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Z 8830 : 2013 (ISO 9277 : 2010)
6.2 実験条件
測定精度は,次の条件の制御に依存している。
a) 吸着質ガスの温度又は飽和蒸気圧p0を分析の間測定することが望ましい。
b) 容積の校正又はキャリヤガスに使用するヘリウムガス及び吸着質の純度は,体積比率99.99 %以上が
望ましい。必要に応じて,窒素ガス中の酸素を除去するなど,それらのガスを乾燥及び精製すること
が望ましい。
c) 測定温度での吸着質の飽和蒸気圧p0は,窒素蒸気圧温度計で直接決定するか,冷却槽温度の測定によ
って決定される。
d) 結果の正確さは注意深いサンプリング及び試料調製方法に依存する。
非連続静的法では,BET式が適用できる相対圧範囲(一般的に0.050.3)で,4点以上の平衡点を測定
することが望ましい。連続測定法の場合,ガスの供給をしばしば中断させるか,又は非連続法を用いた対
照実験を行うことで,平衡からのずれを確認しなければならない。
6.3 吸着ガス量の測定方法
6.3.1 静的容量法
静的容量法では,吸着温度に制御された試料容器に所定量のガスを導入する(図6参照)。試料表面にガ
スの吸着が起こり,吸着平衡に達するまで試料容器の圧力は降下する。平衡圧力での吸着量は,導入した
量とガスとして残っている量との差である。系内の圧力は温度及び体積とともに測定する。系内の容積は
ヘリウムのような不活性ガスの膨張によって最も容易に決定できる。フリースペース容積は,吸着等温線
測定前又は後に測定される。系内の容積の校正は,測定温度でヘリウムを用いて行われる。物質によって
はヘリウムを吸着又は吸収する可能性があるので注意することが望ましい。この場合,吸着等温線の測定
後に補正することができる。フリースペース容積の測定を吸着の測定と分けて行うことができるなら,ヘ
リウムの使用を避けることができる。試料導入前の空の試料容器の容積は窒素を用いて周囲温度(室温)
で測定される。その後,ブランク実験(空の試料セルを含む)は吸着測定と同じ実験条件(温度及び相対
圧)で行われる。この場合は試料体積の補正が必要で試料密度を入力するか,又は(窒素の吸着効果が無
視できるとき)吸着測定開始時の周囲温度での窒素を用いた密度測定結果から試料体積を補正する。同一
形状で同一体積をもつ参照容器と試料容器とを差圧計で接続するなど,フリースペース容積の測定を省略
できる方法もある。吸着量測定及びフリースペース容積の測定で,特に補償手段が確立されていない場合,
冷却槽の液面は試料の上方15 mm以上であり液面の変動範囲を1 mm以内に保持することを推奨する。
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Va 体積比吸着量 4 真空計
p/p0 相対圧 5 容積既知のガスだめ
1 試料 6 飽和蒸気圧管
2 冷却槽 7 吸着質
3 真空ポンプ 8 フリースペース容積測定用ガス(例 ヘリウムガス)
図6−静的容量法
6.3.2 連続容量法
連続容量法(フロー容量法とも呼ぶ。)は静的容量法と似ているが,その違いは,一連のバッチ式のガス
導入ではなく,相対的に低流量でガスが連続的に供給されることである。この方法では,セルの圧力は流
量制御下で測定される。吸着量は,キャリブレーションで使用されるヘリウムのような非吸着性ガスと,
用いた吸着質ガスとの圧力上昇速度の比較によって決定する。吸着したガスの量を直接決定する他の方法
は,吸着質ガスが導入された同体積の参照及び試料容器の圧力差を測定することである。所定体積の吸着
質ガス容器が流量制御弁を介して試料容器に接続され,もう一つの吸着質ガス容器はサンプルなしの参照
容器に接続される。ガスが連続的に導入されるため,ある条件下では,静的容量法よりも短い時間で分析
が完了する。しかし,吸着が常に平衡に近い状態となるように流量を十分に低くするように特に注意する。
フリースペース容積の決定と冷却槽の液面制御とについては,6.3.1と同じように実施することを推奨する。
6.3.3 重量法
連続重量法では,ミクロ天びん(図7参照)を用い,試料保持部のガス圧力の関数として吸着したガス
の質量を測定する。吸着等温線の測定の前に,室温下,吸着質中での天びん及び試料の浮力を測定してお
くことが望ましい。等比天びんを用いれば,天びんの浮力は相殺され,試料と同じ密度でかさばらない小
形のおもりを用いることで試料の浮力も補償される。試料が温度計と接していないので,試料温度が測定
温度であることを保証する必要がある。試料温度をモニタすることが望ましい。
約1 Paで熱気体流による揺動が最大となるので,等温線のゼロ点は,10−2 Pa以上の真空度で測定する
ことを推奨する。非連続重量法では,吸着質は段階的に導入され,試料質量が一定値に達するまで,吸着
質圧力が保持される。
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ma 比吸着質量 3 真空ポンプ
p/p0 相対圧 4 圧力計
1 試料 5 天びん
