JIS Z 8890:2017 粉体の粒子特性評価―用語 | ページ 3

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Z 8890 : 2017
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4006 妥当性評価, validation
標準物質を用いて測定したときに,測定手順が全ての項目で規定ど
バリデーショ おりであることの確認。 [7.6]

e) 粉体粒子の表面積,細孔及び密度の測定
1) ガス吸着・表面積
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5101 吸着 固体の外部表面及び吸着可能な内部表面上での吸着質の濃縮現象。 adsorption
[3.37]
5102 物理吸着 physisorption
圧力又は温度の小さな変化に対して可逆的である,弱い結合による
吸着。 [3.47]
注記 弱い結合はファンデルワールス力による。
5103 等温線 adsorption isotherm
一定温度における吸着量と吸着質ガス(adsorptive)の平衡圧力との
関係。 [3.40]
5104 フリースペー free space
試料管及び配管がもつ容積から吸着材が占める体積を除いた空間。
ス 注記 ヘッドスペース,デッドスペース又は死容積ともいう。 [3.2]
5105 equilibrium
平衡吸着圧力 吸着した状態の吸着質(adsorbate)と平衡にある気相中の吸着質
(adsorptive)の圧力。 adsorption pressure
[3.39]
5106 飽和蒸気圧 吸着温度で液化する吸着質の蒸気圧。 saturation vapour
pressure
[3.45]
5107 相対圧 飽和蒸気圧力p0に対する平衡吸着圧力pの比。 relative pressure
[3.43]
5108 吸着量 amount adsorbed
ある圧力p及び温度Tにおいて吸着したガスのモル数(物質量)。
[3.35]
5109 単分子層吸着 monolayer amount
吸着材表面上に単分子の層を形成するときの,吸着質のモル数。
量 [3.41]
5110 単分子層吸着 monolayer capacity
標準状態の温度及び圧力(standard temperature and pressure,STP)で
容量 のガスとして表現される,単分子層吸着量の体積相当量。 [3.42]
5111 体積吸着量 volume adsorbed
標準状態の温度及び圧力(STP)でのガスとして表現される吸着量
[3.46]
の体積相当量又は吸着質(adsorbate)の液体体積として表現される
吸着量の体積相当量。
5112 吸着材 表面で吸着が起こる固体物質。 adsorbent
注記 吸着剤ともいう。 [3.36]
5113 吸着質 adsorbate,
吸着した状態の物質(adsorbate),及び吸着されるガス又は蒸気
(adsorptive)。 adsorptive
[3.34], [3.38]
注記 対応英語では“adsorbate”と“adsorptive”とが区別されてい
るが,日本語では両者を吸着質としている。
5114 分子断面積 単分子層で吸着した状態にある吸着質が占有する面積。 molecular
cross-sectional area
[3.1]
5115 表面積 surface area
規定の方法及び記載した条件で決定された有効表面積の大きさ。
[3.28]
注記 この規格では,表面積は,固体の外部表面及び吸着可能なマ
クロ,メソ及びミクロ細孔の内部表面を含む。
5116 比表面積 試料の表面積を試料質量で除したもの。 specific surface area
[3.3]
5117 外部表面積 表面粗さを含み,細孔の面積を含まない外表面の面積。 external surface area
注記 表面粗さは,その径より浅い細孔を指す。 [3.9]

