JIS Z 8503-6:2007 人間工学―コントロールセンターの設計―第6部:コントロールセンターの環境 | ページ 4

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Z 8503-6 : 2007 (ISO 11064-6 : 2005)
手段 目標
考慮すべき要因
オペレーターの行動
−対話コミュニケーション く(躯)体要素(壁,
−電話コミュニケーション 天井,窓など)に
−移動 よる遮音
−オペレーターの人数
機器からの騒音の
低減
コントロールルーム配置
−内外の騒音源 信号対ノイズ(S/N)
−加温・換気 比の最適化 音響的快適性
−空調システム
反響の低減
コントロールルーム機器
−機器からの騒音低減(プリンタ
ーなど)
−注意・確認信号の音響レベル
(警報,注意報など)
−娯楽設備(ラジオなど)
図4−音響環境設計の主要因子

5.5 振動環境

5.5.1 コントロールルームは,予備発電機,圧縮機などのような振動源からできるだけ離れて位置するの
がよい。
5.5.2 コントロールルームのオペレーター及び関連機器を一般的な環境から伝わってくる振動から遮へい
して守らなければならない。
5.5.3 必要な場合,コントロールルームの床,壁及び天井を,振動吸収材によって,振動している構造物
から隔離するのがよい。
注記 使用者,光学機器及び操作機器(制御装置)への機械的振動の影響については,JIS Z 8516に
規定している。

5.6 内装及び美観

5.6.1 コントロールルームの計画時には,全体のスペースを決める各種寸法の比率を考慮するのがよい。
注記 全体の計画面積に比して極端に低い天井は,閉所恐怖症を引き起こすことがある。
5.6.2 コントロールルームの内装は,そこで行われる主な運転作業の助けになるものがよい。色調,質感
及び材質は,そこでの管理活動に心地よい労働環境及び落ち着いた環境景観を与えるものがよい。
5.6.3 最終的な内装案の選定には,できれば最終使用者及びその上司が参加するのがよい。ひとたび運用

――――― [JIS Z 8503-6 pdf 16] ―――――

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Z 8503-6 : 2007 (ISO 11064-6 : 2005)
上の人間工学的要求事項に矛盾しない条件が見つかったら,その案だけを提案するのがよい。
5.6.4 家具及びコントロールルームの仕上げは,プラントの他の“機械的な”場所とは対照的に,作業環
境を“人間味のあるもの”にするのがよい。
例 壁の基部を保護する幅木,及び天然物の堅木の使用によって環境に温かみが増す。
5.6.5 オペレーターの座席は,人間工学の原理に沿ったものであるのがよい。色及び仕上げの選択は,長
期間及び24時間の使用も考え,飽きのこないものがよい。
例 いすの生地は,単色のものより模様のある,やや暗色のものが長時間の使用に向いている。
5.6.6 壁の仕上げは,明るいものより淡いものがよく,心理的な影響を避けた色を選ぶのがよい。布風の
仕上げは反射グレアを低減する。
注記 色調によって環境が重苦しくなることもあり,また,机上のスクリーン又はオーバービューデ
ィスプレイ視認などの視覚作業を妨げることもある。
5.6.7 建屋の構造又は家具に明るい仕上げと暗い仕上げとの両方を,過度に使うことは避けたほうがよい。
注記 仕上げのバランスは,オペレーターの全体的視野の一部であり,コントロールルーム作業にか
かわる視覚作業についてのすべての要求を考慮する必要がある。
5.6.8 視覚表示器又は他の制御機器に見られるような極端に強いパターンは,避けたほうがよい。
5.6.9 カーペットを使う場合は,高級品で,色調変化のほのかな細かい模様のものがよい。大きな模様及
び幾何学的デザインのものは避けたほうがよい。
5.6.10 ワークステーション,戸だな(棚),オーバービューディスプレイ,天井格子などによる堅い幾何
学的風景に色調と質感との面で変化を与えるために,植物など,見てくつろぐための物を置くのがよい。
5.6.11 反射率こう配は,天井は全般的には壁より明るく,壁は床の仕上げより明るいというような自然な
感覚に合っているのがよい。
5.6.12 仕上げは24時間操業でも飽きのこないことを考えて選ぶのがよい。その表面は掃除しやすく,き
ずなども補修しやすいのがよい。
5.6.13 ワークステーション,一般的な家具・じゅう(什)器及びワーステーション外共用ディスプレイを
含む機器類の仕上げは,グレアを生じないようにするのがよい。
5.6.14 ワークステーション,一般的な家具・じゅう器及び機器類の仕上げには,色のコントラストの大き
な差は避けたほうがよい。
5.6.15 コントロールセンターの設計時には,マット又は無反射表面及び光源用低輝度器具の使用を考慮す
るのがよい。
5.6.16 窓からのグレアが避けられない場合は,例えば,調節可能なブラインド又は薄い着色など,グレア
の影響を最小にするような手段を講じなければならない。
5.6.17 コントロールルームの仕上げは,良好な会話及び音響警報伝達に必要な特定残響時間を達成するよ
うに選ぶのがよい。
注記 残響時間の値は,JIS Z 8516に規定している。