2 冷却槽 6 吸着質
図7−重量法
6.3.4 キャリヤガス法
キャリヤガス法(流動法,動的流動法とも呼ぶ。)では,非吸着性ガス(ヘリウム)中に既知濃度[窒素
の場合,BET式適応範囲である530 %(体積分率)]の吸着質ガスの入った一連の混合ガスを,試料容器
に入れた試料表面へ一定流量で流す(図8参照)。試料容器を冷媒(液体窒素など)の入った冷却槽で冷却
すると,吸着質が試料に吸着した結果,混合ガス中の吸着質濃度が減少する。試料容器の前後でガス濃度
検出器(通常は,熱伝導セル)によって時間関数として記録すると,吸着前後の混合気ガス濃度の差に応
じて検出器の信号にピークを生じる(図8参照)。試料表面の吸着が平衡状態に達すると,検出器の信号は
ベースラインに戻り安定する。検出器の信号がベースラインに戻ったことを確かめた後,試料容器から冷
却槽を外すと脱離ピークが記録される。脱離ピークの方がシャープで正確に積分でき,最初に吸着したガ
ス量の評価に適している。測定時の熱拡散によって信号に乱れが生じないように注意しなければならない。
測定の前又は後で,既知容積の純粋な吸着質を注入して検出器を校正することが必要である。検出器のピ
ーク積算値と吸着量との関係から線形補正するか,又は測定ピークと検量ピークとが同程度の大きさにな
るように検量ガス容積を選択することが望ましい。
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Z 8830 : 2013 (ISO 9277 : 2010)
y 検出器信号 1 試料
t 時間 2 冷却槽
A 吸着 3 ガス濃度検出器
B 脱着 4 ガス混合器
C ベースライン
図8−キャリヤガス法
7 吸着データの解析
7.1 概要
ガス吸着量naは,mol g−1表記が推奨され,これを縦軸にプロットし,横軸に相対圧p/p0を取ってグラ
フ化することで吸着等温線が得られる。単分子層比吸着量nmはBET式(1)によって計算される。
p p0 1 C 1
p p0 (1)
na 1 p p0 nmC nmC
注記 改良式は,BETパラメータCのほかに,表面上の層数を限定する追加パラメータを含む(参考
文献[10])。IUPACが推奨する2-パラメータのBET式(1)は吸着層数が無制限であるが(参考文
献[11]),メソ細孔材料に関しては同程度の結果を与える。
7.2 多点法
p p0
BETプロットのグラフでは,横軸p/p0に対して を縦軸としてプロットする(図9参照)。こ
na 1 p p0
のプロットは相対圧0.050.3の範囲でy=a+bxの直線を与えることが望ましく,切片aは正でなければ
y C 1 1
ならない。傾き b ,切片 a は直線回帰によって決定される。単分子層比吸着量nmは式
x nmC nmC
(2)から,BETパラメータCは式(3)から得られる。
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1
nm (2)
a b
愀
C 1 (3)
p p0 1 多点法BETフィッティング
y BET式の左辺
na 1 p p0 2 一点法BET線
p/p0 吸着質ガスの相対圧 3 実験データ点
a 縦軸切片 4 一点法用に選択したデータ点
Δx 横軸変化量(傾き計算用)
Δy 縦軸変化量(傾き計算用)
図9−BETプロット
比表面積asは,m2 g−1で表され,完成単分子層内における分子断面積を与えることで,その単分子層比
吸着量から計算される。
as 10 18
nmamL (4)
注記 対応国際規格の式は,as=nmamLであるが,表1の記号で示される単位を各量に対して用いる
ときには,それらの数値部分の間には上記の関係が成り立つために,asの数値部分の算出に当
たってこの係数を用いるべきことを明記した。
77.3 Kの窒素の分子断面積,すなわち,占有断面積はam=0.162 nm2が推奨され,式(4)は式(5)となる。
as .976 10 4 nm
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ここに, nm : mol g−1
無孔性球状試料に関して,比表面積asは式(6)で表される。
3
3 10
as (6)
rs
rsは球状試料の平均半径,ρは密度である。
3
注記 対応国際規格の式は, as であるが,表1の記号で示される単位を各量に対して用いると
rs
きには,それらの数値部分の間には上記の関係が成り立つために,asの数値部分の算出に当た
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- ISO 9277:2010(IDT)
JIS Z 8830:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 19 : 試験 > 19.120 : 粒度分析.ふるい分け
JIS Z 8830:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8833:2011
- 粒子特性を評価するための粉体材料の縮分