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単位℃
種類 温度範囲 精度
0.5 0100 ±0.2
−500, 100300 ±0.3
300360 ±0.5
白金抵抗温度計 −260+660 ±0.02±0.005
±0.01±0.001
温度定点において
熱電温度計(R熱電対) 01 100 ±1
1 1001 500 ±3
温度定点において
±0.2
付表14 一般に用いられている定点法
定点 温度値 装置・方法 適用する主な 特徴 期待できる精度
(℃) 温度計の種類
窒素の沸点 −195.798 魔法瓶 白金抵抗温度計 比較装置として利用されている。
酸素の沸点 −182.954 精度は良くない。
氷点 0 魔法瓶 実現が容易である。
白金抵抗温度計 ±0.003±0.01℃
水の沸点 99.974 沸点装置 ガラス製温度計
気圧の影響がある。 ±0.01℃
水の三重点 0.01 定点セル 準備に時間を要する。
白金抵抗温度計 ±0.000 2±0.001℃
ガリウムの 29.764 6 定点セル及 熱電温度計 準備に時間を要する。 ±0.001±0.005℃
融解点 び恒温槽
すずの凝固点 231.928 金属の凝固点 精度の推定が容易。 ±0.001±0.1℃
亜鉛の凝固点 419.527 (るつぼ法)
アルミニウ 660.323 ±0.1±0.3℃
標準の維持,素線の受入れ検査
ムの凝固点 などにも利用できる
銀の凝固点 961.78
金の融解点 1 064.18 金属線溶融法 熱電温度計 実現が容易。 ±0.5±2℃
パラジウム 1 554 (B熱電対,R
の融解点 熱電対,消耗形
白金の融解点 1 768 熱電対)
付表15 果体炉の種類,温度範囲及び標準温度計の種類
種類 温度範囲 標準温度計の種類
(℃)
標準黒体炉 低温域 −50+300 ガラス製温度計
白金抵抗温度計
中温域 300500 白金抵抗温度計
比較黒体炉 中温域 400500 0.9 計
高温域 8001 500 0.9 計
0.65 計
超高温域 1 0003 000 0.65 計
光高温計
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附属書 接触式温度計の校正方法
1. 適用範囲 この附属書は,接触式温度計の校正方法について規定する。
2. 用語の定義 この附属書で用いる用語の定義は,本体による。
3. 比較法による温度計の校正 比較法には,温度範囲によって次の方法がある。
(1) −l00+650℃の温度範囲では,本体付表12に示す恒温槽内に標準温度計と校正しようとする温度計
とを入れ,均一な温度になるようにかくはんして校正する。
(2) −100℃未満の温度範囲では,液体温槽を用いることが容易でないため,真空容器中に保持した銅塊を
冷凍機,液体窒素などを用いて冷却し,この銅塊に設けた温度計用の穴に温度計の検出部を挿入して
校正する。この場合,銅塊と検出部との間に良い熱接触が得られるようにする。
(3) 酸素の沸点近傍の温度では,温度計用の穴をあけた銅塊を魔法瓶につるし,液体酸素又は液体窒素を
使って徐々に冷却する。十分に冷却した後,液体酸素又は液体窒素を魔法瓶に満たし,温度計の検出
部を銅塊の穴に挿入して校正する。
なお,液体窒素は減圧することによって,約−200℃まで校正できる。液体酸素を減圧することは危
険である。
(4) 熱電対は,200℃以上の温度では,温度の均一な管状電気炉を用いて校正することができる。この場合
は,標準熱電対と校正しようとする熱電対との測温接点を熱的によく接触させる。ただし,貴金属熱
電対と卑金属熱電対とを同じ保護管に入れてはならない。
4. 定点法による温度計の校正 定点法では,本体付表14に示す温度定点の幾つかを実現して温度計を校
正する。温度定点は,使用する試料物質の純度,実現装置及び実現方法が適切であることが必要である。
これらの条件は,複数の試料を用いて定点を実現したり,実現条件を変えることなどによって推定する。
簡便な方法としては,標準温度計を用いて実現した定点の温度値を確認しておく方法もある。
比較的実現しやすく,一般的に採用されている定点及びその実現方法を次に示す。
