JIS Z 8519:2007 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―非キーボードの入力装置の要求事項 | ページ 4

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Z 8519 : 2007 (ISO 9241-9 : 2000)
6.2.2.6 目標の妨害 入力装置の寸法は,目標の視認を妨げてユーザーの作業成績を損なわないような大
きさであることが望ましい。
6.2.3 ジョイスティック
6.2.3.1 作動力 指操作ジョイスティックの変位に要する力は,0.051.1 Nの範囲内が望ましい。
6.2.3.2 変位 手によって操作する変位ジョイスティックの場合,その変位は左右方向で45°,前方向(ユ
ーザーから離れる方向)で30°,後方向(ユーザーに向かう方向)で15°をそれぞれ超えないことが望ま
しい。
6.2.3.3 ボタンの位置 指によって操作するジョイスティックの機能ボタンは,人差し指で作動できるよ
うに,ハンドルの最上部位置に配置することが望ましい。
手操作ジョイスティックの機能ボタンは,親指,人差し指又は中指で作動できるように,最上部又は側
面に配置することが望ましい。
6.2.4 トラックボール トラックボールを選択するときには,次の要素について考慮する。
− ポインタの動き,
− 作業で要求される精度,及び
− 指(親指を含む)を常に同じ位置に置いて作業できる。
6.2.4.1 寸法 トラックボールの露出領域の弦長は,最低でも25 mmとすることが望ましい。トラックボ
ールの中心から測定した露出円弧は,100140°までの範囲内とするのがよい(図17参照)。露出円弧の
推奨値は120°とする。
図 17 トラックボールの弦長及び露出円弧
6.2.4.2 回転力 トラックボールの回転力は,0.21.5 Nが望ましい。
6.2.4.3 始動抵抗値 トラックボールの始動抵抗値は,0.20.4 Nが望ましい。
6.2.5 タブレット及びオーバレイ
参考 立位姿勢で操作する大きなディジタイザタブレットの場合には,この6.2.5.16.2.5.15の要求事
項及び推奨事項に適合できるように,ユーザーが横方向に移動できると仮定している。

――――― [JIS Z 8519 pdf 16] ―――――

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6.2.5.1 タブレットの高さ及び傾き タブレットの設計(高さ,奥行及び傾き)では,タブレットをワー
クステーションの中に組み込んだ場合に,ユーザーが設計基準姿勢を取ることができるよう配慮すること
が望ましい。
6.2.5.2 タブレット及びオーバレイの接触面 タブレット及びオーバレイのユーザー接触面は,平たん
(坦),かつ,滑らかなものが望ましい。
6.2.5.3 タブレット及びオーバレイの表面反射 タブレット及びオーバレイ表面からの反射又はグレア
によって,タブレット又はオーバレイの文字が見えにくくなったり,視覚的効率又は快適性が低下するこ
とがないようにするのがよい。
6.2.5.4 タブレット又はオーバレイの作動力 タブレット又はオーバレイに対して断続的な入力が必要
な機能の場合には,入力に必要とされる最大力が1.0 Nを超えないことが望ましい。
6.2.5.5 コントロールディスプレイゲイン コントロールディスプレイゲイン(操作変化量対表示変化量
の比)を,ユーザー特性及び作業の必要性に応じて調節できることが望ましい。
6.2.5.6 文字・記号及び図記号の視認性 タブレット及びオーバレイ上に表記するすべての文字・記号を,
設計視距離から読み取ることができるようにしなければならない。図記号は,設計視距離から識別できる
ことが望ましい。
6.2.5.7 文字・記号及び図記号の寸法 タブレット及びオーバレイ上に表記する記号名称,大文字及び数
字の高さは,設計視距離において最小でも視角16'としなければならない。文字(記号名称,大文字及び数
字等)の知覚できる高さは,ユーザーの位置も含めて考慮する。文字・記号及び図記号の高さの推奨値は,
視角20'である。
6.2.5.8 文字・記号の幅対高さ比 大文字(iの大文字であるIを除く)の幅対高さ比は0.5 : 11 : 1ま
での範囲内としなければならない。
6.2.5.9 文字・記号の高さと線の太さとの比 大文字の高さと線の太さとの比は,5 : 114 : 1までの範
囲内としなければならない。
6.2.5.10 文字・記号及び図記号の輝度比 主要な文字・記号及び図記号の最小輝度比を,少なくとも3 : 1
としなければならない。主要なもの以外の文字・記号及び図記号については,色差によって認識可能であ
ることが保証される限りにおいて,上記の輝度比よりも小さくしてもよい。
6.2.5.11 文字・記号及び図記号の色 情報を見分けるために色を用いる場合は,色の違いが明白であり,
かつ,容易に知覚できることが望ましい。
6.2.5.12 機能のグループ化 オーバレイ又はタブレット上の機能グループは,容易かつ迅速に区別できる
ようグループ化されていることが望ましい。
6.2.5.13 オーバレイの取付け オーバレイのタブレットヘの着脱が容易かつ簡単であることが望ましい。
6.2.5.14 偶発的なオーバレイの移動 通常の操作時にオーバレイが偶発的にタブレットから離れること
がないことが望ましい。
6.2.5.15 オーバレイの平たん(坦)さ タブレット上に置いたオーバレイは,平たん(坦)であるのがよ
い。
6.2.6 スタイラス及びライトペン
6.2.6.1 握り表面 スタイラス及びライトペンのグリップ表面は,滑りにくいものであることが望ましい。
6.2.6.2 作動力 スタイラスを連続的な入力に使用する場合,タブレット上でスタイラスを作動するため
に必要な力が1.5 Nを超えないことが望ましい。
6.2.6.3 セレクタボタンの作動力 セレクタボタンの作動力は,0.31.5 Nまでの範囲内であるのがよい。

