −10.10 −3.56 3.44 9.76 30.10
N2 −10.09 −3.50 3.42 9.76 29.99
計 −20.19 −7.06 6.86 19.52 60.09
手順5 手順4で求めたデータから,附属書2表5に示すように直交配列表の各行ごとに動特
性のSN比を求めた。直交配列表の1行目のSN比の計算は,次のようになる。データ
の繰返しr0は2である。
r=r0 (M12+M22+······+M52)
=2× [ (−10.13) 2+ (−3.56) 2+3.442+9.832+30.002]
=2 247.506
ST=y211y212 y252
=(−10.10)2+(−10.09)2+(−3.56)2+······+29.992
=2 248.197 0
1
S= M1 ( y11 y12 ) M5 ( y51 y52 )
r
1
= 10.13 ( 10.10 10.09) 30.00 (30.10 29.99
2 247.506
2 247.838 32
=
2 247.506
=2 248.170 6
戀
Se=ST−S
=2248.197 0−2248.170 6
=0.026 35
.0026 35
Ve=
9
=0.002 928
1
r (S Ve )
Ve
1 248.170 6
2 247.506 2( .0002 928)
=
.0002 928
=341.64
dB) =10 1og 25.3 (dB)
手順6 SN比 dB) をデータとして,附属書2表7のように,直交配列表に割り付けた制御
因子の各水準ごとのSN比の和及び平均値を求める。
附属書2表7 制御因子の水準ごとの和及び平均値
因子 和 平均値
1 2 3 1 2 3
A 223.4 236.4 − 24.82 26.27 −
B 151.4 156.8 151.6 25.23 26.13 25.27
――――― [JIS Z 8403 pdf 17] ―――――
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C 156.1 153.7 150.0 26.02 25.62 25.00
D 152.8 152.8 154.2 25.47 25.47 25.70
E 152.3 154.9 152.6 25.38 25.82 25.43
F 153.6 152.7 153.5 25.60 25.45 25.58
G 161.6 150.2 148.0 26.93 25.03 24.67
手順7 附属書2表7から,SN比の平均値の大きい水準の組合せである
A2B2C1D3E2F1G1
が最適条件になる。
手順8 金型加工に大きな効果をもつ要因は,A(刃具),C(1刃当たりの送り量)及びG(機
械定数)である。これらの条件を含めて,自由度の和が全自由度の半分程度になるよ
うに効果の大きい要因を選んで,最適条件のSN比及び現状条件のSN比を,次のよう
に推定した。
なお,現状条件は,A1B2C2D2E2F2G2である。
最適条件のSN比
= ( A2 ) (B2 ) (C1 ) (G1 )
=A2+B2+C1+G1+−3×
=26.27+26.13+26.10+27.02−3×25.57
=28.81 (dB)
現状条件のSN比
= ( A1 ) (B2 ) (C2 ) (G2 )
=A1+B2+C2+G2+−3×
=24.82+26.13+25.62+25.03−3×25.57
=24.95 (dB)
利得の計算
最適条件のSN比と現状条件のSN比との差,すなわち,利得を求める。
利得=28.81−24.95=3.86 (dB)
1倍に
3.86 (dB) の真数は2.43であるので最適条件での分散は,現状条件の分散の .243
1に
改善されることが分かった。したがって,最適条件での損失は現状条件の損失の .243
なる。
確認実験によって,利得が再現することを確かめた。
――――― [JIS Z 8403 pdf 18] ―――――
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附属書3 特性値の測定能力の検討及び改善方法
1. 適用範囲 この附属書は,製品の品質特性の規格値に関連して,測定能力の検討及び改善を行う方法
について規定する。
2. 用語の定義及び記号 この附属書で用いる主な用語の定義及び記号は,規格の本体,附属書1及び附
属書2によるほか,次のとおりとする。
(1) 測定コスト 対象となる測定器を用いて,定めた特性値を測定するのに要した時間と測定担当者の賃
金単価との積。
(2) 測定器のコスト 測定器の価格に,償却までの期間及び金利を考慮したもの。
3. 品質水準に占める測定誤差の影響の検討 利用できる標準の種類によって,次のいずれかの検討を行
う。
(1) 測定する量に対応し利用できる標準(直接的な標準)がある場合には,これを用いて4.1の手順によ
って,現状の測定の誤差を求め,加工の誤差と比較する。そのとき品質水準に占める測定の誤差の割
合が大きい場合には,測定方法の改善についての検討を行うが,従来の知見では十分な改善効果が期
待できない場合には,5.以下の手順によって改善を検討する。
(2) 直接的な標準が得られない場合には,4.2の手順によって測定系の要素の標準の誤差を求め,計測の
SN比を算出する。
4. SN比の求め方
4.1 直接的な標準がある場合の計測のSN比の求め方 直接的な標準がある場合には,測定器によって標
準を測定した読み値から,次の手順でSN比を求める。
手順1 対象となる測定方法の標準を信号因子とし,その種類及び水準を決定する。
手順2 測定方法の誤差原因と考えた誤差因子(1)を取り上げ,SN比を求めるための実験及び測定を行
い,附属書3表1の測定データを得る。
注(1) 測定者,反復などがある。
附属書3表1 測定データ
反復 標準(信号因子)の水準
M1 M2 M3 ··· Mk
R1 y11 y21 y31 ··· yk1
R2 y12 y22 y32 ··· yk2
・ ···
・ ···
・ ···
Rr0 y1r0 y2r0 y3r0 ··· ykr0
計 y1 y2 y3 ··· yk
手順3 実験の結果について分散分析を行う。校正を比例式で行うとして,解析手順は次のとおりで
――――― [JIS Z 8403 pdf 19] ―――――
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ある。
r=r0 (M12+M22+······+Mk2)
(M1y1 M2 y2 Mkyk ) 2
S=
r
211 2 2
ST=y +y12+ +yr0k
Se=ST−S戀
Se
Ve=
kr0 1
結果を附属書3表2の分散分析表にまとめる。
附属書3表2 分散分析表
要因 自由度 平方和 分散
戀 1 S 戀 V 戀
e kr0−1 Se Ve
T kr0 ST −
手順4 誤差分散に対する信号因子の効果の大きさから,次の式を用いてSN比を算出する。
1
r (S Ve )
Ve
測定の誤差分散は,次の式で求めることができる。
2=1
号因子の次元で得られるので,特性値と同一の次元にするためには,戀地堰
例 直接的な標準がある場合の例
触針式表面粗さ測定器 基準となる測定器で値を付けた粗さ試験片を用い,触針式表面粗さ測
定器を校正した場合について検討した。
手順1 信号因子として,標準の水準の選定を行う。
粗さ測定の標準として,その水準は附属書3表3のとおりである。
附属書3表3 粗さ標準の水準
単位 刀愀
水準 M1 M2 M3
表示値 1.2 3.2 4.1
手順2 実験を行う。実験データを附属書3表4に示す。
附属書3表4 粗さ測定器の実験データ
単位 刀愀
反復 信号
M1 M2 M3
R1 1.1 3.3 3.8
R2 1.1 3.1 4.1
計 2.2 6.4 7.9
――――― [JIS Z 8403 pdf 20] ―――――
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JIS Z 8403:1996の国際規格 ICS 分類一覧
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