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附属書A
(参考)
環境設計への推奨事項

序文

  この附属書は,環境設計への推奨事項について記載するものであって,規定の一部ではない。
A.1 全般
この附属書に示す数値は,単に一般的なガイドとして示されているものである。それぞれのコントロー
ルルーム設計プロジェクトに最も適した数値は,オペレーターのタスクにかかわる個々の人間工学的要求
事項を考慮する必要がある。必要に応じ専門家の助言を求めるのがよい。
A.2 温熱環境
推奨事項として個々に示す次の数値は,ISO 7730に規定している要求事項に基づくものである。
a) 冬季の座ってする作業
1) 執務温度は,20 ℃と24 ℃との間で22 ℃±2 ℃がよい。
2) 床上1.1 mと0.1 m(頭の高さとくるぶしの高さ)との垂直方向の温度差は,3 ℃以下がよい。
3) 床の表面温度は,通常19 ℃26 ℃がよいが,床暖房システムは29 ℃まで可能なように設計する。
4) 平均空気流速は,0.15 m/s以下がよい。
5) 窓又は垂直な低温表面から非対称方向へのふく射温度は,(床上0.6 mの小さな垂直面で)10 ℃以
下がよい。
6) 相対湿度は,30 %70 %がよい。
b) 夏季の座ってする作業
1) 執務温度は,23 ℃と26 ℃との間で24.5 ℃±1.5 ℃がよい。
2) 床上1.1 mと0.1 m(頭の高さとくるぶしの高さ)との垂直方向の温度差は,3 ℃以下がよい。
3) 平均空気流速は,0.15 m/s以下がよい。
4) 相対湿度は,30 %70 %がよい。
c) 一日のリズムを調整するために,早朝にオペレーターがコントロールルームの温度を1 ℃か2 ℃昇温
できることがよい。
d) コントロールルームの内外を行き来する人の温熱ショックを抑えるために,中間温度のバッファゾー
ンを考慮するのがよい。
e) 保守要員及びその他の人々が機器室で長時間作業する場合は,温熱及び照明環境に関する彼らの要求
に配慮するのがよい。
A.3 空気の質
コントロールルームには,内部で発生する汚染物質を薄めるために,十分な量の戸外の空気を供給する
のがよい。
注記 英国HSE (Health and Safety Executive)によれば,禁煙環境では,一人当たり8 L/s (29 m3/h) の外
気供給という現行のガイドラインで十分としている。
コントロールルームに全員がいる場合,二酸化炭素濃度は,1.8 g/m3 (=910 ppm)を超えないことがよい。

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A.4 照明
a) 記録作業をしている作業面の照度は,視覚表示器(VDU)を使っている場合は上限を500 lxとして,200
lx750 lxのレベルに維持するのがよい。これは,環境照明とタスク照明との組合せである。
b) 減光は,どんな場合にも作業面の200 lxの下限維持照度を保つのがよい。
c) ペーパーワークが主たる仕事の作業エリアでは,照度は500 lxを維持するのがよい。
d) 電灯照明は,すべての作業位置においてグレア指数(UGR)19以下がよい。
e) 電球は,一般演色評価数80超のものを用いることがよい。
f) ちらつきを避けるために高周波制御器を使用するのがよい。
g) 発光式機器を使用する場合,それに接する周囲とのコントラスト比は3 : 1以下,視野の周辺部とのコ
ントラスト比は10 : 1以下であることがよい。
h) 発光体及び明るい室内表面の平均輝度は,クラスI及びクラスIIのスクリーンに対しては1 000 cd/m2
未満,クラスIIIのスクリーンに対しては200 cd/m2未満がよい(JIS Z 8517による)。
i) 直接照明については,最大輝度は,次によるのがよい(JIS Z 8516による)。
表A.1−直接照明の最大照度
スクリーンタイプ 白地に黒文字又は黒地に白文字使用時の最大輝度
クラスI及びII
1 000 cd/m2
(スクリーン処理が良又は普通)
クラスIII
200 cd/m2
(スクリーン処理なし)
j) 間接照明
− 天井又は直接照らされているその他の表面の平均輝度は,500 cd/m2未満がよい。
− 最高輝度は,1 500 cd/m2未満がよい。
− 輝度は,照らされている表面全体を通じて除々に変化するのがよい。
A.5 音響環境
コントロールルームの周囲騒音は,45 dB LAeq, T以下がよい。暗騒音は,会話のプライバシーを維持する
ために, その場のS/N比を低減して,30 dB35 dB LAeq, Tの範囲にあるのがよい。
一般に,周囲の雑音の大きさは,30 dB(A荷重)より小さくないのがよいと考えられている。
音響警報は,可聴のためには,コントロールルームのバックグランド音声スペクトラムより約10 dB高
いのがよく,スタッフを驚かせたり会話に影響するのを避けるためには,バックグランドより15 dB以上
高くならないのがよい。(ISO 7731:1986参照)中間周波数の残響時間は,部屋にもよるが,0.75 s未満,
できれば0.4 s近くであることがよい。必要なら,専門家の助言を求めるのがよい。
A.6 内装設計
コントロールエリアの材料及び仕上げの選定に当たっては,次のことを考慮するのがよい。
a) 床仕上げの反射値は,0.20.3がよい。

――――― [JIS Z 8503-6 pdf 19] ―――――

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Z 8503-6 : 2007 (ISO 11064-6 : 2005)
b) 壁の仕上げは,表面反射率0.500.60がよい。これ以下の値になると天井と壁とのコントラストが増
大して環境を陰うつ(鬱)にし,照明電力消費が増大するので,表面反射率は0.50未満としないのが
よい。
c) 仕切りのはめ込みガラス及び固定部分は,周囲の壁への反射値と同等 (0.50.6) にするのがよい。
d) 間接照明にする場合は,天井は白いマット仕上げとし,表面反射値を最低0.8とするのがよい。

――――― [JIS Z 8503-6 pdf 20] ―――――

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