――――― [JIS Z 8519 pdf 17] ―――――

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6.2.6.4 セレクタボタンの接触領域 セレクタボタンの接触面は,直径が少なくとも5 mmの円形領域を
含むのがよい。
6.2.6.5 寸法 円筒形のスタイラス及びライトペンは,長さを120180 mmまで,また,その直径を7
20 mmまでの範囲とするのがよい。
6.2.6.6 質量 スタイラス及びライトペンの質量は,1025 gまでの範囲がよい。
6.2.7 タッチスクリーン
6.2.7.1 目標の位置 ユーザーに向かって垂直方向に設置したタッチスクリーンでは,触れる対象を肩の
高さよりも低い位置に配置しなければならない。
参考 この要求事項を満たせば,腕及び/又はひじ(肘)を作業面で支えた状態で,対象ユーザーの
手の届く範囲で操作することが,垂直方向のタッチスクリーンの傾斜,位置及び高さを調節す
れば,可能となる。
ユーザーに対して水平方向に設置したタッチスクリーンでは,触れる対象をひじ(肘)の高さ,又はそ
れよりも低い位置に,及び対象ユーザー群の手の到達域範囲内に,配置しなければならない。
6.2.7.2 接触感知領域 接触開始によるタッチ方式を使用するシステムの場合は,接触感知領域の大きさ
を男性の末しょう(梢)関節幅(第2関節幅)の95百分位数の値より大きくとることが望ましい。視差に
よって作業成績が低下する場合は,接触感知領域を更に大きくするのがよい。
6.2.7.3 文字寸法及び輝度比 タッチスクリーンに表示する文字の寸法及び輝度比は,JIS Z 8513,JIS Z
8517,JIS Z 8518及びJIS Z 8528-2の該当する要求事項又は推奨事項に準拠しなければならない。
6.2.7.4 自動繰返し接触機能の開始遅延 繰り返し触れる操作を自動的に行う機能を備えている場合は,
偶発的な作動を防止するために,500750 msまでの範囲の長さ触れるとはじめて自動繰り返し接触機能
が作動し始めることが望ましい。
6.2.7.5 目標の非作動空間 接触開始によるタッチ方式を使用するタッチスクリーンは,各接触目標の周
囲に少なくとも5 mm幅の非作動空間を設けることが望ましい。
備考 接触終了によるタッチ方式を使用するタッチスクリーンの場合は,非作動空間の幅は5 mmよ
りも小さくしてよい。
6.2.7.6 目標への追従 ドラッグ操作を行っている場合には,指又はスタイラスの動きに対して,ドラッ
グ対象又はポインタが遅れずに及び離れずに追従することが望ましい。
6.2.7.7 静電気 スクリーンに触れるときの静電気放電によるユーザーの不快感を回避又は減らすため
に,タッチスクリーンには静電気防止処理を施すことが望ましい。

7. 適合性を測る試験方法

7.1 一般

 この箇条では,6.の各要求事項のそれぞれに対してその要求事項を満足するか否かを判断する
ための情報を,次の項目について規定する。
− 適切な試験方法の種類
− 試験方法の具体的な内容
指定した方法の試験を実施した結果から,試験対象の入力装置が各要求事項を満足するか否かを判定す
る。