(1) 氷点 氷点 (0℃) は,標準大気圧下にある水と氷の平衡状態である。取扱いを注意することによって,
±0.003℃の精度が得られる。氷点は容易に実現でき,ほとんどの温度計に対して用いることができる。
氷点を簡便で,良い精度で実現するには例えば次の方法がある。
市販の氷の透明な部分をよく洗い,細かく削り,適当な大きさの魔法瓶に詰める。この氷にほぼ0℃
に冷やした蒸留水を加え,その水面の高さを温度計の検出部の上端より少し高めにする。
なお,氷点を良い精度で実現するためには,次の注意が必要である。
(a) 水に不純物が溶け込まないようにする。特に素手で氷や水を扱わない。
(b) 魔法瓶の上部では熱の流入のために氷がと(融)け,温度計の周囲にすき間が生じることがあるた
め,適宜氷を追加する。
(c) 魔法瓶の下部には氷が溶けた水がたまるため,適宜取り除く。
(2) 水の沸点 水の沸点 (99.974℃) は101.325kPaの水蒸気と水との平衡状態である。一般に動的な方法,
すなわち,容器内で水を定常的に沸騰させる方法が用いられている。沸点を良い精度で実現するため
――――― [JIS Z 8710 pdf 17] ―――――
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には,次の注意が必要である。
(a) 蒸留水を用い,最初は強く沸騰させ,装置内の空気と水の中の空気を十分に除去する。
(b) 測定時には沸騰の強さを調節し,検出部の位置及び沸騰の強さを変化させても指示値が変化しない
状態にする。
(c) 装置内の蒸気の圧力を直接測定するか,この蒸気の圧力と平衡した気体(空気など)の圧力を測定
する。
(d) 温度計の検出部が過熱状態の蒸気に直接触れないようにする。
(3) 水の三重点 水の三重点 (0.01℃) は,純粋な水の液相,気相,固相が共存する温度である。一般に水
の三重点セルと呼ばれるガラス製セルで実現され,±0.001℃より良い精度が得られる。
水の三重点セルは,一般に次の手順で準備して使用する。
(a) セル全体を約0℃にする。
(b) 温度計を挿入するウェルの水分を取り除き,ドライアイスの粉末をウェルに入れ,三重点セルの水
面まで満たす。
(c) 過冷却の後,ウェルの周囲に氷が付き始める。この状態で常にドライアイスの粉末がウェルを満た
すように補給しながら,必要量の氷がセル内にできるまで継続する。
(d) この過程でセルの上部の水面が凍るため,常時監視しながら,この氷を溶かすようにする。
(e) 使用する際には,0℃の水をウェルに入れ,0℃より少し温度の高い温度計などをウェルに入れ,ウ
ェルに沿って薄い液相を作る。
なお,三重点の状態はセルの上部の部分であり,温度計の検出部はウェルの底にある。この部分
は液相と固相との平衡状態であり,三重点の温度とは異なる。ウェルに沿っての温度tは,液深h
に対して,
t=A+B・h
で近似できる。ここで,A=0.01℃,B=−7.3×10-4K・m-1である。
(4) 金属の凝固点(るつぼ法) 標準大気圧下での金属の液相と固相との熱平衡状態である。この熱平衡
状態は,融解しつつある状態又は凝固しつつある状態で実現できるが,試料純度の影響が少ない凝固
過程を利用することが多い。
温度計用の穴を中央部に備えたるつぼに高純度の試料金属を入れて,電気炉中で加熱又は冷却する
ことによって,融解曲線又は凝固曲線を観測して,その平たん部を融解点又は凝固点とする。融解点
と凝固点との温度差は,試料の純度が99.99%以上である場合は,±0.03℃で一致する。
通常は,内径3050mm,長さ150200mm程度の高純度黒鉛製のるつぼを用い,測定時の加熱又
は冷却の速さは1℃/min以下で融解又は凝固曲線を観測する。
なお,実際に温度計を校正するには,できる限り検出部の近くに液相と固相との境界面を作り,検
出部を囲むように工夫する。
また,凝固点を良い精度で実現するためには,次の注意が必要である。
(a) 試料金属によっては凝固の際に著しい過冷却を起こすので,試料の一部を急冷するなど適当な刺激
によって固体の生成を促進する。
(b) 一般に,試料金属が酸化すると融解点,凝固点とも降下するため,不活性気体などを用いて酸化を