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Z 8890 : 2017
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5118 内部表面積 細孔壁の全面積。 internal surface area
[3.12]
2) 細孔分布
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5201 マクロ細孔 50 nmを超える大きな径をもつ細孔。 macropore
注記 マクロ孔又はマクロポアともいう。 [3.15]
5202 メソ細孔 2 nm50 nmの径をもつ細孔。 mesopore
注記 メソ孔又はメソポアともいう。 [3.16]
5203 ミクロ細孔 2 nm以下の径をもつ細孔。 micropore
[3.17]
注記 ミクロ孔,ミクロポア,マイクロ孔,マイクロ細孔又はマイ
クロポアともいう。
5204 細孔径, 円筒型細孔の直径又はスリット型細孔の対壁間の距離。 pore size
気孔径 [3.20]
注記1 細孔径を測定する方法には,水銀圧入法及びガス吸着法が
ある。
注記2 粒子内の空間に対して,水銀圧入法では“気孔”が,ガス
吸着法では“細孔”が,主に使われている。
5205 細孔容積, 定められた方法によって決定される細孔(気孔)の容積。 pore volume
気孔容積 [3.21]
5206 気孔率 固体が占める全体積に対する開気孔及び空隙の体積の割合。 open porosity,
porosity
[3.19], [3.24]
5207 粒子内気孔率 固体によって占められる全体積に対する粒子の開気孔の体積割合。 intraparticle porosity
[3.13]
5208 interparticle porosity
粒子間気孔率 粒子又は粒子集合体の見掛け体積に対する粒子間の空間体積の割
合。 [3.14]
注記 見掛け体積は,粒子間空間,開気孔及び閉気孔を含めた試料
の全体積である。
5209 全気孔率 total porosity
固体,空隙及び細孔によって占有される全体積に対する空隙,開気
孔及び閉気孔を加えた容積の割合。 [3.31]
注記 JIS Z 2500:2000 [19]の4. (3419)では,気孔率という。
5210 開孔, 外部表面に通じている細孔(気孔)。 open pore
開気孔 注記 開放気孔ともいう[19]。 [3.18]
5211 閉気孔 外部表面に通じていない空洞。 closed pore
注記 閉鎖気孔ともいう[19]。 [3.7]
5212 閉塞孔 外部表面とただ一つの連結をもつ細孔。 blind pore,
注記 非貫通孔ともいう。 dead-end-pore
[3.6]
5213 連結細孔 一つ又は多数の他の細孔と結び付いた細孔。 interconnected pore
[3.11]
5214 貫通孔 通路が試料を貫通している細孔。 through pore
注記 閉塞孔と区別する場合に用いる。 [3.30]
5215 インクボトル 内部の細孔径より,入口の径が小さい開孔。 ink bottle pore
型細孔 [3.10]
5216 垂直シリンダ 表面に垂直な円筒状の細孔。 right cylindrical pore
型細孔 [3.44]
5217 空隙 粒子と粒子との間の空間,すなわち粒子間の気孔。 void
[3.33]

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番号 用語 定義 対応英語(参考)
5218 多孔体 細孔又は気孔を多くもつ固体。 porous solid
[3.25]
注記 細孔又は気孔とは,径よりも深い空洞又は幅よりも深い溝の
ことで,浅いものは,表面粗さとする。
5219 porosimeter
ポロシメータ, 水銀圧入法によって,気孔率及び気孔径(細孔径)分布を測定する
水銀圧入法測 装置。 [3.22]
定装置
5220 水銀圧入法 porosimetry
水銀を圧入することによって,気孔率及び気孔径(細孔径)分布を
評価する方法。 [3.23]
5221 表面張力 固体材料又は同じ液体の膜から,液体の膜をがすために必要なsurface tension
力。 [3.29]
5222 接触角 contact angle
ぬれない液体の表面が,固体材料と接触するところでなす角度。
[3.8]
3) 密度
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5301 真密度, true density,
粒子の質量を,開気孔及び閉気孔を除く粒子の体積で除したもの。
粒子真密度 注記 番号8005“粒子真密度”の定義と同じ。 true particle density
[3.32]
5302 見掛け密度 apparent density
閉気孔及び水銀圧入法によって測定不可能な気孔を含む試料の全
体積で粉体の質量を除したもの。 [3.4]
注記1 粒子有効密度と同じ。
注記2 水銀圧入法では,圧入圧力を変えることで,粉体層内の粒
子空間及び粒子内の径の異なる細孔容積を測定することが
できる。したがって,圧入圧力を指定すると,様々な見掛
け体積が求められる。
5303 かさ密度 定義された条件下での粉体の密度。 bulk density
注記1 一定容積内に充した粉体質量を,容積で除した値。 [3.5]
注記2 一定容積内に軽く充した質量を空間容積で除した値を,
緩みかさ密度という。また,一定容積内に振動などによっ
て固く充した質量を容積で除した値を,かためかさ密度
という。
5304 粉体密度 powder density
粉体の質量を見掛け体積で除した値。見掛け体積は,開気孔及び閉
気孔を含めた試料の全体積をいう。 [3.26]
5305 骨格密度 skeleton density
粉体の質量を,閉気孔を含むが,開気孔を除いた試料の全体積で除
した値。 [3.27]
f) 液中粒子分散系の特性評価
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6001 分散系 dispersion
不連続な相(固体,液体又は気体の連続相)が異なる成分,又は状
態の連続相に分散している,微視的には多相の系。 [16.5]
注記 固体粒子が液中に分散されている場合,分散液を懸濁液(サ
スペンション)という。分散が,二つ又はそれ以上の液相で
形成されている場合の分散液を乳濁液(エマルジョン)とい
う。また,乳懸濁液(サスポエマルジョン)は,固相及び液
相が液の連続相に分散した状態のことをいう。
6002 沈降 sedimentation
連続相に比べて分散粒子の密度が高いことによって生じる,分散相
の分離。 [16.11]
注記 容器の底に蓄積した分散相は,重力沈降が起こった証明とな
る。

