JIS Z 8462-5:2011 測定方法の検出能力―第5部:検量線が線形及び非線形である場合の方法 | ページ 3

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Z 8462-5 : 2011 (ISO 11843-5 : 2008)
サンプルの分注,50 L
標識抗原の分注,50 L
抗血清の分注,50 L
インキュベーション
洗浄及びタッピング
基質の分注,100 L
30分の放置
反応停止液の分注,100 L
吸光度測定値
図4−競合ELISAの実験手順
この例の精度プロファイルρX(X)は,図5に示す。CV,ρX(X)は,式(11)から上で述べたパラメータを用
いて計算され,百分率で表示される。5.3の定義が採用されれば,検出可能な最小値xdは,精度プロファ
イルの図上で決定される(図5の矢印を参照)。30 %CVの意味は,5.4の注記1に示す。
精度プロファイルは,標準スケールと片対数スケールとでは,同じ検出可能な最小値を与える。図5 b)
は,X=0の点とこの点とにおけるCV値を除いている。しかし,このことが理論上も実践上も問題にはな
らない理由は,この規格では,検出可能な最小値を求めるために,検出可能な最小値の近傍だけ精度プロ
ファイルとしてのCV値を要求するからである。

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Z 8462-5 : 2011 (ISO 11843-5 : 2008)
a) 標準スケール b) 片対数スケール
図5−17α-ヒドロキシプロゲステロンの競合ELISAにおける正味状態変数のCV,
ρX(X)(精度プロファイル)及び検出可能な最小値xdの標準スケール及び片対数スケールの表示

6.3 モデルフィッティング

  免疫測定法では,応答変数の分散は,次の指数モデルで近似できる(参考文献[2]参照)。
σY(X)2 Yj (12)
ここで,σY (X)は,応答変数YのSDを表す。j=0の場合,この分散は,一定である。j=1の場合,この
分散は,応答変数に比例する。j=2の場合,応答変数のCV,ρY (X)は,一定である。この比例定数は,最
小2乗法から決定できる。

6.4 競合ELISAへの応用

  競合ELISAにおいては,B/B0と示される標準化された検量線がしばしば用いられ,式(10)は,次のよう
に記述する(参考文献[4]参照)。
1 ρY (xd )
d C1 d lg X = (13)
X .0132
1
C2
X xd
ここで,ρY (xd)は,xdにおける応答変数のCVである。この導出を附属書Cに示す。
正味状態変数の検出可能な最小値は,式(13)で記述する傾きから求める。図6は,17α-ヒドロキシプロ
ゲステロンの競合ELISA(6.2の例と同じ。)における片対数B/B0曲線を示す。低サンプル濃度において,
1.9 %及び観測された応答変数のCVを近似として用いれば[ρY (xd)],式(13)は,0.15(=0.019/0.132)を
与える。
xdの作図による推定は,次のように記述する(図6参照)。
− ステップ1 : 式(13)によって計算された傾きをもつ直線を,左下隅の目盛を使って作図する。
− ステップ2 : ステップ1の直線と同じ傾きをもち,かつ,B/B0に接する直線を引く。
− ステップ3 : その接点からX軸へ垂線を下ろす。
この垂線とX軸との交点がxdに対応する。この方法は,6.2の例とほとんど同じ結果を与える(図5と
図6とを比較参照)。

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注記 ステップ1,ステップ2及びステップ3は,6.4に記してある。
図6−17α-ヒドロキシプロゲステロンの競合ELISAにおけるB/B0曲線の片対数プロット

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附属書A
(規定)
この規格で用いる記号及び省略形
SD 標準偏差
CV 変動係数(標準偏差を平均値で除したもの)
POP 残留性有機汚染物質
ELISA エライザ,enzyme-linked immunosorbent assay(酵素結合免疫吸着法ともいう。)
X 正味状態変数
Y 応答変数
xc 正味状態変数の限界値
xd 検出可能な最小正味状態変数
kc 確率αに対応した係数
kd 確率βに対応した係数
α X=0における第1種の過誤の確率
β X=xdにおける第2種の過誤の確率
σY(X) Xの関数としての応答変数のSD
ρY(X) Xの関数としての応答変数のCV
σX(X) Xの関数としての正味状態変数のSD
ρX(X) Xの関数としての正味状態変数のCV
|dY/dX| 検量線の微分の絶対値
B/B0 任意の容量における測定値と容量0における測定値との比

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Z 8462-5 : 2011 (ISO 11843-5 : 2008)
附属書B
(参考)
式(9)の導出
変換方程式[式(1)]は,xdの定義式[式(7)]を以下のように展開することに利用できる。
σY (X)
σX ( X)=
dY
dX
σY (xd ) σY (xd ) σY (xd ) xd
xd=(kc+kd ) =(kc+kd ) =(kc+kd )
dY dY 1 dY
dX X=xd d ln X xd
X=xd
d ln X
X=xd
ここで,微分の絶対値は,検量線の傾きが負の場合に利用できる。未知変数xdは,次のように上の式か
ら削除することができる。
dY
σY (xd )
=(kc+kd )
d ln XX=xd
実用目的のために行われる自然対数から常用対数への変換(ln X=2.303 lgX )によって,目的の式[式
(9)]が導かれる。参考文献[4]も参照。

――――― [JIS Z 8462-5 pdf 15] ―――――

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JIS Z 8462-5:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11843-5:2008(IDT)

JIS Z 8462-5:2011の国際規格 ICS 分類一覧

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