防止する。
(c) 温度計の挿入長さを変えることによって,温度計の検出部が相平衡温度と熱平衡にあることを確認
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する。
(5) 金属線溶融法 これは,金属の融解を利用した熱電対の校正方法の一つである。校正しようとする熱
電対の素線の先端間に金属線を接続し,この測温接点を温度分布が一様で温度が上昇中の電気炉に入
れ,試料金属が融解する際に熱電対の熱起電力の変化が一定になることを利用して校正する方法であ
る。
金属線溶融法は,特に,金又はパラジウム点でR熱電対を校正する際に用いられ,±2℃より良い
精度が得られる。純度99.99%以上の金又はパラジウムの細線(長さ45mm,線径0.5mm程度)を校
正しようとする熱電対の素線(線径約0.5mm)の先端間に接続し,この測温接点を温度が一様な電気
炉に入れて温度を上げる。試料金属の融解点に近づいたら,温度の上昇速度を10℃/min以下にする。
温度が試料金属の融解点に達すると試料金属は溶ける。この間に観測される熱起電力が一定となる状
態が試料金属の融解点である。
なお,この方法を精度良く実現するためには,次の注意が必要である。
(a) 電気炉の炉心管は,高アルミナ質などを用い,有害な気体による熱電対及び金線又はパラジウム線
の汚染を防ぐ。
(b) 熱電対の汚染変質を少なくするため,あらかじめ炉の温度を上げ,融解点より100℃程度低い温度
に達したときに熱電対を炉内に入れる。
(c) 熱電対の測温接点の接続は,線を平行に保ち,酸素を過剰にした炎による溶接,電気溶接又は圧着
による。
(d) 炉の温度が1 0001 600℃の範囲で,炉のほぼ中央では軸方向20mmの範囲において3℃以下の温
度差であること。
関連規格 JIS B 7410 石油類試験用ガラス製温度計
JIS B 7411 ガラス製棒状温度計(全浸没)
JIS B 7412 ガラス製二重管温度計
JIS B 7413 浸没線付ガラス製水銀棒状温度計
JIS B 7527 温度計(木製板付)
JIS B 7528 水銀充満圧力式指示温度計
JIS B 7529 蒸気圧式指示温度計
JIS B 7542 工業用バイメタル式温度計
JIS C 1601 指示熱電温度計
JIS C 1602 熱電対
JIS C 1603 指示抵抗温度計
JIS C 1605 シース熱電対
JIS C 1610 熱電対用補償導線
JIS C 1611 サーミスタ測温体
JIS R 1401 熱電対用非金属保護管
JIS R 1402 熱電対用非金属絶縁管
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8704 温度測定方法−電気的方法
――――― [JIS Z 8710 pdf 19] ―――――
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Z 8710-1993
JIS Z 8705 ガラス製温度計による温度測定方法
JIS Z 8707 充満式温度計及びバイメタル式温度計による温度測定方法
――――― [JIS Z 8710 pdf 20] ―――――
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JIS Z 8710:1993の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.200 : 熱力学及び温度測定 > 17.200.20 : 温度測定機器
JIS Z 8710:1993の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0903:1983
- 一般用電気機器の防爆構造通則
- JISC1604:2013
- 測温抵抗体
- JISC1606:1955
- ポケット放射線量計
- JISC1606:1989
- シース測温抵抗体
- JISC1612:2000
- 放射温度計の性能試験方法通則
- JISZ8103:2019
- 計測用語
- JISZ8706:1980
- 光高温計による温度測定方法