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Z 8890 : 2017
番号 用語 定義 対応英語(参考)
6003 creaming
クリーミング 連続相に比べて分散相(液滴)の密度が低いために生じた,乳濁液
中での分散相の浮上(分離)。 [16.4]
注記 クリーミング速度は,粒子運動とは逆の作用力のため,負符
号をもつ。
6004 分散安定性 dispersion stability
時間の経過に対して,分散の特性(状態)の変化又は変動に抗する
[16.6]
特性。与えられた時間内において,分散状態が変化しない性質。
注記 この観点からみると,弱凝集又はクリーミングは,分散安定
性が失われたことを示す。
6005 相分離 phase separation
巨視的に均一な懸濁液,乳濁液又は泡状物質が,巨視的に二つ以上
の相に分離する過程。 [16.10]
6006 融合, coalescence
接触による二つの粒子(通常は,液滴又は気泡)間の境界の消失,
合一, [16.3]
又は二つの粒子のいずれかとバルク相間との境界の消失によって,
合体 形状が変化し,全体の表面積が減少すること。
注記 乳濁液の凝集又は凝結の後に,融合を伴うことがある。
6007 オストワルド 小粒子の溶解,及び溶解した溶質の大粒子表面への再析出。 Ostwald ripening
熟成 [16.8]
注記 小粒子は,大粒子と比較して,高い界面エネルギーをもつた
め,溶解性が高い。
6008 転相 phase inversion
容積比及び投入エネルギーなどの系の特性によって決まる条件下
[16.9]
で,液−液分散系(乳濁液)における分散相と連続相とが,自発的
に逆転する現象。
6009 浮選, flotation
粒子有効密度が連続相に比べて相対的に低いとき,液連続相の上部
浮遊選鉱 へ分散された固相が,泳動すること。 [16.7]
注記 一般には,疎水性粒子を気泡に付着させて浮上させ,親水性
粒子と分離する操作を浮選又は浮遊選鉱という。
6010 弱凝集 agglomeration,
分散系における粒子集合体が,弱い物理的相互作用によって,緩や
かな相互干渉をもつ構造を形成する過程。 coagulation,
注記1 弱凝集は,可逆過程である。 flocculation
[16.1]
注記2 対応英語の“flocculation”は,高分子電解質などの凝集剤
の添加によって,弱凝集を促進することを示す用語の同義
語として,用いられることが多い。
6011 強凝集 粒子集合体が強く結集している構造を形成する過程。 aggregation
注記1 強凝集は,不可逆過程である。 [16.2]
注記2 強凝集体を形成させる力は,例えば,共有結合又は焼結若
しくは複雑な物理的絡み合いに由来する強い力である。
注記3 一般的に,強凝集と弱凝集とは,区別なく又は逆の意味で
用いられることが多い。
6012 貯蔵寿命 shelf life
貯蔵・流通・保管・利用段階において,分散系製品の期待された(又
は決められた)状態が,仕様として許容される期間。 [16.12]
g) 界面電気現象
1) 電気二重層
番号 用語 定義 対応英語(参考)
7101 電気二重層, electric double layer,
液体と接している物体表面上又は付近に形成される,電荷の空間分
EDL 布。 EDL
注記 電気二重層は,固定層と拡散層とからなる。 [17.1]
7102 グーイ・チャ 電気二重層を表現するモデル。 Gouy-Chapman-Stern
ップマン・ model
注記 このモデルは,拡散領域の定量的な取扱いを示したグーイ・
シュテルン [17.1.9]
チャップマンモデル,及び拡散領域と内部領域との境界が存
モデル 在することを示したシュテルンモデルからなる。