7.2 試験方法の種類

7.2.1  計測 計測とは,標準的な計測器又は工具を用いてある特性の定量的測定値を得ることをいう。

――――― [JIS Z 8519 pdf 18] ―――――

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7.2.2 観察 観察とは,一人の又は何人かの観察者が個々に,入力装置についてある特性を調べ,検討す
ることをいう。通常,観察の結果は,ある特性が見られるか否かに応じての二値判定(例えば,“該当”又
は“該当せず”)となる。
7.2.3 作業成績試験 作業成績試験とは,ある要求事項の規定に対して,入力装置がそれに対応する特性
を使用時に発揮し得るかをユーザーを関与させた実験を通して判定する方式である。作業成績試験を使用
する場合は,実験の立案,実施,分析及び結果解釈に必要となる情報を用意しなければならない。

7.3 要求事項ごとの適合性検討

7.3.1  微細な位置決め精度作業に対する支援
適切な試験方法の種類 : 観察
装置,作業面又は支持面のいずれかの上に,操作を安定させ,細かな位置決めが可能となるように指,
手,手首又は腕の一部を安定して置くことができるかどうかを確認する。
7.3.2 配置変更
適切な試験方法の種類 : 観察
道具を使用せずに入力装置の配置を変更できるかどうかを確認する。
7.3.3 ボタンのロック
適切な試験方法の種類 : 観察
ハードウェア又はソフトウェアのボタンロックが用意されているかどうかを確認する。
7.3.4 ポインタの動き
適切な試験方法の種類 : 観察
左,右,前・上,及び後・下の基本方向に関して,ポインタの動く方向がユーザーが期待している方向
と整合しているかどうかを確認する。
7.3.5 事象フィードバック
適切な試験方法の種類 : 観察
入力装置のボタンが作動したことを示すフィードバックが与えられるかどうかを確認する。
7.3.6 保守性
適切な試験方法の種類 : 観察
特殊な道具を使用せずに製造業者が指定する機器に関する保守作業を実施できるかどうかを確認する。

7.4 文字・記号の視認性及び図記号の識別

  適切な試験方法の種類 : 観察又は作業成績試験
設計視距離からすべての文字・記号を読み取り,すべての図記号を識別することができるかどうかを確
認する。
作業成績試験については,JIS Z 8513:1994,追補1(2006)を参照。
7.4.1 文字・記号及び図記号の寸法
適切な試験方法の種類 : 計測,観察又は作業成績試験
文字・記号及び図記号の寸法が,設計視距離に対して適切なものであるかを測定又は確認する。
7.4.2 文字・記号の幅対高さ比
適切な試験方法の種類 : 測定
大文字(“I”を除く)の幅及び高さをその隅から測定し,その比を計算する。
7.4.3 文字・記号の高さと線の太さとの比
適切な試験方法の種類 : 測定

――――― [JIS Z 8519 pdf 19] ―――――

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Z 8519 : 2007 (ISO 9241-9 : 2000)
大文字の線の太さ及び高さを測定し,その比を計算する。
7.4.4 文字・記号及び図記号の輝度比
適切な試験方法の種類 : 測定
文字・記号及び図記号の輝度とその背景の輝度とを測定し,輝度比を計算する。
7.4.5 タッチスクリーン : 目標の位置
適切な試験方法の種類 : 測定
ユーザーに対して垂直方向に設置したタッチスクリーンは,目標の位置が対象ユーザー群の肩の高さに
関する人体寸法データに対応しているかどうかを確認する。
ユーザーに対して水平方向に設置したタッチスクリーンは,目標の位置が対象ユーザー群のひじの高さ
に関する人体寸法データに対応しているか又はその位置よりも低いかどうかを確認する。
7.4.6 文字の寸法及び輝度比
適切な試験方法の種類 : 観察
JIS Z 8515に準拠しているワークステーション設備を使用し,文字の寸法及び輝度比がJIS Z 8513,JIS
Z 8517,JIS Z 8518又はJIS Z 8528-2の該当する要求事項に準拠しているかどうかを確認する。

8. 適合性

 この規格との適合は,6.の要求事項すべてを満足するかどうかで決定する。6.の要求事項は,
その要求事項を満たすかどうかを試験する方法とともに,7.に規定してある。

――――― [JIS Z 8519 pdf 20] ―――――

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JIS Z 8519:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9241-9:2000(IDT)

JIS Z 8519:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8519:2007の関連規格と引用規格一覧