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Z 8890 : 2017
番号 用語 定義 対応英語(参考)
7103 デバイ・ヒュ 電気二重層における小さな電位差を仮定したモデル。 Debye-Hckel
ッケル近似 approximation
[17.1.1]
7104 デバイ長, 電解質溶液中での電気二重層の特性長さ。 Debye length,
κ-1 注記1 電気二重層厚さともいう。 κ-1
注記2 電荷による影響が小さくなる距離を示す。 [17.1.2]
注記3 単位記号 : nm
7105 electric surface
表面電荷密度, 液体中のイオンの特異的な吸着又は表面解離基による,単位面積当
σ たりの界面の電荷。 charge density,
注記 単位記号 : C/m2 σ
[17.1.6]
7106 表面電位, 表面から十分離れた液体部分を基準にした表面の電位。 electric surface
Ψs 注記 単位記号 : V potential,
Ψs
[17.1.7]
7107 シュテルン電 特異的にイオンが吸着した層の外部境界上の電位。 Stern potential,
位, 注記 単位記号 : V Ψd
Ψd [17.1.12]
7108 すべり面, slipping plane,
液体がせん断応力の影響で表面に対して滑る,液体・固体界面付近
せん断面 の概念的な面。 shear plane
[17.1.11]
7109 ゼータ電位, すべり面上と表面から十分離れた液体部分との電位差。 zeta-potential,
界面動電位, 注記 単位記号 : V electrokinetic
ζ potential,
ζ-potential,
ζ
[17.1.8]
7110 等電点 isoelectric point
分散した粒子のゼータ電位がゼロとなる溶液の状態。通常,pHの
値。 [17.1.10]
7111 Brownian motion
ブラウン運動 媒体分子の熱運動によって引き起こされる,液体中の懸濁粒子のラ
ンダムな運動。 [17.1.13]
7112 ドップラーシ Doppler shift
波の発生源に対して相対運動する観測者が観測する,波の周波数又
フト は波長の変化。 [17.1.14]
7113 拡散係数, 単位時間当たりの粒子の平均自乗変位。 diffusion coefficient,
D D
[17.1.3]
7114 振動粘性係数, 液体のせん断応力とせん断速度との比。 dynamic viscosity,
η η
注記1 振動粘性係数は,振動場における1周期のエネルギー損失
[17.1.5]
に対応する振動損失と角周波数との比によっても定義され
る[21]。
注記2 振動粘性係数は,せん断応力によって変形した流体の抵抗
の大きさとして用いられる。
注記3 振動粘性係数は,非圧縮性ニュートン流体の動特性を決め
る。
注記4 動的粘性率ともいう[22]。
注記5 単位記号 : Pa・s
7115 表面伝導度, 粒子表面に生じる過剰な電気伝導度。 surface conductivity,
Kσ Kσ
注記1 電気二重層のイオン分布によって,バルク電解質溶液より
伝導性が大きくなることで生じる。 [17.2.7]
注記2 単位記号 : S

――――― [JIS Z 8890 pdf 15] ―――――

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